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「湊かなえ」の「告白」という本を読んだ。
この作品は、彼女のデビュー作である。
そして、今年の代表的な作品になるであろう話題作である。

この作品の存在を知ったのは、新聞の下段にある広告だった。
9月以降、この作品の広告を何回か見かけた。
「各方面から絶賛の声」、「各メディアで大反響」などの言葉とともに、
「愛美は事故で死んだのではありません。
 このクラスの生徒に殺されたのです」という、
この作品のキャッチコピーともいえるフレーズが書かれており、
ずっと気になっていた。

さらに、本屋に行けば、
常に目立つ場所に平積みになっていたこともあり、
なんとかして読みたいと思っていた。

そこで、図書館に貸出予約をしようと考え、状況を確認。
すると、約1,000件前後の予約があった。
とんでもない予約件数の多さである。
札幌市中央図書館において、ダントツで№1である。

札幌市内の図書館に、この本は26冊あると思われる。
1冊につき、1か月で2人に貸し出されるとする。
26冊あるため、1か月で52人。
1,000人目に順番がくるのは、約20か月先である。
そこまで待つことなどできやしない。
結局、紀伊國屋書店にて購入した。
湊かなえ/告白 


物語は、ある中学の女性教師の娘(4歳)が、

学校のプールで水死した事件を軸に、
それを取り巻く人達の告白で綴られている。
「愛美は事故で死んだのではありません。
 このクラスの生徒に殺されたのです」のフレーズのとおり、
犯人は中学生2人だった。
その中学生に対する女性教師の復讐に関する告白、
中学生が殺人を犯した経緯についての告白、
クラスメイトの告白、
犯人の親の愚かな告白で構成されている。

非常に面白かった。
それぞれの人の告白は語り口調なので、
話を聴いているような感じがして読みやすい。
読みやすいが、読み応えは十分。
文体はさらっと、淡々としている。
しかし、じわじわと浸され、
気づいたらどっぷりとつかっているような
引き込みパワーの強い作品だった。
5ページくらい読んだら、もう読むのをやめられなくなった。

とにかく、登場人物にまともな者はいない。
皆、ひたすらに陰湿で、勝手で、短絡的。
そして、憎しみが連鎖していくような展開をする。
ゆえに、不快感や嫌悪感を抱く方はいると思う。
後味が悪く感じる方もいるだろう。
その反面、下手に「救い」になるようなことを書いていない徹底ぶりが
功を奏したともいえる。
私はダークさを凌駕し、ただ単純に物語に没頭させられた。
また、ところどころ思いがけずユーモラスなのも非常に良かった。

中学生の犯罪ということで、
少年法の問題を掘り下げているか、といえばそうではない。
子供を失った悲しみを深く描いているわけでもない。
劇的でもないし、リアリティにも乏しい。
考えさせられることもなければ、感情移入もない。
ところが、面白い。

どことなく、宮部みゆき的な雰囲気が漂うつくりにも感じるが、
裏を返せば、宮部みゆき作品が好きな方は楽しめると思う。
特に、「火車」や「理由」が好きな方にはオススメ。
また、東野圭吾のダークな作品的な匂いもするが。
出版しすぎで質の低下が顕著な最近の彼の作品よりは
数段楽しめる。

繰り返しになるが、ストーリーは陰湿である。
ただ、的を射ている部分もあり、ある意味、痛快でもあった。
例えば、「この子はやればできるんです!」と、
教師に食ってかかるバカ親について、女性教師が、
そうやって言われる子は、
「やればできる」のではなく、もはや「やることができない」と、
バッサリ切り捨てるところは、にやっとしてしまった。

バカ親といえば、給食費を払わない親に会ってみたい。
見た目どんな人で、どんな喋り方をする人なのか、
微妙に興味がある。
ちなみに、スーパーなどの身障者用駐車スペースに、

身障者ではないのに平気で車を駐める子供連れの親を見ると、
「この人、給食費払ってないだろうな」と勝手に想像している。

人それぞれ嫌悪感や不快感を抱く対象は違うだろうが、
身障者ではないのに身障者用駐車スペースに
平気で車を駐める人は、
私の中では、嫌悪感・不快感のトップクラスである。
時々、そういう人に声をかけたくなる。
注意するのではない。
こう聞きたくなるだけだ。
「馬鹿ですか?」
できるわけがないけど。

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テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌





はじめまして。
こちらの記事にトラックバックさせていただきました。
すごい吸引力でしたね。

トラックバックなどいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。
【2008/11/26 03:09】 URL | 藍色 #-[ 編集]

藍色さん、どうもありがどうございました。
藍色さんのブログを拝見しましたが、
メチャクチャ読んでますね。
とんでもない読書量に驚きました。
なお、トラックバックというもののやり方がわからないので、勉強します。
ちなみに、今読んでいるのは、「のぼうの城」です。
【2008/11/27 23:51】 URL | クグエSW #-[ 編集]















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