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私の職場はビルの5階にある。
エレベータが苦手な私は、5階までの上り下りに階段を使う。
エレベータを使うのは、誰かと付き合いで乗る時だけである。
一人の場合は、滅多に乗らない。
荷物が多い時と、よっぽど具合の悪い時だけである。

階段は南側と北側の2か所ある。
南側の階段を上る時は右回り、
北側の階段を上る時は左回りである。
そこで、ずっと気になっていることがある。
どういうわけか、ほとんどの人は、
右回りの時は階段を内側を歩き、
左回りの時は階段の外側を歩いている。

私は、上りは内側、下りは外側を歩くクセがある。
そのため、この変なルールとかみ合わず、
階段の途中で、立ち往生し合うことが少なくない。
例えば私が、左回りで階段を上っているとする。
私は階段の内側を歩いている。
上から下りてくる人は右回りで、
この人もまた階段の内側を歩いている。
お互い内側で、立ち止まる。
ところが、どちらも道を譲らない。
「上り優先じゃないのか?」と思いつつ譲ると、
舌打ちをしていく男もいる。
そういう人に限って口臭がきつい。

右回りは内側を歩き、左回りは外側を歩くというのは、
一般的なルールなのか?
つまり、階段は右側通行というルールがあるのか?
下から上ってくる人が見えている下りの人が
よけるのが普通じゃないのかと思うが、その考えは誤りなのか。
どなたか、この真相についてご意見をいただければと思う。

ところで、なぜ私はエレベータが苦手かというと、
知らない人と、あの狭い空間にいるのがストレスなのだ。
混雑している時の、人に触れられない緊張感や、
なにがしかの不快な匂いが充満するのが辛いのだ。
それらのせいで、軽く船酔いしたような感覚になり、
気持ち悪くなるのだ。

今回は、本の紹介である。
まずは、エレベータ以上に気持ち悪くなった作品を紹介したい。

■平山夢明「独白するユニバーサル横メルカトル」

平山夢明/独白するユニバーサル横メルカトル 
日本推理作家協会賞を受賞した表題作を含め、
8つの作品を集めた短編集。
2006年の作品を対象にした「このミステリがすごい!」においても
第1位を獲得。
ならば読んでみよう、ということで、予備知識もないまま臨んだ。

第一印象は、とにかく気持ち悪かった。
事前情報をまるで得なかった自分を悔やんだ。
なにせ短編の最初の作品が、死んだ人間の肉を食べる男の話。
本を持つ手に力が入らなくなり、中断しながら読んだ。
その後の作品は読み応えのあるミステリかと思いきや、
殺害や死体切断シーンの多い作品の連続。
しかもリアルすぎて、読んでいるだけで腐臭が漂ってくるような
嫌悪感や不快感をおぼえた。

完全に読み手を選ぶ作品である。
拒絶度が高く、好き嫌いがはっきり分かれるだろう。
ところが、気持ち悪さを除けば、けっこう面白いのだ。
場面設定や人物設定など、読み手へのイメージのさせ方が上手い。
話を展開させるタイミングも良く、展開の方向が巧みである。
よって、わかりやすく、興味を持って物語の中に入っていけるのだ。

そして、この作品の最大のポイントは、美しさがあることである。
残酷さや裏切りが漂うのに、その中に純粋さと誇りのようなものが見えて、
どことなく気高く美しいのだ。
初期のブランキー・ジェット・シティの歌詞のようである。
「絶望という名の地下鉄」や「D.I.Jのピストル」にあるような、
狂気の中のロマンシズムがある。

また、言葉の使い方や世界観、想像の方向性などは、なかなか魅力的。
洋画にありそうなクール&ダンディな雰囲気を醸し出し、
ハード・ボイルドっぽくもあり、ウィットに富んだ会話もある。
ミステリ的なトリックはないものの、オチはきちんとある。
気持ち悪さを除けば、スピーディに読んでしまえる面白さがある。
特に後半の4作品は、もう一度読んでもいいかと思える。

トマトケチャップという名の血で染められたオムライスを、
ナイフやフォークという名の凶器で切り刻むような作品だが、
実はチキンライス部分には旨みがあり、
玉子のふわふわ具合とのバランスも絶妙である。
賛否は分かれるだろうが、私は、ありかなと思えた。

■角田光代「ロック母」
角田光代/ロック母 

1992年から2007年の間に執筆した短編7作品をまとめた作品。
表題の「ロック母」は、「ロックはは」と読む。
出産のために、故郷の瀬戸内の島に帰ってくると、
実家の母は、ニルヴァーナのCD、「ネバーマインド」を
大音量で聴く母に変貌していた、という内容であることから、
ずっと読んでみたいと思っていた作品である。

率直な感想は、浅かったかなと。
こちらの心をえぐる以前に、心に届かなかった感じである。
ニルヴァーナのCDは、
娘が島で生活していた高校時代に聴いていたもの。

それから10年以上経った今、母が聴きまくっているのだが、
なぜ、そうなったのかが漠然としていた。
また、決してニルヴァーナを熱く語っている作品ではないので、
ロック・テイストを期待して読むと、がっかりするぞ。

表題作を含め、いずれの作品も、
普通の生活からはみ出てしまった普通の人を描いているといってもいい。
喧嘩ばかりしている両親にうんざりしている娘の壊れ気味の日常、
同性愛者の男性が旅先のバンコクで会った男との話、
家族から見放された父の死に対する本心などである。

