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今回は本の紹介である。
このブログのCDレヴュー・シリーズの際、
時々登場するスミス西野氏との間では、
CDや本を買うことを、
「買う」ではなく、隠語的に「バイ」という言葉を使っていることを
以前に紹介した。
「○○○の新作、バイしましたよ」といった具合である。

最近は、「バイ」を応用し、
「ジャケ・バイ」、「大人バイ」、「衝動バイ」など、
アレンジを加えた使い方に発展してきている。
そんな、スミス西野氏は、ロックに精通しているだけではなく、
結構な読書家でもある。
1冊目に紹介する「女王国の城」は、彼から借りた本である。

■有栖川有栖「女王国の城」
 女王国の城
作者は、「ありすがわ・ありす」と読む。
第8回本格ミステリ大賞(小説部門)受賞作でもある2007年作品。

長野県の山間にある小さな村。
そこに拠点を構える新興宗教団体に、
ある大学生が短期入門をする。
心配になったその大学生のサークル仲間3人が、
真意を確かめるために宗教団体施設へ出向く。
その時、施設内で起こった殺人事件をきっかけに、
大学生らは施設内に拘束され、団体の閉鎖性や圧力を感じつつも、
犯人捜しを推理する物語である。

こう書くと、暗い話のように感じるかもしれないし、
事実、内容的には明らかに本格ミステリーである。
しかし、4人の大学生のキャラクター設定や描き方が絶妙であるため、
全体的にカラッとした青春活劇たる雰囲気がして、
どちらかといえば楽しく読み進めてしまう。

この大学生達の真面目さと微妙なズッコケぶりは、
なんとなく親しみと好感が持てた。
また、宗教団体の信者達も、
いい意味で曲者っぽく特徴的に描かれており、
キャラの棲み分けができていて、イメージしやすい。
このように、登場人物が魅力的でわかりやすいというのは、
小説において非常に重要なことである。

ただ、この作品は長い。二段組で500ページ超である。
通常の単行本の2倍の量は確実にある。
そのため、本を手にした時点で、読み通せるか?という不安を感じる。
しかも、最初の150ページくらいは、堂々巡りを繰り返し、
なかなか話が進んでいかない。
ここまでは、適当に読んでも後に影響しないと思う。
具体的に言うと、施設内で殺人事件が起こってから、
一気にストーリーは展開していく。
ここからも長いが、飽きることなく、
先が知りたくなるような書きぶりとなっている。

タイトルにある「城」は、宗教団体施設のことで、
物語の中でも城の位置づけが的確に表現されているが、
「女王」は、結果的にストーリーにあまり関係がなかったことに
こけてしまう。
しかし、よく練られた構成で、謎めいていて、緊迫感もあり、
それでいて、爽快感と躍動感があり、
ライト感覚な本格ミステリとして、なかなか面白い作品だった。

親しめるキャラ★★★ 青春活劇度★★★ 推理の妙★★

■森見登美彦/有頂天家族
 有頂天家族
2007年の本屋大賞第4位獲得作品。
森美登美彦は、「モリミー」とも呼ばれ、
その独特の世界観を表現した作品で、
多くの支持を得ている若手作家である。

この物語の主人公は狸(たぬき)。

狸、人間、天狗という3つの生き物が織りなすドタバタ劇であり、
アニメ漫画を小説にした感じである。

狸が人間に化けて、人間社会の中で生活したり、
かと思えば、狸社会における狸同士の争いがあったり、
狸を鍋にして食べてしまう人間、狸と人間の愛情など、
奇想天外な内容となっている。

そのため、状況設定を理解するのに時間がかかるし、
事実、物語の前半は、
主人公である狸の置かれている状況説明がほとんどである。
その時点で、「この話、面白くなるのかなぁ」と疑問を抱く。
特に、主人の父親である狸が鍋にされたことが、
あっけらかんと語られ、その真相もその悲しみにも、
あまり言及していないことが気にかかる。


と思っていたら、物語の後半は、
父親が鍋にされた真相を中心に展開する。
ここまでくると、狸、人間、天狗という3つの生き物という
非現実的な設定にも完全に慣れてしまい、違和感がなくなる。
これはユニークな文章表現やキャラの描き方など、
作者の技量によるところが大きいかもしれない。

特に独特の言葉遣いと設定の不可思議さは、
別の森美作品も読んでみたくなるような引力がある。
ストーリーだけを見れば、非常にシンプルで、
むしろ小学生向けといってもいいほどファンタジーである。
馬鹿馬鹿しいと感じるか、おもしろファンタジーと感じるかは紙一重。
終盤、どんでん返しというか、大盛り上がりがあるかと期待したが、
「そのままか!」的に終わったのが、やや物足りなさを残した。

キャラの棲み分けが巧妙★★★ 別の作品も読みたい度★★★
意外性&緊迫感★

■高嶋哲夫/ファィアー・フライ
 ファイアー・フライ
誘拐犯と人質が、時間を共有することにより、
お互いを理解し、最終的には協力し合うというストーリー。
大企業の社長を誘拐するはずが、
誤って43歳の一社員が誘拐された。

誘拐犯は、ある組織からの指令に従って動いていたが、
誘拐対象人物を誤った後から、連絡が途絶える。

その後、誘拐犯の独自の判断で、
企業に身代金を要求するなど接触を試みるが、
次第に企業の様子がおかしいことに気づく。
そして、誘拐犯と人質の両方が仕組まれていたと考え始める。
つまり、人違いで誘拐されたのではなく、
その一社員が最初から狙われていた。
そこで、誘拐犯と社員がタッグを組んで立ち向かっていく。

面白い作品だった。
間延びもなく、テンポ良くストーリーが展開するとともに、
「えっ!そうなの?」、「まじか!」的な意外性も適度にあるため、
どんどん読み進められる。
そして、先を先を知りたくなる。

ただ、もっと深層心理をえぐってほしい箇所があったり、
犯人の動機が弱いなど、やや深みに欠けた感がある。
また、タイトルの「ファイアー・フライ」は「蛍」の意味だが、
ストーリーの中で、蛍の位置づけや役割がほとんどない点が
気になった。

そして、読み終わった後、心にもやもやしたものを残したのが、
人質にされた社員の家族の冷たさ、素っ気なさである。
それはある意味リアリティがあるのかもしれないが
読んでいて辛くなった。
結末は、新しい未来を表現している。
しかし、「切り替え早いなぁ…」というのが率直な感想で、
家族の冷たさに対するやりきれなさ、
特に、妻の開き直り的態度は、ちょっときついものがあった。

とはいえ、無駄を省いて、常に物事が動いていく展開なので、
どんどん引き込まれていくし、
映画化やドラマ化をすると、さらに面白くなるように思う。
むしろ、その方が、文章で表現されていない深みを、
役者が演技の中で表現するような気がする。

引き込まれ度★★★ 映像が見えてくる★★★ 
妻の開き直り★
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テーマ:文学・小説 - ジャンル:小説・文学



















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