岩見沢市街地から北海道グリーンランドを通り、
平野の奥へと進むと、田園地帯の中に洒落たレストランが現れる。
「大地のテラス」だ。
地元の農業生産法人が運営するファームレストランで、
岩見沢に住んでいる間に、なんとか一度訪れたいと思っていたが、
職場関係の送別会という形で思いがけず実現した。
レストランの裏の丘には、
使われなくなった赤い電車が展示されている。
私のレイルロード歴において、
赤い電車が身近にあった風景の記憶がないため、なぜかしら新鮮で、
と同時に、蒸気機関車が実際に運行している記憶がない私にとっては、
赤い電車の方が蒸気機関車よりもリアルにオールドな気がすると、
リアル・ゴールドを飲みながら思った。
レストランで飲食をしたのは夜だった。
電車も闇の中にあった。
なので、上の写真は、後日、休日の昼間に別途撮影してきたものだ。
こちらのメニューは、「ビュッフェ」と「シュラスコ」のみ。
ビュッフェは、そこにあるもの食べ放題で、
サラダに肉、チーズ系に、パスタ、シチュー、スイーツなど
洋食系の基本メニューがひととおり揃っている。
これがすこぶる美味しかった。
特に、セロリのサラダと鴨肉のローストだろうか、
この二品は絶品で、こればかりリピートでもいいと思った。
しかし、そうはしなかった。
なぜなら、シュラスコを食べるからだ。
シュラスコは、鉄串に大ぶりの肉を刺したまま焼き、
食べる分だけ切り落として提供されるブラジル料理。
私にとって初めての食体験であり、
どう考えても美味しいはずであり、
この機会を逃したらネクストはいつ来るかわからない、
そんな理由から特別な気持ちで楽しみにしていた。
事前に、大地のテラス経験者からアドバイスを受けていた。
シュラスコは比較的遅めに出される。
それまでにビュッフェの料理が美味しいからと、
本能の赴くままに食べていると、
シュラスコが出てくる来る頃にはそこそこ満腹になっていて、
シュラスコかあまり食べられない。
つまり、シュラスコが来るまでは、
大魔神・佐々木、中日・岩瀬のごとく
セーブ王にならなければ失敗する、という忠告だった。
このことは、飲み食い開始の際に、
レストランの方からもアナウンスされた。
私はそれに忠実に従った。
パスタ、ライス、シチュー、揚げ物など、
すぐに皿に名のせたくなる料理は幾つもあったが、
野菜、生ハム、鴨肉ローストだけでシュラスコを待った。
そしてついにシュラスコが登場。
ソーセージ、ビーフ、チキンも次から次にくる。
全部で5種類だっただろうか。
臭みがなく、旨みが引き出された肉類と、
つなぎが少なく肉感の強いソーセージ、どちらも美味だった。
もっと食べたいと思った。
もう1サイクルしてくれないかと思った。
しかしそれはかなわない。
シュラスコ・タイムは終わった。
帰りのバスで、「シュラスコの量が思ったより少なかった。
もっと食べたかった」と近隣に座っている人にこぼしたら、
「シュラスコは食べ放題だった」という複数の声が。
そうなのか。
そうだったのか。
そんな情報提供はあったか。
広報のあり方は適切だったか。
様々な疑念と後悔を抱いて、雪解けが進む夜の田園の中をバスは走った。
ビュッフェ経験値が低い私の感想ではあるが、
これまで訪れたビュッフェの中で一番美味しかった。
再訪するならば、昼間にビュッフェ・オンリーでいいかと。
ちなみにランチ料金は、ビュッフェのみで1,620円、
これにシュラスコをつけると2,700円だ。
ランチとしては値が張るが、それだけのサティスファイがある。
フィジカルだけではなく、エモーショナルな部分も
充足されるだろう。
郊外の田園の中にある瀟洒なレストラン。
何となく村上春樹氏の小説に出てきそうなロケーションにも思えた。
彼は私のシュラスコ失敗談をどう描くだろう。
国道12号線から岩見沢市街地へ向かう途中にある蕎麦屋で
「もつそば」を食べたかった。
しかし年上のガールフレンドは、
田園の中にあるレストランに行きたいと言った。
ミスター・タンブリンマンが流れるマツダ・ロードスター。
右にハンドルを切る、好むと好まざるとにかかわらず。
彼女の笑顔が見られる可能性に満ちているとき、
それをやり過ごして通り過ぎるのはとても難しいことだ。
シュラスコが食べ放題だと知ったのは店を出た後だった。
やれやれ、メニュー表に書かれたメモを隅から隅まで
目を通しておくべきだった。
しかし完璧なシュラスコ対応などといったものは存在しない。
完璧な絶望が存在しないようにね。
平野の奥へと進むと、田園地帯の中に洒落たレストランが現れる。
「大地のテラス」だ。

