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今回は、2000年から2009年までの10年間における、
ベスト・アルバム10枚をお送りしたい。

私は、90年代に、あまり新しい洋楽ロックを聴いていなかった。
ロックがヘヴィ化、あるいは、コンピュータ化し、
魅力を感じていなかったからである。

2000年代に突入すると、ロックらしいロックが復活した。
それに加え、自らは音楽活動をしていなかったため、
他のアーチストの曲を聴く余裕ができたことや、
留萌市にて2年半ほどラジオ番組を担当させていただいたことで、
オンエアする曲をチョイスするために、
音楽を聴く機会が増えたことなどにより、
リスナーとして、充実したミュージック・ライフを送ることができた。

そこで企画したのが、「2000-2009・この10枚」。
今回は、私のミュージック・ライフに多大な貢献をしてくれている
ロック知人、スミス西野氏とダーオ小田氏による10枚も紹介したい。

10枚をチョイスするにも、各アルバムのコメントを
9行にまとめるにも結構なエネルギーを要した。

エネルギーの使い途に疑問も感じているが、
真剣にアイ・ライク・ロックミュージックなので、どうもできない。
それでは、どうぞ。

■ザ・ストロークス「IS THIS IT」(2001)
  ザ・ストロークス/IS THIS IT 
ザ・ストロークスのファースト・アルバム。
CD店でたまたま流れていた曲に衝撃を受け、
店員に、今流れているアルバムは何かと尋ね、
ストロークスとは何たるかも知らずにその場で購入したアルバム。
チープでラフでルーズで、でもちょっとナイーヴ、それでいてクール。
ロックってこういうものだよなと、ダイレクトに感じさせた傑作。
2nd、3rdアルバムと、ダイナミックで力強いサウンドに
進化したのに比べ、このアルバムにある原石のような輝きは魅力的。
荒削りながら、実に計算されたバンド・アンサンブルも素晴らしい。

■コールド・プレイ/X&Y(2005)
  COLDPLAY/X&Y 
コールド・プレイのサード・アルバム。
2000年代の10年間で1枚だけ選ぶとすれば、
前出のストロークスのアルバムか、これのどちらかである。
とにかくメロディ・ラインが素晴らしい。
閉じこめられた心の窓から見えた結晶のような美しいメロディ。
楽器の構成、展開、そして曲順もベストである。
何の気なしに聴いていたのに、気づいてみると、
完全にコールドプレイの世界に浸っている。その吸引力は圧倒的。
今聴いても、新たな感動がある。全曲が素晴らしい。

■ジャック・ジョンソン「IN BETWEEN DREAMS」(2005)
  ジャック・ジョンソン/IN BETWEEN DREAMS 
2000年代半ばの3年間は留萌市に住んでいた。
その当時、最も聴いたアーチストは、ジャック・ジョンソンである。
とりわけ、このアルバムは何度も聴いた。常に車の中にあった。
彼の癒しのアコースティック・サウンドは、
サーフ・ミュージックというものの形を変えたといってもいい。
語りかけるような温かみのあるボーカル。
意外にブルージーなフレーズも見え隠れするところもぶいしーだなと。
そして実は、極めて良質なポップ・ミュージックでもある。
今でも、海のある景色に出会える日は、このアルバムを連れて行く。

■ジェット「GET BORN」(2003)
  JET/GET BORN 
2006年リリースのセカンドアルバムと、どちらをチョイスするか
迷ったが、瞬発力と直接性で、ファーストを選んだ。
ロックには様々なジャンルがある。
しかし、このアルバムは、どんな人に聴かせても、
「これはロックだ」としか言いようがない、ど真ん中ぶりが良い。
クラシカルなロック・フレーズの安心感。
自然に身体が動き出すようなノリを作れる演奏力の高さ。
そして、まさにロックの王道たるボーカルの声質と歌い方。
時代が変わっても、きちんと聴ける新しいのに古典的なアルバム。

■アーケイド・ファイア「フューネラル」(2005)
  アーケイド・ファイア/フューネラル 
カナダのバンド、アーケイド・ファイアのファーストアルバム。
このサウンドは説明が難しい。
壮大で華やかなサイケというか、雑多な楽団ロックというか。
質は異なるが、感触はU2に近い何かを感じる。
夜明けとともに新しい景色に出会えるような誕生感。
日暮れとともに何かが動き始めるような高揚感。
エレクトリックな楽器を使った21世紀のバンドというより、
長くそこに住んでいる民族の原始的な音楽ともいうべき土着感。
全く近づけないと感じさせる孤高ぶりも、作品のクオリティを上げている。

