ADMIN TITLE LIST

今回は、「2009・アルバム・オブ・ザ・イア」。
私のわがままなセンスと勝手な事情に基づいて、
2009年に聴いた音楽作品を、
一方的に順位をつけて評価させていいだく企画である。

2009年は、自らのバンドのCD製作に、
音楽エナジーを注ぎ込んだ時間が多かったため、
例年に比べて、一般の音楽を聴く時間は少なかった。

また、2009年の傾向として、
過去の作品への回帰や、2008年作品を引き続き聴くという現象が目立った。
そこで、2009年のアルバム・オブ・ザ・イアは、
「新作部門」と「過去作品部門」に区分した。

新作部門の対象は次のとおり。
①2008年10月から2009年12月31日までにリリースされた洋楽作品。
②ベスト盤やリマスター盤などの企画モノは除く。

過去作品部門の対象は、新作部門の対象以外の全てとする。

2009年の新作は、私のリスン時間が少なめだったことも影響しているが、
飛び抜けて印象のある作品や、何度も何度も聴いたような作品がない。
つまり、決定的な作品がなかった。
特に1位になる作品は、言わずもがな聴いた回数が大きなポイントになるが、
その年の代表的な出来事に付随しているような曲、
つまり、その曲を聴けば、2009年を思い出すような
象徴的な要素が重要である。
ところが、2009年の新作部門は、その要素が薄い。

ただ、作品としては良いものが多く、粒ぞろいだった。
不作だった2007年に比べれば数段良い。
そしてなにより、記録として、今ここに記しておくことが大切なのだ。
このタイミングで整理し、足跡を残すことが次につながるのだ。
そういうわけで、まずは新作部門の発表です。

【新作部門】

№1 ボブ・ディラン「TOGETHER THROUGH LIFE」
  2009-1 ボブ・ディラン

 ボブ・ディランといえば、往年の有名曲のイメージが強い方が
 多いだろうが、2000年代も非常に良質な作品を送り出している。
 ブルースやネイティヴなフォークっぽい曲が中心。
 メロディは至ってベーシックで、正直、大きな特徴はない。
 ところが、ディランが歌うと、実に味わい深いメロディになる。
 音の感触はラフでフリーなのだが、
 それが逆にディランの渋さやハートフルなところを
 浮かび上がらせている。
 一人でも、誰かとでも、いい夜を過ごしたい時には
 
最高のBGMになるだろう。

№2 ジェット「SHAKA ROCK」
  2009-2 ジェット

 オーストラリアのロック・バンド「ジェット」のサードアルバム。
 70年代的なオールド・ロックンロール・サウンドをベースとしながら、
 現代的なアタックの強いサウンド。
 ひとつ突き抜けた感じで、自由かつパワフルな印象を受ける。
 どこかで聴いたことがある、これぞロックたるフレーズが随所にある。
 これを心地よく感じるか、新鮮味がないと感じるかで評価は分かれるところ。
 私は、相性が合うのだろう。スタンダード感、ベーシック感が、実に馴染む。
 ボーカルは文句なしに上手い。決定的にロック偏差値の高いボーカルである。
 きちんとロック的なキャッチーさがある歌メロも、やはり素晴らしい。

№3 ソニック・ユース「THE ETERNAL」
  2009-3 ソニックユース

 アメリカのベテラン・バンドの15作目。
 ノイジー系やオルタナティヴ系のロックがちょっと苦手な私は、
 これまでソニック・ユースを、きちんと聴いてこなかった。
 このアルバムも、ロック知人「TNKタナカ」氏から
 聴かせてもらわなければ、聴くことはなかっただろう。
 パンク・ロック的な興奮を感じさせるエネルギッシュな作品。
 音がクリアではなく、こもり気味なところが逆に、
 爆発感をちらつかせるとともに、まとまりを見せている。
 良いテンション、良い雰囲気でレコーディングしたのが伝わる佳作。

№4 ペットショップ・ボーイズ「YES」
  2009-4 ペットショップ・ボーイズ

 まさに80年代後半の王道エレクトリック・ポップ。
 ソフトで、浮遊感があり、ロマンティック。
 とにかく都会の夜な作品である。
 ビルとネオンと人混みとシータク。
 そんなハードな環境で、涼しい顔をして泳いでいるかのようなサウンド。
 聴きやすく、身を委ねたくなるような癒し要素もある。
 パフュームは、次はこの路線をいくべきだ。
 パフュームにカバーしてほしいと本気で思う。

