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ここ数年、ぜひライブを観てみたいと思っていた女性シンガーは、
山本潤子さんと浜田真理子さんだった。

10月上旬、栗山町に出張した。
用務が終わり、JR栗山駅で電車を待っていた。
電車が来るまで15分ほど時間があったので、
駅と隣接しているカルチャープラザという施設をぶらぶらした。

そのとき、山本潤子さんのポスターを目にした。
よく見てみると、北広島市で開催されるコンサートのポスターだった。
コンサートの日まで間近だったので、
すぐにチケットを入手しなければと思い、
その場でi-phone4を取り出して調べた。
しかし既に完売であることを知った。

なんとも残念な気持ちで、岩見沢行きの普通電車に乗った。
情報が多すぎて、ほんとに欲しい情報が得にくくなっているのか、
などと思いつつ、長閑な田園風景の中を電車に揺られた。

山本潤子さんは滅多に北海道でライブをしないだろう。
その数少ない機会を逃したショックは夜まで続いた。
夕食の後、大好物である栗ようかんを食べながら北海道新聞・夕刊を見る。
そこで小さな奇跡に出会った。
浜田真理子さんが札幌にライブに来るという記事を発見したからだ。

浜田さんは、松江市在住のピアノ弾きのシンガー。
インディーズ・レーベルからのリリースしかないものの、
優しく温かく静かな強さのある彼女の歌のファンは全国にいる。
あまり島根県以外の地でライブをしない方なので、
札幌でライブをすることを、にわかには信じ難かった。

ライブは150席限定だったため、
早急にチケットを入手しなければと思い、
早速、翌朝アピアのローソンで購入した。
職場の上司には、ライブの約1か月前にもかかわらず、
「11月2日は、なんとか定時に帰らせでいただきたいと思う次第で
ありまして」などと、神妙な面持ちで勝手に定時帰りを予約した。

そして無事、浜田さんのライブに直接触れることができた。
121102浜田真理子ライブ 
↑開演直前の会場内。お客さんは50代、60代の方が多かった。

開演は午後7時。
会場は時計台ホール。その名のとおり、時計台の中にあるスペースである。
浜田さんは6時58分に登場。
お辞儀をして静かにピアノの前に座る。そして沈黙。
そのとき時計台の鐘が鳴った。
鐘が鳴りやみ、浜田さんのピアノが始まった。
1曲目は「あなたへ」という曲。
私が最も好きな曲である。
なんとも感動的なオープニングだった。

浜田さんのピアノ・プレイは、基本的に打ち数が少ない。
それがすごくいい。
矢野顕子さんにしても、それを真似る清水ミチコ氏もそうだが、
私は打ち数の少ないピアノが大好きである。

浜田さんの曲は、日本語の美しさを気づかせてくれる。
昭和的な言葉の使い方がすごく落ち着くし、引き込まれていく。
そういう歌詞があるわけではないのに、
海や風や雨の歩道や故郷の景色が、ふっと頭の中に現れる。
それと、「生」と「死」というものへの思いが強く感じられた。

トークも自然体で心地よかった。
私だけがそう感じるのかもしれないが、
トークから曲への流れは、なんとなくベッドサイドトークのようで、
場数を踏んだ大人の雰囲気と音楽への愛が滲み出ていた。

121102浜田真理子ライブ2 

この日最も引き込まれたのは、「骨董屋」という曲。
さらっとしているのに豊かな深みのある彼女の声と、
甘美なメロディに、ぐっと心を持っていかれた。

アンコールの1曲目は、「恋の町札幌」。
やはり、この街の曲をやってくれるのは嬉しいものだ。
そして、アンコールの2曲目、これがラストだったのだが、
私が浜田さんに興味を持つきっかけになった曲、
「水の都に雨が降る」を演奏した。

 夢で見たような銀色の空を
 トタン屋根越しに仰いでみる
 
 松江に雨が降る 古き水の都
 傘を広げひとり バスを待つ

 ここへ帰るのは何度目だろうか
 迎える景色に温もりがある

 松江に雨が降る 古き水の都
 傘をすぼめひとり バスに乗る

 置いてきたいくつかの思い出のかけらを
 温めるわたしに雨はやさしい

 松江に雨が降る 古き水の都
 変わらぬ町並みを バスは行く

私にとっての理想の歌詞である。
なんでもない故郷の日常の景色を温かく、
でも、ちょっと切なく描いている。

この日の札幌は雨だった。
連日、夕方から雨が降り、多少うんざりしていたのだが、
ライブの心地よい余韻に浸りながら、
傘を差して帰る秋の終わりも悪くないと思った。
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テーマ:ライヴレポ・感想 - ジャンル:音楽



















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