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私は自分自身、何かの場で100%の力を出すのは不可能だと思っている。
うまくいって90%。80%を発揮できれば御の字だろうと思っている。
このことは、性格や個性や生きてきた経過や環境によって、
人それぞれ考え方が異なるだろう。
私が申し上げたいのはそういうことではない。

例えば、「70」のことをやるときに、
持っている実力が「60」の人がやる「70」のことと、
持っている実力が「90」の人がやる「70」のことでは
味わいに差がある。
私は後者になりたいと思う。
要は、余裕を持って、力を抜いて、70のことを楽しんでやれればと。
むきになって、全部出し切らなきゃ気が済まないという気持ちで
70を表現しても、自分ではがんばったという達成感はあるかもしれないが、
周りの受け止め方は違うだろう。

だから、使える引き出しを増やし、使える力を蓄え、
状況に応じて、相応しいものをチョイスできればと。
しかし、それは難しいことだ。
結局、私は弱いのだ。
限界を見せるのが怖いのだ。
身の丈以上のことをやっていると思われるのが痛いのだ。
そのためには、まず絶対量を増やすことである。
なんらかんら言っても、絶対量
の多さは大きなアドバンテージである。

さて今回はCDレヴュー。
まず最初は、100の力がありながら、
50くらいしか見せていないような作品。
力を抜いて、気の向くままに演奏している雰囲気なのに、
おそらく先天的な資質やセンスによって、
背景にある音楽的容量の大きさとロック偏差値の高さを感じさせる作品から。

■レーナード・スキナード「レーナード・スキナード」
レーナード・スキナード/レーナード・スキナード 
レーナード・スキナードというバンドの存在を私は知らなかった。
知ったのは、豊平のスープカレー店で流れていた「オールマン・ブラザーズ」に
いたく感動し、CDをバイしたことをブログで書いた際に、
bullさんから「レーナード・スキナードもいい」と
コメントをいただいたことによる。

この作品は、1973年にリリースされた彼らのファースト・アルバム。
彼らは、オールマン・ブラザーズとともに、
「サザンロック」の代表バンドと言われている。
「サザンロック」とは、
アメリカ南部の土着性を前面に出したロックを総称して言うのだが、
私の解釈としては、ブルースとカントリーが融合したような
ヨコノリ・ロックである。

これがロックなんだなあ、としみじみ感じさせるアルバム。
リズムに丸みがあり、心地よく転がる。
ギターのリフは、これぞロックのスタンダードたる安定感があるとともに、
3本のギターの絡みバランスが素晴らしい。
そこにスモーキーなボーカルがのっかって、
乾いた荒野に吹きすさぶ風のような雄大なサウンドになっている。

ファーストアルバムにして、そして20代にして、
この渋さ、この円熟ぶり、この泥臭さ、この放浪感はすごい。
そこに感心させられ、圧倒されているうちに、
アルバムを最後まで聴き終えている。
ロックとは何か?のひとつの答えが、このアルバムだと思うし、
自分はまだまだロックをあまり知っちゃいないのだと気づかされる。

収録されている彼らの最大の代表曲「フリーバード」は、
聴けば聴くほど感動的。
荒野を突っ走るオンボロ車のようであり、
砂漠から青い空に飛び立つ鳥のようであり、
全てをひっくるめると「アメリカだぁ!」という一言に行き着く。
日本のアーチストなら、奥田民生氏や斉藤和義氏あたりは、
レーナード・スキナードの大ファンだろうと想像できる。

■ソニック・ユース「THE ETERNAL」
SONIC YOUTH/THE ETERNAL 
私はこれまで、ソニック・ユースをきちんと聴いたことがなかった。
少し耳にしてみたことはある。
しかし、ノイジーなサウンドや、オルタナティヴ系の大きなつくりが
いまひとつ肌に合わず、リピート意欲がわかなかった。

今年6月にアルバムがリリースされたものの、素通りする予定だった。
ところが、ロック知人・スミス西野氏が
「今回のソニックユースはぜひ聴いてみたい」と期待を寄せていたり、
バンドのメンバーであるTNKタナカは、バイ&リスンして絶賛。
そこで私も、とりあえずi-tunesにインしておいた。

先入観を除き、ニュートラルな気持ちで、なにげに何度か聴いてみた。
これが結構良い。
最初はハートと擦れるところはあるが、
次第に折り合い、最終的には気持ちがハイになっていく。

すごくロック。洋楽らしいロックである。
タテノリのタイトなサウンドながら奥行きがあるため、
聴く度に、コクのようなものを感じ、美味しくなっていく。
意外にメロディが親しみやすく、メロウだと感じた。
そしてサウンドがフレッシュである。
ただ単に若々しいのではない。
25年以上のキャリアにより熟練されたフレッシュさである。
年齢により枯れた部分が、洗練された渋さとなっている。

