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この世の中に、「飲み会でのコース料理に否定的な人ランキング」が
あったとしたら、私はかなり上位にランクインするだろう。
「プライドとホットペッパーを捨てることから店選びは始まる」が
モットーである私にとっては、
「3,500円料理7品飲み放題」のようなセット料金設定の飲み会だと、
いまひとつ盛り上がらない。

なぜなら、別に食べたいと思わない料理まで出されるからである。
既に40歳を過ぎた私は、食べられる量に限界がある。
情けない話だが、私は見た目以上に胃腸が高齢化している。
特に、油が多いものや、塩っ気の強いものだと、
すぐに満腹感をおぼえるし、その場で胃がもたれ始めてくる。
もたれ合いのようなメンバーで飲んでいると尚更である。

「そこまで言うなら食べなければいい」と思う方もいるだろう。
しかし、意固地になって何も食べないのは、
胃よりも心が寂しく感じる。
また、料金負けするという、せこい考えも浮かぶ。
この場合もまた、胃よりも心が寂しい。
つまり、なんらかんら言いつつ、食べることは食べるのだ。

また、コース料理においては、
飲み放題メニューの酒が安っぽいことが多い。
特に焼酎の場合はひどい。
どこに問い合わせれば、
こんなにアルコール・オンリーの味しかしない焼酎を
手に入れられるのかと聞きたくなる。
私はロックで飲むため、とりわけ感じる。

そして、飲み放題の焼酎の場合によく見られるのが、
瓶で出すのではなく、
飲み終わる都度、コップ交換をする方式である。
銘柄がわからない。何を入れられているのかわからない。
コップ3杯までは、それが非常に気になる。
しかし、4杯目からは味はどうでも良くなってくるので、
結局、なんらかんら言いつつ、飲むことは飲むのだ。

ただ、コース料理否定派だからといって、
人数が10人以上であれば、やむを得ないことだと、
全く抵抗なく受け入れる。
問題は、人数が5、6人の場合である。
確かにセット料金にした場合の便利さとお得感はわかる。
しかし、5、6人だもの、好きなものを食べ、飲みたいものだ。
その程度の自由は手にしたい。
それに、CD1枚の価格を完全に超えるマネーを支払うのだから。

ならば、私が太っ腹になればいいのかもしれない。
「割り勘の時、オレは千円多く払うから単品でいこう」と、
これまで何度も言いかけたことがある。
しかし、言いかけただけで言ってない。
和を乱したくないからだ。
面倒くさい人になりたくないからだ。

幹事をやらせてくれないかなぁとは思うことも多い。
しかし、周りがやってくれちゃったりする。
なのに、「オレにやらせてくれ」と出しゃばるわけにはいかない。
そこで時々、幹事が動く前に、
「Hey Boy!この店に行かないか?」と、
とりあえず店指定だけはするという手法をとったりもする。

先日、間接照明を施したアーバンな雰囲気の居酒屋に行った。
私にとって、ちょっと苦手なタイプの店である。
人数は7人。私より年下が2人、年上が4人だった。
幹事は以前の職場の先輩、T氏だった。
T氏は、これまでの経験から、セット料金否定派だと認識していた。
予想どおり単品注文パターンだった。有り難かった。

しかし、往々にしてあるのが、
食べ物を注文する段階で、年上連中が若手に対して、
「適当に頼んで!」と注文を丸投げしてしまうことである。
ここに大きな危険がある。
若手は、刺身盛り合わせ、串盛り合わせ、ポテトフライなど、
無難なものを、しかも大目に頼んでしまうのである。
何でもありの居酒屋の刺身や串など全く求めていない。

この日もそんな状況だった。
注文を30代の2人に完全に託してしまった。
淡々とオーダーが聞こえてくる。
40オーバーの人は、誰も個人的な注文をしない。
私は、ホッケとつぼ鯛が食べたい。
それだけ食べられればいい。ほかには何も望まない。
私は迷った。葛藤した。悩んだ。
個人的注文をすることにより、場の空気を凍らせてしまわないか。
乾杯して、談笑しているこの流れを止めることにならないか。
私は苦悶した。
「クモ~ン!」と絶叫しそうだったが抑えた。

