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やや冬バテ状態にある。
毎年経験しているのに、寒さと雪への対応に疲れている。
なのに仕事をしなければならないし、
健康のために無理しなければならないこともある。

冬を毎年経験しているとはいえ、
住んでいる場所や、取り巻く人間が変われば、
その環境における初めての冬ということになるし、
何より、年をとっていく。
45歳で経験する冬と、50歳で経験する冬は感じ方が異なる。
そういう意味では、毎日毎日が初めての経験になる。
いずれにしても、冬疲れ、はじめました。

今週末には、初めてニセコ町でライブをする。
〇日 時 2018年2月24日(土)時刻未定(18時頃から)
〇場 所 JRニセコ駅前「ニセコ中央倉庫群」
〇料 金 千円
              (又は千円相当の飲食物を持参し会場にいる人に提供)

〇出演者 不明

ニセコ中央倉庫群では、ほぼ毎月定期的にライブイベントを
開催しており、一度参加してみたいと思っていた。
岩見沢からニセコまでは車で3時間以上かかるし、
演奏するのは3曲のみだが、
新しい経験と刺激を得られるのではないかと期待している。

さて今回はブックレヴュー。
やや辛口寄りのコメントになっているが、
面白いか、面白くないかと聞かれれば、
迷いなく面白いと言える

■上原善弘「路地の子」(2017年)
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 タイトルにある「路地」は被差別部落のこと。

 大阪府松原市にある路地で食肉解体・卸売業に従事した
 上原龍造氏を描いたフィクション。
 筆者はその息子。

 上原龍造は昭和24年生まれ。
 貧困と部落差別の環境で、手に負えないワルになり、
 小学校へは途中から行かなくなる。

 やがて、食肉解体業に身を投じる。
 ヤクザからの入会オファーは幾度となくありつつも、
 群れることを好まず、クスリを嫌悪。
 右翼、部落解放団体、政治団体などと対峙し、
 ときに苦杯をなめながらも、高度経済成長の中、
 部落の利権を得て経営者に成り上がっていく。


 
読んでいて最も強く感じたことは、
 昭和40年代、50年代は実に激しい時代であり、
 部落という環境のせいもあろうが、
 覚醒剤、ヤクザ、ナイフ、金、暴力、愛人、独占、偽装など、
 現代であればコンプライアンスの面で大問題になることや、
 まともに犯罪であろう暴力事件も、
 警察沙汰にはせずに個々の問題として淡々と流されていくこと。

 
部落差別があったことは随所に書かれているが、
 具体にどういう差別を受けたのかはほとんど書かれていない。
 ただ、路地から脱出したい欲望にあふれた人が多い反面、
 結局は路地に戻ってくるなど、路地への愛着が強い人も多い。
 ちょっと別世界の興味深い内容だった。

■遠田潤子「アンチェルの蝶」(2011年)
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主人公は大阪の片隅で居酒屋を営む中年男。
限られた常連客しか来ないうらぶれた居酒屋だ。
ある夜、中学時代の親友で今は弁護士となった男が
小学生の女の子を連れて店に来た。
この子をしばらく預かってほしいと言って、
500万円を置いて立ち去る。
この女の子は誰なのか。
男はなぜ消えたのか。

その日から、中年男と女の子の不器用な毎日が始まる。
いきなりの他人との、しかも娘のような年代の小学生の共同生活に、
戸惑い、ぶつかり、すれ違う。
とにかく中年男のぶっきらぼうぶりと負け犬意識がひどい。
ストーリー以前に、こういう男が20年間も、
料理を作り、客商売をしていること自体がファンタジーだ。

冒頭で現在の状況を示し、次第に過去を明らかにして、
真相に迫っていく展開が功を奏している。
登場するのは、ひとくせ、ふたくせあるバックストリートな人物
ばかりで、薄暗く、埃っぽい映像ばかりが浮かび、
なにひとつ愉快になれないが、読みモノとしては十分に楽しめる。
もっと読まれていい作家だと思う。

■今村昌弘「屍人荘の殺人」(2017年)
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夏休みに山荘へ出かけた大学生約10人。
山荘の近くではロック・フェスが開かれていた。
その会場で細菌注射をうたれた観客がゾンビ化し、
瞬く間に感染は拡大。
一部のゾンビは山荘に押し寄せる。
大学生達は山荘に立てこもり、ゾンビの襲来から身を守るが、
外部から遮断された山荘内で、なぜか殺人事件が起こる。

前半、一気にたくさんの登場人物が勢揃いするため、
しばらくは、誰が誰だかわからないまま読み進める。
途中で改めて、登場人物をおさらいする場面があり、
そこで輪郭がはっきりする。この演出は助かった。

ゾンビという外部の敵と、山荘内に殺人者がいるのでは
という内部の敵とに挟まれる形で展開するのだが、
大学生の恐怖感や緊迫感が薄く、
また、山荘の構造が文章だけではなかなか見えず、
全体的にふわっとしたまま読み終えた。
もう一歩踏み込んで、腑に落としてほしいのだが、
喉元で停滞するような感じが続いた印象。

2017年のミステリ界で大きな評価を得た作品だが、
思いの外、ライトなテイストだった。
ただ、ライトだから良いとも言えるし、
ゾンビの絡ませ方も面白かった。
主人公にもう少し魅力があればなと。

■増田俊也「北海タイムス物語」(2017年)
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 北海タイムスは1998年に休刊となった北海道の新聞。
 1960年代から、朝日、読売などの全国紙が道内に進出した
 ことなどにより次第に部数が低下し、
 111年の歴史に幕を閉じた。


 特に90年代に入ってからのタイムスはページ数が少なく、

 ずいぶんと薄くなってしまったなと思った記憶がある。
 新聞紙の色は、北海道新聞より白っぽかったことを覚えている。

 本作は、経営が破綻しそうな時期に入社した大学新卒の男性の
 約1年間の仕事ぶりを中心に描いている。
 筆者は実際90年代にタイムスで働いた経験があることから、
 ほぼノンフィクションなのかと思いきや、
 何かとハチャメチャで、これが現実ならば、
 会社が破綻する前に、経済的にも身体的にも精神的にも
 社員が破綻するだろう内容だった。
 なんとなく漫画を文章化したような雰囲気だった。

 幹部社員も若手社員も年収200万円。
 長時間労働が当たり前で、それでいて、毎日のように
 夜中の2時過ぎから飲みにいく。
 金銭的にあり得ない話だ。
 職場は完全に体育会系のノリで、
 今でいうパワハラも当たり前に横行している。
 何度もどんよりした気持ちになった。

 ただ、タイムスへの郷愁はある。
 地下鉄西11丁目駅の近くにビルがあった。
 どこまでノンフィクションなのかは不明だが、
 晩年のタイムスは壮絶だったことが想像できるし、
 90年代のイケイケ感も効果的に盛り込ませている。
 それに比べれば、今は随分とクールで整然としていると思う。
 90年代ワンス・アゲイン志向の中年は多いかもしれないが、
 私は今の方が生きやすい。


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