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2012年の終わりが目前となった。
29日から年末年始の休みとなったが、
無事今年の仕事を終えてほっとしたのか、
風邪をひいてしまったためインドアしている。

自宅でインドアの時は、基本的にはAMラジオを流しているが、
たまにテレビをつけてみると、
この時期は2012年の総集編的なことをやっていたりする。
そこで初めて知ることもある。

多くの皆さんは知っている話なのだろうが、
バドミントンの潮田さんという方は、オリンピックの試合の直前、
彼氏への感謝のメッセージを自らのブログに掲載したと。
なんでそんな必要があるのか。
なぜブログという形で不特定多数の人に公表したのか。
彼氏に直接メールするか電話するかじゃ都合が悪かったのか。
さっぱりわからない。

それより解せないのは、そのブログで彼氏のことを
「君」と表現していたことだ。
私は、彼氏のことを「君」と表現する女性シンガーの歌を耳にすると、
一気にフィール・ソー・ダウンしてしまうことを
潮田さんは知らないのだろう。
あるいは知っていてそうしたのかもしれない。
いずれにしても、彼女とはセンス的には折り合えないことを確認した。

                  

今回は久しぶりにブックレヴュー。
よろしくどうぞ。

■木内一裕「デッドボール(2011年)
木内一裕/デッドボール
木内一裕氏の作品は発刊される都度読んでいる。
圧倒的に心をつかまれるようなことはないものの、
軽妙でテンポが良く、すっきりとしていて後味の良い作品ばかり。
これまでハズレだったことはない。
この「デッドボール」も面白かった。

主人公は、定職につかず、なんとなく生きている23歳の男。
彼女にも愛想をつかされ別れることに。
その際、彼女から借りていた16万5000円だけは
必ず返すと申し出る。
ぐうたらな生活をしているわりに妙に律儀であり、
こうした彼の真面目な心根がストーリー全体をきりっとさせている。

借金を返済し、人生をやり直し、一発逆転のホームランを。
彼は、報酬1000万円で、誘拐の手助けをすることになる。
ところが、うまくいきかけた誘拐劇は誤算の連続。
ホームランどころか、デッドボールの状態に。
追われてるかと思えば追いかけているような
二転三転のスピーディな展開。
それでもハチャメチャになることはなく、
どうなっていくのかと楽しみながら読める。

それにしても木内氏はもっと評価されていい作家だと思う。

■桜木紫乃「恋肌」(2009年)
     桜木柴乃/恋肌
続いても、私にとってはハズレのない作家、桜木さんの作品。
表題作の「恋肌」をはじめ5つの短編が収められている。
いずれの短編も舞台は北海道の地方の町。
北海道という広大な土地における地方特有の人間関係の閉塞感を
見事に登場人物の内面に刻みこませている。
それを感じるだけでも読む価値がある。

表題作の「恋肌」は、酪農家と、その家に嫁いだ中国人女性の話。
彼女は日本語がわからないと思い、彼女の前で好き勝手なことを言う姑。
それに耐えて、妻を支える酪農家。
しかし次第に、夫婦の間に気持ちのズレのようなものを感じてくる。
この物語は実に切ない。ちょっと涙腺がゆるむ。
なんというか、どの作品もそうだが、物語にきちんとした起伏があり、
それが滑らかなので、読んでいて心地いいし、引き込まれていく。

そのほかの作品は、働かない同棲相手の男との辛い生活の中、
別の男と関係を持ってしまい崩壊へと向かう話や、
別れた亭主の子どもを身ごもってしまった女性記者の話など、
「なんでそうなっちゃうかね」的な困ったシチュエーションのものばかり。
心が痛いし、苦しくもなるが、
負の状態における心の陰影を見事に浮かび上がらせるものだから、
とにかく読まされてしまう。

■磯﨑憲一郎「終の住処」(2009年)
磯崎憲一郎/終の住処
設定は昭和50年頃なのだろうか。
30歳を過ぎて、大して好きでもない女性と結婚。
やがて子どもが生まれ、平凡に淡々と暮らしていた。
数年たったある日、妻、子供と遊園地へ。
その日の夕方、帰宅後、何かの用事で妻に話しかけるが妻は応えず。
気まぐれな不機嫌が始まっただけだと思い深くは気にかけず。
ところが、次に妻と話したのは、それから11年後だった。
そんな男のどうしようもない、というか、どうでもいい半生を描いてる。

