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ライブが終わって4日経った。
ライブ前は知らず知らずのうちに気が張っていたのだろうか。
ライブが終わってからというもの、
次に目指すところが見えず、心の中は空っぽになり、
それでいて、妙にフワフワした感じがしている。

疲れはとれた。
というか、気の張り合いがなくなったせいか疲れない。
疲れないせいか、昨日も一昨日も眠れなかった。
エナジーを使ってないというより、
使うエナジーが湧き上がらない状態である。

こんな時こそ、集中的に読書をすればいいのだが、
読書エナジーも欠乏状態にあるようだ。
どういうわけか、忙しい時ほど、
強引に夜更けまで読んだりするのです。
不思議なものです。

それはそれとして、先日読み終わった本を紹介したい。
タイトルは「のぼうの城」。
作者は
和田竜。
第139回(2008年上半期)直木賞にもノミネートされた
歴史小説である。

のぼうの城 

時は戦国、天正18年(1590年)。

西日本をほぼ制圧した豊臣秀吉の次なるターゲットは、
関東一円を治めていた北条家(本拠地神奈川)であった。
秀吉は、北条氏のいる小田原城へ。
秀吉の重臣達はそれぞれチームを組んで、
北条家の配下の城を制圧に向かったのであった。
そのうち、石田三成をキャプテンとして
向かわせたのが「忍城(おしじょう)」。
忍城の城主は、成田長親(なりた・ながちか)。
そう、この作品は、忍城をめぐる
「弱小・成田チーム」VS「大軍・石田チーム」の戦いの物語である。

作品タイトル、「のぼうの城」の「城」とは、
今、触れた「忍城」のこと。
現在の埼玉県行田市に存在した城である。
「のぼう」とは、「でくのぼう」の略。
主人公の成田長親は、領民達から「のぼう様」と呼ばれていた。
槍も使えず、馬にも乗れず、いつも暢気にぶらぶらしている、
そんなさえない侍であるがゆえ、
「のぼう様」と、からかい半分で呼ばれていたのだ。

ところが、石田チームとの戦いでは、
思わぬサムライ魂を発揮したから、もう大変。
かくして後世に語り継がれる名勝負になったのであります。

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面白かった。
中盤以降は、かなりのせられた。
とにかく、登場人物を生き生きと描いているのがいい。
キャラ設定がはっきりしており、
それぞれの人物に関するエピソードや言動が特徴的かつ
ユーモラスに描いていることが、物語全体に躍動感を与え、
面白さを膨らませている。

エンディングに向かう雰囲気もいい。
それぞれの人物の後日談や、合戦後の人生について、
さらりと粋に触れながら、清々しさを残して締めくくっている。
ストレートにハッピーエンドというのとは少し違うが、
気持ちが晴れ晴れとするような終わり方を演出している。

この作品は、講談で聞いてみたい気がする。
映像化しても、文章だからこそにじみ出てくる
生き生き感や人々の心のつながりは表現しきれず、
薄っぺらいものになるだろう。
というか、そもそも書きぶりが、
誰かが語っているかのような雰囲気である。
そのため、読み終わった時、
語りを聞き終えたような気持ちになった。

また、表紙のデザインは、今年読んだ小説類の中では№1。
ブック部門の「2008ジャケ・オブ・ザ・イア」は、
この作品に決定である。

歴史小説は普段、あまり読まない。
それよりも読みたい本が順を成して待っており、
そこまで余裕がないという事情もあるが、
最大の理由は、読めない漢字、読みにくい漢字が多く、
それに気をとられ、ストーリーに入っていけないことである。
実際、この作品も、序盤から中盤にかけては、
なかなかストーリーに入っていけなかった。

現代あまり使われない漢字には、ふり仮名が付されているが、
付されているのは、その漢字が最初に使われたときだけである。
何ページか後に、その漢字が出てくると、
ふり仮名が付されていないので、もう読めないものもある。
そうなると、最初にふりがなを付してあったページを
探さなければならず、面倒でたまりませぬ。
そこで、自分で勝手な読みにしてしまう。
いわば、「マイふりがな」状態で、誤った読みのまま進めていく。
歴史小説の場合、そうした自堕落的読書に陥ることが多々ある。

また、漢字を読めたとしても、意味が曖昧だったり、
映像を想像できない場合がある。
特に、「二の丸」とか、「土塁」とか、「堤」とか、
城用語を連発されると、イメージしにくいのである。

似たような名前の出演者が多いため、
誰が誰だかわからなくなるのも厄介である。

例えば、北条氏政(ほうじょう・うじまさ)と
成田氏長(なりた・うじなが)のやりとりは、
姓ではなく、名で書かれているため、
どっちがどっちだかわからなくなった。
木の実ナナとジャネット・ジャクソンに匹敵するほどややこしや。

ただ、この話は、多少漢字を読めなくても、
多少映像イメージができなくても、
ストーリーの本質は捉えていける。
それはおそらく、単なる城の攻防ではなく、
城の攻防を題材にした人間ドラマ的要素が濃いからだろう。

それにしても、君という名の城は難攻不落だ。
城は近くに見えるのに、心は決して近づけない。
いわば心の遠距離恋愛状態だ、嗚呼。

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