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札幌は今週に入って寒さが増した。
また、今週は毎日、傘を持ちながらの通勤だったが、
今日は久しぶりに雨から解放され、
朝は手稲山の頂上に積もった雪が、はっきりと見えた。
確実に冬の足音が近づいている。

さて、今回は2か月ぶりのCDレビューである。
今年は、お気に入りアーチストの新譜の当たり年で、
また、良質の音楽との偶然の出会いも多い年で、
暮れに実施予定の「アルバム・オブ・ザ・イア」は
大混戦となりそうである。

今回紹介する5作品についても、
期待以上に、あるいは予想外に良い作品だった。
それでは、どうぞ。

■オアシス/Dig Out Your Soul

 oasis/dig out your soul  
 言わずと知れたイギリスが誇る

 世界的ロックバンド、オアシスの7作目。
 私はそもそもオアシスというバンドの音楽が大好きである。
 そのため、新譜がリリースされれば、とりあえず買う。
 
 ところが、2000年にリリースの4作目から、
 疑問を感じ始めていた。
 アルバムの中には、1曲か2曲、素晴らしい曲があるのだが、
 アルバム全体としては、
 何をやりたいのか、何を見せたいのかが漠然としていて、
 食べ飽きているもので満腹にさせられたような感覚があった。
 結果、繰り返して聴くことはなかった。
 そうした経緯があったため、
 もう義務買いはしないことで心は決まっていた。

 実際、義務買いはしなかった。
 義務買いはやめたものの、聴きたいことには変わりなかった。
 そこで、スミス西野氏に借りて聴いた。
 とはいえ、全く期待をせずに聴き始めた。

 驚いた。
 非常に素晴らしい作品であることに驚いた。

 まず、サウンドの輪郭がはっきりした。
 こぢんまり傾向に動いていたメロディが、のひのびとしたものに変わり、
 サウンドも足腰の強い造りとなっている。
 疾走感と高揚感のラインが上がり、それでいて渋く、
 まさに大人のロックンロールの扉を開いた作品といえる。
 なんというか、色や形の良さというより、質感がアップした気がする。

 10年以上に渡って、ロック界のトップに君臨してきた重みを
 感じさせるし、だからこそ、たどり着けた作品であり、
 完全にひとつ突き抜けた印象を持った。

 なお、オアシスのアルバムは毎回、メインボーカルの
 リアム・ギャラガーをさしおいて、
 ギターのノエル・ギャラガーがボーカルをとる曲があり、
 その出しゃばりぶりに興ざめすることが多かったが、
 今作は、ノエル・ギャラガーがボーカルをとっている曲も
 大変良いことを
申し添えておきたい。

 どこから聴き始めても、ロックを感じられる。
 何回も聴きたくなるし、メロディも口ずさめるような美しさがある。
 私にとっては、オアシスの久しぶり会心作である。
 義務買いはしなかった。
 しかし、借りて聴いた1週間後、
 自分のCDライブラリに、ぜひあってほしい作品だと痛感し、
 オアシスに敬意を表して、正式に購入した。


■ザ・ヴァインズ/Melodia
 the vines/melodia
 オーストラリアのロックバンド、ザ・ヴァインズの4作目。

 デビュー時から、「ビートルズ・ミーツ・ニルヴァーナ」
 と称されてきたとおり、
 ビートルズの持つサイケデリックな部分やメランコリックな部分と、
 ニルヴァーナの持つ荒々しさと歪み方が、
 いい具合に融合した稀有なバンドだろう。

 ザ・ヴァインズは毎回それなりの良い作品を揃え、
 非常にまとまったアルバムに仕上げてくる。
 楽曲は荒々しい曲とアコースティックの物憂げな曲に大別されるが、
 どちらのタイプも基本的にメロディがしっかりしており、
 サウンドの作りがシンプルなせいか、聴きやすく即効力が高い。
 特にアコースティックな曲のメロディは、どれも美しく、
 ポール・マッカートニー的な歌い方と相俟って、
 安心してしっとりと聴ける。

 注文をつけるとすれば、即効力がある反面、深みに欠け、
 何回も何回も聴きたくなるような中毒性が薄いこと。
 それと中盤以降の曲が、なんとなく似通っており、
 ちょっと飽きが生じる。
 しかし、ロックバンドがロックバンドらしいことを
 純粋にやった好作品である。

■ケミカル・ブラザーズ/Brotherhood
 chemical brothers/brotherhood  
 イギリスのテクノ系デジタル・ロック・ユニットである

 ケミカル・ブラザーズの、デビュー14年目にして初のベスト盤。
 デジタルを全面に打ち出してくる音楽にはいまひとつ入りきれず、
 ケミカル・ブラザーズも、これまで全く聴いていないに等しかった。

