ADMIN TITLE LIST

昨日5月9日、東京では「忌野清志郎葬儀式」が行われた。
亡くなってからのこの1週間、改めて彼の曲を何度も聴いた。
ふと気づくと、目に涙が浮かんでいることもあった。
なぜ泣けるのだろうと考えた。
寂しさや悲しさはもちろんある。
しかし、それに勝るのが、
「もっと音楽をやりたかっただろうにな」という思いと、
「清志郎さんの音楽と出会えたお陰で、
“つまらない”と、ぼやくだけの大人にならなくて済みました」という
感謝の気持ちだった。
それが涙を連れてきたように思う。

10代で清志郎氏を知り、現在に至るまで、
ずっと彼の音楽に触れてきた。
あの苦しみを、あの情けなさを、あの喜びを、人を愛する気持ちを、
温かく厚みのある声とソウル出まくりの歌い方で表現した。
そこには常にユーモアがあり、希望があった。
それに共感し、励まされ、救われ、感動してきた。
特に私自身30歳を過ぎてからの方が、
より清志郎氏の音楽の素晴らしさが心に染み渡ったように思う。

好きな曲や思い出の曲を挙げたらキリがない。
しかし今回は、あえて「忌野清志郎この10曲」と題し、
僭越ながら、私にとって、特に思いの強い10曲を挙げてみた。
ここで一度整理しておかないと次に進めない気がするのだ。

なお、これまでの記事で、既に思いを語っている
「トランジスタ・ラジオ」、「すべてはオールライト」、
「わかってもらえるさ」、「宝くじは買わない」、「キモチE」については
今回、除外させていただく。
また、一般的にもよく知られている「雨上がりの夜空に」と
「スローバラード」も、別格扱いで除外させていただく。
ということで、私の完全な個人的見解による
「忌野清志郎この10曲」は
次のとおり。

■SWEET SOUL MUSIC
i-tuneには、その曲の再生回数が表示される。
私のi-tune歴は約3年である。
その間に、RCサクセションの曲の中で
最も再生回数の多かったのがこの曲。
情事を描いたブルース的な歌詞としては、
日本のロック史の中でも珠玉の名作だろう。
清志郎的ソウルフルさが炸裂。
特に「唇にくっついたまま そのまま」という歌詞の
メロディへの乗せ方には未だにシビれる。

■多摩蘭坂
「たまらんざか」と読む。
侘びしく切ないRCサクセションらしい名バラード。
歌詞とメロディはもちろんのこと、アレンジが素晴らしい。
多摩蘭坂は、国立市に実在する。
私も1995年1月に訪問している。
坂の途中にある石壁は、RCへのメッセージで埋め尽くされていた。
私もメッセージを書いてきた。
もう一度行きたい。行かなければならない場所である。
「お月様のぞいてる 君の口に似てる」。素敵な歌詞である。


■ヒッピーに捧ぐ
亡くなった音楽仲間のことを歌った曲。
悲しくて電車を降りてしまったり、
ほんとに死んだのかと区役所へ行ったりと、

ストーリーの組み立て方が天才的であり、
場面の切り取り方のセンスの良さに感服する。
キヨシロー氏の歌唱力に圧倒される曲でもある。
また、歌が終わった後のキヨシロー氏のCRYぶりと、
そのバックの演奏とコーラスの美しさにも感動する。
実は彼の才能が凝縮された傑作ではないだろうか。

■自由
「短いこの人生でいちばん大事なもの それは俺の自由」なんていう
歌詞を書ける人は、キヨシロー氏しかいないし、
その歌詞を嫌味なく歌えるのも、キヨシロー氏しかいないだろう。
そう、キヨシロー氏は、皮肉や怒りを表した曲も多いが、
全く不快感がないのだ。
むしろ、汚いこの世界で一番きれいなものは自由だと納得させられる。
そして、俺の自由が大切だと歌いながら、最後には、
「すべての奴らに自由を!」で締めくくるところが彼のブルースだ。

