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まずは、ライブのお知らせを。

■日時 2014年3月16日(日)18:00
■場所 スピリチュアル・ラウンジ
       (札幌市中央区南2西4ラージカントリービルB1)
■料金 1,500円+ドリンク代500
■出演 Hana-Festa 60Sfics miepassboat/高速ナブラ/
      THE HEART OF STONE

出演順は別途お知らせします。

よろしくお願いします。

                 ◆

さて今回はブックレヴュー。
一挙に6冊。
よろしくどうぞ。

■大門剛明「レアケース」(2012年)
      大門剛明「レアケース」
生活保護受給者をめぐる話。

生活保護費を不正受給する者、一向に自立しようとしない受給者、
それを担当する市役所職員の苦悩、
生活保護受給者を食い物にする「貧困ビジネス」。
そうした様々な問題を、殺人事件を絡めてミステリ仕立てに描いている。

物語の軸となっているのは、
不正に大金を手にした人からお金を盗み、
ほんとうに困っている生活保護受給者に分け与える「ねずみ小僧」と
呼ばれる者の存在。これが微妙に律儀で面白い。

あっちに行ったりこっちに行ったりする犯人探しの背景が弱いこと、
滋賀県大津市を舞台としたことの理由が見えなかったことなどが
気になったが、このテーマに取り組んだことに大きな意味がある。

生活保護要件を満たす人の4分の3は受給していないという事実には
驚いた。国の世話になんかなりたくない、生活保護など恥だ、
などという理由で、あえて受給していない人がたくさんいる。
制度時代を知らずにもらっていない人も少なくないらしい。
ただ、逆に考えれば、そうした4分の3の人が全て受給したら、
制度が破綻するだろうなと考えてしまった。

「つらいから助けてくれという、藁にもすがろうとする思いは
一見暴力的」という言葉も強く印象に残った。

■辻村深月「鍵のない夢を見る」(2012年)
      辻村深月「鍵のない夢を見る」
5作の短編集。

どの作品も、特に目立つことのない、いわば普通の女性が主人公。
彼女達はそれぞれに心の闇を抱えている。

面白い。読ませてくれる。
文章の層の重ね方が上手い。
筆者の辻村さんは、この数年、確実に何かを掴んだ気がする。
物語の運びが、厚みを持たせつつ滑らかになった。
寄り道させる加減もちょうどいい。

最初に収められている泥棒癖のある母と娘の話が一番強烈だった。
主人公の女性は、泥棒癖のある母の娘と中学の同級生。
最初は仲良くしていたが、泥棒の噂を聞き、次第に距離を置く。
高校は別々になり、見かけることもなくなった。
そんなある日、ばったりと遭遇。
その時、泥棒娘の放った一言がすごい。
さり気ない一言なのに圧倒的。
筆者の洞察力にも感心。
この一作だけでも十分に読む価値がある。

戻るに戻れず、閉塞感の中でうごめく普通の女性達。
彼女達にとって出口は何なのか。
読んでいくうちに、タイトルの存在が浮かび上がってくる気がした。
短編だが十分に読み応えがある。

■三上延「ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~」
  (
2011年)
      三上延「ビブリア古書堂」
北鎌倉駅近くの路地にある古くからある古本屋を巡る話。

シリーズ化され既に5作目まで刊行されている。
今更ながら1作目を読んでみた。

1作目が大ベストセラーとなったのは2011年の半ば以降。
もうだいぶ前のことのように感じていたが、まだ3年も経っていない。

主人公の女性店主のキャラクターは、いい意味で謎めいていて魅力がある。
一方、従業員の男のキャラクターがうまく掴めない。
柔道部出身でごつい身体をしているようだが、
全体的に心身ともに線の細い人と思わせるような描写が多い気が。