岩見沢に住んでいる間に、なんとか一度訪れたいと思っていたが、
職場関係の送別会という形で思いがけず実現した。
レストランの裏の丘には、
使われなくなった赤い電車が展示されている。

私のレイルロード歴において、
赤い電車が身近にあった風景の記憶がないため、なぜかしら新鮮で、
と同時に、蒸気機関車が実際に運行している記憶がない私にとっては、
赤い電車の方が蒸気機関車よりもリアルにオールドな気がすると、
リアル・ゴールドを飲みながら思った。
レストランで飲食をしたのは夜だった。
電車も闇の中にあった。
なので、上の写真は、後日、休日の昼間に別途撮影してきたものだ。
こちらのメニューは、「ビュッフェ」と「シュラスコ」のみ。
ビュッフェは、そこにあるもの食べ放題で、
サラダに肉、チーズ系に、パスタ、シチュー、スイーツなど
洋食系の基本メニューがひととおり揃っている。


これがすこぶる美味しかった。
特に、セロリのサラダと鴨肉のローストだろうか、
この二品は絶品で、こればかりリピートでもいいと思った。
しかし、そうはしなかった。
なぜなら、シュラスコを食べるからだ。
シュラスコは、鉄串に大ぶりの肉を刺したまま焼き、
食べる分だけ切り落として提供されるブラジル料理。
私にとって初めての食体験であり、
どう考えても美味しいはずであり、
この機会を逃したらネクストはいつ来るかわからない、
そんな理由から特別な気持ちで楽しみにしていた。
事前に、大地のテラス経験者からアドバイスを受けていた。
シュラスコは比較的遅めに出される。
それまでにビュッフェの料理が美味しいからと、
本能の赴くままに食べていると、
シュラスコが出てくる来る頃にはそこそこ満腹になっていて、
シュラスコかあまり食べられない。
つまり、シュラスコが来るまでは、
大魔神・佐々木、中日・岩瀬のごとく
セーブ王にならなければ失敗する、という忠告だった。
このことは、飲み食い開始の際に、
レストランの方からもアナウンスされた。
私はそれに忠実に従った。
パスタ、ライス、シチュー、揚げ物など、
すぐに皿に名のせたくなる料理は幾つもあったが、
野菜、生ハム、鴨肉ローストだけでシュラスコを待った。


ソーセージ、ビーフ、チキンも次から次にくる。
全部で5種類だっただろうか。
臭みがなく、旨みが引き出された肉類と、
つなぎが少なく肉感の強いソーセージ、どちらも美味だった。
もっと食べたいと思った。
もう1サイクルしてくれないかと思った。
しかしそれはかなわない。
シュラスコ・タイムは終わった。


もっと食べたかった」と近隣に座っている人にこぼしたら、
「シュラスコは食べ放題だった」という複数の声が。
そうなのか。
そうだったのか。
そんな情報提供はあったか。
広報のあり方は適切だったか。
様々な疑念と後悔を抱いて、雪解けが進む夜の田園の中をバスは走った。
ビュッフェ経験値が低い私の感想ではあるが、
これまで訪れたビュッフェの中で一番美味しかった。
再訪するならば、昼間にビュッフェ・オンリーでいいかと。
ちなみにランチ料金は、ビュッフェのみで1,620円、
これにシュラスコをつけると2,700円だ。
ランチとしては値が張るが、それだけのサティスファイがある。
フィジカルだけではなく、エモーショナルな部分も
充足されるだろう。


何となく村上春樹氏の小説に出てきそうなロケーションにも思えた。
彼は私のシュラスコ失敗談をどう描くだろう。
国道12号線から岩見沢市街地へ向かう途中にある蕎麦屋で
「もつそば」を食べたかった。
しかし年上のガールフレンドは、
田園の中にあるレストランに行きたいと言った。
ミスター・タンブリンマンが流れるマツダ・ロードスター。
右にハンドルを切る、好むと好まざるとにかかわらず。
彼女の笑顔が見られる可能性に満ちているとき、
それをやり過ごして通り過ぎるのはとても難しいことだ。
シュラスコが食べ放題だと知ったのは店を出た後だった。
やれやれ、メニュー表に書かれたメモを隅から隅まで
目を通しておくべきだった。
しかし完璧なシュラスコ対応などといったものは存在しない。
完璧な絶望が存在しないようにね。
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