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7月の半ばだっただろうか、
100円ショップのダイソーへ行った時のこと。
商品を手に、レジへ向かっていると、
店内に、エレクトリックなダンスロックが流れ始めた。
コンピュータを駆使した機械的なタテノリのリズム。
ぞくぞくと迫ってくるようなビート感。
なんという洋楽アーチストなのだろうと気を奪われた。

ボーカルが入って驚いた。
日本人女性の、幼い感じのする声だったからだ。
「なんだよ、アイドルの企画モノか」と、
期待はずれの気持ちでレジに並んだ。

ところが気づいたら、自分の脳がリズムを刻んでいた。
そう、流れる音楽が妙に心地良く、脳が反応したのだ。
規則正しいコンピュータ的リズムに、妙にロック的なメロディ。
ボーカルもコンピュータで作ったかのようで無機質。
なのに不思議な躍動感があった。

私はレジの列から離れ、その曲を最後まで聴いた。
妙に耳に残り、もう一度聴いてみたい気持ちになった。
何というアーチストなのか、何という曲なのか、全くわからなかった。
どう調べればいいのかもわからない。
CD店なら、「今、流れている曲は、
なんていうアーチストの曲ですか?」と尋ねることができるが、
ダイソーの店員に尋ねるわけにもいかない。
リズムとメロディは、それなりに頭に焼きつけたが、
それ以外の手がかりはなかった。

それから何日か後のこと。
たまたまテレビをつけると、
「ミュージック・ステーション」が放送されていた。
タモさんと20歳くらいの女性3人組がトークをしていた。
「どうでもいいわ」と思いつつ、
とりあえずテレビはそのままに、新聞を広げた。

しばらくすると、女性3人組が歌い始めた。
そのサウンド、その声に、私はただならぬ衝撃を受けた。
ダイソーで耳にした曲と、同じ音、同じ声だったからだ。
私はテレビに釘付けになった。
流れている曲は、ダイソーで聴いた曲とは違ったが、
やはり機械的な音と声が妙に心地良かった。
というか、すごくいいポップ・ソングだと思った。
「LOVE THE WORLD」という曲だと知った。

そして、歌っていたのは「パフューム」というグループだと知った。
love the world 

それ以来、今日に至るまでの4週間近くの間、
私が最も聴いた音楽は、ボブ・マーリーか、パフュームである。
パフュームのサウンドは、こんな中年のハートエッジをくすぐる。

パフュームは、「テクノ・ポップ・アイドルユニット」などとも
言われており、学生の頃YMOを聴いた世代が懐かしさを覚え、
はまっている人がいる、
などという評論もされているようだ。
しかし、私は懐かしさなど全く感じないし、
そもそもテクノ・ポップには思えない。
YMOと重なる部分はないし、
ヒカシューやプラスチックスとは、まるで違う。
単に電子音を多用しているだけであって、
良く出来た現代のポップ・ミュージックだと思う。

まず、曲そのものが良い。
ベースにあるのは、80年代の洋楽ロック&ポップスだろうか。
というか、奥田民生氏や「くるり」の岸田氏の作品じゃないかと
思えるような、素敵なメロディの曲が多い。
最新シングルの「LOVE THE WORLD」は、
アレンジを変えて、パフィが歌っても全く不思議はない。
そう、パフュームは、大衆へのアプローチの仕方というか、
切り口みたいなものが、パフィの出始めの雰囲気に似ている気がする。

私がダイソーで聴いた曲は、
「LOVE THE WORLD」と
カップリングで収録されている「EDGE」という曲だった。
この曲のサビのメロディは、もろ「くるり」である。
くるりのアルバムに収録されていても全く違和感はないだろう。
パフューム/GAME 

「GAME」という最新アルバムも、非常にいい。

一貫性があるし、しかも捨て曲がない。
特に、「BABY CRUSING LOVE」という曲は、
奥田民生作品と思えるような、ちょっと切ない人間’Sポップで、
歌詞にしても、
「恋の運命は 愛の証明は 二人の航海と何かが似ているかもね
 会いに行きたいよ 遠い空間を BABY CRUSING LOVE」など、

「奥田民生の歌詞でしょ?」と思わずにはいられない佳作である。

歌い方も、サウンドに非常に合っている。
抑揚や感情を出さず、淡々と歌っている。
相当、ボーカルに機械的な処理をかけているだろう。
しかし、そんな無機質さが逆に、押しつけがなく、
すんなりと受け入れられたし、
ちょっとトリップさせられるような不思議な感覚をおぼえる。

また、シンセサイザーを多用していながら、
ゴージャスさは全くなく、チープな感じに仕上げているのがいい。
女性J-POPによくありがちな、愛の緊張感や切迫感、
都会の夜の誘惑と駆け引き、みたいなのが全くないのがいい。
要は、ぎすぎすしておらずソフトで、
がんばり過ぎてない見せ方をしているのがいい。
そうした点において、チャットモンチーの雰囲気にどこか似ている。

ただ、パフュームの3人は歌唱力に乏しい。
問題は、過信して、あるいは勘違いして、
掃いて捨てるほどあるJ-POP路線や、
歌唱力路線に進もうとすることだ。
当面は、ブロデューサーの意向にのっかっていくのがいい。
彼女たちは、順応力も好奇心も向上心もあるだろう。
与えられたものをきっかけに、自分には何が似合うのか、
どうあるべきなのかを探っていけばいい。
その意味においても、パフィはいいお手本である。

パフュームを聴く中年の人 

気づいたら、語りすぎていた。
中年男が、20歳のアイドルユニットのことを、熱心に語っている。
将来の道筋についてまで言及している。
少し虚しくなる。
しかし、パフュームの無機質電子ロックを聴いていると、
そんな虚しさが紛れてしまう。

20代の頃は、コンピュータ・ミュージックが苦手だった。
しかし、この10年で、だいぶ受け入れられるようになった。
というか、今は全く抵抗はないかもしれない。
ただ、コンピュータ・ミュージックという言葉には、
まだ少し壁がある。
やはり、歌メロが、きちんとしているのを好むからかもしれない。
そのため、歌がしっかりしているコンピュータ・ミュージックは、
「コンピュ歌」と呼ぶことにしたい。

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テーマ:女性アーティスト - ジャンル:音楽





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【2008/08/13 00:15】 | #[ 編集]















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