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まずは、ザ・ハート・オブ・ストーンのライブのお知らせを。

■日時 2012年11月24日(土)19時スタート
■場所 ベッシーホール
          (札幌市中央区南4西6晴ればれビルB1)
■料金 1,500円
■出演 Juilliard/レンジ・オブ・モーション/
       The Black SheepsTHE HEART OF STONE

ザ・ハート・オブ・ストーンの出番は19時40分。
今回は6曲演奏をする予定です。
よろしくお願いします。

                ◆

9月上旬、JR江差線が平成26年度初頭に廃止される
という新聞記事を目にした。
JR
北海道がそういう方針を打ち出したという。
まだ正式決定ではないものの、新幹線開業の絡みと、
利用客数がJR北海道の中で最下位の路線であることを考えると、
存続はかなり厳しいものと思われる。

なお、廃止が打ち出された区間は、江差線の一部である。
江差線は、函館の五稜郭駅から江差駅までの約80kmの区間。
そのうち五稜郭-木古内間は
第三セクターに転換され存続されることが決定済。
廃止が打ち出されたのは、木古内-江差の約42kmの区間である。

「道の駅より無人駅」志向の私にとっては、
そのまま通り過ぎてしまうわけにはいかない新聞記事だった。
木古内-江差間は、江差駅以外訪問したことがなく、
その沿線に並行して走る道道5号線を通ったこともない。
ならば行かねば。行くならば紅葉の時期に。
そう考えた私は、11月最初の土日にそれを実現した。

本来の目的は、木古内-江差間にある駅を訪問することだった。
ただ、五稜郭-木古内間は車で通ったことはあれど、
その沿線にある駅をひとつとして訪問したことがなかったため、
五稜郭から江差まで、コンプリートに訪問することにした。

11月3日土曜日に函館に宿泊し、
11月4日日曜日の朝、五稜郭駅から出発した。
連日、雨模様だったが、この日は晴れ間がのぞいた。
上磯から見た函館山は幻想的だった。
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五稜郭から上磯まで(五稜郭・七重浜・東久根別・久根別・清川口・
上磯)は、海沿いの国道には郊外型店舗が、内陸側は住宅地が続く。
この区間は、駅を見つけるのに苦労した。
住宅街の入り組んだ細い道沿いに駅があったためだ。
通り過ぎて、戻って探すことの連続だった。

茂辺地(もへじ)駅からは、海岸沿いの田舎町たる雰囲気になり、
気持ちが穏やかになると同時に、胸底に沈んでいた気泡が
水面に向かって立ち上るように無人駅マインドが動き出す。
ただ、木古内までは本州と行き来する路線でもあるため、
どの駅も線路が2本ある。そのせいか、心地よい侘しさに欠ける。
とはいえ、「こういう集落のこの場所に駅があるのか」という感動は
あり、また、どの駅も、これまでに見た無人駅と比べると、
駅舎がきちんと掃除されており、きれいな感じがした。

例えば、泉沢駅の駅舎。
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間違って他人の家の居間に入ってしまったのかと思った。
テレビや台所や洗濯機があるのではないかと探したほどだ。
こういうストーブを見ると、ストーブの上にアルミホイルをのせ、
スケソのみりん干しを焼いて食べた昭和50年代前半の
冬の夜を思い出す。
まさしくここは、津軽海峡の冬景色が見られる場所だ。

渡島当別駅は、はいからだった。
どういうわけか駅舎が教会であり郵便局だった。
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なお、ご存じのとおり、私は車で無人駅を訪問する邪道のマニアである。
途中、木古内町内の国道沿いで、気になる地名を発見。
「橋呉(はしくれ)」である。
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「端くれ」ではないところが、妙に味わい深い。
「端くれ」を辞書でひけば、「取るに足らない存在ではあるが、
一応その類に属している者」と書かれている。
まさしく私は無人駅訪問者の端くれである。
驚いたのは、この「橋呉」という地区が、
100mもしないうちに「幸連」(こうれん)という地区に
変わったことである。
100mほどの間に民家は2、3軒しかなかった。
「橋呉」という住所を持っているのは、その2、3軒の方だけなのか、
非常に気になった。

そして、木古内駅に到着。
木古内駅は青森方面とを結ぶ特急の停車駅であり、かなり大きな駅だった。
青森行きの便は結構な本数があることを初めて知った。
これならば、ちょっと青森に出かけてみようかという気持ちになる。

