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先日、ある女性と約3年ぶりに話をした。
名前はMY(エムワイ)さん、とさせていただく。
年齢は30代半ば。目は細めで薄化粧。肌は完全に20代といえる。
私は女性の髪の色に関して、黒からブラウンと呼べる範囲ならば、
似合っていれば何色でもいいのだが、
MYさんほど黒髪が似合う女性に出会ったことがない。

私はこの日、家を出る時、長袖ボーターTシャツに、
カーディガンを羽織った。
しかし、家を出る直前に鏡を見た時、
ボーダーの幅が太いことに違和感をおぼえた。
首元から覗くTシャツ部分が、ボーダーに見えなかったからである。
細いボーダーのTシャツは洗濯物の中だったため、

やむを得ず、違う長袖Tシャツに着替えて出かけた。

3年ぶりに会った彼女が、コートを脱いだ時、私は衝撃を受けた。
長袖ボーターTシャツに、薄手のカーディガンを羽織っていたからだ。
しかも、ボーターの幅は細かった。
この偶然に、小さな興奮をおぼえた。
しかし、彼女にとっては、どうでもいいことだろう。
「ボーダーを着ようとしたけど着なかった」じゃダメなのだ。
着てなきゃダメなのだ。そこが運の分かれ目だ。
着ていれば、この「偶然」は、「運命」と呼ばれたに違いない。
いや、呼ばれない。

彼女は、唐突に3年前の話を持ち出した。
当時、「好きな海産物は何か」という話になった場面があった。
彼女は「一番好きなのは昆布です」と答えた。
この3年の間に、そのことを時々思い出しては、
「どうして昆布なんて答えたんだろう」と、
恥ずかしいやら、笑っちゃうやらだったという。

今回、彼女は、昆布と答えた理由を話し始めた。
「好きな海産物って、ほんとはアワビやウニなのかもしれません。
 けど、いくら美味しくても、しょっちゅう食べると、
 慣れてしまって飽きますよね、きっと。
 でも、昆布はダシに使ったり、ダシをとった後のを食べたり、
 毎日食べても飽きないんですよ」

彼女の言うことは理解できる。
ただ、昆布はダシに使われることが圧倒的に多く、
基本的に脇役である。

味噌汁を飲んでも、昆布を摂取している意識などない。
また、食べ方のバリエーションが少なく、
「最近いつ昆布食べた?」と聞かれても答えられない。
にもかかわらず、「好きな海産物は何か」の問いに、
「昆布です」と答えた彼女のセンスは、ハートをくすぐるものがあった。

もしかしたら彼女は、男性に関しても、
アワビ的存在より昆布的なタイプを
好むのかもしれない。
私は貝になりたいとは思わないが、私は昆布になりたいと思った。
とはいえ、「ここにアワビと昆布があって、
好きな方を食べていいと言われたら、どっちを食べる?」の問いには、
「アワビです」と即答して笑った。
彼女の笑顔を見ていたら、その回答に何の矛盾も感じなかった。
私は貝になりたいとは思わないが、
貝になるならアワビになりたいと思った。
って、オレはバカか。


この時、頭をよぎり、喉元まで出かけたセリフがある。
しかし、解釈の仕方によっては微妙な空気になると察し、
思いとどまった。そのセリフは、

「オレにとってのアワビは、MYさんだよ」である。

もし言ったなら、彼女は好意的に受け止めただろうか。
それとも、「はぁ」と対応に困っただろうか。
あるいは、「えっ?」と、何言ってるの?的な顔をしただろうか。
どうなったかはわからない。
でもわかったことがある。
MYさんと私の間にはボーダーラインが存在した。
そして、それを越えられないと感じたことである。
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