■アークティック・モンキーズ
「WHATEVER PEOPLE SAY I AM,THAT'S WHAT I'M NOT」(2006)
  アークティック・モンキーズ/1st 
まず、どうでもいいが、タイトルが長すぎる。
世界的に客観的に見ても、2000年代を代表するアルバムとして、
本作をチョイスする人は多いだろう。
スピード感のある激しいサウンドなのだがクール。
UKロックらしいメランコリックなメロディ。
ビート系ロックが持つスリル感。
フレーズはスタンダードなものが多いが、切り口が斬新で、
詰め込み過ぎがちな歌詞なども含め、独特の世界観を作り上げている。
ファーストアルバムらしい爆発感は、今聴いても鮮やか。

■オアシス「DIG OUT YOUR SOUL」(2008)
  oasis/dig out 
2005年には「ライラ」という珠玉のナンバーはあったものの、
2000年以降の3枚のアルバムは、噛み応えがなく物足りなかった。
オアシスもこれまでかと思い、ラストチャンスのつもりで聴いたこの作品。
驚いた。やればできるじゃないかと思わせてくれた。
パワーが外側に向き、輪郭がヴィヴィットになり、質感が増した。
昨年3月には初の札幌公演、そして年末近くにはノエル・ギャラガーの
脱退報道など、今後の彼らの動向が気になるところだが、
いずれにしても、2000年代にも、
ハートを揺さぶる良質の作品を残したオアシスはやはり凄い。

■プライマル・スクリーム「RIOT CITY BLUES(2006)
  プライマル・スクリーム/RIOT CITY BLUES 
90年代は全く聴く気がしなかったが、00年代に入ってから
突如フェイバリットしたアーチストの筆頭がプライマル・スクリーム。
この真正面からの明快なロックンロールには驚いた。
特に1曲目収録の「カントリー・ガール」は、鳥肌が立つほど無垢。
2000年代屈指のハッピー気分にさせるナンバーだろう。
アルバム全体としての楽曲のまとまりとしては、
2008年リリースの「ビューティフル・フューチャー」の方が上だが、
このアルバムはエナジーを感じる。勢いとノリのレベルが違う。
まさに、ロックンロール万歳!な名作。

■AC/DC「BLACK ICE
」(2008)
  AC/DC/BLACK ICE 
40歳を過ぎてから、AC/DCの凄さがわかった。裏を返せば、
やっとAC/DCを理解できる音楽力がついてきたということだ。
10代の頃から、高音ヴォイスのハード・ロックは苦手だった。
ところが今聴いてみると、なんとストレートなロックンロール。
金太郎飴のように、どこから聴いても同じサウンドだと揶揄され、
確かに、一貫して四角いリズムの曲の連続ではあるが。
捨て曲なしの、バランスの取れた完成度の高いアルバムである。
小手先の技術や、コンピュータによる加工や調整に頼らず、
そのままの音で勝負する50代後半の彼らに敬意と称賛。

■マルーン5「SONGS ABOUT JANE」(2002)
  マルーン5/SONGS ABOUT JANE 
世界的にビッグ・セールスを得た作品。
ブラック、ポップ、ファンクが融合したようなサウンドで、
どれもマニアックになりすぎず、それぞれの加減が絶妙。
ロック化したスティービー・ワンダーのようにも感じる。
かつてどこかで聴いたことがあるようなレトロなフレバーなのだが、
現代な味付けにより劇的に美味しくなったようなサウンド。
感触がマイルドで、何度も聴けてしまう普遍性がある。
このアルバムが、とんでもなくヒットしたことによって影に隠れているが、
2007年リリースのセカンドアルバムも卓越した作品。

   ◇     ◆     ◇

10枚を選ぶにあたり、最後まで含めるかどうか迷ったのが、
フランツ・フェルディナンド「フランツ・フェルディナンド」(2004)、
ブルース・スプリングスティーン「MAGIC」(2007)、
ベック「MODERN GUILT」(2008)の3枚。

特にフランツ・フェルディナンドの、
ギターのビートによるダンサブル・ロックは刺激的だった。
間違いなく2000年代を象徴するアルバムである。
ベックは、プライマル・スクリームと同様、
90年代は、あまりの抽象さに、ほとんど聴く気がしなかったが、
00年代は、大人の渋いポップともいうべき良い作品を連発。
特に「MODERN GUILT」は、これまでの彼のアルバムの中では、
迷うことなくナンバー1である。

さて、続いては、ロック知人達がチョイスした10枚。

【ダーオ小田氏の2000-2009・この10枚】
リンキンパーク  レッチリ/BY THE WAY

 ・ オアシス「DIG OUT YOUR SOUL」(2008)
 ・ ザ・ヴァーヴ「Forth
」(2008)
 ・ レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン
  「LIVE AT GRAND OLYMPIC AUDITORUIM」(2003)
 ・ レッド・ホット・チリ・ペッパーズ「BY THE WAY」(2002)
 ・ リンキンパーク「HYBRID THEORY」(2001)
 ・ ザ・ヴァインズ「VISION VALLEY」(2006)
 ・ AC/DC「BLACK ICE」(2008)
 ・ コールド・プレイ「X&Y」(2005)
 ・ U2「HOW TO DISMANTLE AN ATOMIC BOMB」(2004)
 ・ ブルース・スプリングスティーン「MAGIC」(2007)

