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最近のブログの記事を振り返ってみると、
映画、ラーメン、カレー、本が題材となっている。
観たもの、読んだもの、食べたものに関しての話であり、
いわば広い意味で「鑑賞モノ」である。
(食べ物についても、芸術作品を味わうという意味において
 「鑑賞モノ」としたい。
あるいは「情報モノ」と言うべきか。
 とりあえず今回は、「鑑賞モノ」で統一)

これを、どういう切り口で表現するのか、
そして、どうやって自分を出すのかが重要なのだが、
それ以前に問題となることがある。
鑑賞モノは、相当に強い印象や特徴がない限り、
味にしても、その時感じたハート・ウェーブにしても、
3、4日経てば、かなりの部分を忘れてしまうのだ。

そのため、ブログで記事にする際、記憶の糸をたどるのだが、
「ほんとにこうだったか?」、「いや、違うよなぁ…」と
自問自答を繰り返し、糸をなかなか手繰り寄せられない。
そこで、昨年の後半あたりから、
鑑賞モノに関しては、鑑賞した2日以内に、
一言でもいいから、まず感じたことをメモしておくことにした。

特に、食べ物関係の記憶は消えやすい。
食べているその場で、「この味はすぐに忘れてしまうな」
と感じることもある。

そんな時は、店内にて、割り箸の袋や、財布の中にあったレシートに
メモをとることもある。
ただ、そこまでしても、退屈な味&雰囲気ゆえに、
全くテンションが上がらず、ボツにすることがほとんどである。

さて本日は、2009年に入ってから初のCDレヴュー。
これまた「鑑賞モノ」である。
しかし、他の鑑賞モノとは決定的に異なる点がある。
メモをとっておく必要や、記憶の糸をたどる必要がない。
なぜなら、そのCDを聴きながら文章を書けるからである。
しかも、今日までに何度か聴いてるわけである。
そのため、他の鑑賞モノの記事よりも労力は少ないのである。

今回は、新人から大ベテランまで4作品を取り上げた。
それでは、どうぞ。

■フランツ・フェルディナンド「トゥナイト」
フランツ・フェルディナンド/tonight 
イギリスのロックバンド、フランツ・フェルディナンドの3作目。
前作は、私の選ぶ「2005・アルバム・オブ・ザ・イア」において
第3位を獲得したこともあり、
大きな期待を持って、4年ぶりの新作を聴いた。


演奏に安定感が増し、ビートひとつにも洗練ぶりが窺える。
技術的クオリティの面では前作を超えるだろう。
しかし、技術的クオリティなど何の意味があるんだ?と思うことがある。
それがこの作品の最も簡潔な感想である。
サウンドの向上は見られるが、全体として退屈なのである。

このバンドは、鼻歌を歌えるようなキャッチーなフレーズや、
ドキッとするほどの必殺メロが最大のウリだった。
ところが本作は、その点がやけに乏しく、いかにも寂しい。
キラーチューンが1曲もない。
また、これまでに多用した、リズムを完全に変えてまで
思い切った展開をするという
意外性も影を潜めている。

また過去2作は、ギター、ベース、ドラムだけで、
よくここまでのポップでエッジの利いたサウンドにしたものだと感心した。
本作は、シンセ、キーボード、パーカッションなどを駆使している曲が多い。
それはそれで良いのだが、生かして切っていない上に、
個性を消してしまったように感じた。
特に後半の3、4曲は、別のバンドかと耳を疑うほど、
だらっとした、甘ったるいものとなっている。

私のハンバーグ感は、デミグラス・ソースで食べるのではなく、
ハンバーグ自体に味付けがされているタイプを好む。
タレをつけるなら、びっくりドンキーのハンバーグのように、
サラサラ和風ダレのようなのがいい。
このアルバムは、ハンバーグの味付けより、デミグラにばかり
力を注いだような作品である。
良く捉えれば、新境地、マンネリ打破、実験的ともいえるが、
ハンバーグ自体がこれじゃあ…、という感じである。
デミグラも、大衆的な味ではなく、妙に大人味で中途半端かなと。
もう少し聴き込めば、クセになってくるのかもしれないが。

余談だが、ジャケット写真にはメンバー4人が写っている。
殺人現場を撮すな!ここに入るな!的なフォトである。
メンバーのうち、ベーシストが死体役を演じている。
中ジャケならまだしも、表のジャケ写で死体役を演じるのを
よく引き受けたものだ。それともやらされたのか。
作品が思いがけず退屈だったので、そんなことまで気になった。