■海辺のワインディングロード
80年代の半ばの代表作。
強烈さはないが、じわじわと良さが伝わり、
シーサイド・ロードにいる気分にさせられる。
そんな気分になるという意味で、RCにしては異色の曲かも。
我がバンド、THE HEART OF STONEには、
「夜の国道」という代表作がある。
その歌詞の中に「海辺のワインディングロード」という
フレーズを入れている。
それは、この曲に敬意を表してのことであるのは言うまでもない。

■2時間35分
1stアルバム「初期のRCサクセション」の1曲目に
収録されているアコースティック・ロック・ナンバー。
彼女と電話で話した時間の新記録が2時間35分だという
シンプルな内容ながら、「2時間35分」と連呼し、
最後には、「2時間35分、ガッタ、ガッタ、ガッタ」と歌う。
隙間があれば、「ガッタ」を入れる徹底ぶりは、
これをカッコいいという言葉以外、どんな言葉で表すことができるだろう。
清志郎氏の「ガッタ」は国宝モノの価値がある。

■OH!BABY

80年代の半ばにリリースされた曲ながら、
初期の曲の香りがするセンチメンタルなナンバー。
切ないのとも寂しいのとも違う。
ただただ胸がキュンとなるような愛くるしさがある。
こういう曲を歌ってサマになるのは、
日本のロック史でキヨシローだけだろう。
そうとしか言えないぜ。それ以外考えられないぜ。
つくづく不世出かつワン・アンド・オンリーなミュージシャンだと思う。


■いい事ばかりはありゃしない
大傑作である。
「金が欲しくて働いて眠るだけ」というフレーズをベースに、
様々な、ついていないことを歌っている。
しかし、情景が見えるような様々なドラマを盛り込み、
同じメロディを何度も繰り返す。
「月光仮面が来ないのと あの娘が電話かけてきた」と、
彼女に生理が来ないことを表現したのには感動して震えた。

■雪どけ
清志郎氏のソロ作品も多々あるが、
1992年にリリースされたアルバム「メンフィス」に収録されている
この曲が最もしみるかも。
愛する人を思う切ない気持ち。
それを自分に重ねて泣けてしまうファンも多い曲ではないだろうか。
「この愛は間違ってはいない」と、
これほどまでに温かく強く歌える人は後にも先にも現れないだろう。

■指輪をはめたい

最高のブルースであり、一番泣ける曲。
キヨシローの持つメロディ・センスとソウルとテクニックが
最も凝縮された曲ではないだろうか。
どうしても「キヨシローこの3曲」を選べと言われたら、
「わかってもらえるさ」、「すべてはオールライト」と、この曲だろう。
アルバム「OK」に収録されているスタジオ盤はもちろん素晴らしいが、
ライブアルバム「KING OF LIVE」に
収録されているバージョンは、
鳥肌が立って、ほかのことが何もできなくなるほど感動的。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
愛しあってるかい 
今日(10日)、実家へ返った際、
高校生の頃に買ったRCサクセションの本「愛しあってるかい」を
持ち帰ってきた。
帰り道、近々リリースするCDのジャケット製作の打合せのため、
ベースのミチ宅へ。
ミチに、「これ、実家から持って帰ってきたんだよねえ」と、
やや自慢気に、その本をカバンから取り出したところ、
ミチは「僕も持ってますよ」と、
椅子に座っているミチの手の届く位置に、

ミチ所有の「愛し合ってるかい」が置いてあった。
しかも、私が訪問中、ずっとキヨシロー・ソングが流れていた。
皆それぞれに追悼しているのだ。

キヨシロー氏への尊敬や敬愛はすこぶる強い。
しかし、憧れとは違う。
ましてや、目標などとはまるで違う。
それほどに遠くにある特別な存在である。
KINGでありながら、GODでもあるのだ。