思ったことや思い出したことを整理せずに文字にしたような、
実にだらだらとした筆致である。
それは意図的なものなのだろうが、ひたすら読みにくかった。
改行がないのもストレスだった。
ところが、この無機質で乾いた生活の結末を知りたくて
最後まで読んでしまう。
で、率直な感想は、「えっ、それで何?」。
文学というものが私にはよくわかりません。

この主人公の男は、表面上は独りよがりで偏執的に見えるが、
実は仕事は順調であり、家を建て、子供に恵まれ、熱心に浮気までして、
結局のところ、精神面は別として、
物質的には相当に幸せな人生を送っている。
なんかしらけたぜ。

■宮部みゆき 「ソロモンの偽証 第Ⅰ部『事件』・第Ⅱ部『決意』」
  (2012年)
ソロモンの偽証Ⅰ ソロモンの偽証Ⅱ
この作品は、第Ⅲ部まである。
第Ⅲ部は年が明けたら読む予定である。
本来なら第Ⅲ部まで読破してからレヴューすべきだが、
各部とも700頁を超える量であり、
一冊を読むのに2週間以上を要するため、
耐えきれずこのタイミングでコメントさせていただくことにした。

不登校だった中学生が学校の敷地内で死んでいるのが発見された。
警察は自殺と断定。いじめなどの原因もないものとして処理された。
しかし、疑問を持ったテレビ局の記者が、
亡くなった中学生のことや中学の対応などについて調べ出す。
しばらく経って、中学校に差出人不明の封書が届く。
その内容は、中学生の死は自殺ではなく、
同級生に屋上から突き落とされたことによる殺人だというものだった。

本当に殺人なのか、殺人だとすれば犯人は誰か、
手紙の差出人は誰なのか。
警察も学校側も自殺だとして改めて動くことはない。
一方、テレビ局の記者の行動はエスカレートしてくる。
中学校内では不信や不安が広がり、生徒は落ち着かない日々を送る。
そこで一人の女子生徒が立ちあがった。
真実を知るため、校内で自分たちの手で裁判をやることを
決意したのだった。
ここまでが第Ⅰ部のあらすじ。
第Ⅱ部は、裁判のための人選と情報収集がメインである。

序盤は、出演者それぞれの日常が描かれ、
しかも、丁寧すぎるくらい掘り下げているため、やや退屈なのだが、
出演者それぞれの背景にあるものの描写が的確で、
すっきりと読ませてしまう文章の巧さを堪能できる。

中学生の死の場面から一気に話は動き出す。
ここからはもう時間があれば本を開きたくなるような展開になる。
700頁を超える量なのに飽きずに読める。それだけですごい。

気になるのは、中学生にしては、あまりにしっかりしすぎていること。
言葉の使い方や思考はほぼ大人である。
というか、25歳でもこれだけの行動と発言をできる人は僅かだろう。

一冊1,890円。三冊で5,670円。
その価格だけの価値が十分にある作品。
宮部みゆきという人はやっぱりすごい作家だと改めて思う。

             ◆

冒頭で、この時期は2012年の総集編的なことをやっている
テレビ番組が多く、そこで初めて知る情報があると書いたが、
潮田さんのことと同様に強烈に感じたことがある。
それは、塩谷瞬という人と私では、
女性の趣味がほぼ180度違うということだ。
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テーマ:本の紹介 - ジャンル:本・雑誌





お久しぶりです。
私がブログで夫のことを夫くんと表現することも、フィールソーダウンされているのでしょうか。
「恋肌」面白そうですね。
読んでみたいです。
【2013/01/10 23:37】 URL | yoshimi #-[ 編集]

yoshimiさん、お久しぶりです。
「夫くん」は、とりあえずyoshimiさんが使うぶんには
フィールソーダウンすることはありません。
ただし、「旦那さん」となると、たとえyoshimiさんといえども
胸が少し痛むような気がします。

留萌は雪で大変な状態になっているようですね。
元々留萌は数字で示される積雪量よりも見た目のそれの方が圧倒的に多く、
道の狭さは凄まじいものでした。
それだけに今年はどれほどの状況にあるのか心配になります。
【2013/01/14 22:57】 URL | 本人 #-[ 編集]















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