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今回は久しぶりのCDレヴュー。
紹介する作品はいずれも、8月から9月にかけて音源を入手。
時々聴いてはいたのだが、
自分のバンドのレコーディングに向けた作業が本格化したことから、
そちらに集中するため、あまり一般の音楽を聴かないようにしていた。
というか、あまり聴く気になれなかった。

それでなくても、私は、車の中では、それほど音楽を聴かない。
なぜなら、ラジオが好きだからだ。
しかもAMラジオが好きなのだ。
同乗者がいれば、ほぼ100%、音楽を流すが、
ひとり乗車の時は、音楽:ラジオの割合は同じくらいである。

そういうわけで、CDレヴューはすっかりご無沙汰になっていた。
ネタはあるのに整理ができず、
CDレヴューの便秘状態にあったと言ってもいい。
今日でやっとすっきりできる。
それではどうそ。

■アークティック・モンキーズ「ハムバグ」
アークティック・モンキーズ/ハムハグ 
現在のイギリスのロック界の若手バンドの代表格、
アークティック・モンキーズのサードアルバム。
ファースト・アルバムにあった性急さやポップさは影を潜めたが、
荒廃感のある渋い映画音楽を彷彿させるような、
勇ましさと気怠さの中の哀愁みたいなものを感じさせる作品。

決してキャッチーなメロディではなく、決定打となるような曲もなく、
雰囲気も全体としてダーク化したため、即効力は決して高くはない。
しかし、確実に深みは増しており、
聴く回数を重ねるごとに、良さが伝わってくるアルバムである。

ボーカルにしても、サウンドにしても、
アークティック・モンキーズというパーソナリティを明確にし、
アークティック・モンキーズというアイデンティティを構築した
大きな意義のある好作品といえる。

■ジェット「シャカロック」
JET/シャカロック 
オーストラリアの若手バンド、ジェットのサードアルバム。
前作「SHINE ON」は、
私の選ぶ「2006・アルバム・オブ・ザ・イア」において第1位を獲得。
大きな期待を持って、サードアルバムを聴いた。

最初の何曲かは、曲調にしても、サウンドにしても、
これぞロックたる王道路線のゴキゲンなラインナップ。
特に2曲目に収録の「BEAT ON REPEAT」は、
今年リリースされた洋楽の中でも屈指のナンバーである。

気になったのは、サウンドが全体として、
ビリビリとしたアタックの強い作りになっていること。
そのため丸みがなく、横ノリサウンドなのに鋭角的に感じる。
もともとアタック力重視のサウンドであったが、
今作は聴き続けていると、中盤以降、ちょっと疲れてくる感じがある。
そのことは、安心感のあるロックである反面、
ちょっと新鮮味が乏しいことも影響している。

とはいえ、そもそも私は根本的に、
ジェットのようなクラシカルなロックが好きなのだ。
それに加え、ビートルズやオアシスのようなブリティッシュ風味が
漂うメロディも、私の感覚には馴染みやすい。
一定のクオリティは確保している良いアルバムではある。

■スーパーフライ「BOX EMOTIONS」
SUPERFLY/BOX EMOTION 
スーパーフライのセカンドアルバム。
ボーカルが、ほんとに素晴らしい。
声の瞬発力の高さと容量の大きさは、
現在の日本のロック&ポップスの若手女性ボーカリストの中では
飛び抜けており、
70年代・ちあきなおみ、80年代・岩崎宏美、90年代・吉田美和に
対抗し得る、00年代を代表するボーカリストではないだろうか。

アルバムの前半の曲は、ロック度が高く、
メロディ、サウンドとも申し分ない。
特に1、2、5曲目は圧巻である。
中盤以降は、ロック度を下げて、ポップ度を上げた印象。
ロックという枠を広げ、ミュージックという枠で大きく歌い上げている。
それはそれでいいのだが、
中途半端にキャッチーな曲を寄せ集めたような構成になっており、
それが焦点をぼやけさせ、アルバムとしての一体感を損なわせている。
個々の曲は悪くないのだが、連続して聴くと、どこか味気ない気がする。

相変わらず歌詞は良くない。
メロディに言葉をのせるリズム感を重視するため、
響きのいい言葉を選んでいるが、馴染みにくい言葉を使うせいか、
口ずさみにくく、共感しずらい。
その結果、伝わってこないし、歌詞が残らないのだ。

