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ゴールデンウィーク半ばにして、帯広では葉桜となった。
01_2015十勝大橋・桜 
桜は街に彩りを与え、気分まで変える。
若い頃は桜の開花など関心はなかったが、
年齢を重ねるにつれ、味わいのあるものだと感じるようになった。
風情だな。

私は無人駅に強く風情を感じる。
無人駅の風情パワーに吸い寄せられる。
道の駅は素通りで無人駅に行く。

一年前に帯広に転勤。
三年くらいは住むだろうから、
その間に道東の無人駅を全て訪問しようと決めていた。
ところがなかなか時間を確保できず、この一年間は
一度も十勝管内から道東エリア(オホーツク、釧路、根室)に
足を運べなかった。

こんな十勝インドア状態は良くない。
というか、もったいない。
せっかく道東を巡りやすい環境に身を置いたのに、
そうしたチャンスを無駄にしていることになる。
そこで今年は、時間、手間、体力、金銭の
道東エリアへの配分を厚めにすることにした。

ちなみに、釧路-根室間の無人駅は二年前に制覇している。
当時は札幌に住んでいたが、
根室のさんま祭り訪問とセットプランにして無人駅を巡った。
帯広-釧路間の無人駅は別の機会に行けるだろうと思っていた。
その別の機会をやっと作ることができたのだ。

なお、帯広駅から浦幌駅までの間にある無人駅、
つまり十勝管内にある無人駅については、

このブログで触れていなかったが、人知れず地味に訪問済である。
なので浦幌から東側だけ行けばいいのだが、
浦幌より西側の駅で一カ所触れておきたい駅がある。
十弗(とおふつ)駅だ。
十弗1 
池田駅と豊頃駅の間の小さな集落にある駅である。
何がすごいって、十弗の「弗」の字が、「ドル」に似ているということで、
駅のホームには、こんな看板があるのだ。
十弗2
「十弗」が「10$」になっている。
国道や道道からも離れた非常に長閑な環境にこの看板。
ミスマッチ感がまたよろしいんじゃないでしょうか。
十弗3 

以降は、浦幌-釧路間で特に心に残った無人駅を紹介させていただく。

浦幌駅を出発して最初の駅は「上厚内(かみあつない)駅」。
上厚内1
まさに昭和中期な駅舎である。
これだけで無人駅の醍醐味は味わえるのだが、
この駅の凄さは、近隣集落の限界感にある。

駅舎の前に立って右を見ると、こんな景色で、
上厚内2 

左を見るとこんな景色である。

上厚内3

建物自体は十数件あった。
しかし、そのほとんどが廃墟化していた。
なのに駅がある。
その不思議に出会うのが無人駅訪問の魅力でもある。
上厚内4 
実際に住んでいる世帯はないのではないか、とも思えたが、

駅舎の中は清掃が行き届いており、荒廃感がない。
このベンチの雰囲気など、優良無人駅のモデルケースともいえる、
愛おしくなるような佇まいだった。
 
つまり、きちんと手入れをしている人がいるということだ。
味わいのある、古き良き無人駅状態が保たれている。
上厚内5 
かつては、多くの人が利用したのだろう。
そう思わせる衰退感になぜか癒やされる駅だった。
上厚内6 

続いては「尺別(しゃくべつ)駅」。
ここは釧路市のエリアだが、合併前の旧音別町にある。
尺別1
無人駅にしては大きな駅舎である。
かつては駅員がいたのだろう。
でありながら、ロケーションが凄い。
原野のど真ん中にあるのだ。
駅舎入口からの景色がこれ。

尺別2 
以前は人が住んでいたであろう家屋っぽいものは幾つかあるのだが、
住家としての体を為しているものはない。
なのに今も駅はある。
尺別4 
駅舎は大きく、ホームも広く、
周囲の環境とのアンバランス感が興味をそそる。
尺別3 

続いては、白糠町にある「庶路(しょろ)駅」。
14_庶路1
国道38号線沿いにあり、周囲は建物が連なっている。
駅舎も整備が施されており、秘境感は全くない。
15_庶路2
ホームも広く長く、ゴミなどなく、手入れがされている。

ところが反対側のホームは様相が一変する。
16_庶路3
なにゆえ、これほど荒れているのか。
というか、なにゆえこの状態で放置しているのか。
駅名の看板まで古いままだ。
意図的にレトロ感を演出しているのか。
17_庶路4
同じ駅でありながら、ホームの右と左が違いすぎる。
まるでキカイダーだ。
18_キカイダー

最後にもう一駅。
音別駅と白糠駅の間にある「古瀬(ふるせ)駅」だ。
19_古瀬1 
帯広-釧路間で最も訪問してみたかった無人駅である。
ここを見つけるのに非常に苦労した。
周囲を1時間くらい走り回った。

国道からの入口を間違ったのではないかと行ったり来たりしたり、
全く違う道を10km以上も奥に入り込んだりで、
さすがにうんざりしてしまい、
今回は諦めて、改めてきちんと調べて出直そうと、
国道に戻るため短い橋を渡っているとき、
ふと左目の端が線路を捉えた。

