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3月26日、北海道新幹線が開業した。
帯広に住む者として率直に言わせていただくと、
函館があまり遠い存在であるため実感や興奮が小さい。
なにせ函館-東京間よりも、帯広-函館間の所要時間の方が
ずっと長いのだ。

釧路の方が、「新幹線が北海道に来たことより、
高速道路が釧路市内まで伸びたことの方が嬉しい」と
コメントしている新聞記事を見て、そうだよなぁと素直に納得できた。

それはそれとして、北海道の交通史において
ヒストリカルな出来事である。
新幹線に乗りたくても乗れなかったのが、
その気になれば乗れるようになった。
可能性ゼロだったのが、ゼロじゃなくなったのだ。
いつかその可能性を生かしてみようと思う。

こうしたウェルカム新幹線の一方、
開業前日の3月25日、道内で8つの駅が廃止された。
来る鉄があれば、ゆく駅があるのだ。

かねて無人駅フリークである私は、
今回廃止となった8駅は過去に訪問済だが、
惜別と感謝の気持ちを行動で示すため、
今年に入ってから、十三里駅(夕張市)、東追分駅(安平町)、
花咲駅(根室氏)を訪問した。

そしてさらに、3月21日(月・祝日)、
上白滝駅、旧白滝駅、下白滝駅の3駅を訪問してきた。
これらは合併前の白滝村(現在は遠軽町)のエリアにある駅であり、
今回の廃止により、かつての白滝村エリアの駅は白滝駅のみとなる。

この日は午前中に用事があったため、
帯広出発は12時30分頃になったが、
もう永遠にその駅を見ることができないという思いが、
片道190kmに及ぶ十勝、大雪(たいせつ)、石北(せきほく)の道を
走らせた。

旭川側から遠軽方面に向かい、最初の廃止駅が「上白滝駅」
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一日に上り1本、下り1本しかないことで、
フリークスの間ではフェイマスな駅だ。
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また上白滝駅は、旭川側から向かうと上川駅の次の駅である。
この間の距離が34km。
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上白滝駅が廃止になると、上川駅の次は白滝駅となり、
その間の距離は約38km。
札幌・小樽間、札幌・千歳間と同じくらいの距離だ。
人口や産業や風土やソウルフードは違えど、
札幌・小樽間に駅がひとつもないと考えると、
白滝エリアはいかに山の中の小さな集落なのかがわかる。
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上白滝駅、旧白滝駅、下白滝駅はいずれも国道333号線沿いにある。
国道沿いということで秘境感は薄いか、というとそんなことはない。
国道333号線に平行する形で高規格道路が走っているため、
基本的には白滝エリア目的の人しか国道333号を走らない。
白滝村が2005年に遠軽町と合併した時の人口が約1,100人。
それから10年以上が経過し、現在の白滝エリアの人口は
1,000人をきっているのではないだろうか。

そこを目的に走る車は極めて少ない。
山間の道が長く続くと、たどり着けずに彷徨っているような錯覚をおぼえる。
次の「旧白滝駅」も国道沿いにありながら、閑散としていて奥地感が強い。
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旧白滝駅の乗客は、遠軽高校に通う女子生徒1名のみであり、
彼女が高校を卒業するのに合わせて駅も廃止になるということで、
ドラマ性もあってか道内の複数のテレビ局で報道していた。
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私はテレビ番組を見ていて、ほぼ泣くことはない。
歳をとると涙もろくなると一般的に言われているが、
私にその現象は起きていない。
動物モノや子供モノも涙腺を刺激しない。
むしろ幼児モノを見ていると、
幼児と弱った年寄りは表情が似てるよなぁという感想が勝ってしまう。

そんな私の涙腺を、時に刺激するのが駅廃止と閉校モノだ。
かつては乗客や生徒がたくさんいたが、時代の流れで無くなっていく。
でもそこには多くの人達の人生があった。
喜び、悲しみ、希望、挫折、後悔、友情、失恋。
そんな様々な思いがあった。
それを想像すると、感情は涙腺へとつながっていく。
そう、動物モノや子供モノはバックボーンが不足しているのだ。
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訪問日は廃止まであと4日に迫った祝日だったこともあり、
各駅で3、4人のフリークスと会った。
各駅を訪問したのは16時台だったのだが、
駅にいたほとんどの人達は17時台にくる電車を待っているらしかった。
本物のフリークスはここが違う。
きっちりと詰め切る。


「下白滝駅」の駅舎は、写真中央の緑色の屋根の建物だ。
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以前ここを訪れた時は、写真左側の建物の住人が
犬を放し飼いにしており、しかも凶暴性を感じるタイプだったので、
全く落ち着けずに、犬の動向ばかりを気にしながら写真を撮った。
今回は、その犬が存在していなかったので、
景色や風や近づく春の匂いまで楽しめた。
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かつては駅員がいたと思わせる大きさの駅舎だ。

プラットホームから見える景色。
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北海道の山間部にいることを実感する。

思えば無人駅とはテイク&テイクの関係であり、
私から何ひとつギブできていない。
今回は時間がなく、無人駅地域の食にも触れられなかった。
経済的な貢献をしたのは、帯広のモダ石油に対してだけだ。

それでも、廃止間近の土壇場の休日に午後から往復380kmを走り、
最後の姿を心に刻むことができて良かった。
これが無人駅ライフを楽しませていただいている者なりの敬意と誠意だ。
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8つの駅は3月25日をもって廃止となった。
翌26日、ライブのため札幌に向かう途中、
廃止駅のひとつである十三里駅(夕張市)に立ち寄った。
既にプラットホームに立てられていた駅名看板が撤去されていた。
切り替えが早い。
女心のようだ。
しかし余韻はある。
しばらくは、「そこに駅があったこと」を楽しめるだろう。
やはり無人駅はJ-POPでもヒップホップでもないし、
ヘビメタでもベイビーメタルでもない。
ブルースだ。

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