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概ねこの1年の間にリリースされた洋楽アルバムを、
私の身勝手なセンスによりランキング付けする最重要企画、
クグエ・スカイウォーカーが選ぶ
「2008・アルバム・オブ・ザ・イア」を、
12月28日前後に発表する予定である。

それに向けて、今回が今年最後のCDレヴューである。
今年は素晴らしい作品が目白押しのため、
マイ審査が難航しているが、

今回紹介する作品も、
トップ10入りの可能性が高い作品が含まれており、

ますますランキングは混沌としそうである。
なお、今回は新譜のほか、最近聴きまくっている古い作品も紹介する。
それでは新旧、和洋織り交ぜて、カモナ・マイ・ハウス!

■ザ・ヴァーヴ「FORTH」
THE VERVE/FORTH 
イギリスの重要バンド「THE VERVE」の11年ぶりの新作。
非常に良質の作品である。
決してメロディアスではない。
キャッチーでも、印象に残るフレーズがあるわけでもない。
サイケデリック色を滲ませたイギリス的ロックであり、
全体を包むのは気怠いグルーヴ感である。

なのに、とても受け入れやすく、聴きやすい。
彼らは年齢を重ね、サウンドがとんでもなく力強くなった。
アルバムの1曲目の最初の音を聴いた時点で、
これまでとの違いを感じた。
安易なノスタルジアから11年ぶりに新作を発表したわけではなく、
ずっと音楽を追究し続けてきたその情熱とパワーが、ここに凝縮され、
骨組みがしっかりした強力安定サウンドに進化したといえる。

ただ、「ヴァーヴ、聴きてぇー!」という「ご指名パワー」は
高くない。
どちらかといえば、ふと流れてきた時の「すんなり受入度」や
「あれ?結構いいよね」という「思いがけず好評度」が高い作品である。
ヴァーヴを聴くために、ここに来たわけじゃないけど、
ヴァーヴが流れたら、ずっと聴いていたくて
その場から離れられなくなった。

そんな気持ちにさせる、じんわりとした癒しさえ内包させた、
非常に奥深い作品である。


■THE TING TINGS「WE STARTED NOTHING」
THE TING TINGS 
今年デビューしたイギリスの男女2人組の

エリクトリック・ポップロック・ユニット。
表面的には80年代的な電子音とカラフルさが目立つが、
サウンドはタイトで、ボーカルがしっかりとした、
正真正銘のロックといってもいいのではないか。
タイトさは、ザ・ポリスに通ずるものがあるし、
エレ・ポップぶりは、ブロンディに通ずるものがある。
「ラジオスターの悲劇」を彷彿させるところもある。


惜しいのは、インスタントで一過性なものに感じさせるような、
何がしかの安っぽい雰囲気があること。
ロックにおいて、安っぽさが魅力になっているアーチストは多い。
ただし、それは危うく、刺激的である必要がある。
この2人組の安っぽさは、
再生紙を用いたコピー用紙程度の薄さに思えてしまう
佇まいがあるのだ。

特に、ジャケット からもわかるように、男がどうにも胡散臭いのだ。

とはいえ、親しみやすさを兼ね備えたロックだといえるし、
聴き心地はいい。
日本人アーチストに例えれば、
木村カエラから感情をマイナスし、荒削りにしたら、
こういう感じになるかも。
なお、木村カエラより、ずっと聴きやすく、ずっとロックである。

■AC/DC「BACK IN BLACK
BACK IN BLACK 

オーストラリアのハードロック・バンド、AC/DCの
1980年リリースの傑作アルバムだ。
オイラは、オイラの世代には珍しく、
いわゆるハードロックやヘビーメタルというものを
10代の頃にほとんど聴かなかったんだ。
そして聴かないまま青年になり、中年になっちまった。
今もほとんど興味がないことには変わりない。
ただ、AC/DCは、常に心のどこかで気になっていたんだ。

このアルバムは3年前に入手していた。
当時、留萌で担当していたレディオ番組で流そうと思ったからさ。
けれど、聴かずにいたオイラ。


じゃあ、どうして今さら聴く気になったのかって?
10月のある夜のことさ。
リリースされたばかりのAC/DCの新譜が

たまたまラジオで流れてきたのさ。
「もろロックンロールじゃねえか!」ってエキサイトしたね。
衝動バイ気分が高まったね。
けれど、その時、
ちょい待ち横丁の街灯に明かりが灯ったんだ。
新譜に手を出す前に、まずは、彼らの最高傑作、
いや、20世紀を代表するロック・アルバムだといってもいい
「BACK IN BLACK」を聴かずして、
前には進めないぜと、ちょい待ち横丁の街灯が教えてくれたんだ。