彼に、この企画について話したところ、即座に、
「レッチリは入るな。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンも入るね。
 AC/DCもあるし、ヴァーヴも入るだろうし」と、
次から次にアーチスト名が出てきた。
それほどに熱い情熱を持って、この企画に参加してくれた。


客観的に見ても、そうそうたる10枚である。
ただ、レイジもレッチリも、一般的にはこの後のアルバムの方が
話題になった、というか、セールス的に上だったと思われるが、
大衆の支持に惑わされることなく評価したダーオ氏のセンスは
信頼に値する。



【スミス西野氏の2000-2009・この10枚】
beck/modern guilt  リバティーンズ

 ・ アークティック・モンキーズ
    「WHATEVER PEOPLE SAY I AM, THAT'S WHAT I'M NOT」(2006)
 ・ カサビアン「KASABIAN」(2004)
 ・ ザ・クークス「KONK」(2008)
 ・ フランツ・フェルディナンド「フランツ・フェルディナンド」(2004)
 ・ ベック「MODERN GUILT」(2008)
 ・ レディオヘッド「IN RAINBOWS」(2007)
 ・ ザ・ミュージック「STRANGS IN NUMBERS」(2008)
 ・ ニュー・オーダー「WAITING FOR THE SILENCE CALL」(2005)
 ・ ザ・リバティーンズ「THE LIBERTINES」(2004)
 ・ モリッシー「ユー・アー・ザ・クワーリー」(2004)

こちらも異論をはさみようがない、なるほど納得の10枚である。
なかでも、カサビアンとリバティーンズは、
ひとつのムーブメントを作った、2000年代を代表するバンドである。

ニュー・オーダーとモリッシーを、そつなくチョイスしているところも、
彼の揺らぐことのないUKロックへの敬愛を感じさせる。

そんな彼からのコメントは次のとおり。
「ここに挙げたアルバムは、そのバンドにとっての
 ファースト・アルバムが多いです。
 初めて聴いた衝撃が凄まじかったぜ、度肝を抜かれちゃったぜ、
 ということで選びました。
 ベックのアルバムは、これまでの彼のワークスの中で最高傑作です。
 レディオ頭は、「OKコンピュータ」以来の良いアルバムです。
 ザ・音楽の「グルーヴ感」、ザ・放蕩者の「安っぽさ」も最高でした。
 それと、やはりニュー・オーダーは欠かせません。
 私にとってのニュー・オーダーは、
 ザ・ジャム、ザ・スミスと並ぶ最も重要なバンドです」

   ◇     ◆     ◇

ダーオ小田氏、スミス西野氏と私。
三人の音楽嗜好の相違はあれど、
アークティック・モンキーズの1stと、
コールド・プレイ「X&Y」は、全員が挙げると思っていた。
ところが、三人全員に共通したアルバムはひとつもなかった。
それどころか、ダーオ小田氏とスミス西野氏は、
一作品もかぶっていないから驚いた。

この企画を「この20枚」にしたならば、
三者で重複する作品も多かったかと思うが、
10年で10枚にすると、票は分かれるものだと実感。
裏を返せば、00年代は、
90年代のオアシスの1stや、ニルヴァーナの「NEVER MIND」
のような、誰しもが認める決定的な作品がなかったのかもしれない。

それにしても、遠い国の他人がリリースしたアルバムに関して、
これほど熱く語る私のエネルギーの使い方は
やはり間違っているのではないか。
自己満足にもほどがあるだろうと。
そして、どれほどの意味があるのかと。

しかし、その意味を考えることこそ意味がないことにする。
ロック・ミュージックが、
さえない日々と折れそうな心を支えているのは事実。
ロック・ミュージックを自由に聴くことができる環境にあること。
それだけで十分に幸せなことだし、ピースフルなことだろう。
アイ・ライク・ロックミュージック。

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テーマ:洋楽CDレビュー - ジャンル:音楽





ストロークスのセカンドを某公共機関に働く方に
お貸ししたのですが戻らずに5~6年はなるでしょう。
現在はどこにいるのでしょうか?
そんなことをこちらの記事を読んで思い出しました。
【2010/02/04 22:53】 URL | マキシ #-[ 編集]

マキシさん、コメントありがとう。
ストロークスのセカンドは、「う~ん?」という感じでした。
保有しているものの、5~6年は聴いていないです。
マキシさんの敬愛するポール・ウェラーも、
2000年代に数作品をリリースしましたが、
「AS IS NOW」が特に好きで、トップ20ならばインしたなと思います。
ウィーザーも1作もインしておらず恐縮です。
【2010/02/06 12:41】 URL | クグエSW #-[ 編集]















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