■ブルース・スプリングスティーン「WORKING ON A DREAM」
B.スプリングスティーン/working on a dream 

前作「マジック」は、「2007・アルバム・オブ・ザ・イア」において
第1位を獲得した。
80年代半ばから彼の音楽と距離を置いていた私は、
20年以上にわたる非礼を詫びたいと思ったし、
同時に大きな感動をいただいたことに感謝した。

そして前作から1年3か月という短いインターバルで
新作がリリースされた。

前作「マジック」のツアーの合間にレコーディングしたらしい。
納得のいく素晴らしい作品を作り上げ、ツアーも好評を博した。
その勢いで、最高のメンバーにより、良い雰囲気の中で作られたようだ。

とはいえ、あまりのインターバルの短さに戸惑った。
贔屓のアーチストのアルバム・リリースの場合、通常ならばワクワクする。
ところが、本作のリリースを知った時、
最初に感じた気持ちは、「どうして?」だった。
「なんでもうリリースするの?」と懐疑的だった。

1月31日、タワーレコードに「レイザーライト」(イギリスの若手バンド)
の新譜を買いに行った。
ところが、ブルース・スプリングスティーンの新譜を目にし、
何曲か視聴しているうちに、
「2007・アルバム・オブ・ザ・イアで第1位に選んだアーチストを
 無下にはできない。
 彼の新作をバイ&リスンするのは、順位付けをした私のノルマであり、
 責任であり、宿命である」。
そんなふうに自分で自分に義務&圧力をかけてしまった。
結果、レイザーライトの新譜ではなく、本作をバイした。
そしてそれは、失敗だった。

基本的には前作の延長線上にあるような作品である。
個々の曲は決して悪くはない。ところが、全く新鮮味がない。
前作からこぼれた作品を集めたのか?と疑心暗鬼にもなった。
「少し力を抜いて好きなように、楽しんで、でも真剣に」。
そうした雰囲気は十分に感じ取れる。
しかし、前作であふれていた熱いハート、疾走感、緊張感
というものが伝わってこない。
怒り、憎しみ、悲しみ、優しさ、嘆き、喜び。
そうした思いの凝縮感に乏しく、
力が抜けてラフにやっている分、薄まったかのようである。

曲自体のパワーも気にかかるが、
やはり、前作からのインターバルの短さが、
いまひとつ盛り上がれない最大の要因だろう。
つまり、リスナーの飢餓感が生じる前にリリースされたことにより、
聴く意欲に乏しいのだ。
昼の12時にハンバーグ定食を食べ、
その日の午後2時30分に、同じハンバーグを使用したハンバーガーを
食べるようなものである。
勝手を言わせてもらえるなら、しばらくはアルバムを
リリースしなくてもいいので、ぜひ来札していただきたい。


■ザ・トルバドールズ「ザ・トルバドールズ」
ザ・トルバドールズ 
イギリスはリバプール出身の新人バンドのデビュー作。
UKらしいポップで、新人にしては相当手堅い出来となっている。
表面的&気分的に「ロックだぜ、ロックしかないぜ」と
言いたがるバンドとは
一線を画すような、
地に足の着いたサウンドづくりをしている。

ひたすらメロディとサウンドとコーラスで作り上げており、
知らずに聴くと、60年代のバンドかとも思うだろう。

この作品は、i-podでシャッフルで聴くよりも、
アルバムまるごとで聴く方がいい。
最初は物足りなく感じるが、続けて聴いているうちに、
ソフトでクールでポップな独特な世界観が心地よく感じてくる。

新鮮味はないが瑞々しい。
衝撃はないが感情の扉を開いてくれる。
ストーン・ローゼスのような圧倒力や怪しさはないが、
ストーン・ローゼスよりしなやかで聴きやすい。
現代のブリティッシュ・バンドいえば、
タイプは異なるが、ザ・クークスやレイザーライトと並べても
違和感も遜色もない。

本国イギリスでは、ポールウェラーが絶賛。
日本でも、なぜか大貫憲章が絶賛。
その実直ともいえるプロダクトが評価を高めているのか。
いずれにしても相当の力量があることは間違いない。
そして、その力を誇示するのではなく、
しなやかに表現しているのがいい。