№5 ブルース・スプリングスティーン「WORKING ON A DREAM
  2009-5 ブルース・スプリングスティーン

 前作からの、あまりに短いインターバルでのリリースに、
 こちら側の欲求が低く、聴くテンションが上がらず、
 また、前作と、曲調、サウンドとも同じ路線で、盛り上がりに欠けた。
 ところが、聴き込むと、やはり曲が安定しており、
 彼の温かく力強いボーカルが、芯のある作品に押し上げている。
 また、カントリー的なサウンドの曲や、
 ルーツ・ロック的な古くさいフレーズが随所にあり、
 実はバラエティに富んだ作品にも思えてくる。

№6 U2「NO LINE ON THE HORIZON」
  2009-6 U2

 やはりU2のスケールは凄いなと感じた。
 リズムはシンプルだし、使用楽器の数も多くはないのに、
 大きな広がりを作り、聴き手をグイグイ引き込むパワーがある。
 ロックのプリミィティヴな部分を追求したような
 前半から中盤までの楽曲は圧巻。
 特に2曲目の「MAGNIFICENT」は、
 2009年の全ての新作の中でナンバー1にしたいほどの傑作。
 ところが、後半の数曲は、メロディに色や香りがない。
 それが6位どまりだった最大の要因。

№7 アークティック・モンキーズ「HUMHUG」
  2009-7 アークティック・モンキーズ

 イギリスの代表的若手バンドのサードアルバム。
 ダークで、ワイルドで、スマートで、メランコリックで、
 気怠くもスリル感のある、まさにカッコいい作品。
 スケール感が増し、才能の豊かさも感じさせる。
 ただ、メロディやフレーズが印象に残りにくい。
 ポップさを排除したのが、距離を作ってしまったように思える。
 とはいえ、クオリティは高く、紛れもなく優れた作品。

№8 カサビアン「ルナティック・アサイラム」
  2009-8 カサビアン

 イギリスのロック・バンド「カサビアン」のサードアルバム。
 決定力のあるキャッチーな曲はないが、
 アルバム全体としてのまとまりという面では、1st、2ndより上。
 アンダーグラウンド的異様ムードが満載だが、
 これぞブリティッシュたるメロディはキャッチーで、
 覚えやすく、口ずさみやすく、どこか懐かしく、大衆性が高い。
 ただ、後半の数曲は、マニアック度が高く、この順位まで。

№9 ウィーザー「RATITUDE」
  2009-9 ウィーザー

 2009年の「レッド・アルバム」に続く2年連続のリリース。
 「レッド・アルバム」に対する私の評価は低かった。
 それに比べて今作は、突き抜けるポップさが全面に出ていて良い。
 軸がしっかりしており、解き放たれたような勢いがある。
 聴いていて引っかかりがなく、1曲目から通しで聴ける。
 ウィーザー・ファンが求めているウィーザーというか、
 ウィーザー・スタンダードを良い形で表現している。
   
№10 フランツ・フェルディナンド「TONIGHT」
  2009-10 フランツ・フェルディナンド

 ギターのビートでダンス・ロックを表現する稀有なバンド。
 音楽的な幅を広げ、サウンドづくりのクオリティも向上している。
 ただ、彼らは、グイグイと押してくる開放的なビートや、
 ちょっとB級ポップっぽいノリがセールス・ポイントだった。
 今作は、ゴージャスかつクールになり、いい意味でのB級さが薄れた。
 良い曲もあるが、アルバムという単位で見ると、
 いささかリピート力が弱いか。

    ◇     ◆     ◇

続いて、過去作品部門。
2009年は、新作よりも過去作品を多く聴いた。
後から振り返って、2009年を象徴するアルバムは?となったら、
新作ではなく、以下のアルバムからチョイスされるだろう。

それでは過去作品部門の発表です。
過去作品部門は順位をつけませんので、ご了承願います。

【過去作品部門】
■AC/DC「BLACK ICE」
 2009-AC/DC
 2009年前半で最も聴いたアルバム。
 四角いリズムの一本調子の曲が多く、展開もストレートだが、
 ギターのフレーズが、いちいちカッコいいため、何度も聴けた。
 慣れないリスナーならばワンパターンに感じるだろうが、
 シンプルなアレンジの中の奥深さとエナジーに感服する。
 2008年10月リリースで、音源を入手したのが
 同年12月下旬だったことから、あまり聴きこめず、
 2008年の順位は11位だったが、
 2009年の対象になっていれば、間違いなく1位の作品だった。