ところどころに牧場があるだけの山道を、
無人駅ひとつのために、結果的に40kmくらい彷徨った。
簡単には見つけられない。
なにせ国道から数キロ入ったところから、
この写真の右にある砂利道を行くのが正解だったのだ。
20_古瀬2 

そして、こういう道を進んでいくと、森の中に突如駅が現れる。
21_古瀬3 
秘境度が非常に高い。
なにゆえこんなに難しい場所に駅を設置したのか。
22_古瀬4
駅近くに住家があった形跡も全くない。
利用者がいるとか、いないとかを考える以前に、
なぜここに駅があるのかという疑問に頭の中が支配される。

運良く電車がやってきた。
23_古瀬5
秘境駅にやってくる普通電車はやはり絵になる。

これまでの無人駅巡りの中で最も見つけるのに苦労した。
午前11時過ぎから彷徨い始め、発見したのは12時20分頃。
なかなか見つけられなかったことと空腹感とでストレスがたまり、
何かで補わなければ、精神的にも肉体的にも
釧路市内までは行けないだろうと感じた。

そこで、古瀬駅を後にして白糠町市街地に入ったらすぐに
コンビニでブックサンダーの単品を3つ購入。
初めてチョコレートを目にした人のように夢中で食べた。
24_ブラックサンダー
私にとってはスニッカーズ、源氏パイと並んで、
日本3大・甘味強い系お菓子である。
ココア系の濃厚さとチョコレートのしなやかな食感がたまらない。

ブックサンダー1個31円。3つで93円。
100円以内で、極めて甘いものが好きな私を、
「甘いものはもうこの程度でいい」と満足させるお菓子は他にない。

ブックサンダーで息を吹き返し、自分を取り戻すことに成功した私は、
古瀬以降の駅は帰りに立ち寄ることにし、一路釧路市街地を目指した。
次の目的は昼食。
泉屋でスパカツを食べることだった。

そして午後1時30分頃、泉屋本店に到着。
25_2015泉屋1
これまで釧路には数回訪れているが、
本気でスパカツを食べようと思ったことがなかった。
「ミートソースのスパゲッティ+トンカツ」であれば、
味が想像でき、食べなくても食べた気になれたし、
ラーメンやカレーほど店によって違いがあるものではないと
推測したからだ。

そんな私の考えは浅はかであり、的外れなものだった。
そう思い知らされたのは、帯広に住み始め、
幾つかの店でスパカツを食べるようになってからである。
特に浦幌町の「レストラン大和」のスパカツによって見方が変わった。

泉屋のスパカツといえば、
釧路出身者が釧路に帰省すると食べに行くとか、
転勤などで釧路に住んだことのある人が、
その後釧路を訪問すると食べに行くとか、
地域に本当に根づいているホームタウン的フードとしても有名である。
26_2015泉屋2
「釧路に行ったら一度は泉屋のスパカツを食べなきゃ」と
言われたことも少なくない。
なので過去に訪問したことはある。
しかし行列ができていたので、あっさり断念した。
その程度のモチベーションだった。

今回の訪問は、その頃とはパッションが全く違う。
現在はスパカツ愛が芽生え、育まれている最中と言ってもいい。
泉屋訪問がメイン目的で、それに無人駅巡りをプラスしたのかと
聞かれれば全く否定はしないだろう。

オーダーから10分程度でスパカツ登場。長年の念願が叶った。
27_2015泉屋4
やや甘めのミートソースがたっぷり。
レトルト的な引っかかりがないのが嬉しい。
スパゲッティは太めで、やや柔らかめ。
パスタと呼ぶには違和感がある。
これが何気に懐かしく、親しみがある。
私はこういうタイプのスパゲッティの方が好みなのだと思う。

クセがないので食べやすく、全く飽きない。最後まで美味しい。
スタートからゴールまで緩むところがない。
わくわくしつつも、ほっとするような味。
釧路出身者が釧路に帰省すると食べに行くのも納得だ。
食べている最中に、また食べに来たいと思えたほどだ。
28_2015泉屋3
非常に空腹だったため余裕で完食。
通常時の昼食なら、やや多めに感じる量だろう。
釧路には他にも美味しいスパカツがあると聞いている。
それ目的で、また釧路に来ることになりそうだ。

無人駅ツアーは意外に体力を使う。
駅に着くたびに車の乗り降りをし、
ホームへ渡るために階段の上り下りがあり、
ホームの両側を端から端まで歩き、
駅前もちょっとぶらぶらしたり
など地味に歩く。

4時間の無人駅巡り(車により移動時間込み)は、
2時間の自転車走行よりお腹がすくし、
45分間のランニングよりも疲れる。
それだけに無人駅ツアー時の昼食はより一層美味しくなる。

無人駅には「癒やされる違和感」がある。
ただ単に一致したり、調和していると心に引っかからないが、
何かしっくりこない感じや、おさまりの悪さがあるのに、
それが逆に面白く、心地良いというか。
リフレッシュできた、いい一日だった。
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