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31日土曜日、5年前まで住んでいた街、「澄川」へ行ってきた。
澄川の特定のどこかへ行こうと思ったわけではい。
なんとなく散歩してみたくなったのだった。

澄川を離れてからも、車で通ったことは何度かあった。
しかし、この5年の間に、車から降りて飲食をしたのは、
「木多郎」(スープカレー店)と「ひなた」(ラーメン店)だけ。
ちょっとぶらぶらする、なんてこともなかった。
澄川は通り過ぎるだけの街になっていた。

このタイミングで、なんとなく行きたくなったのは、
私が精神的にダウン状態にあるからだろう。
澄川は、30代の頃、6年間住んでいた街である。
いわば、プチ里帰り気分を味わいたくなったのかもしれない。

澄川に住んでいたとはいえ、100m先は豊平区だった。
ミュンヘン大橋や平岸中学校に近いところだった。
私が澄川を後にする1年くらい前、住まいのすぐ近くに、
ビッグ・ハウス、ユニクロ、もりもと、びっくりドンキーなどの
一大ショッピング・スペースが、いきなりできた。
今回はそこに駐車させていただき、散歩をした。
地下鉄澄川駅まで10分ちょっとの距離である。

5年ぶりに歩く澄川駅界隈。
平岸街道側は、立ち並ぶ店が4割くらい変わっていた。
最も衝撃だったのは、
北洋銀行の西向かいが、コジマ電器からツルハに、
北洋銀行の北向かいの洋装店がたい焼き屋に
変わっていたことだった。

ただ、澄川駅の平岸街道側は、あまり魅力を感じないエリアだった。
むしろ、澄川駅の裏側、というべきか、
平岸街道とは反対側のエリアに当時から魅力があった。
なぜなら、個性的な店や、ネイティヴ澄川を感じさせる店が混在し、
昭和と平成が絡み合う、独特の空気感があったからだ。
「もしかして、澄川駅裏ストリートも、大分変わってるのか?」と
不安を感じつつ、そちらへ向かった。

その時、私の頭の中で、「アド街ック天国」
という言葉が呼び起こされた。
テレビ東京系で土曜の午後9時から放送している番組である。
私が「アド街ック天国」のスタッフとなり、
「札幌市南区澄川」を題材にするなら、どこを取り上げるだろうと
考えたのだ。
すると、欠かすことができない、いくつものポイントが
思い浮かぶではないか。

■赤べこ
澄川駅から徒歩5分。焼き鳥中心の古い居酒屋。
炭火焼きの焼き鳥がベーシックに美味しい店。
午後7時から10時は、連日混んでいる。
全てのものが、きちんと普通に美味しく、しかも安い。
店のおばさんに、注文するために声をかけると、
「なんで声かけたの?」的な驚きの顔をするところなど、
ちょっと不思議な無愛想さがあり、通えばそれがやみつきになる。

■澄川温泉
澄川温泉  
澄川駅から徒歩5分のところにある昔タイプの銭湯。
名前は温泉だが、温泉ではない。
サウナやジャグジーなどはあるが、いずれも年代を感じさせる。
そしてなぜか、マンションの1階に銭湯を構えている。
当時10回くらいは行ってるだろう。いつもそれなりに混んでいた。
特別な何かがあるわけではないのだが、「澄川に住んだら
澄川温泉に行かなきゃ」的な気持ちにさせる何かがある銭湯。

■ふくらや
ふくらや  

澄川駅からミュンヘン大橋に向かう通りにある肉まん屋。
今回行って、まだ営業していたことが嬉しかったとともに、ほっとした。
名物は「大根マン」。簡単に言うと、
肉まんに大根が入っているイメージなのだが、これが絶品。
なんといっても皮が美味い。このモチモチぶりは現在も私の№1。
1個100円だっただろうか。ただ、結構小さめである。
その分、色々な種類を食べるので良しとしたい。

■木多郎
木多郎/澄川店 
1985年オープンのスープカレー店。
つまり、スープカレーが今のように一般的になる以前から
やっていた店である。
私が澄川に住んでいた当時は、昼間しかやっていない店であり、
日曜日は休みで、土曜日も不定休などで、
なかなかありつけなかった記憶がある。
今は近くに移転し、広い店になった。ベーシックに美味しい。

■洋菓子店
ろまん亭  
澄川の2大洋菓子店といってもいいであろう、
「ろまん亭」と「ステラマリス」。
洋菓子好きには、超有名店だろう。洋菓子より和菓子好きであり、
洋菓子の味の違いもあまりわからない私は、
正直、不二家のケーキで十分だったが、たまにカッコつけて、
この2店に行ったものだ。カッコつけて行っただけなので
味の説明はできないが、一緒に食べた人の評判は常に良かった。