■キングス・オブ・レオン「ONLY BY THE NIGHT」
 2009-KINGS OF LEON

 上記のAC/DC作品と同様に、リリースが2008年9月で、
 バイしたのが2009年の初めだったため、
 新作部門にはエントリーできず。
 エントリーできていたら、AC/DCに次ぐ2位だっただろう。
 曲のど真ん中を突く太いリズム隊に、ジャンキーかつ繊細なギター。
 ベテラン然とした深みのある乾いたスモーキーなボーカル。
 圧倒的なロック偏差値の高さを感じさせる上質ロックンロール。
 シングル・カットされた「ユーズ・サムバディ」は、
 現在もアメリカでヒット中。

■エリック・クラプトン「FROM THE CRADLE」
 2009-ERIC CLARTON

 1994年にリリースされたブルースのスタンダード・ナンバー集。
 この5、6年、頻繁に聴いている。
 とにかくギター・プレイが圧巻。

 コピーしても全く雰囲気が出せない独特の間や、
 出す音と出さない音のバランスのマジックは、
 聴くほどにわからなくなっていくような天才的な奥深さがある。
 私にとっての音楽の教材としての位置づけも強いアルバムである。
 クラプトン名義の作品の中では、あまりメジャーなアルバムではないが、
 何度聴いても飽きないし、気づいたら心地よくなっている。
 さらっとしていながら緻密なドラムやベースのまろやかなうねりなども、
 ほんとに素晴らしい。
  
バディ・ガイ「I WAS WALKING THROUGH THE WOODS」
 2009-Buddy Guy

 クラプトンが、柔らかい指づかいで渋いギターを弾くとすれば、
 バディ・ガイは剛であり熱い。
 緊張感とテンションの高さが伝わり、聴いている側が昂ぶってくる。
 例えば、同じギター・フレーズを4回繰り返すにしても、
 4回とも間が微妙に違うところなど、カッコいいなと。
 というか、そういうラフさが似合うミュージシャンなのだ。
 歌メロも親しみやすく、ボーカルの感情爆発ぶりも素晴らしい。
 このアルバムもまた、私の音楽教材として重要な役割を果たした。

■レッド・ツェッペリン「REMASTERS」
 2009-LED ZEPPELIN

 2009年後半で最も聴いたアルバム。
 若い頃は受け付けなかったツェッペリンだが、
 43歳にして、ついに開眼した。
 ドラマチックでハードな印象があるバンドだが、
 実はシンプルでキャッチーで、見事なまとまりがある。
 ボーカルのメロディとギター・フレーズとの一体感や、
 ドラムのリズム感など、聴くほどに凄さを発見していく。
 当初は、初期の作品に傾倒していたが、後期作品も心に染みついてきた。
 2009年でベスト盤は卒業し、
 2010年は、オリジナルアルバムを聴きたい。

    ◇     ◆     ◇

以上である。
私のアルバム・オブ・ザ・イアは、基本的に洋楽対象であるため、
日本人アーチストの作品はエントリーしなかったのだが、
忌野清志郎氏に触れずにはいられない。

私のミュージック・ライフだけではなく、
人生に多大なる影響を与え、励ましと力をいただいた。
他界先でも、曲作りをして、ブルースを、ロックンロールを
奏でているのだろう。
ジミ・ヘンやオーティス・レディングともセッションしたかもしれない。
清志郎氏に教えてもらったことを無駄にせず、生かすためにも、
2010年もたくさんの音楽と触れあいたい。
もっといい言葉を、もっといいメロディを作りたいし、
もっともっといいプレイができるようになりたい。
そうやって、清志郎氏がくれたものに応えていきたい。
そして忘れてはならない。
音楽とも、人とも、愛し合います。

スポンサーサイト

テーマ:CDレビュー - ジャンル:音楽



















管理者にだけ表示を許可する



| HOME |

Design by mi104c.
Copyright © 2017 トゥナイト今夜もRock Me Baby, All rights reserved.