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1970年代から1980年代の話。
本屋といえば、「こばやし」か「いながき」。
文房具といえば、「森嶋」か「江川」。

これだけで何を言っているのか理解できるのは、
岩宇(がんう)関係者だけだろう。
そう、岩内町のことだ。

ちなみに岩宇(がんう)とは、岩内町、共和町、泊村、神恵内村の
4町村の総称である。
岩宇の象徴的な景色のひとつがこれ。
00_岩宇

岩内町は、岩宇の中心的な町であり、
1960年代から1970年代は2万5,000人を超える人口を有していた。
それがいまや1万3,000人台にまで落ち込んでいる。

帰省した際、時々岩内のまちなかをぶらつくのだが、
その度に疲弊感の激しさに胸が痛む。
後志地方において要所となる町は、岩内町、倶知安町、余市町である。
倶知安町、余市町と比べて、岩内町の廃れぶりは顕著である。
現在住んでいる十勝管内の町村と比べても、
岩内町の元気の無さは凄まじい。

そんな中、今年の春先、町内をぶらついていて、ふと思ったのが、
菓子店はしぶとく残っているということだった。
私が10代だった頃にあった菓子店が、今も営業している。
ただ、品揃えは減り、翳りが見える店が多かった。

その時私は思った。
岩内スイーツを放ってはおけないと。
定期的に大量買いをすることはできない。
不定期に少量買いをすることしかできない。
しかし、PRをすることはできる。
できるならやろう。
というわけで、今回から3回にわたって、
岩内スイーツを紹介させていただく。

今回は「新月」(しんげつ)だ。
01_新月270808
営業している気配のない外観だが、これでしっかり営業中。
昔も今も訪れている店である。

新月の看板商品は「どら焼き」(160円)。
02_新月270808
見た目でわかる、間違いのない安定感と気品。
これより美味しいどら焼きに私は出会ったことがない。

練りの強いあんは、しっかり食感でありながら上品な甘味。
皮はしっとり感がありつつ、ふわっと感もあり、そのバランスが絶妙。
皮だけでも商品化してもらいたいほどだ。
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奇をてらわず、伝統を守り続けた丁寧な作り。
ほんとうに素晴らしい作品である。
銀座なら500円でも売れるのではないか。

実家では、法要だとか、何かのお礼だとかの際、
このどら焼きをチョイスすることが多い。
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私も時々、大人買いをする。
お土産にしたり、冷凍保存をしておいて、たまに食べている。

新月は、日によっては、どら焼きしか売っていない時がある。
7月下旬に訪問した際は、落雁、最中、マドレーヌなど、
商品が豊富だった。
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そこで、どら焼きのほか、最中と水まんじゅうを購入。
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最中も実に美味しい。
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あんの密度が濃く、食感も甘さもしっかりしている。
皮もしっかりしている。
たやすく崩れて、ぼろぼろになることがない。
完成度の高い最中だ。

水まんじゅうは、初めて食べた。
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食感に感動する。
やや固めなのが、品の良さを醸し出している。

甘さは控えめながら、余韻が上質で、高級感がある。

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*どら焼きのパッケージは今年の春まではシンプルだった。

店の外観は、営業しているのかどうかもわからないし、
品揃えも日によって異なる。
しかし、とんでもなくレベルの高い和菓子店である。
とりわけ、どら焼きは世界に通用する大傑作だ。
インパクトがあるわけではない。
とにかく丁寧な仕事ぶりがうかがえる。
そして結果的に、普通な感じに着地させている。
そういうところも愛おしくなる。

岩内町民や岩宇関係者で、新月のどら焼きを絶賛する人は
少なくないと思う。
ただ、岩宇という非常に狭い範囲において有名な一品である。
岩宇以外の地域では知られていない。
倶知安方面や余市方面の人も知らないだろう。
「食」を題材にしたメディアも全くキャッチできていない。
それがちょっと嬉しかったりもする。
まさに孤高のどら焼きだ。

岩内町といえば「新月」。
新月といえば「どら焼き」。
そう認識されていないことを、逆に誇りにしたくなるほど、
もっと知られてほしいようで、知られてほしくない、
貴重で重要で大切な一品である。

岩内町へ行った際は、ぜひどうぞ。

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