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2015年9月24日木曜日、帯広市民文化ホールで、
札幌の劇団「弦巻楽団」の芝居、「死にたいヤツら」を観てきた。
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札幌を中心に第一線で活動している劇団が帯広に来てくれるなど
なかなかあることではない。
この機会を逃すわけにはいかなかった。

それにしても帯広市民文化ホールの大ホールとは。
札幌でそんなに大きいスペースで公演していないだろう。

どう考えてもハコが大きすぎるのではないか、
それともそれだけの人が来場するのか。
それでいて前売り1,500円。
激安だ。
そして全席自由。
いったいどういう経過でこの公演が実現したのか。
多くの疑問がありつつも、開演10分前に会場に入る。
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観覧席はホールの中段の広い通路より前に限られていた。

それでもかなり余裕があり、
前後左右の隣接席に人が座っていない10列目で観られた。

あらすじはこんな感じだ。
亡くなった大学教授の四十九日に、親交のあった面々が集まった。
妻、その妹、大学の同僚、大学の教え子、家政婦。
そこに弁護士が現れ、故人の遺言状を読み上げる。
その内容は、財産をすべて愛人に相続させるというものだった。
最初は皆バカバカしいと耳を貸さず、故人の妻を気遣っていた。
ところが相続額を聞かされ、そこにいた女性達は態度が一変。
「私が愛人だ」と競い合う展開に。
これをコメディタッチに作り上げている。

いきなり否定的なことを言ってしまうが、セリフが聴き取りにくかった。
会場の作りのせいなのか、マイクを使っていない、あるいは
マイクの使い方が良くなかったからなのか、
やや反響気味に、もごもごとした音の伝わり方をしていた。
縁者は滑舌よく喋っているように見えたが。

特に、前半は早口のセリフが多かった。
ストーリーの下地ができていない段階で、
セリフがうまく伝わってこないのは致命的だ。
何が原因なのかはわからないが非常に残念だった。
ハコの大きさと音の伝え方のミスマッチだったのか。
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そうした音響面でのマイナス要素はあったものの、
ストーリーは面白かったし、構成も巧みで、
途中でだれることがなく、最後まで楽しめた。

タイトルについては、後半にきて、
「ああ、そういうことだったのか」と納得。
死ぬほど愛しているというわけじゃないという
皮肉が込められており、ベストなタイトルだ。

帯広では、札幌を中心に精力的に活動している劇団公演がほとんどない。
札幌に観に行こうとしたこともあるが、うまく日程が調整できず、
フラストレーションを感じていただけに、
今回の公演は有り難かったし、公演を実現された方々に感謝である。

私が芝居を観に行きたくなる理由は、
あの非日常的なパフォーマンスと空気感が刺激的であり、
舞台に集中して吸い込まれていく感覚が気持ちいいからなのだが、
と同時に、「何かを犠牲にしつつ、熱心に練習して、
この舞台を作り上げたんだろうな」というのが見て取れることが、
私の励みになるからだろう。

それは音楽や文学作品にも通じる。
披露せずにはいられないんだ、という切実さとパッション。
それが観る者の心を動かし、心が動けば身体が動く、つまり、
行動に変わるということだ。

有意義な時間を提供していただき、
公演関係者の皆様に改めて感謝であります。

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帯広の西隣の町、芽室町には防風林がたくさんある。
国道38号線を走っていてもそれを感じるが、

芽室町市街地から南部に走る道道沿いには、
国道沿いとは比べものにならないくらいのスケールとボリュームで
立ち並んでいる。
そのことを知ったのは、9月中旬に伏見岳登山をした帰り道だった。

その時は、その後に用事が控えていたため素通りせざるを得ず、
改めてゆっくりと訪れようと思った。
それも車のスピードではなく、自転車のスピードで、と思った。

シルバーウイーク中、午前中のみ時間をとれる日があったので、
クロスバイク・ライダーとなって、
往復約55kmの半日レジャーに出かけた。

芽室町市街地から道道62号を南へ進むと、
道道沿いに全長9.2kmにも及ぶ防風林が始まる。
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看板が示すように「芽室遺産」になっている。
ただ、この看板は防風林の中の引っ込んだところに立てられており、
車で走っていても目にすることはできないだろう。