さらっとしていて肌触りは柔らかい反面、
薄味で、いい意味でのひっかかりに乏しく、
「読んだなぁ」という達成感が弱いかと。

女性店主が、数少ない情報で難解を説いていく様は、
「謎解きはディナーの後で」と雰囲気が似ているかも。
ライトなテイストで淡々とストーリーが進むので読みやすいとは思う。

■伊坂幸太郎「死神の浮力」(2013年)
      伊坂幸太郎「死神の浮力」
主人公である千葉の職業は「死神」。

情報部から対象となる人物を教えられ、一週間調査する。
そして、その人物に死を与えるか否かを判定する。

今回の対象者は、娘を殺害された父親。
彼は、
一度は逮捕されたが裁判で無罪となった男と法廷外で戦う。
そこに、死神の千葉が絡み、事態は二転三転する。

同じく千葉が主演の短編集「死神の精度」に比べると、
ちょっと間延び感があるかと。
一行で一気に心を動かすような展開はなかったような。

しかし、こういう展開はあり得ないだろうという非現実的な場面も、
伊坂氏の切れ味と滑らかさのある文体によって矛盾も気にならない。
伏線の作り方も相変わらず巧いし、読書ならではの面白さを楽しめる。

■桐野夏生「だから荒野」(2013年)
      桐野夏生「だから荒野」
夫と二人の息子と暮らす40代の主婦。

彼女の誕生日、家族でレストランに出かけるが、
夫と息子達の心のない言動に、彼女の我慢は限界に。

彼女はレストランからそのまま、家族を置き去りにして、
自ら運転する車であてもなく走り出す。
途中で生活用品を揃え、洋服を買いながら、九州まで行ってしまう。

倦怠感まる出しの中年夫婦と、自分勝手な息子達の物語として
素直に単純に面白い。
冒頭のレストランに行くまでのバタバタ感から一気に引き込まれる。
車に積んだままだった夫のゴルフバックに関する一連のくだりは
最高にウィットに富んでいる。これだけで十分に物語として成立する。

残念なのは、何も解決しないまま、唐突にエンディングを迎えたこと。
さらに何か起こるんじゃないかと期待を抱かせるような展開だっただけに、
エンディングが物足りなかったような気がする。
それを除けば、さすが桐野夏生たる、きめ細やかに厚みのある文章を
十分に楽しめる。

■落合博満「采配」(2011年)
      落合博満「采配」
飲み会の誘いに対して別件がある場合、

「ベッケンバウアー」と言う中年は少なくない。
恥ずかしくて私は一切使わない。
しかし、何人かでどこかへ向かう時、
例えば、札幌駅西口に集合する場合、
「じゃあ札幌駅西口で落合博満ということで」と私は言う。
それを使うのは非常に限られた者だけだ。
そんな落合氏の采配論だ。

まだドラフト会議で指名されていない私が言うのも失礼だが、
ざっくりと言うと、いい選手になりたければ、人より練習を
しなければならないし、結果が全てなんですよ、という内容。
基本に忠実で、意外性がそれほどでもなく、
ちょっと古いタイプの考え方にも思えた。

また、随所にビジネスマンや一般社会に置き換えて語っている。
それが逆にひいた。そこまでしなくても・・・。
なぜあそこで投手を交代したのか、なぜあの選手をトレードに出したのか、
そうした野球だけにこだわった、ある種マニアックな話を知りたかったが。

ただ、「予習よりも、徹底して復習すべき」という言葉には大いに納得した。
スポーツ界では、「次の試合は切り替えてやります」的なコメントをよく聞く。
そんなにすぐに切り替えるものなのか。
私は、悪い意味での開き直りに思えて、いまひとつ共感できない。

なぜできなかったのか、思い返しては辛くなり、ジタバタする。
ひたすら復習、言い換えれば反省する。
その方が次につながると思っている。
私のプライベート活動は、ほとんどがそんな感じだ。
あくまで私だけの持論であり、誰に押しつけるものではないが。
復習だけが人生か。
そう思われて結構。
復習をするから未来が開ける。

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