問題は、この手の安心・安定のUK王道ポップは、
何気なく流れていると聴き入るのだが、
即効力が薄く、ピンポイントでの渇望はしにくい。
今はヘビーなローテーションで聴いているからいいが、
様々な音楽を聴いているため、時間が経ってしまうと、
目立たない位置づけになってしまいがちになるのだ。

だとしても、4曲目収録の「サレンダー」と5曲目収録の「ギミ・ラヴ」は、
半年後に部屋の隅で誇りをかぶる作品ではない、
卓越したメロディ・センスを感じさせる。


たまたま立ち寄ったショッピング・モール内のレストラン。
いくつかあるランチ・メニューの中から、ハンバーグのセットを注文。
「大量生産の業務用ハンバーグだよなぁ」と思いながら口に入れると、
思いがけず手作りで、肉汁出まくり。
そんなアルバムだった。

■ザ・イーグルス「LONG ROAD OUT OF EDEN」
ザ・イーグルス/long road out of eden 
2007年10月にリリースされたイーグルスの最新作。
スタジオ録音のアルバムとしては約28年ぶりである。
イーグルスに関しては、ほとんどベスト盤しか聴いておらず、
特にこの10年は、ホテカリ、デスペラ、テキイージーの3曲しか
満足に聴いていない状態である。
イーグルス検定試験があるとすれば、予選落ちしているだろう。

そんな私だが、このアルバムは、リリースされてから
ずっと聴いてみたいと思っていた。
きっかけは、たまたま聴いていたラジオから流れたことだった。
もろアメリカンな大人のロックであり、
海辺のワインディング・ロードを想像させるサウンドに心地良さを感じ、
ぜひフル・アルバムで聴いてみたかった。

落ち着きと安定感のある優れた作品である。
曲もフレーズもベーシックで、聴いていてほっとする。
余裕と貫禄が音からひしひしと伝わってくる。
同時に、「BGMで流しっぱなしもオッケイオーライ」的な
ライトタッチな肌触りも窺える。

非常に印象に残ったのが、イーグルスは、
こんなにギターが前に出る
バンドだったのかということ。
完全にギター・ロックである。

オーソドックスなフレーズを、実に味わい深く弾いている。
ただ、曲によってはギターがしつこい。
ちょっとした隙間があると、チョロっとしたギター・フレーズを
必ず入れてくる。
全体の印象は「サラリ」なのだが、よく聴くと、くどいのだ。

このアルバムは2枚組である。
「BGMで流しっぱなし」状態なら気にならないのだが、
じっくりと通して聴くと、似たような曲が多く、

また、不必要に間延びしている曲があるため、
途中でおなかいっぱいになってくる。
2枚組にしないで、1枚に凝縮した方が、
今だからこそのフレッシュさやパワーを感じられたと思う。

現代的エッセンスもところどころに見られる。
マルーン5っぽかったり、ジェームス・ブラントっぽい曲もある。
90年代の矢沢永吉サウンド的なアーバン・ナイトを想起させる曲もある。
しかし、余韻として残るのは、やはりイーグルス・スタンダードである。
何年経っても、どんな曲をやっても、
イーグルスはイーグルスになるのだ。


延々と批評したが、結局は、「いやぁ、イーグルスっていいよねぇ」
の一言で全て済むアルバムではある。
7年ぶりに食べたカリー軒(月寒中央通2丁目、R36沿い)の
ハンバーグが、「とことん普通で、やっぱり美味しい」と感じたように。
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テーマ:洋楽 - ジャンル:音楽





クグエ@スカイウォーカー殿>

一体いつ睡眠してるのか?
いや、熟睡しているのか?
そんな頼まれてもいない心配を道南よりしている者です。
見る、聴く、食べる、そして作る、書く、etc....

凄い出来る男の代表とも言えるのでは?
単細胞のオレはただただ20年間脱帽であります。

しかも文中に「オッケイ、オーライ」と挟むセンスの良さに、更に脱帽であります。
「オッケー、オーライ」と書かない処がクグエIZMでありましょー。

そしてCDレビュー「Eagles」の新譜について
こう書いておりましたね。

このアルバムは2枚組である。
「BGMで流しっぱなし」状態なら気にならないのだが、
じっくりと通して聴くと、似たような曲が多く、
また、不必要に間延びしている曲があるため、
途中でおなかいっぱいになってくる。
2枚組にしないで、1枚に凝縮した方が、
今だからこそのフレッシュさやパワーを感じられたと思う。


正にその通りなんですよ。
Eaglesがベリーライクな自分も正にまさしくそー思っていたワケっす。

そんな感想の合致に
オッケーオーライ、乾杯!!

