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まずはライブのお知らせを。

■日時 2016年5月1日(日)16時
場所 帯広市民文化ホール小ホール
■料金 無料
出演(出演順・敬称略)
  バサラ/COLD CASEKISS THE ROD/おとといおいで/
  クサカアツシ/ペナルティ/THE HEART OF STONE
  TETSU スペシャルバンド/いとたい/FLAG

出演者は10組。THE HEART OF STONEの出番は7番目。
スケジュールどおりに進めば、18時30分からの出演となる。
帯広に住んで2年。
市民文化ホールで演奏できるとは嬉しい限りだ。

入場無料。
皆様、待っています。

さて今回はブックレヴュー。
最後に紹介する「本屋さんのダイアナ」。
ほんとに良い作品です。

■東山彰良「路傍」(2008年)
   路傍
千葉県の船橋市に住む28歳のワルな男の話。
面倒になったら、とりあえず飲みに行ったり風俗店に行ったり。
夜の酒場の裏通りでは、泥酔して道端に転がっているサラリーマンから
財布を抜き取るなど悪事を繰り返す。
一方、珍獣の運搬や脱北者の手引きなど怪しい仕事を引き受け、
危険な目にも遭いながらも、生き生きと過ごしている。

そうしたやりたい放題ぶりが不愉快にもなるが、
スピーディな展開や、ぶっ飛んだ設定が面白いし、
くすぶりやほろ苦さも、きっちりと、それでいて軽やかに描いている。

また、好き勝手で直情的なキャラクターなのに、
随所に哲学的なことを語る場面がある。
人格の整合性の面で多少の違和感はあるものの、
猥雑ながらスタイリッシュで、これはこれでありかと。

例えば、風俗店勤務のお気に入りの女性が入信している新興宗教に
はまっていくワル仲間に対して(この設定が既に面白い)、
「メルセデス・ベンツがステイタスを売るように、神は救いを売る。
 神の方がベンツよりずっと安い」と皮肉る。
イカれているような、真理を突いているような、
混沌とした気持ちのまま疾走するような魅力的な作品だった。

■薬丸岳「Aではない君と」(2015年)
   Aではない君と
中学生の息子が同級生を殺害した容疑で逮捕された。
息子は刑事にも弁護士にも事件に関する供述を一切しない。
面会に行った父親にも何も語ろうとしない。
真相を探ろうと父親は動き出す。
やがて息子は、父親と二人きりにしてもらえれば話をすると言ってきた。

中学生同士のイジメが発端だった。
虐める側はこれほど凄惨なことを強いるものかと不愉快になるし、
虐められる側はそこまでされても誰にも言えないものかと
苛立たしい気持ちになり、読んでいてストレスも感じる。

父親の主観的な目線をベースに展開していくせいか、
母親の存在が希薄でストーリーに生かされていない気が。
また、父親が勤務する会社の社員も随所に登場するわりには
機能していないような。

とはいえ、劇的な展開や過剰な表現をしていないことで、
逆にすいすいと読ませる。
どういう理由で、どういう経過があったにせよ、
人を殺めた者はずっと背負っていかなければならない何かが
文章から滲み出てくる。

■梁石日「闇の子供たち」(2002年)
   闇の子供たち
タイで行われている幼児売買春や臓器移植を目的とした幼児売買の話。
貧困のため子供が売られ、大人の性の道具となる。
あるいは生きたまま臓器提供者となり、生ゴミと一緒に捨てられる。
フィクションではあるが、事実も結構含まれているようだ。

こうした子供たちを救おうとするNGO団体に勤務する日本人女性や
日本人新聞記者の活動がもうひとつの軸。
裏の組織からの様々な妨害行為があり、闇討ちにも遭い、
命の危険にもさらされる。

救いのない出来事の連続に、重苦しい気持ちがキープされ、
また、描写が露骨で気持ち悪くなる。
少なくとも食事をしながらは読めない。
食欲どころか、読書欲自体を減退させるほどのグロテスクさだ。

それでも読了できたのは、筆致がクールで切れ味があったから。
それとこの暗澹たる物語をどう帰結させるのか確かめたかったからだ。
知っておくべきことなのか、知らなくてもよかったことなのか、
それは読了後の今もわからないが、タイ人恐怖症になりそうだ。

■柚木麻子「本屋さんのダイアナ」(2014年)
   本屋さんのダイアナ
小学生の女の子2人が20代になるまでの15年間の物語。
ひとりは「大穴」と書いて「ダイアナ」と読ませる名前の女の子。
その名前のせいでクラスでは奇異な目で見られ、いつも孤立している。
そんなダイアナと親しくなったのが、
クラスの中でみんなの憧れの存在であるお嬢様な子。
二人は読書を通じて仲を深めていく。

ダイアナは母親と二人暮らし。
父親に関して詳しいことは母親から情報公開されていない。
父親はどんな人なのか、どこにいるのか、それを知りたくて、
母親の持ち物を物色して手がかりを探したり、
絶縁状態にあった母親の実家を尋ねたりもする。

これ以上のあらすじには触れないでおこう。
ありがちな言い方をすれば、少女から大人への成長小説であるが、
思いがけない展開が何度かあり、この先どうなるのかという興味が
離れることなく最後まで面白く読めた。

登場人物の距離感の設定が良く、知識の引き出しの使い方も的確で、
ひっかかりがなく、すいすいと読めた。
と同時に、少女二人の気持ちを丁寧に紡いでおり、
ドキドキしたり、胸がざわついたり、
甘酸っぱいような痛みを感じたり、愛おしくなったり。
女子の青春物語であっても、優れた作品は、
感受性が鈍ってきた中年男の心もしっかりとつかむものだ。
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