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この道道沿いの長い防風林を縦ラインとすれば、
横ラインにもロングな防風林がいくつもある。
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植えて、育って、安定して、ここまで100年以上の年月が流れている。
木を植えようかという構想段階も含めればもっと長い。
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防風林を見るためにクロスバイクで出かける。
ぶいしーだ。

エレガントではない。むしろエレファントだ。
私にとって防風林は観光資源だ。
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思えば、柳月には「防風林」というお菓子がある。
十勝の象徴たる景色のひとつなのだ。
防風林は見た目のダイナミックさだけではない。
この日は西風が結構強めだった。
往路の南行きは右から、復路の北行きは左から風を浴びるはずだったが、
道道沿いの防風林がこれをさえぎってくれて、無風のような状態で走れた。
防風林が途切れた途端、強い横風を浴びた。
防風林の効果とパワーを実感した。
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芽室町市街地に戻り、焼きたてパンの店「あさひや」へ。
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1938年創業。
もうすぐ80年じゃないか。
防風林の歴史にはちょっと及ばないものの、
女性に参政権が与えられる以前から店があったのだ。
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左はピーナッツクリームパン(110円)、中央は小倉あんぱん(100円)
右は甘納豆パン(340円)
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店に向かっているときは、とにかく餡を欲しており、
あんぱん、あんドーナツに加え、
白あんとか、餡の入ったクロワッサンとか、餡づくしでいこうと考えていた。

ところが、店に入るとパンの種類が多く目移り。
どれにしようか決めかねていたら、
他のお客さんが二組続けてピーナッツクリームパンを購入。
5個くらいあったのに残り1個に。
そんな展開につられて私も買ってしまった。
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ピーナッツ風味がセーブされた食べやすいクリームだ。
それに対して、皮部分にはふんだんに砕いたピーナッツがのっており、
全体としてバランスがとれている。
優しい味だ。

小倉あんぱんは、まさに子供の頃に食べたような懐かしさにあふれた味。
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現代の主流ともいえる柔らかくしっとりした生地とは異なる。
やや粗めな生地であり、あんの量も決して多いとは言えない。
インパクトはないが、べたつきのない素朴な味わいだ。

それに比べて、見た目のインパクトで思わず買ってしまったのが
甘納豆パン。
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店内のショーケースの上に積まれていたので、看板商品なのだろう。
実際これを購入するお客さんが多かった。
手に持ってみると、ずしりと重い。
厚さは4cm以上あり、長さは12.5cmだった。
これが2つセットで340円である。
というか、25cmあるパンを2つにカットして売っていると
いうことだ。
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中央部には甘納豆がぎっしり。
嬉しいし、楽しくなる。
先端部はあまり甘納豆が入っていない。
なので、中央部と先端部を交互に食べた。
これも生地がやや乾き系の昭和チックな味わい。
甘さを抑えた生地だが、噛むほどに丁度良い味になってくる。

いいなあ、菓子パン。
ちょっと身体に負荷をかけた後の菓子パンはさらに美味しい。
クロスバイクのスピードで防風林を観光したかった
というのは嘘ではないが、
防風林の向こうにある菓子パンを目指してペダルを漕いだとも言える。



5月下旬、帯広市を中心として展開するスーパー「いちまる」が
マックスバリュ北海道に事業譲渡される、というニュースを目にした。
譲渡時期は10月だった。

十勝を代表するフードパークがなくなってしまう。
これを重く受け止めた私は、いちまる全店に歩いて行ってみようと思い、
6月から「大人の遠足・サラバいちまる」を開始。
7月末までに、いちまる全14店のうち13店をクリアした。
〈参考記事〉
サラバいちまる1(中札内店)
サラバいちまる2(帯広市内の店舗+音更店)
サラバいちまる3(池田店)