しかし、若手が「なんとかステーキ」と
「なんとかの甘酢あんかけ」を注文した時に、
何かがはじけて飛び散った。
それが「あり」で、ホッケとはダメだと
いうことにはならないだろう。
私は間違っていない。
世論調査をしても、私に「イエス・アイ・ドゥ-」の意見の方が
圧倒的に多いはずだ。
民意を得られると確信した私は、
意を決して口をはさみ、ホッケ&つぼ鯛を注文した。

すると、「結構頼んでるから、いらないんじゃないの」、
「自分が食べたいだけだろう」的な、
冗談か本気か判断しかねる微妙な意見が帰ってきた。
たかが、ホッケとつぼ鯛を注文するだけで、
これだけ大変な思いをしているのだ。
それにしても、面倒くさい人達だ。
それとも、私の方が面倒な人間なのか。

私はなぜか、ホッケが先に出てきて、
程なくして、つぼ鯛が出てくるだろうと勝手に思っていた。
確かに勝手な思いだった。
ホッケとつぼ鯛は同時に出てきた。
勝手な思いにもかかわらず、誤算だった。
両方とも、私の前に置くわけにはいかない。
つまり、独占はできないと思った。

そこで、つぼ鯛を自分の前に置き、ホッケは隣の人の前に置いた。
私は念願のつぼ鯛を食べた。
全ての情念を注ぎ込んで食べた。
食べているうちに、ゴキゲンになった。
食べたいものを食べられるって、なんて幸せなことだろう。
そのせいで、焼酎が進み、トークも炸裂した。

とはいえ、つぼ鯛独占もいけないだろうと思い、
きれいに半分だけ食べて、「どうぞ」と別の人に回した。
そして、ホッケに手を伸ばしてゲットしようとした。しかし。
ほっけは、手の届かない遠い位置に移動されていた。その時。
「なんとかステーキ」や「なんとかの甘酢あんかけ」が出されてきた。
置き場がなく、つぼ鯛を置いていた私の前に置かれた。
このタイミング、この流れ、全てが悪い方向に展開している。

私はくじけそうになった。しかし諦めなかった。
「なんとかステーキ」を手にして、
「これと、ホッケと交換してください」と、
ホッケ・フロントにいる上司に交換依頼をした。
ところが、帰ってきた言葉は、
「こんなホッケでもいいの?」。

目にしたホッケほっけは、全体的に箸がつつかれ、
ホッケのかけら、いわば、ホッケフレークが散乱した状態だった。
シンプルに言えば、汚く荒らされた状態だった。
私はショックだった。
勇気を振り絞って注文したオレのホッケなのに…。
人事評価が落ちることも辞さない覚悟で注文したオレのホッケなのに…。
しかも、食べ方が汚い。汚すぎる。

私はテンションが下がるのを必死にこらえた。
気持ちをリセットし、ホッケを再注文しようと考えた。
しかし、どの人の前にも、
食べていない沢山のつまらない料理がある。
再注文しようものなら、ブーイングの嵐、
最悪、デモにまで発展するのではないかと不安になった。
さらには、左遷させられるのではないかと考えた。

それでも私は、「ホッケアゲイン」を試みようとした。
「ホッケアゲイン」こそが、私の生きてる証。
「ホッケアゲイン」なくして、
2008年上半期は乗り越えられない気がした。
左遷と引き替えでもいいと思った。
いや、そもそも、昇格だ、左遷だと、
人にジャッジされるような人生でいいのか。
人の目ばかりを気にして、妥当だと思えぬ指示に従い、
職場を離れれば、あの娘はおいらに気がないにもかかわらず、
なんとかつながっていたいと思い悩んだり。
そんな、人にジャッジされるような人生に何の意味があるのか。
自分でジャッジする人間にならなければいけない。
そうでなければ、自分がわからなくなる。

私は、ホッケアゲインのために店員を呼んだ。
周りの上司らに聞いた。
オレ「なんか注文ありますか?」
上司1「もう、これだけあるからね」
上司2「何を注文するの?」
オレ「ホッケをワンスモア」
年下「さっき頼んだじゃないですか」
上司1「食べきれないんじゃない?」
上司2「もう、漬け物くらいでいいって」

そんな上司らの言葉は、もうどうでもよかった。
勝手に言わせておけ。
自分の人生は自分で決める。
私は、店員にはっきりと言った。
「漬け物お願いします。以上です」
つくづく私は情けない。
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