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まずは次のライブのお知らせを。

■日時 2018年3月17日(土)20時
■場所 LEGENDS(札幌市白石区)
■料金 1,500円(1ドリンク付き)
■出演(出演順・敬称略)
    mitsumi20:00)/激しい雨(20:40)/
    GOODSUN21:20)/MAKISHOJI22:20

よろしくお願いします。
           
さて今回はブックレヴュー。
立て続けにハズレの小説にあたったため、
先月後半から久しぶりに漫画を読んでみた。
良い作品に出会えた。

まずは小説から。

柚木麻子「BUTTER」(2017年)
 201803_02.jpg   

交際している男性が連続して不審な死に方をしたことで逮捕され、
収監されている女性と、その事件を追う週刊誌の女性記者。
収監女性は、魅力に乏しい容姿ながら、
品のある言動と料理によって、複数の男性を手玉にとった。

女性記者は、事件の真実と収監女性の実像をあぶり出すため、
刑務所で面会した際、オススメの店を聞き出しては訪ねるなど、
収監女性の嗜好に沿った生活を試みる。

痛い女の具体例や登場人物の心情の考察などは巧く描いているが、
いかんせん女性記者のキャラクターが捉えにくい。
女性記者の高校(大学)の親友を
頻繁に登場させているのも必然性に乏しく、
ストーリーの幅を無駄に広げ、焦点がぼやけた印象。
結果、文字を不必要に増やしてしまい、
読む勢いが削がれた気がした。

柚木さんの作品は、さくっとしていて読みやすく、

ストーリーをうまく転がし、きちんといいところに落とす。
すぐにでも、よく知られた賞をゲットするだろうと思っていたが、
最近の作品は、タイトルに寄せるための場面を
やや強引に盛り込ませているようなところがあり、
淀みができて、流れを悪くしているような。
この作品も、もっとサクっと、コロっと展開させれば、
と感じた。
ただ、前半から中盤にかけて、逮捕女性の嗜好をなぞることで、
心も身体も次第に変わっていく記者の様子は面白い。

野田サトル「ゴールデンカムイ」〈漫画〉

 201803_03.jpg

私のバンドのドラマーであるオダ氏がおススメしていた作品。
TSUTAYAで第10巻までレンタルして読んだ。
ちなみに第12巻まで発行されており、
現在も週刊ヤングジャンプで連載中。

明治時代末期の北海道を舞台に、アイヌが遺した金塊を探して、
日露戦争帰りの元軍人、刑務所帰りの元囚人、アイヌ民族などが、
戦い、協力し、旅をする物語。

第1巻から第3巻くらいまでは、
金塊争奪を目的とした硬派な描写や緊張感のある展開が多いが、
巻が進むに連れて、コミカルな描写を差し込む場面が増えたり、
登場人物それぞれのエキセントリックな個性を前に出してくる。

敵も味方も、善人も悪党も、
相当クセの強いキャラクターに作り上げている。
ただ、どこか可愛げがあり、
ひどいことをしているのに嫌悪感がない。
それぞれに魅力的かつ印象的で、物語をさらに面白くしている。

アイヌの文化や生活のガイドブック的な色合いもある。
それをストーリーの中にうまく溶け込ませることによって、
奥行きが出て、コクが深まっている。
特に狩猟も含めたアイヌの食生活は驚きと感動がある。
この作品を読むことで、アイヌへの興味や関心が高まる人は
少なくないだろう。
また、漫画だからこそ、強く、そして明確に伝わる良さがある。
バイオレンスでコミカルなのに、不思議な感動がある。

東村アキコ「かくかくしかじか」〈漫画〉
 201803_04.jpg

毎週聴いているSTVラジオの番組「しゃかりき!ようへい商店」。
パーソナリティのようへい氏は、毎週おススメの本を紹介する。
その中で私の琴線に触れたのがこの作品。
岩見沢市立図書館のホームページで検索すると、
全5巻が蔵書されているではないか。

作者自身の高校時代から現在までを描いた
ノンフィクション的作品。
高校時代に町外れの小さな絵画教室に通い始める。
そこの講師のスパルタぶりにうんざりするが、
結局、大学生になっても、ニートになっても、
漫画家になっても通い続けた。

作者は宮崎県屈指の進学校を卒業後、
難関校である金沢美術工芸大学に進学。
大学時代は有り余るほど時間があったのに、
真剣に絵に取り組まず、気分に任せてだらだらと過ごす。

卒業後は、就職するでもなく、大学院に進むでもなく、
地元宮崎に帰り、電話オペレーターのバイトを経て、
漫画家になる。

多くの人が思い当たるふしがあるような若き日のうぬぼれや、
あの頃なぜああいうことができなかったのか、という後悔。
わがままで、薄情で、いい加減だった自分。
大人になった今だからわかることを、
丁寧に、コミカルに、せつなく描いている。

スパルタ講師の言葉を思い出し、
絵を描くことが使命であると締めくくるエンディングには
素直に感動。
胸が熱くなった。

              


成功するための努力や、成し遂げた根性などは、
素晴らしいことだし敬意もある。
一方
、成し遂げられなかった悔しさや、
どうしてあんなことをしてしまったのかという後悔もまた、
時間が経てば、美しく、あるいは愛おしく思える。
そう感じられる年齢になったのか。

時間が解決してくれる、とまでは言わないが、
時間が解放してくれることはたくさんある。
もう少し辛抱をしたら、楽になれるかも。
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