残りは清水店のみとなったが、なかなか実行できなかった。
あれこれと用事があったのが最大の要因だが、

7月にいちまる池田店を往復で歩いたことで

燃えつきた感を多分に含む達成感があり、
次への一歩が重たくなったというのも影響している。
また、10月までまだ余裕があると思っていたこともある。

そんな気持ちを打ち砕いたのが、9月10日のいちまるのチラシだった。
そこに書かれていたキャッチコピーは「10日は最後のいちまるDAY」。
そうか、毎月10日は、「いち」と「まる」でいちまるDAYだったのか。
で、9月で「最後」なのか。
ということは、10月10日のいちまるDAYはあり得ないということか。

ただ気になるのが、いちまる譲渡のニュースが、
5月以降ほとんど報じられていないこと。
10月の何日に譲渡されるのかもよくわからないし、
「いちまる」の看板は完全におろされるのか、
既存の店舗は継続されるのか、など疑問は数多くある。

また、十勝住民に「いちまるがなくなってしまうんだぜ」という話をしても、
「ああ、そうだよね」、「あれ?いつだっけ」という反応ばかりで、
私のように重みや寂しさを感じている人には出会っていない。
そういうもんなんすかねえ。

とにもかくにも、9月30日で「いちまる」の看板が消える可能性がある。

いちまる清水店は、JR帯広駅から32kmくらいある。

途中で昼食をとると7時間から8時間を要するだろう。
ざっくり言えば丸一日かかる。
そうなると、9月中に日程を確保できるのは21日(祝日)しかない。
雨が降ったなら、別の日に仕事を休んで実行するしかない。
そんな切羽詰まった状況であったが、
9月21日は運良く天候に恵まれた。

朝7時15分、JR帯広駅を出発。
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ひたすら白樺通を西へ進む。
しばらく平地を長時間歩いていなかったせいか、
歩き始めて1時間で脚に痛みを感じてきた。

9時47分、JR芽室駅(約12km地点)を通過。
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帯広市から芽室町のエリアに入ると、景色は広大な農地が続く。
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高い建物がない平野の真ん中にいると、空が広く大きく感じる。

白樺通りから芽室町内で国道38号線に出たのだが、
シルバーウイーク真っ只中ということで車の量が多く、
また、途中3kmほど歩道がない箇所があり、
ストレスを感じながらさらに西へ。

清水町のエリアに入り、「みしな」(約23km地点)にて昼食。
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11時25分頃の到着だったが、連休のせいか既にほぼ満席だった。

あと10分遅かったら席に座れなかった。

ひれカツカレー(1,020円)をオーダー。
4月に訪問した際、次はひれカツカレーを食べようと決めていた。
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すごく美味しかった。
ルーは色々なものが入っていることがよくわかる手作り濃厚な味。
コクが深く、ライスが進むルーだ。
それでいて、後味はすっきりしている。
いいぞ。

ルーの中に豚肉がふんだんに入っているのが実に嬉しい。
しかも柔らかく、いい感じでほぐれてしまうほど煮込まれている。
このルーならば、カツがなくても十分に満足できる。
ますますいいぞ。

カツは4切れ。これも柔らかくありつつ、
しっかりと肉の食感と味を楽しめる。

また、普通盛りにしては結構なボリュームだった。
私は盛りが多い外食にワクワクするのだが、
それはあくまで標準仕様で盛りが多い場合であり、
大盛りでオーダーするとメガになるのは、なんとなく魅力に欠ける。
その点、標準でこの量はテンションが上がるものだった。

4時間以上歩いての食事だったので丁度いいボリュームだったが、
通常の状態での昼食だとしたら、少しきつめの満腹だったかもしれない。
1,020円と若干値は張るが、
このルーとボリュームなら、まあいいかなと思える。
これまで、みしなさんでは、ひれカツ定食とカツスパを
食べたことがあったが、カレーが最も胸を躍らせた。
次回訪問時は、またカレーをオーダーすることだろう。

思えば、サラバいちまるシリーズの昼食はカツカレーばかりだった。
中札内店の際は更別の「かしわ」、
池田店の際は店内にある「ジャングル」、
清水店では「みしな」。
サラバいちまるの旅は、カツカレー巡りでもあったということだ。