肌触りはオルタナティックではあるが、
90年代、00年代の洋楽ロックを総括したような幅があり、
それでいて寄せ集めではなく、軸がしっかりとしている。
ロック容量の大きさがあってこそ為せる技だろう。

タイプは違うが、ブランキー・ジェット・シティや
プライマル・スクリーム、レディオヘッドなどが好きな人も
十分にいけるのではないだろうか。
長年のソニック・ユース・リスナーには大変失礼な言い方だが、
掘り出し物の1枚だった。

■ジ・エネミー「MUSIC FOR THE PEOPLE」
THE ENEMY/music for the people 
イギリスの若手バンド、ジ・エネミーの2年ぶり2作目。
ザ・ジャム直系といえる歯切れのいいギター・ロック・バンドとして、
ファースト・アルバムは高い評価を得た。
で、期待されたセカンド・アルバムであるが、「う~ん…」という感じ。

アルバム前半の、重厚で広がりのある大きなサウンドが
しっくりこなかった。
サウンドのつくりや構成力がアップしたのは十分に伝わるが、
器以上のことをやり、自分のものになっていない気がした。
そのため、聴き手のハートに入っていけないのかと。
音楽知識は得たものの、それを昇華しきれなかったというか、
血や肉になるところまでは達しなかったという印象。

アルバム後半は、ザ・ジャムやザ・クラッシュを彷彿とさせる曲が並び、
知っている者は、思わずにやりとしてしまうだろう。
事実、器用なバンドだと思う。
ザ・ジャムのような曲は、ギターも歌い回しもポール・ウェラーのようだし、
ザ・クラッシュのような曲は、メロディへの言葉の乗せ方など、
ジョー・ストラマーの特徴をよくつかみ、しかも自分のものにしている。
2000年代のオアシスのバラードのような曲もあり、
それもよくまとまっている。

それだけに、アルバム前半の冒険的楽曲とのバランスが残念。
2枚のアルバムを1枚に収めたようでもあり、
そうした混在ぶりが、「バラエティに富んでいる」のではなく、
「一体感がなく、ぼやけている」と感じてしまったのが残念。
一つひとつの楽曲は決して悪くはない。
しかし、アルバムという固まりとしての勢いや強さが足りなかったかなと。

今は、新しい試みをし、幅を広げていくステップの時期かもしれない。
次に期待したいところ。
なお、アルバム・タイトルは、ちょっと大きく出過ぎちゃったかなと。
そもそもバンド名が無粋なので仕方ないかもしれないが。

■ロバート・ジョンソン「ザ・コンプリート・レコーディングス」
ロバート・ジョンソン/ザ・コンプリート・レコーディングス 
ロバート・ジョンソンは、1938年に27歳で亡くなったブルースマン。
彼が生涯に残した作品は、1936年と1937年にレコーディングした
29曲(41テイク)のみである。
「ザ・コンプリート・レコーディングス」というアルバム・タイトルどおり、
このアルバムには、その全曲が収録されている。

29曲で41テイクである。
したがって、同じ曲の別テイクも複数盛り込まれている。
レコーディングされた1936年は昭和11年である。
つまりとんでもなく古い。
そして、使われている楽器はギターのみ。

「バディ・ガイを聴いたら、次はこれですね」と、
このアルバムを推奨したのが、
時々ブログにコメントを寄せてくれるフルチューン氏。
ただし、彼はこうもつけ加えた。
「ロバート・ジョンソンに、はまったら危険ですよ。
 抜け出せなくなってやばいですから、気をつけてください」
確かにそれも理解できるほどの泥臭さと黒っぽさに溢れている。

アコースティック・ギターで、基本3コードの似たような曲が延々と続く。
一聴して受けつけられない方は多いだろうし、
聴いたとしても飽きてしまう方が多いだろう。
大雑把に言えば、ブルース好きの人のための作品と言ってもいいくらい。

私も10年前なら、無理だったと思う。
前記のレーナード・スキナードにしても、
10年前なら絶賛できなかったと思う。
しかし、年齢を重ねて嗜好が徐々に変化するとともに、
しばらくバンド活動をやらない期間があり、
その間に、それまで聴いてこなかったアーチストの曲を聴いたり、
ラジオやブログを通して、様々な方に情報をいただいたり影響を受けたり。
そうした経過があったからこそ、今こうしたルーツ・ミュージックを
すうっと受け入れられるのだと思う。