いずれの作品も、日常のちょっとしたズレをきっかけに、
それが連鎖して、どうにもならなくなくなる様の描き方は上手い。
状況と気持ちの変化を、丁寧かつテンポ良く書いている。
特に、「イリの結婚式」という作品における、
ハムスターをきっかけに婚約を解消した経過は見事である。
会話における「嫌な、あの雰囲気」みたいなものが見えるようである。

ところが残念ながら、ドラマ性に乏しく、大して面白くない。
共感するにも至らない。
まず、ストーリーの導入部分が、もやっとしており、
なんとなくつかみどころがないまま、淡々と進んでいく。
はみ出た人、壊れた人の「救い」の部分もわかりにくかった。
この話を作品にする必要があったのか?と思えるものもあった。

ところで私は、ほとんどストーリーや心理描写に影響しないのに、
無駄に性交渉場面が描かれる作品は、どうも苦手である。
特に、吉本ばななの作品のように、
あっけらかんと普通のことのように持ち出すのが嫌なのだ。
「昨日は、久しぶりに恋人の○○に会った。
 話すこともなくなったので、セックスして、ぼうっとしていた」
みたいな場合である。
セックスがもったいないのだろって。
セックスの無駄遣いをするな!と、吉本に言ってやりたい。
感覚の違いだから仕方ないが、どうにも
やりきれない気持ちになる。

「ロック母」のひとつめに掲載されている「ゆうべの神様」という短編は、
まさにその典型だった。
展開上、特別必要もないのに、高校生同士の性交渉場面を
ところどころに入れてきた。
それが、オチにつながる、その高校生の心の闇を見えにくくした
気がしてならない。


全体を通して見ると、家族や仕事相手などとの不協和ぶりを、
うまく描いたと評価する方も間違いなくいると思うので紹介したが、
私には、リリースに至らなかった未発表作の寄せ集めのような気がして、
達成感に乏しかった。

■松本清張「点と線」
松本清張/点と線 

初めて松本清張の作品を読んだ。
松本清張を読んでみようと思った特別な理由はない。
なんとなく立ち寄った「ブック・オフ」で、
この有名作品が105円で売られていたので、
なんとなく買っただけである。

福岡の海岸で男女の死体が発見された。
男は高級官僚、女は小料理屋の女中だった。
心中自殺として処理されたが、これに疑問を持った福岡と東京の
二人の刑事が真相を解明する話である。

事件の発生から、解明に至るまで、
順を追って描いているため、非常にわかりやすい。
刑事は捜査の壁にぶち当たるも、ひとつずつ解決していく様が、
読者を置いていくことなく、読者と同じスピードで描いている感じがした。
展開は、怪しい人物のアリバイを除々に崩していくという
基本的なパターンながら、
余計な人物は登場せず、登場した人物を皆うまい具合に
関わりを持たせるなど、まとまりのある作品だった。

この作品が出版されたのが昭和33年。約50年前である。
東京から札幌や福岡への連絡手段が電報だったり、
東京から札幌へ行くのに、列車で1日半かかったりという、
当時の社会状況が反映されており、
今読むと、なかなか面白いものである。

「心中」ではなく、「情死」という言葉が使われているのも新鮮だった。

現代の小説と比べてしまうと、スピード感や衝撃に乏しく、
物足りなさはある。
展開がわかりやすい反面、意外性に乏しい。
この順を追った、シンプル展開は、なんとなく
2時間ものサスペンス・ドラマを見ているような感覚にもなった。

とはいえ、しっかりと地に足のついた作品である。
タイトルも、ストーリーの本質を突いており絶妙である。
この作品と並んで、松本清張の代表作とされる「ゼロの焦点」と
「砂の器」も、そのうち読んでみるべきという気持ちになった。

ところで、話をぶり返すようだが、
階段の右回りは内側を歩き、左回りは外側を歩くというのは、
一般的なルールなのか?
右回り優先は、右利き社会の弊害か?
右回りで下ってくる人が、よけてくれない確率は80%くらいだ。
皆さんも試してみていただきたい。
思い返してみると、階段は右回りで上るタイプが
圧倒的に多いような気がする。

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鈴木です。クグエロックさん、登山では登り優先ですよ。内側か外側かは登山にはないですね、当然ながら。春が近いですね。今シーズン初めて白鳥をみましたよ。それではオアシス公演がんばってください。
【2009/03/18 18:48】 URL | タピオカ鈴木 #-[ 編集]

タピオカ君、コメントありがとう。
登山の時も、道を譲るかどうか迷う時があります。
下っている時に譲ると、上ってくる人が、
無理して急いで上ろうとするからです。
下る側が、さっと下りてあげた方がいいのかなと思ったりします。

階段のルールに関して、この記事を書いた翌日も試しましたが、
左回りの上りの際、下ってくる人が、
踊り場で上ってくる人に気づけば譲る確率50%。
上りが左側通行、下りが右側通行で階段の途中でかち合えば、
ほぼ100%、下り人は譲りません。
「ためしてガッテン」で取り上げてほしいテーマです。

昨日、2006年秋に公開されたオアシスのロード・ムービーを見ました。
それを見ても、ライブ前日の今日になっても何の興奮もありませんが、
生のオアシスを見たら、必ず何かを感じるはずです。楽しみです。
【2009/03/21 23:33】 URL | クグエSW #-[ 編集]















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