美味しいカレーでエナジーがチャージされ、
無事14時05分頃、清水町の「プラザ。いちまる」に到着。
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「サラバいちまる」の旅は一区切りがついた。

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ノンアルコールビールとキャラメルを買い、
それを飲食しながらJR新得駅へ向かい、14時20分過ぎに到着。
14時41分発の便に乗る予定だったので、結構ギリギリだった。
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清水駅は無人駅ではないが、ローカル感があってホッとする。
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歩き疲れて、ぼうっと車窓の景色を見ているうちに眠ってしまった。
どこかで停車して目が覚め、走り出すとまた眠る。
この瞬間がたまらなく気持ちいい。
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15時45分近くにJR帯広駅に到着。
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33kmくらいの距離なのに、十分に旅気分になれた。
どこへ行くかも大事だが、どうやって行き、どうやって帰ってきたのかで、
単なる移動を旅にしてくれる。

                     

さて、次の注目は、9月30日と10月1日とで、
いちまるにどういう変化が現れるかだ。
電算システムなど内部的な変更作業は早くから進めてきたと
思われるので、ある程度スムーズに移行されるだろうが、
看板など目に見えるものに関しては、
一晩の間にできることが限られている。
いちまるの看板デザインは象徴的でわかりやすい。
これが撤去されれば街の風景も結構違って見えるのではないだろうか。

とにもかくにも、譲渡前にすべてのいちまるに歩いていけた。
この企画を始める前は、いちまるをあまり利用していなかった。
通勤経路や休日の主たる活動圏に店舗がなかったためだ。


しかし、「サラバいちまる」を始めてからは、
いちまるに対して親近感のようなものが沸き、
ちょっと遠回りや、あえてプチ遠出をして、いちまるに行くことが増えた。
最初はファニーな自己満足にすぎないと思っていたが、
次第に巡礼テイストを感じてきた。
とはいえ、コミカルな巡礼であることは全く否定しようがない。

10月1日、いちまるはどうなっているだろう。
そして、「いちまるロス」現象はあるのだろうか。


2015年9月22日火曜日、帯広市スタジオレストで開催された、
studio REST 17周年記念ライブ」のアコースティックDAY
「激しい雨」として出演した。

セットリストは次のとおり。
1 古いロックに埋もれたい
2 大事な用事
3 トビラ
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この日は根室からカルチャー知人であるN山氏が駆けつけてくれたり、
帯広のライブレストラン「ホーリーズ」で知り合った方も観に来てくれたりと、
嬉しさのあまり、いつも以上に気持ちが高まっていた。

と同時に、藤原さん、池田正樹さん、「ながいみゆる」さんという、
何度か共演した素晴らしいミュージシャンも一緒だったことで、
リラックスしつつ、楽しい雰囲気でライブができた。

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MCで、こんな話をした。
連休はほんとに嬉しい。
どこかへ出かけなくても、例えば、ぼぅっと「どさんこワイド」を
見ているのも、「休んでるなあ」と実感できて良い。
ただ、以前交際していた女性が、
「奥さんお絵かきですよ」のコーナーに
子供連れで参加しているのを目にしたら、
相当ショックを受けるだろうなと。

すると、ながいみゆるさんのステージでのMCで、
とある宣伝映像に奥さんの元彼が出演していた話をして、
会場を沸かせた。

また、私のMCで、帯広市の街頭放送で流れる「着る物屋」のCMの
ナレーションの女性が二、三ヶ月前に変わったという話をし、
前の人はこうで、今の人はこうだ、という極めてローカルな内容を
掘り下げて語った。

すると、池田正樹さんのステージでのMCで、
「着る物屋」のナレーションを前にやっていた女性が知り合いだと
いう話をし、結果として、私のMC内容が、
ちょっと笑えてしまう失礼な内容であったことが判明し、
会場を沸かせた。

ながいさんと池田さんが、私のつたない戯言を、
「パス」という名がつくものにしてくれた。
一夜のライブにおける、こうしたリレー感はいいものです。

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楽しかったし、体調が絶好調だったこともあり、
自分のステージが終わった後は、
ライブを見ながら、サッポロクラシックを連発。
飲み屋で提供されるジョッキ生よりも、
缶入りのサッポロクラシックの方が私は好きである。
特にこの日はおいしく感じ、
持参した菓子パン(豆パン、クロワッサン、角食)をつまみに、
5缶も飲んでしまった。

