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8月16日、痛恨のチケット売り切れにより、
札幌市の北隣にある石狩市で開催されている
ライジング・サン・ロックフェスティバルに行けなかった。

その悔しさと空白を埋めるため、
私は、札幌市の南隣にある北広島市へ向かった。
目指したのは、「バーベキュー島松」という店。
そう、食べることで、悔しさと空白を埋めることにしたのだ。

「バーベキュー島松」の存在は、
当別町在住の「チグリス瀬戸氏」から、もたらされた。
3月16日の記事で、
「東千歳バーベキュー」で食べた鳥半身の炭焼きを絶賛。
それを受けてチグリスは、東千歳BBQの詳細を調べるべく
インターネットを検索していたとき、BBQ島松を発見したという。

BBQ島松も、鳥半身の炭焼きをメインにしている。
そして、国道からはずれた山道の中にひっそりとある。
私の好奇心をかきたて、行動に移すのには、
それだけの情報で十分だった。

確かに、この道を行って建物はあるのか?というような
森の中の険しい道の途中に店はあった。
札幌から国道36号線で北広島へ。
輪厚(わっつ)で右に曲がる。
そこから4、5km、登ったり下ったり曲がったりしていると、
突如、店は現れた。

バーベキュー島松/入口 

ところが、バーベキューをやっているような佇まいではない。
大きな庭がある大きな民家のようだった。
午後2時頃、店に入ると、客は一人もいなかった。
店の人とおぼしき男性(70代半ば?以下「爺さん」と呼ぶ)と
女性が2人(50代と60代か)が、驚いたようにこちらを見た。
「いらっしゃいませ」ということもなく、皆、ぽかーんとしていた。
そして、爺さんから出た言葉が、「どうしたの?」。

「どうしたの?と言われても…」と思いつつ、
「鳥の半身を焼いたの、食べに来ました」と、まともに答えた。
すると、「ああ、ほんと。どうすっかな…」と言って、
しばし困ったように黙られてしまった。

「どうすっかな、と言われても」と思いつつ、
「今日はもう、店じまいですか?」と聴いた。
「いや、そうでねえんだけども…、ちょっと時間かかるど」
と、北海道弁丸出し言葉で返ってきた。

その後、話をしてみると、この店は予約制だという。
しかも、5人以上が基本だという。
そんなシステムも知らず、予約なしに、いきなり来た客。
また、前の団体客(10人くらい)が、30分ほど前に帰り、
炭があまり燃えていないことから、戸惑ったらしい。

バーベキュー島松/店内 

それにしても、ひどい対応じゃないかと、普通なら感じるだろう。
しかし、この爺さんは、食い下がりたくなる魅力があった。
北広島の人里離れたバーベキュー店でありながら、
妙にハイカラな恰好をしていたからだ。
紫のペイズリー柄のシャツに白い綿パン。
そして、頭にはちょっと上品な白いハット。
何か不思議な雰囲気があった。

爺さんは、前の団体客の炭を集め始めるとともに、
「この炭は、堅い炭だから、バーベキューには一番いいんだ」、
「こうやって炭ば置いたら、早く燃えるんだ」、
「うち、なんでもセルフサービスだから、あそこまで取りに行ってくれ」
など、立て続けに一方的に話しかけてきた。
しかし、何かかみ合えるタイプだと感じた。
そこで、こちらからも色々と質問し、話を聞いた。

この店は、ゴルフ客が帰りがけに利用するのがメインらしい。
確かに、すぐそばにクラーク・カントリークラブなど、
4か所もゴルフ場がある。
そして、ゴルフの際にこの店を利用した客が、
家族や知り合いを連れてくるというパターンらしい。
つまり、「常連&ザ・口コミ」でもってる店らしい。
なので、私のような客は、非常に珍しかったようだ。
ただ、どんな店であれ、結局生き残るのはリピーターが多い店である。
ゆえに、「常連&ザ・口コミ」パワーがある店は期待がもてる。

