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「十勝には、これといったラーメンがない」
帯広に住む前も、帯広に住んでからも、そういう話をよく聞いた。
確かに各種の媒体で、十勝のラーメンを取り上げることなどないし、
「十勝に住んだら、あそこのあのラーメンをぜひ食べてほしい」と
リコメンドしてくれた人もいない。

ところが、実際帯広に住んでみると、ラーメン店がよく目に入る。
冷静に見ても、豚丼店よりは多い。
帯広市内だけではない。
十勝管内の町村に出かけると、
ちょっと気になる店構えのラーメン店がいくつもある。

そういうわけで、地味に外でラーメンを食べている。
月に3杯くらいなので、語れる域にはない。
しかし語ってしまおう。
帯広市内のラーメンは別途やるとして、
今回は十勝管内のラーメンについてリポートさせていただく。

                   ◆

十勝には、「これが十勝のラーメン」という特徴的なものはない。
ざっくりいえば、昭和の時代からある札幌ラーメン的な味の店が多い。
平成の札幌ラーメン的な味(純すみ系、月見軒、けやき等)には
出会っていない。
それはそれでいい。
気持ちのいい雰囲気で、美味しいものが食べられれば、
昭和でも平成でも、どちらでもいい。

帯広市の東隣にあるのが幕別町。
幕別町の札内(さつない)は帯広駅から5kmくらい離れていない。
そこにあるのが、福亭(ふくてい)
福亭・店
少し多めに飲酒した翌日は味噌ラーメンを欲する。
訪問した日はまさにそういう日だった。
店に向かう道中、頭の中は麺でいっぱいだった。
聴いていたFMレディオから、「麺アットワーク」の曲が
流れてきて、気分は盛り上がった。

で、味噌ラーメン(800円)だ。
幕別・福亭
豚骨ダシのまろやかなコクのあるプースー。
すっきりとした甘味もある。
何かが強く出過ぎていないため食べやすい。
麺が固めなのも嬉しい。
もやしとタマネギもプースーにうまく馴染んでいる。
チャーシューは好みが分かれるかも。

要はちゃんとした味噌ラーメンなわけです。
美味しかったと素直に言える王道ラーメンである。
日曜日の昼に訪問したが、次から次に入れ替わりお客さんが来ていた。
回転が早い点もよろしいのではないでしょうか。

                      ◆

続いては、池田町の「再来」

いいです、この飾り気の無さ。
再来・店
仕事で池田町に行く際、その数日前から同行者に対し、
「昼食は再来でラーメンを食べたい」と懇願。
訪問が実現した。

帯広のコミュニティFMを聴きながら池田町へ向かう。
私の頭の中は、この日も麺でいっぱいだった。
そのため、レディオからビートルズの「イン・マイ・ライフ」が
流れてきた時、ビートルズを流すなら、
「タックス麺」や、「プリーズ・ミスター・ポスト麺」にしてくれないか
と思った。
同行者にこの気持ちを伝えたかったが、
ビートルズと麺を掛け合わせた、この素晴らしいロックダジャレに
ついて来られる音楽経歴の持ち主ではなかったため、
心の中で思うだけだった。

で、みそラーメンだ。
池田・再来
味噌の味が濃いっす。結構強烈だ。
ザ・味噌のラーメンだ。
もやしの量が多い。
麺は太くやわらかい。
ある意味、昭和の味をそのままに、という感じだ。

地元にあるべき味だと思う。
帰省してこのラーメンを食べたら、ああ帰ってきた、という気持ちに
なりそうな、そんな気がする。
平日の昼時、作業員ルック7割、スーツ3割で満席だった。

                     ◆

次は音更町の「藤」
音更町は帯広市の北側に隣接している。
このお店は、帯広駅近くの自宅から自転車で30分程度の距離だった。

この日も私の頭の中は麺でいっぱいだった。
ペダルを踏む私のi-podから聞こえてきたのは、
ルースターズやザ・モッズ。
そう、麺タイ・ロックだ。

そんな性急な激しいロックを聴いているうちにお店に到着。
塩ラーメン(730円)を食す。
音更・藤
十勝で初めての背脂がオンしているタイプ。
なのに、実にあっさりしている。
そして、きちんとしています。
繊細な味です。
雑味がなく、飽きがこない。
整理されていると同時に洗練されている。

これは、地元のラーメンっぽくない。
変な言い方だが、都会のラーメンっぽい。
飲んだ翌日タイプでもない。
行儀良く食べたいタイプだ。
大人のファンがたくさんいると思う。
これを食べる前に、麺タイ・ロックを聴いていたのはミスマッチだった。
リチャード・クレイダー麺の曲が似合いそうな味だ。

                      ◆

最後は広尾町の「鈴や」というラーメン店。
ここは、帯広に住む前から気になっていた。
広尾町と大樹町の中間の殺風景なところに店がある。
そこにあるのは、国道と自然とこの店だけ。

普通ならば、明らかに入りにくい。
というか入ってみようと思わない。
しかし、2年前に初めてここを通った時、
なぜか車がたくさん駐まっていて、気になる店ではあった。

今年4月、帯広に住み始めてすぐの時期に広尾町へ行った際も、
この平凡な田舎道にぽつりとある店の前にはたくさんの車。
これは美味しいに違いない。

5月に訪問がかなった。
こってり醤油ラーメン(750円)を食す。
広尾・鈴や
すごく美味しいです。
表現するのが難しい。
インパクトがあるわけではない。
ダシがいい具合に抑制されていて、
旨みとなってアウトプットされている。
普通っぽいかと思いきや、奥行きがあり、旨みを最後まで逃さない。
食べ進むほどに、違いを感じさせる。

ラーメンに特に興味がない方は、「普通」としか思わないかもしれない。
ところが、この見事なバランス感はなかなか味わえるものではない。
わかりやすい特徴がないため、大ヒットするタイプではないが、
地方の、しかも末端ともいえる地域にあるラーメンとしては
珠玉の作品だと思う。

ブルースさえ感じさせる味だ。
ブルースとラーメンが好きな人は、これを食べたら、
マディ・ウォーターズの「フーチークーチー麺」を聴きたくなるだろう。

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