さらに、ながいさんご提供、池田町の町民還元用ロゼワインも
いただき、丁度いい酔い加減となった。
トリのながいさんのステージが終わったときには、
同時に私の打ち上げも終了したような感覚になるほど現場で飲んだ。
この方式、かなり楽しいです。

オール・スイッティング、出演者の和やかな雰囲気、
良心的なサッポロクラシック350ml缶の価格(400円)、
ライブハウスから歩いて帰れる環境など、
幾つかの要素が重なったからこそ楽しく飲めたのだと思う。

ライブの後、珍しく出演者で打ち上げに行くことになった。
普段なら、「おっ、いいっすね」となるのだが、
この日は、もうアルコールはあまり飲めない状態だったし、
数個の菓子パンでおなかもいっぱいだった。
(ちなみにこの日は昼食も菓子パン)
そのため、非常に残念ながら打ち上げを欠席。
せっかくの機会だったのに、
結果として私だけが大幅にフライングした形になってしまった。
フライングどころか、
みんながスタート地点についた時、私はゴールしていたようなものだ。
しかし、それだけ自分のステージも、
共演者のステージも楽しめたということでもある。

ただ、もう一人の「激しい雨」メンバーのタナカ氏は、
あまり飲んでいなかった。
また、「ライブの後はたとえ短時間でも打ち上げをして、区切りを
つけるべき」と、普段から私がしょっちゅう言っていることもあり、
彼と二人で、「北の屋台」の西側入口のところにあるたこ焼き店にて
軽く飲んだ。
ライブの日にしては珍しく日付が変わる前に帰宅した。
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帰宅後、この日のライブ映像を見ていたら、
きちんと発音できていなかったり、
ギターの要所でいい感じで音を出せていなかったりと、
安定感やナチュラル感、深みがまだまだ足りないなと、
次回への宿題を確認することになった。

しかし、純粋に素直に楽しめた。
出演者の皆さん、そしてお客さん達に感謝である。
そして、スタジオレスト。
昨年、16周年ライブを観て、
17周年のときは出たいなと常々思っていただけに、
今回出演できたことがほんとうに嬉しい。

地方のライブハウスで17年も続けるのは実に大変なことで、
ご苦労も多いかと思うだけに、
心からおめでとうございます、という気持ちだ。

と同時に、決定的な実力に欠けるこんな中年男に
声をかけていただき、ありがたい気持ちでいっぱいだ。
永く存在していただきたいライブハウスだ。
重ねがさね、おめでとうございます。
そしてありがとうございました。


まずは、私のアコースティック活動「激しい雨」のライブ告知を。

日時 2015年9月22日(火)17時30分スタート
場所 帯広 studio REST(帯広市大通南8丁目さいかわビルB1
料金 1,500
出演(敬称略)
ナホ/藤原英哉/池田正樹/榎本玄記/
               濱田恭輔/フクシマトモヒロ/ながいみゆる/
               激しい雨
               ※出演順は当日発表

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今回のライブは「セッティング込み20分」というルールなので、
演奏は3曲の予定。
そのうちの1曲は初披露となる。
それが新曲、「大事な用事」だ。


大事な用事

大事な用事がある 欠席で頼むぜ
さっさと家に帰って のんびりするのさ
それは用事じゃないって思っているのかい
わかってないぜ 怠惰に過ごすひとときは譲れないのさ

ネジをしめてばっかじゃまいります
たまにゆるめてあげないともたないのです

大事な用事がある 不参加でよろしく
フリーを確保するのは楽じゃないのです
やる気は排除しなよ ひたすらリラックス
だらだら ときにずるずる 惰性にまかせて 全部忘れて