ただ、英語の発音は、正しいのかどうかはわからないが、
非常にそれっぽく聞こえる。
面倒くさい日本語を英語っぽいノリで歌うよりも、この人の場合は、
「逃げ出せパーティ・トゥナイト ロックンロール・オールナイト
 誰かにヘルプミー・トゥナイト」などのように、
わかりやすい英語に、雰囲気のいい簡単な日本語を
絡ませる歌詞にした方が良さが出る。

苦言を呈したが、何度も聴ける佳作ではある。
天才的な歌唱力をどう生かしていくか、今後の活動も楽しみである。
スーパーフライの場合、大ヒット曲を生み出すカギは、
とにかく歌詞だと思う。

■リック・デリンジャー「ザ・ベスト・オブ・リック・デリンジャー」
リック・デリンジャー/ベスト 
リック・デリンジャーは、70年代前半にブレイクしたギタリスト。
昨年まで存在すら知らなかった。
存在を知ったのは、前出のスーパーフライが、とあるテレビ番組で、
リック・デリンジャーのカバーだと言って歌っていたことである。

その曲は、カッコ良すぎるロックだった。
タイトルは「ロックンロール・フーチー・クー」。
原曲を聴いてみたくて、インターネットで何度も試聴。
ギターのリフとリズムが圧倒的にイカしている。
しかし、あくまで試聴であり、フルには聴けない。
フルに聴いてみたい。
その思いが高まって、ベスト盤を購入。

1曲目に収録された「ロックンロール・フーチー・クー」は、
間違いなく不朽の名作であることを実感した。
まさに70年代のアメリカン・ロックたるグルーヴにしびれる。
ワイルドかつ、ちょいファンキーなギターがたまらない。
その次に収録されている曲も良かった。
これは、とんでもなく凄いアルバムかもしれないと思った。

ところが、それ以降の曲が厳しかった。
「なんなの、これ?」というような、ぱっとしないメロディや、
つまらないポップ・ソングの連発。
「ロックンロール・フーチークー」は何だったの?と疑問を
抱かずにはいられない落差に愕然とした。
何度か聴いてみたが同じだった。
これがベスト盤なら、ベスト盤に収録されていない曲は、
どんなレベルなのかと要らない疑問まで湧いてしまった。

それでも、「ロックンロール・フーチー・クー」が
あまりに素晴らしいため、「まあいいか」で済ませた。
そうやって、自分を納得させて生きている。


      ◇       ◆       ◇

さて、12月である。
忘年会などで、他の月よりも飲み行為の回数が増える方もいるだろう。
そんな皆さんに一言どうぞ、と問われたら、こう言うだろう。
「気乗りしないときは、絶対に2次会に行ってはならない」
ジョークなんかじゃないぜ。
本気でそう思うぞ。
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テーマ:本日のCD・レコード - ジャンル:音楽





気乗りしないときでも2次会から乗っちゃったり・・・ただののんべぇでござる。スーパーフライは通勤時に聴いております。
【2009/12/01 08:48】 URL | eiji #W9Ona2v.[ 編集]

初めまして。音楽大好きが伝わってきます。私は、車の中でだけ聴くことがあります。殆どが頂いたコピーのもので、色々な人の好みを楽しみながら聞いています。
CDと言えば‥ずっと気になっていることがあるんです。
それは、1枚の空のCD。「何か曲を入れてあげる」と言われ、何年も待っています。どんな曲が入ってくるのか、または入っていたのかを想像して楽しんでいます。そんな感じで、時々、その戻ることのないCDの事を考えています。そんな楽しみ方もあるんですよ。
【2009/12/01 13:19】 URL | いちご24 #-[ 編集]

eijiさん、コメントありがとうございます。
eijiさんとであれば、気乗りしまくりで2次会に行くのですが。
こういう考えの私ですので、乗り気ではない誰かを
強引に2次会に引っ張るということはないですね、この10年は。
でなければ、親睦を深めるはずが、溝が深まるので。
またお待ちしております。

いちご24さん、コメントありがとうございます。
失礼ながら、はじめまして、でいいんですよね。
というのが、空のCDを渡されたので、「何か曲を入れてくる」と言って、
そのままになっている事実が、私にあるような気がするのです。
はっきりと思い出せませんが、4年くらい前だったような。

戻ることのないCDのことを考えるというのは切ないですね。
でも、切ないって、気持ちの運動になっている気がします。
またお待ちしております。
【2009/12/03 00:46】 URL | クグエSW #-[ 編集]















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