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読書が好きである。
30歳くらいから好きになった。
それまでは読書をしている時間がもったいなかった。
それが今では、読書する時間を作るのに努力している。

月並みだが、日本の現代小説が好きである。
週に1冊、年間で50冊読めたらと思う。
しかし現実は思うようにはいかない。
5冊読んだ翌月に、1冊も読めなかったりする。

今月は比較的読んでいる。既に3冊読んだ。
良い作品に出会ってしまった。
非常に良い作品だったので、ここに記さずにはいられない。
パーソナル・コンピュータのキーボードをうつ、
この指を止めることができない。できやしない。

その作品は、角田光代「八日目の蝉」。
今年3月に発売された作品である。
今月の初め、この本を購入するため、
JR札幌駅西口方面の紀伊國屋書店へ行ったが品切れ。
そこで、大丸札幌店にある三省堂書店へ行くと、残り1冊だった。
売れているから品薄なのか、さほど売れていないから品薄なのか、
いささか疑問を持ちながらも、
どうしても読んでみたかった作品だったので購入した。

面白かった。
面白くて、読み出したら、読むのをやめられなくなった。
というか、どんどん引き込まれて、ついつい最後まで読まされてしまった。


簡単にストーリーを説明すると、
ある女性が、生後6か月の赤ん坊を誘拐する。
その赤ん坊は、
その女性の不倫相手であった男と妻の間に生まれた子である。
女性は、赤ん坊とともに逃亡する。
女性は指名手配されるが、偽名を使って生活し、
身元がばれそうになると居場所を変える。
赤ん坊はやがて歩くようになり、言葉を喋るようになり、4歳になる。
そんな逃亡日記を、その女性の視点で書いているのが前半である。
後半は、誘拐された子の4歳から現在(20歳)を、
誘拐された子の視点で書いている。

ストーリーだけを全体的に見ると、劇的でも、強烈でもない。
なぜ面白かったのか?
まず、言葉のテンポが良く、表現にキレがあり、どんどん引き込まれた。
そして、ストーリーの運び方が絶品で、
中だるみや、無駄な説明がなく、読み手のテンションを高く維持させた。
さらには、人物の描き方が巧みで、キャラクターがたっているのだ。
角田光代のストーリー・テラーとしての実力を見せつけられた気がした。

これまで、角田光代作品は何冊か読んだことがあったが、
「まあ普通に面白かった」という程度で、堅実で無難な印象であった。
この「八日目の蝉」で、私の中で角田光代が、ひとつ抜きんでたように思う。
今年読んだ作品の中では、間違いなく一番良かった。

この本の帯には「心を揺さぶる長編サスペンス」と書かれている。
私が思うに、サスペンスにカテゴライズされるものではないだろう。
誘拐事件に振り回された人々の
人間ドラマであり、
生きていくことの「痛み」と「切なさ」が、
じわっと心にしみ入ってくる作品である。

タイトルの「八日目の蝉」も良い。
長く土の中で過ごし、地上に出たら7日間しか生きられない「蝉」の八日目。
我々は「生きている」ようで、「生かされている」のだ。

八日目の蝉
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