はまったね。
はまっちゃったね。
この1か月の間で、最も聴いたのはこのアルバムだな。
金切り声のようなハイトーン・ヴォイスにはなかなか慣れなかったよ。
でも、ひたすら骨太ロックンロールの連発で、そりゃもうゴキゲンさ。
しかも、展開、構成、圧倒力、ノリ、そうしたバランスが完璧で、
何度聴いても飽きないし、聴く度に新たな発見があるような気に
させてくれたね。
もっとこだわって言えば、この作品は「ロックンロール」っていうより、
「R&R」って表記したいノリだね。


若い頃に聴いておけば良かったなんて思っちゃいないぜ。
今だから、このアルバムの良さがわかるような気がするからね。
経験と知識が積み重なって、さらに、好奇心と偶然が重なって、
このアルバムに出会えて、そして感動した気がするんだ。
そういうもんだろ、人生って。

■中島みゆき「大吟醸」
中島みゆき/大吟醸 

中島みゆきに関しては、70~80年代前半にヒットした曲と、
90年代以降に、知らず知らずに耳に入ってきた曲のサビ程度しか
知らなかった。

そんな私であるにもかかわらず、この2、3年、
通勤の帰り道など、ふと気づくと、
中島みゆきの曲を頭の中で歌っていることがある。
「なんで中島みゆきなんだ?」と自分でも驚くほどである。
驚くだけではない。
非常に心にしみるのだ。

ちなみに、圧倒的に多いのは「わかれうた」(1977年)と
「ひとり上手」(1980年)である。

なぜ今になって、それほど聴いていたわけでもない彼女の曲が
自然に頭の中に流れるのか。
ひとり口ずさみながら、それを考えてみると、
やっぱり曲がいいのだ。
特に、メロディへの歌詞の乗せ方がすごくいい。
それと、言い回しが好きなのだ。

例えば、「ひとり上手」の一節、「心が街角で泣いている」や
「ひとり上手と呼ばないで 心だけ連れていかないで」。
「わかれうた」の一節、
「私は別れを忘れたくて あなたの目を見ずに戸を開けた」や
「好きでわかれ歌うはずもない ほかに知らないから口ずさむ」など、
ため息が出るような素晴らしい言い回しである。

私は、「中島みゆき」という音楽をもっと知りたくなった。
そこでまず入門編として、
このアルバム「大吟醸」を聴くことにしたのだ。
「大吟醸」は、彼女がデビューした1975年から1995年までの
シングル曲を中心にチョイスされた14曲入りベスト・アルバム。

感動した。
文字のとおりである。感情を動かされた。
それほど力のある音楽だった。

90年代に入ってからは、元気や勇気を与えるように、力を込めて、
やや踏ん張って歌う中島みゆきが定着した感があるが、

私はやはり、どうにもならない恋を淡々と、あるいは朗々と唄うのが
彼女の真骨頂ではないかと思っている。
時に、そっと背中を押し、
時に、そっと受け入れてくれる、
そうした、押し寄せ、引き寄せする力のある曲であり、
ぐっとしみ込ませる歌唱力が備わっているのだ。
特に声は、年齢を重ねて、つやと強さが深まっており、
これが長きにわたって、あるいは世代を超えて支持を得ている
要因のひとつなのだろうと思う。

「あした」、「狼になりたい」、「誕生」なんて染みる曲だなあ。
「空と君とのあいだに」って、こんなにいい曲だったんだ。
「ファイト」って曲も泣けるな。
とにかく名曲揃い。
「慟哭(どうこく)」という曲以外は全て良い。

彼女のコンサートに行ってみたくなったな。
生で聴いたら、泣いちゃうかもしれんな。
そう、彼女の唄は「共感力」がすごく高いんだな。

そんな感じで、彼女の凄さの理由を考えていくと、
行く着くところは、「中島みゆき」というパーソナリティと
オリジナリティである。
何かに似ているとか、誰に影響を受けたという次元を超えた、
「中島みゆき」というひとつの音楽的ジャンルが確立されている。
だから、純度が高く、しかも濃い。

「中島みゆき」という唯一無二かつ不世出の才能を思い知らされた
素晴らしいアルバムだった。
「大吟醸」というタイトルどおり、この作品に酔いました。
そして泣けました、なんてね。

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テーマ:洋楽 - ジャンル:音楽



















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