【2009/02/10 00:13】 URL | CAP #uoSKjgR6[ 編集]

CAP、コメントありがとう。
CAPが、ザ・イーグルスをベリー・ライクだったとは、意外な驚きです。
このアルバムは、ほんとにもう少しコンパクトにしてほしかったですね。
でも、イーグルス健在を見せつけられたいいアルバムでした。
道南コーストにもベリー・マッチするサウンドでした。

ところでCAPは、オッケイオーライの本家的存在なので、
私は「のれん分け」的な気持ちで使用しています。
つまり、「オッケイオーライ札幌店」のようなポジションかと。
このブログのコメントでも、たまにオッケイオーライを
使用する方がいるので(マキシさんやpippoさんなど)、
使用し続ければ、全道にオッケイオーライが拡大していく
可能性もあります。
やがては、オッケイオーライ・タオルや、
オッケイオーライ・ストラップなどの
グッズ作成も有り得るかもしれません。

CAPのブログを見ていて思いますが、
やはり、「○○だけどオッケイオーライ」というような、
否定しておきながらもオッケイオーライな使い方がいいですね。
どうしようもないこの世の中を鼻歌まじりで行くぜ的な気持ちに
なれるので。
【2009/02/11 10:16】 URL | クグエSW #-[ 編集]

オッケイオーライTシャツなら買います!
【2009/02/12 23:08】 URL | マキシ #-[ 編集]

マキシさん、どうもありがとう。
Tシャツは、着るには微妙に覚悟がいるように思えまして、
オッケイオーライ・タオルからいこうかと。
Tシャツの場合は、背中にもプリントしたいですね。
第1弾は「プロの女じゃ熱くなれない」を英語にしたものと、
プロの女をアニメックにプリントしたものにしたいです。

ほかの狙い目は、オッケイオーライ・エコバッグですね。
オッケイオーライは、やっぱりカタカナ表記でしょうか。
「OK! ALL LIGHT」だと、キッチュ感覚とポップ感覚か薄れるので。
【2009/02/13 20:52】 URL | クグエSW #-[ 編集]

ご無沙汰しています。
今頃なんですが、先日やっとオアシスの
「ディグ・アウト・ユア・ソウル」をバイしました。
台所で水仕事しながらリスンしましたが、
4曲目の「ショック・オブ・ザ・ライトニング」と
11曲目の「ソルジャー・オン」がお気に入りです。
来月札幌で行われるオアシスのライブには残念ながら
私はいけません(泣)
そのかわりクグエ@スカイウォーカーさんの
ライブレポートを楽しみにしています。それではまた。
【2009/02/16 15:39】 URL | カルパッチョ田中 #-[ 編集]

カルパッチョさん、どうもありがとう。
オアシスがほんとに札幌まで来るのか、今も疑心暗鬼です。
オアシスのライブには、あえてAC/DCのTシャツを着て行こうと思います。
何の意味もないですが。

何が感動したかって、カルパッチョさんが、
バイ&リスンを自然に使っていることです。
それと先日、カルパッチョ・ブログで、
留萌市の沖美のローソンがなくなったことを知ったことです。
スミス西野、タツヤス・サトーらにとっても衝撃的閉店でしょう。
沖美は、閑散&静寂ながら、
ローソンの前のオン・ザ・ストリートだけは車の通りが激しかっただけに、
あの地域の象徴的ストアがなくなったのは残念です。

ところで、そのうち、タビオカ米を入手する方法を
教えていただきたいと思います。
最近は、蘭越米と北空知米を交互に食べている状況ですが、
やはりタビオカ米が一番です。
【2009/02/18 01:29】 URL | クグエSW #-[ 編集]

タピオカ米の件、オッケイオーライです。
沖見ローソンや見晴球場の横の通りは
本当に車が多かったですね。
朝、見晴球場横を走るクグエ@スカイウォーカーさんが
懐かしいです。
【2009/02/19 13:34】 URL | カルパッチョ田中 #-[ 編集]

遅刻しまいと、朝、見晴球場の横を走る私は、
何度もランバード・カーに拾ってもらいましたね。
そんなに前のことではないのに、かなり懐かしく思います。
今やもう、ちょっと泣けちゃうくらいのいい思い出です。
【2009/02/21 00:57】 URL | クグエSW #-[ 編集]















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