木古内駅で昼の12時を迎えた。
ここで昼食をとろうと決めた。
駅のすぐ前の通りに、見過ごすわけにはいかない店があった。
「急行」である。
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どう見ても無視することはできない佇まいである。
暖簾がないため、営業しているのかどうかを確認するため
入口をのぞいたら、「営業中」と書かれた小さなプラスチックの板が
掲げられていた。

ただ、一筋縄ではいかないであろうと感じさせる店構えだったので、
木古内駅の1階の売店のおばさんにリサーチ。
他の町から食べにくる人が多く、ちょっとした有名な店であることや、
メニューは焼きそばのみであることを知る。
ちなみに、その売店で売られていた木古内産のニンニクは、
ひとかけが大きく、臭みはないのに、香ばしくキレのあり、
これまでに食べたニンニクの中で最も美味しかった。

さらに、客待ちをしていたタクシー運転手のおじさんにもリサーチ。
やはり、焼きそば目当ての他市町村からの客が多いとのことだった。
ただ、タクシー運転手のおじさんも、売店のおばさんも、
味については、もごもごとした反応だった。
「ソース焼きそばなんですか」との問いにさえ、
「ソースっていうか、まあ、なんていうかね。あんたどっから来たの?」と
唐突にはぐらかされる始末。
これが逆に私のチャレンジ・スピリットに火をつけた。
味はともあれ、少なくとも話のタネになる店であると確信したからだ。

そして入店。
昭和40~50年代の風情のある壁、床、テーブル、空気感。
「何かがある、何かが起こる」という期待を抱かせる。
客は30代前半と思われるカップルだけだった。

店に入ったものの、しばし無視される。
新たな客が入ってきたことはわかっているはずだ。
やり場なく、空いている席に座る。
1分経ち、2分経つも、店の人から声をかけられず、水も持ってこない。
どこまでこの状態が続くのか、もう少し粘ってみようと思ったその時、
「3番の人、何にします?」と、店のおばさんの声が。

そういう質問をされる状況にあるのは、店内で私しかいない。
だとしても、私は反応できなかった。
初対面の人を番号で呼ぶという、この店のしきたりに対して、
安易に反応すべきではないという気持ちが働いたからだ。

程なくして再度、「3番の人、何にします?」と聞かれた。
やはり番号で呼ぶスタイルで押し通すのか。ここはどこなんだ。
そう思いつつも、焼きそばを注文。
それに対して返事はなかった。

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焼きそばを待っている間、50代の男性客が来た。
黙ってカウンター席に座り、壁に掲示されたメニューを見ていた。
すると店のおばさんから、「焼きそばしかやってないから。
並か大盛りね。大盛り頼む人の方が多いけど」と声がかかった。
男性客は、寄り切られたような感じで、「じゃあ焼きそば大盛りで」。

20代半ばの男性客も来た。
これから電車に乗るらしく、持ち帰りをしたいと告げた。
それに対して店のおばさんは、「持ち帰りは焼きそばしかできないから。
大盛りの方が早くできるけど」と強い口調で応えた。
男性客は、わけがわからないような表情で、焼きそば大盛りを注文した。

来る客全員に焼きそばしかないことを告げているのだろうか。
メニュー表は変えず、口頭で焼きそばしかやってないことを告げる。
コミュニケーションを広げるため、そうしているのか。
いや、全くそうは思えない。

そして焼きそばが運ばれてきた。
店のおじさんは、予想通り黙って焼きそばをおいていった。

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甘みのある薄味のソース焼きそばだった。
カドがない優しい味で食べやすかった。
応対はハードだが、味はマイルドだった。

生まれ故郷にこの焼きそばがあり、
高校時代、土曜の昼にしょっちゅう食べていたとすれば、
大人になって故郷を離れてからも、
故郷へ帰るたびに食べたくなるような、
素朴ながらちょっと特別感のある一品だと思った。
無愛想さも含めて懐かしさと温かみを感じる味だろう。

焼きそばの並を食べたのだが、量は少なく、おやつレベルだった。
この量ならば食が細くなってきた中年男性でも大盛りが妥当かと思えた。
ただ、油が多めなので、大盛りだと飽きるかもしれない。

いずれにしても、面白い体験をすることができた。
決して愉快な気分にはならなかったが、
木古内の思い出ができたのは間違いない。
ならば愉快だったと言うべきだろう。
ごちそうさまでした、お体に気をつけて。

そして私は、木古内から江差に向かった。
後編へつづく。
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テーマ:北海道 - ジャンル:地域情報



















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