 しかし、ベスト盤ということで、入門的な気持ちで聴いてみたところ、
 これがなかなか良い。
 ほとんどがインストロメンタルの曲で、
 ブラッド・ピット主演のワイルド系映画で流れていそうである。

 音楽自体は、テクノやダンスビートが基本になっているが、
 切り口や後味はロック的である。
 BECK
(ベック)をハードにした感じともいえる。
 ハードにもかかわらず、聴いているうちに次第に馴染んできて、
 曲が流れている意識がなくなるような、
 いい意味でのBGMとしての良さがある。

 ただし、似合うシチュエーションは都会の夜。
 昼間の田舎の牧場や、魚を干している海岸線では
 全く聴く気にならないだろう。

■キャット・パワー/Jukebox
 cat power/jukebox
 アメリカの女性シンガー、キャット・パワーの8作目。

 今年の初めまで、キャット・パワーのことは全く知らなかった。
 たまたま聴いていたラジオで、彼女の曲が流れて知った。
 3月から、このアルバムを買おうかやめようか、
 ずっと気になっており、9月にやっと購入した。

 収録されている曲は、ほとんどがカバー曲である。
 ジェームス・ブラウン、ボブ・ディラン、ジャニス・ジョプリン
 などの曲をカバーしているが、いい意味でオリジナルを忘れさせるほど、
 キャット・パワーの個性が表現できている。
 単なるカバー・アルバムだと思って聴くと火傷する。
 特に、フランク・シナトラの「ニューヨーク」という曲は圧巻。

 サウンドは、ジャズっぽくも、フォーキーでも、ブルージーでもあり、
 いずれも、ゆったりと聴けるような渋さと柔らかさを内包している。
 また、ライブ録りかと思えるような音の生々しさと臨場感があるのも
 非常にいい雰囲気を醸し出している。
 全体としては、けだるくも落ち着いた雰囲気であり、
 バーで流れていたら最高だろう。
 ただその反面、明るい時間帯には聴く気にはならないほど
 アンニュイさが強い。


 なお彼女は、「キャット・パワー」という芸名とは裏腹に、
 猫は苦手で、愛犬家らしい。

■mutlu
/Livin'It
 mutlu/livin'it
 タワー・レコードで、どういうわけかイチ押ししていたアルバム。

 店内で試聴して、衝動バイした。
 知名度は低いようで、日本では輸入盤のリリースしかない。
 そのため、「mutlu」というアーチスト名が英語表記のみで、

 カタカナ表記がないので読めない。

 サウンドは、どう説明したらいいだろう。
 ソウルフルなアコースティック・サウンドとでも言おうか。
 ジェームス・ブラントを男っぽく渋くした感じでもあり、
 ジャック・ジョンソンをブルージーにした感じでもある。
 そして、この「mutlu」という人は、

 歌もアコースティック・ギターも大変上手である。

 いい意味でキャッチーではなく、それでいて肌触りは良く、
 柔らかい日差しの中の心地よい風のようなサウンドである。
 ゆえに、ドライブにはぴったりだろう。
 特に海が見える景色には非常にマッチすると思う。

 衝動バイとしては、成功したといえる。
 もし、ラジオ番組を担当していたら、
 まちがいなく、このアルバムから曲を流すだろう。
 ただ、「mutlu」というアーチスト名が読めないので、

 読めるようになってからでなければ流せない。
 
 いずれにしても、力を抜いて、ゆったりと聴ける好作品である。
 「いつものおかずにもう一品」的な、さりげない特別感もある。

以上、今回は5作品を紹介した。
季節の変わり目、皆様におかれましては、
風邪などひかれぬよう、ご自愛を。

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テーマ:洋楽CDレビュー - ジャンル:音楽





「ムトゥル」…そのままのようです。
それも、トルコ語みたいな発音で、調べてみると、「良いこと、幸せな」というなんとも幸せなお名前でした。

そんな感じで、またまた音楽発掘お願いします。。。
【2008/10/31 15:13】 URL | yoshimi #-[ 編集]

yoshimiさん、情報ありがとう。
トルコ語ですか。
言われてみると、ジャケットに写っているmutluと思われる人は
アラビアっぽさが見えるような気がしますね。
晴れていても、雨が降っていても、
昼下がりにお似合いのアルバムです。

ちなみに私は日常、新譜ばかり聴いているかと思いきや、
新譜と同じくらい古い作品も聴いておりまして、
今は、ビージーズの「ステイン・アライブ」を聴きながら、
これを書いています。

風邪などひかないように。
ありがとう。
【2008/10/31 23:42】 URL | クグエSW #-[ 編集]















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