でありながら、キヨシロー氏の曲は、すごく近くに感じる。
優しく温かく心に入り込んでくる。
高校生の頃、好きだった先生のことを
「僕の好きなおじさん」と歌ったキヨシロー氏は、
私にとって、KINGであり、GODでありながらも、
「僕の好きなおじさん」でもあった。
そんな素朴さや優しさが好きなのだ。

キヨシロー氏の曲があれば、
まだまだ前を向いて歩いていけるような気がする。
スポンサーサイト

テーマ:忌野清志郎 - ジャンル:音楽





「いい事ばかりはありゃしない」の、
吉祥寺あたりでゲロを吐いて、の吉祥寺の部分を、
自分が住んでいる街の名前なんかに替えて、
よくカラオケで熱唱しました。
クグエさんとの一献でも歌ったかもしれません。

 澄川あたりで ゲロを吐いて~♪

「ダーリンミシン」と「ハイウェイのお月様」が
好きな俺です。


【2009/05/11 20:52】 URL | フルチューン #-[ 編集]

僕も行きました。中3の日曜日に。もうあの辺りには住んでいないのを知っているはずなのに“清志郎さんがいたらどうしよう”とドキドキして電車に乗っていました笑。ばかだねぇ。


キース・リチャーズに憧れ、漫画「気分はグルービー」「1・2の三四郎」をバイブルに、RCの「ラプソディ」に励まされ生きていた、そんな10代20代。


あれ?今とあんまり変わらねえや笑。
【2009/05/11 23:18】 URL | bull #35BUUDj.[ 編集]

フルチューン氏、どうもありがとう、アイガッタ。
言われてみれば確かに、フルチューン氏は
「いい事ばかりはありゃしない」の替え歌をしていたような気がします。
あの曲は、歌うとなると難しいですね。
メロディのわりに歌詞の量が少ないのです。
というか、清志郎の名バラードは、そういうタイプの曲が多く、
彼独自の節回しが冴えているのです、サケ・トゥ・ミー。

君も僕も、これでいいのかと疑問を抱えながら、
毎日を過ごしているのかもしれない。
でも、どうってことないぜ、まるで気にしない。
ダーリンミシンも名曲ですね。

bullさん、コメントありがとうございます、よぉーこそ。
多摩蘭坂は、ある意味、RCの聖地ですね、ガッチュー。
「ラプソディ」は、私にとって、
サンハウスの「クレイジーダイアモンズ」と並ぶ
日本の2大名盤ロックアルバムです。
「RCサクセションこの1枚」なら、「ラプソディ」でしょう。
ほんとに素晴らしいアルバムです。
RCのライブは、武道館よりも久保講堂です。

先日、タワーレコード・ポロサツに、「ラプソディ・ネイキッド」という、
そのライブが全曲収録されたバージョンを買いに行ったところ、
在庫切れで納品は20日以降になると素っ気なく言われました。
私は、その店員に、ささやくように言いました。
「君に聞きたいことがもうひとつあるんだ。
どうしても聞きたいことがあるのさ。
そんなに時間はかからないぜ。
聞きたいことはひとつだけさ。たったひとつだけさ。
愛しあってるかい?」。

職場がらみのつまらない人間は、
「なんかいい話ないかい?」が口癖。
「いい話があってもあんたにはしたくないね」と思いつつ、
「なんかないすかねえ」とテキトーに答えます。
それに比べて、キヨシローの「愛しあってるかい?」は重みが違います。
挨拶がわりではなく、微妙にもったいぶって言うところがたまりません。
そんな謙虚さが、今も昔も中年には欠けすぎてます。

キヨシロー報道の多さに驚いてます。
30歳以下のキヨシロー・コア・ファンは、ほとんどいないだろうし、
私の世代でも、ほんの一部です。
高校生の頃、RCファンは40人クラスに8人くらいいたかもしれませんが、
その後も聴き続けたのは1クラス当たり3人くらいでしょう。
その1人がヤハギケイジであり、もう1人がキタノカツヤでしょう。
岩内高校在学中、ザ・モッズのコピーバンドをやるために、
無理矢理、私に楽器を持たされ、演奏させられた二人です。
他のクラスを見ると、TNKタナカ、ダーオ、シゲCHANG、ベーアー裕幸、
ロックをやめて少年野球の監督に転身した赤井(呼び捨てですまん)など、
考えてみると、今でも付き合いのある高校の同級生は、皆RCファンだった。
というか、RCファンの同級生としかつながっていないということに気づきました。
改めて、キヨシローは偉大です。
【2009/05/12 00:45】 URL | クグエSW #-[ 編集]

