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今回もまずは、次のライブのお知らせを。

■2012年8月25日(土)18時スタート
celestone code vox(函館)/forelow(釧路)/まいご/
  BLACK VELDT GONER/またたび/Johnny輪島/
  THE HEART OF STONE
■前売1,000円 当日1,500

お値段以上になるようなライブにすべく準備をして臨みます。
よろしくお願いします。

               ◆

ところで、私がライジング・サン・ロックフェスティバルに
行く気持ちにならないのは、
完全なる野外で、座れない状態が長時間続くためだ。
一日中このフェスを観戦できる人は皆、
真夏にフルマラソンを完走できる能力を持っていると思う。

今後はロック愛好者だって高齢化するし少子化する。
10年後にはロックのライブを観る人の平均年齢は
40歳を超えるのではないか。
そうした来たるべき社会に向けて、
今からせめてオールスイッティング会場を、
とりあえずひとつでいいからセットしていただければと思う。

ライブはとにかく、やるより見る方が疲れる。
それに、テントを張って団体で観戦する方は多くいるが、
一人でぼけっとライブを見たい人も少なくないはずだ。
そういう選択もできるフェスになればと思う。
しかしこれを変えるのは難しいだろう。
総理大臣を変えるよりも難しいだろう。
ロック・フェスよりも政治の方がある意味、民意を反映する。

              ◆

さて、今回はブックレヴュー。
よろしくどうぞ。

■川上未映子「すべて真夜中恋人たち」
川上未映子/すべて真夜中の恋人たち

「光」をテーマにした、ちょっと観念的な記述が多いため、
賛否両論のある作品だと思うが、私はなかなか面白く読めた。

小説などの校正の仕事をしながら、
淡々と質素な生活を送っている30代の女性。
ある日、カルチャーセンターで50代の高校教師の男性と知り合う。
恋をするのも面倒で、一人で気楽に過ごしていた彼女だったが、
静かに少しずつ彼に惹かれていく、そんな話である。

これだけだと、何か眠たくなるような内容なのかと思うかもしれない。
私も最初はそう思いつつ読み始めた。
ところが、彼女のなんともグータラとした描写や、
仕事や人生に対する「ゆらめき」や「あきらめ」のような心象風景を
上手く描いていて、味わい深いものになっている。

全く酒を飲めなかったのに、
仕事や小さな恋の始まりにイライラしたり、落ちこんだりして、
それを鎮めるために酒を飲み始めたら、すっかり酒漬けになってしまい、
彼と会う時でさえ、酒を飲んでから出かけるようになる。
そんな設定が妙に面白い。

彼との恋は、静かで、影があって、何かが薄くて、
どこか儚さが漂っている。
大きな出来事もない。なのに退屈させない。
筆者の物書きとしての才能を感じさせる。

10年ぶりに再会した高校の同級生の女性が、
赤裸々に不倫の告白をする場面。
最後に発した心にぐさっとくるような突き放した一言は衝撃的。
二番目に印象に残ったシーンである。

終盤の、懇意にしている女性編集者とのケンカの場面も圧巻。
この作品のクライマックスはここなのかと思わせる。
このシーンが一番印象に残った。

■冲方丁「天地明察・上」
     冲方丁/天地明察・上

2010年の本屋大賞第1位の作品。
文庫化され、まずは上巻のみ購入し、読んでみた。
徳川四代将軍家綱の時代、日本独自の暦を作り上げるという
プロジェクトが立ち上がる。
その改暦事業に抜擢された男の物語である。

ピンとこなかった。
各方面で絶賛された作品だが、私にはよくわからなかった。
まず、最初の5頁が、さっぱり理解できなかった。
その後は、算術、暦学、囲碁について踏み込んで書かれており、
私の想像力が機能しなくなった。

50頁くらいまでは3回読んだ。
それでも、ぼんやりとしたイメージしか浮かばず、
私の感覚とうまくかみ合わない感じがした。

本屋大賞の1位になるほど多くの人に支持されたということは、
この作品の内容を理解した人も多くいるということだ。
そこに驚いてしまう。
下巻は感動的な場面が多いようだが、下巻を読む意欲はない。
筆者の名も、振り仮名なしには読めない。

■鈴木智彦「ヤクザと原発」
     鈴木智彦/ヤクザと原発

暴力団関係の著書が多い筆者が、
福島第一原発のがれき処理などをする下請け会社に就職し、
爆発後の原発に潜入ルポをした作品。

「原発は金になる」として、暴力団があらゆる形で、
原発産業に介入している様はなかなか興味深い。
特に、原発反対派に「話をつける」ことや、
利益の配分がうまくいくように取りまとめるなど、
裏で仕切っている様は、さながらよくできた総務課である。
それを企業側も見て見ぬふりをしている。
なお、ヤクザと原発について語られているのは一部であり、
大半は、爆発後の原発を取り巻く状況である。

正直、場面や時系列が行ったり来たりするなど、
何かを軸にして一本の線でつながったような構成になっていないため、
私にとっては、ぐっと入り込む読み物という感じはしなかった。

しかし、貴重な情報が数々盛り込まれている。
原発の後始末の工事は、二次、三次の下請けどころではなく、
十次くらいまで下されていて、
東京電力や、東芝、日立などの原発メーカーは、
危険な場所にはほとんど足を踏み入れていないこと。
十次請けの業者は、極めて危険な作業をしていながらも
通常の土木工事と同じくらいの給料であるという壮絶な格差。
いわき市の繁華街は原発作業員によってバブル状態であり、
特に風俗店や高級飲食店が盛況であること。
そういう店には東京電力の社員も多く、
勘定は下請け会社が支払っていること。
原発作業員が身に着けている線量計の数値は、
累積の数値が一定数に達すると、被爆の危険から作業をはずされる。
仕事を失いたくない作業員は、線量計が反応しないよう細工をして、
作業を続けている。
こうした報道されない現実がてんこ盛りである。
作業員は、東京電力のことを「電力」と呼んでいる。
そんな情報も、なかなか渋くて良い。

終盤、重点的に書かれているのが、「汚染」のこと。
報道は、放射線量の状態ばかり取り上げるが、
最も敏感になるべきか「汚染」の状態であると言っている。

特に建物、そして除染されていない車が普通に街を走っている現実。
除染しても、除染に使った水はそのまま垂れ流されている。
木々も汚染され、それが風に舞って広範囲に及び、
また、木々の成分が川の水に入り込むことなど、
とんでもなく恐ろしいことが現在進行形で起こっている。

こうしたことを政府も電力も知っている。
ほんとうは洗いざらいぶちまけて楽になりたいのではないか。
しかし、そうすればパニックになる。
だから情報を小出しにせざるを得ない。
そうしたことを語っている終盤は説得力があった。
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テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌



















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