フルチューン氏のコメントのとおり、危険なアルバムである。
泥臭いサウンドもそうなのだか、
歌詞にしても希望や未来を全く感じさせない。
ひたすら、狂おしい情念や、荒んだ日常を歌っている。
古い音と鬱々とした雰囲気に、1曲目の途中で退場する方も多いはずだ。
とにかく、どうしようもない人生を、声とギターで延々と奏でているのだ。
しかし、それがブルーズなのかもしれない。

ほんとにギター1本なのか?と驚く。
何かがのり移っていたと思わせるような天才的なプレーである。
彼なら、三味線一本で歌わせても素晴らしいものになっただろう。

泥臭く、暗いサウンドではあるが、
このアルバムがBGMで流れている店は、
意外と居心地がいいような気もする。
何気に車内で流れていたら、どこまでもドライブできそうな気になるだろう。
しかし、何気に社内で流れていたら、全く仕事をする気がしなくなるだろう。
しゃーないわ。

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クグエ・レヴュー♪

ボクはルーツミュージックにはまってしまって新しいのはほとんど聴いてない状態です。
なんで最新クグエ・CDレヴューを参考に少しづつ聴いていこうと去年から思っていました♪

昼間っからレイナード、ロバートジョンソンが社内で流れてたら仕事なんか無理笑。
昔昔バイトしていた倉庫の夜中の作業場は月火水はキッス、木金土はモッズが
大音量で流れてました。大変効率よく働けましたね、ええ笑。
【2009/08/25 00:38】 URL | bull #35BUUDj.[ 編集]

こないだ広尾町までのドライブの帰り道、
ロバート・ジョンソンを車内BGMにしましたが、
大樹町あたりで居眠り運転するところでした。
俺は止めといた方がよさそうです、ドライブには。

ただその後、中札内村までチャーリー・パットンを
聴きいてノってきて、そこから家までは
ボ・ディドリーでノリノリになってしまいました。
ビバ・ビバ・ロックンロール!
【2009/08/25 21:47】 URL | フルチューン #-[ 編集]

bullさん、コメントありがとうございます。
確かにレーナード・スキナードを聴いたら、仕事はできないですね。
あの解放感は、ある意味、毒ですね。

bullさんと知り合わなければ、私は一生、レーナード・スキナードを
聴くことはなかったかもしれません。
レーナードの良さに触れたbullさんに感謝。
それを嗅ぎ取った自分のセンスに自画自賛。

次は、ドクター・ジョンか、プロフェッサー・ロングヘアに
入学したいと考えています。

フルチューン氏、どうもありがとう。
ついに聴いてしまいました、ロバート・ジョンソン。
推測するに、真の意味でロバート・ジョンソンを聴くべき人は300人に1人であり、
受け入れられるのは600人に1人くらいではないかと感じました。
フルチューン氏も、bullさんも、私も、その600人の1人だと自負しています。

ロバート・ジョンソンを聴き、ブルーズ病に冒された人の薬はボブ・ディランであるとの
フルチューン氏の名言が、より理解できるようになりました。
ロバート・ジョンソンで眠くなるのは、子守唄のような趣があるからでしょう。
すごい、そして、ひどいアルバムだと思います。
【2009/08/25 23:37】 URL | クグエSW #-[ 編集]

Lynyrd Skynyrd いいですよね! Workin' For MCA とか Sweet Home Alabama なんか好きです。久しぶりに聴きたくなって、iPodで聴いてます。 最近は、読書ばかりで聴くこともなかったです。 「赤い指」の文庫本がやっと出たので、今 読んでます。待ちましたよ~。パトリシアでした。
【2009/08/26 00:39】 URL | パトリシア #-[ 編集]

このコメントは管理人のみ閲覧できます
【2009/08/26 12:57】 | #[ 編集]

パトリシアさん、コメントありがとうございます。
確かに、パトリシアさんは、これまでの音楽遍歴を想像すると、
レーナードを聴いていたことに納得です。
「Sweet Home Alabama」、名曲です。
というか、曲よりも、プレーが素晴らしいですね、この曲は。

東野圭吾「赤い指」は、21世紀に入ってからの東野作品の中で、
一番良かったと思います。
私は、「容疑者Xの献身」より上ですね。
容疑者Xは、そこまで献身するか?と疑問に思ってしまったので。
「赤い指」は、どこの家庭でも起こりそうな話ながらドキドキさせて、
最後はほろっとほろほろ山荘みたいな作品です。
パトリシアさんが、読書を続けていることは、なぜか私にとっても嬉しいです。
【2009/08/27 07:52】 URL | クグエSW #-[ 編集]















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