私もここ2週間ほど追悼期間です。まだまだ続きます。
1年半ぐらい前の「復活」時のDVDを観ると
アクションはともかく、歌はぜんぜん衰えるところがなかったにのに、とても元気そうだったのに、お別れは突然やってきてすぐにすんでしまった、のがとても残念です。
4年ぐらい前にスピカにライブ観にいったのが生で彼を見た最後でした(その日はエリック・クラプトン公演もあったようで、だれかに誘われたけど迷わずキヨシローにしたよ)。
カセットテープ(RCで持ってる音源は塩ビかそっから録ったテープのみ)でRCを聞いて追悼していると、3歳の娘が「どうしたんだヘイヘイベイベー」とか「わかっていてくれるー」とかマネするので、そうするとまた、「あーこの娘にもキヨシロー観せてやりたかった」と涙が出そうになる。

ふと思いつき、タイマーズが夜のヒットスタジオに出演したときのが観たくなってYou Tubeを検索した。「タイマを持ってる」とか「FM東京おまんこ野郎」とアジったあとに「デイ・ドリーム・ビリーバー」でストンと落とすセンスに脱帽しました。 
 You Tubeでお勧めなのが、「初期のRCサクセション」で検索してみてください。その頃のテレビ番組なのでしょうか。初期の貴重な映像で8曲ものライブが楽しめます。
【2009/05/21 00:52】 URL | ミニッツ草刈 #-[ 編集]

草刈さん、コメントありがとうございます。
追悼期間がまだまだ続くというのがいいですね。

ああいう柔らかくて艶のある独特の歌唱力を持ったロッカーなど、
もう出てこないでしょうね。
曲を聴き返すたびに、凄い人だなあと。
そして、観ていて楽しくなる。
端的に言うと面白い。
大御所なのに偉ぶらず、若手のように挑戦し楽しむ。
だから尊敬される。

タイマーズのパフォーマンスにしても、
音楽は楽しむものものだということと、
ロックをやる意味を姿勢で示した実直さが伝わります。
思い切りロック・ソングを歌えることこそ平和であり、
夢であることを貫いた人だなと。

you tube見てみます。
【2009/05/22 00:08】 URL | クグエSW #-[ 編集]

こんにちは。おじゃまします。
キヨシローがこんなに早く旅立ってしまうなんて
思いませんでした。
おじいちゃんになるのを楽しみにしてたのに。

わたしも「指輪をははめたい」大好きです。
数年前に出た
「ラプソディーネイキッド」のバージョンは
びっくりです。泣いてしまいます・・
【2009/05/31 00:27】 URL | まき #-[ 編集]

まきさん、コメントありがとうございます。
ほんとに「指輪をはめたい」はいい曲ですね。
キヨシローしか歌えないような雰囲気なのもたまりません。

「ラプソディーネイキッド」は、近いうちにバイします。
持っていないキヨシローがらみのCDで、
最もゲットしたいのはこのアルバムでした。
実は、このアルバム、キヨシローが亡くなった週に、
タワーレコード札幌にバイしに行きましたが、
入荷日未定と言われ、そのままになっていました。

また、まきさんのコメントで、「良い」とか、「素晴らしい」とかではなく、
「びっくりです」と書かれると、なおさら聴かないわけにはいきません。
ありがとうございました。
【2009/05/31 23:58】 URL | クグエSW #-[ 編集]















管理者にだけ表示を許可する



| HOME |

Design by mi104c.
Copyright © 2017 トゥナイト今夜もRock Me Baby, All rights reserved.