と、このあたりで、本家の「アド街ック天国」ならば、
平岸高校、相馬神社、純連(いずれも住所は平岸ながら
最寄り駅は澄川駅)や、自衛隊などを紹介するところだろう。
ところが私は、愛川欽也ではない。

ぜひ紹介しなければいけない店がある。
今回の澄川散歩において、久しぶりに店を目の当たりにし、
感激のあまり、それほど空腹ではなかったのに訪問した店。
それが「かわなみ食堂」である。

かわなみ食堂/店 
「食堂」と名はついてるものの、メニューのメインはラーメン。
ラーメン以外は、中華どんぶりと焼肉どんぶりと何かと
3種類しかなかったように思う。
私が澄川に住んでいた頃、ここには5回くらい訪問した。
ラーメンは三味とも食べたが、
正油ラーメンが際だって美味しかった記憶がある。

70代のおばあちゃんが、ひとりで切り盛りしている店である。
店内はカウンターのみで昭和50年前後といった風情。
おばあちゃんは、恰幅が良く、なごみ系フェイスなのに活発で、
常に鼻歌を歌ってるか、独り言を喋っている。
他に客がいないと、話しかけられたりもした。

今回も、その当時のままだった。
店が空いていたこともあり、おばあちゃんに話しかけられた。
「お客さん、前に来たこと、なかったかい」
「ありますよ。5年前まで、澄川に住んでいたので何回か」
「そうでしょ。見たことあるわ。
   5年ぶりねえ。私にしたら、ちょっと前だわ。
 先月来てたかと思ったわ、はっはっはっ。今どこにいるの」
「東区です。澄川を出た後、留萌に行きまして、その後戻ってきて」
「で、わざわざ来て来れたの。どうもねぇ。なんも変わってないしょ」
「そうですね。変わってないので安心しました」
「変わりようがないんだわ、はっはっはっ」
そう言っておばあちゃんは、
「正油ラーメンつくってるよぉー♪」とか、「もやしはどこだぁ♪」など、
ラーメンの商売人として通常あり得ない言葉を、
メロディ付きで言いながら、ラーメンを作った。
その姿を見て、訪問して良かったと心から思えた。

かわなみ食堂/正油ラーメン 
正油ラーメンは、めちゃくちゃ美味しかった。
端的に言うと、あっさりサッポロラーメンである。
スープの色は、正油ラーメンにしては薄く、
トンコツダシが程よく、そして、ほのかに甘みのある、
非常に食べやすい味である。
色の濃い正油ラーメンや、いかにも正油な正油ラーメンが
苦手な方には、たまらない味ではないだろうか。

熱々なところもいい。
油が薄く表面を覆い、これがくどくない、いい旨みを奏でる。
麺はやや太で、縮れが強めなのも、このスープにぴったりである。
チャーシューもいい。私はとろとろチャーシューより、
こうした肉の歯ごたえのある方が好みである。
絶妙な肉加減というか、火の通り方が最高のチャーシューである。

ラーメンを食べた後も、少し話をした。
おばあちゃんは、16歳でこの道に入ったことは以前聞いていた。
「今年で何年になりますか」と聞くと、
「56年か、57年か」と言っていたので、70代半ばに近い年齢である。
おばあちゃんは、独りでここに住んでいる。
建物は平屋である。
ラーメン店の奥に、住居らしいスペースがある。
そのスペースは半地下の位置にある。
「あと何年やれるかねぇ、ついでくれる人もいないし…」

非常に複雑で、切ない気持ちになった。
この店がいつまでもある、ということはないのである。
私が今できることは、またこの店に訪問することであり、
誰かを連れてくること。
そして、この味を、この店の良さを分かち合うことだろう。

懐かしさや、精神ダメージ状態を除いても、
ほんとに美味しいラーメンだった。
オーソドックスな中に、いい甘みと、油のいい旨みがある。
昔風とか、レトロというのとも違う。
「毎日きちんと、気持ち入れて作ってますよ」というのが
伝わる味である。

ちょっとした感激までいただけた澄川散歩だった。
同時に自分を悔いた。
「ラーメン・オブ・ザ・イア」なんてやってるくせに、
なぜ、この店を思い出さなかったのだろうと深く反省した。
前ばかり見ていてもダメなのだ。
もしかしたら、人生において大切な何かを、
知らず知らずのうちに、たくさん置き忘れているのかもしれない。

6年ぶりの「かわなみ食堂」は、一言で言えば「感動」だった。
変わらないものがそこにある有り難さを痛切に感じた。
素晴らしいのは、年齢や環境とともに、
おばあちゃんにも変化があったはずだが、それを見せなかったこと。
というか、大切な部分は変わっていないことを見せられた気がした。
おばあちゃんにとって大切なことと、
お客さんから見て大切なことが、きっと合致しているのだ。
これなんだ。こうでありたいと思う。
なお、正油ラーメンが500円というのも変わっていなかった。