その後、「鳥、どうぞ~」と、厨房の方から聞こえた。
セルフサービスなので、取りに行こうとすると、
「いい、いい。俺、持ってきてやる」と爺さん。
そして、「自分で焼いてな。これ、塩コショウだから、大目に振ってな」
と言って、店内の片づけを始めた。

ところが、「そろそろひっくり返せ」、
「肉汁を閉じこめるようにしねえばな」、
「塩コショウ、もっと大目にかけねえば」など、
頻繁にアドバイスをしに来る。
そのうち、私の向かい側に座り込んだ。
そしてまた、色々と話をした。

爺さんは札幌で商売をしていたが、
60を過ぎてから、ここに移り住んで、店を始め、
今年で12年になること。
札幌で商売をしていた頃、北広島町(平成8年から「市」になった)の
当時の議会議長と親しかったこともあり、ここに移り住んだこと。
鳥肉は青森県から仕入れていること、など、
なかなか面白い話を聞けた。

バーベキュー島松/鳥半身 

そして、肝心の鳥肉の味である。
まず、肉が軟らかい。けっこう焼いたのに、全然硬くない。
また、鳥臭さがなく、あっさり目の上品な味である。
そのせいか、上の写真は一人前で、見た感じ多く思えるが、
意外と食べきれてしまう。
そんな、肉の良さを非常に感じる美味しさがある。
それが、爺さんの出で立ちにも表れていると思う。

鳥の半身には、野菜炒め(キャベツ&玉ネギ)がセットになっている。
爺さんは、北広島は野菜が色々と採れて、しかも美味しいという話を
していたため、その言葉をかみしめながら、野菜を食べた。
肉を食べ終わる頃、爺さんはエリンギを持ってきた。
「これ焼いたら美味いんだぁ。今、そこから採ってきたんだ。
 これサービスだから」と言って、網の上にのせた。

私は、ありがとうございます、と言い、続けて聞いた。
「エリンギ採ってきたって、おじさんのとこで栽培してるんですか」
「いやいや、冷蔵庫から取ってきたんだ。
 スーパーで買ってきたやつだ」
私は右肩をガクッとおとした。
「でも、野菜炒めのキャベツと玉ネギは
 北広島で採れたものなんですよね」
「あれもスーパーだ」
私は右肘が網につきそうなほど、こけて見せた。
さっきの北広島の野菜の話は何だったのかと思った。

北広島市・輪厚の農地 

それにしても、ユニークな店に出会えた。
肉の味の強烈度と食べた興奮は、東千歳BBQの方が上。
しかし、こちらは、とにかく長閑で、
いつまでもいていいよ的な雰囲気がある。
しかも、近くに民家などない山道みたいなところに、ぽつんとある。
食べないまでも、こんな奥地に、こういう店があることを
見に行くだけでも不思議な気分になれると思う。

入店した時は、どうなることかと思ったが、
店を出る時は、爺さんも女性2人も、
「ありがとうございました」と繰り返し言ってくれた。
爺さんは100円未満の端数をまけてくれた。
さらに、店の入口までついてきて、
「また、来なさいや」と言ってくれた。
ライジング・サンに行けなかったことは失敗ばかりではなかった。

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クグエさんこんばんは。

今回は、なんだか「ほあ~」っとあったかいお話で、このお爺さんと、クグエさんのやりとり好きです。。。
【2008/08/18 20:51】 URL | pippo #-[ 編集]

うわっ!めっちゃ鶏の肉!行きたいです。
そして爺さんに会ってみたいです。
エリンギとかスーパーの野菜とかの話の展開が最高です。
【2008/08/18 23:05】 URL | マキシ #-[ 編集]

pippoさん、マキシさん、コメントありがとう。
爺さんは、マイルドな小粋さがある人でした。
油と煙にまみれる場所でのハイカラ・ファッションは
魅力を感じずにはいられません。

自分で炭をおこして焼いても出ない味がします。
とにかく肉のクオリティが高いです。

「歳だし、いつまで店できるかな。
店、閉めようかって考えることもあるんだ」とも
言ってました。
もう一度行きたいところです。
【2008/08/21 23:39】 URL | クグエSW #-[ 編集]















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