やはり気持ちを感じる店を出る時は、こちらの気持ちも清々しい。
「美味しかったです」や、「また来ます」の言葉が自然に出てしまう。
まさに、後味もいいラーメンだった。
おばあちゃんに感謝です。

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懐かしです。澄川。
私にとっては、中の島(の端っこ)ですが。
ふくらや、は、まだ小さかった子供と散歩の途中
に寄り道したものです。

我儘放題の弟分だった私の無理な誘いで、
札幌駅~澄川駅周辺まで、ハシゴ酒しましたね。
強かに飲み、歌い、とても楽しかったです。
真夜中の雨の帰り道、クグエさんにバレないように、
唾を吐くフリをして「歩きゲロ」をしたものでした。

すいません、思い出を汚すようで・・・。
【2009/02/01 22:40】 URL | フルチューン #-[ 編集]

私も留萌赴任の前は澄川に住んでいました。
確か、1条4丁目だったと思います。

もう一回住むか?と言われると微妙なものがありますが、
決して忘れられない良さがある。そんな街だと思います。
【2009/02/01 23:36】 URL | TJM@るもい #4iWRu9U6[ 編集]

実は私も澄川に住んでいたことがありますよ!!
札幌に勤めていたときに、澄川に。
自衛隊前の地下鉄駅を降りた所にセブンイレブンがあったのですが、今はもう無いと風の噂で聞きました。
その隣の焼き肉屋さんはまだあるようです。。。母が留萌から来た時に、レバ刺しを食べた記憶があります。

あんまり精神的ダウン状態が続くようなら、今度は留萌にも来て下さい。。。何もできませんが、私も札幌に行きますよv-218
【2009/02/02 15:33】 URL | yoshimi #-[ 編集]

フルチューン氏、どうもありがとう。
そういえば、澄川で飲み、歌いましたね。
もう10年くらい前なんですね。
今思えば、男2人でカラオケボックスに行ったという…。
フルチューン氏が「ブラウン・シュガー」をスタンド・アップして
シャウトしていたのを覚えています。
そして確かに雨が降っていたような気がします。
日々の中での、ちょっとした一夜だったのに、
こうして思い出せるのは嬉しいことです。
当時、フルチューン氏は「ロバート・クレイ」を絶賛しており、
ビデオまで貸してくれましたね。
その影響で彼のCDを2枚買いました。
出会いは大切ですね。改めて思います。

TJM氏、どうもありがとう。
TJM氏も澄川在住者だったとは。
実は、かわなみ食堂のおばあちゃんに、
「また澄川に住まないのかい?」と聞かれ、
「東区に慣れたら、澄川ってこんなにごちゃごちゃしてたかなと
思えまして」と返答。
つまり、TJM氏と同様、私も澄川に再度住むのは微妙だと思っています。
でもやっぱり味わい深い街です。
平岸駅界隈にも6年住みましたが、澄川の方が愛着があります。
平岸は変わりすぎました。

yoshimiさん、どうもありがとう。
そうですね、地下鉄自衛隊前駅の辺りも、住所は澄川ですね。
焼肉屋は「大将」ですかね。
自衛隊前駅の裏側は、地方の町の駅前の風情があっていいですよね。
ふらっと留萌に行きたいと、しょっちゅう思います。
でも、冬だしとか、泊まりたいしとか、
色々考えているうちに思いとどまってしまいます。
細かいことは考えないで、
一度ほんとにふらっと行けばいいだけのことなのですが。
また、よろしくお願いします。立ち直ります。
【2009/02/02 22:29】 URL | クグエSW #-[ 編集]

 こんばんは。私の最寄り界隈が出てきて、驚きでした。
 かわなみ食堂は、夏くらいから別のブログで知っており、気になってました。近いうちに家族で行ってみますね。「誰か」が、まず私になってしまいますね!地味な店に家族で行って、写真も撮るなんて、きっとおばちゃんの記憶に残ってしまうだろうな~。
【2009/02/02 22:46】 URL | 迷犬チーズ #-[ 編集]

迷犬チーズさん、どうもありがとう。
かわなみ食堂ではぜひ正油ラーメンをチョイスしてください。
チャーシューの素朴さと奇跡的な火加減も素晴らしいので、
チャーシューメン(700円)もアリです。
店の前に車1台分の駐車スペースがあるだけで、
駐車場がないため要注意です。
ラーメンを食べる以前に、まずは、おばあちゃんの鼻歌を楽しめます。
迷犬チーズ・ラーメン情報も参考にしつつ、私も新たな店にトライします。
【2009/02/04 07:31】 URL | クグエSW #-[ 編集]















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