ネジは動かなくなったら終わり
たまにゆるめてあげなくちゃいけないのです

そうさ ネジをしめてばっかじゃまいります
ちょっと面倒でも断りましょう
ネジは動かなくなったら終わり
たまにゆるめてあげなくちゃいけないのです

                                       ◆

使っているコードはEmAの2つのみ。
ラフで、ちょっとルーズなオールドテイストのロックンロールだ。
前奏はハーモニカ。
間奏はギターソロではなく、「ラララララー」と歌う。
狙ってそうしたのではなく、
全体の流れとノリを考えているうちに自然とそうなった。

家でだらだらと過ごすのが大好きだ。
ところがそういう日をなかなか確保できずにいる。
現在の業務は拘束性が高く、
その一方、やりたいことや、やらなければならないことが
色々とあるためだ。
お陰さまで退屈知らずの日々を過ごしているとも言えるが。

すべてを解放して、気の向くままに飲食し、
本のページをめくったり、
心地よいミュージックや、ぼけっと見られるテレビに身をゆだね、
漫然と過ごす。
それが可能な日は、、「今日は早く家に帰ってだらだらするぞ」
という気持ちが、業務に対するモチベーションになったりもする。
恥ずかしながら、いい歳をして年々その気持ちが強くなっている。
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仕事は、ネジをしめて取り組まなければいけない。
給料をもらっている。当然のことだ。
しかし、仕事を離れたらゆるめなきゃ。
でなければネジは動かなくなってしまう。

皆さんにも残業のような飲み会があるだろう。
付き合いだからと何でもイエスでいたら、
気づいたときにはネジがすっかり固まってしまってるぞ。
もちろんオール・イエス対応によって手にするものはあるだろう。
それは否定しないし、それはそれで大変な努力だ。
しかし、結構ぜい肉もついていたりするぞ。

だから、「しめる」と「ゆるめる」のバランスが重要だ。
自分でコントロールするしかない。
私は意識してゆるめる日をつくっている。
そのためには勇気を出して断ることも必要だ。

皆さんも、名目上は仕事ではない仕事のようなことで、
フリーな夜を奪われることや、奪われそうになることがあるだろう。
その際、「用事がある」と返すと、
どんな用事かと、しつこく聞かれることもある。
「家で気の向くままにだらだらしたい」とは言えず何か理由をつける。
情けない話だ。

仕事がらみでなければ、歓迎しない立て続けの質問には、
きっぱりとストレート回答をするのだが。
毅然と嘘をついて、撃退することも稀にある。

例えば、洋服屋でのこんな場面。
何かを買いたいというわけではなく、ふらっと洋服屋に入店。
何となくスーツの前で立ち止まる。
すると、いきなり店員から、「お仕事用ですか」と問いかけられる。
あまりに唐突かつフレンドリーに声をかけられたので、
びっくりして、返事ともつかない曖昧な対応をしていると、
「今日はお休みなんですか」、
「いつもスーツで仕事してる感じですか」、
「外回りとかあるんですか」など、
矢継ぎ早に質問を浴びせられる。
さらには、勝手に商品の説明を始める。

面倒なので、「無職なんです」と回答。
すると、それ以上は話しかけてはこず、
ぎこちなく私のそばから離れていった。
「無職です」と言っただけで、
仕事以外のことも聞いてこなくなるどころか、相手にされなくなる。
時と場合によっては使える一言だ。

大人気がなくて申し訳ありません。


帯広市の南西部、日高山脈北部にある山、
伏見岳(ふしみだけ)に登った。
この日は平日。
少し前に休日出勤をしたことによる代休の日だった。

登山口までの道を地図上では理解していたが、
実際には地図にない分岐点が多く、
道に迷って、戻って、地図を見返して、やっと登山口にたどり着いた。

その時点でもう疲れた。
道に迷ったことだけが原因ではない。
登山口に向かう車中、
まだ朝9時にもかかわらず職場から電話がかかってきて、
夕方から出勤をしなければならない可能がある状況となり、
気持ちが落ち着かなくなったからだ。

しかし、夕方でフリーは終わってしまう、と考えるか、
夕方まではフリーを楽しめる、と考えるか、
どちらの思考で過ごすかによって、
日々の豊かさは違うものになるだろう。
というわけで、気持ちを切り替えて車を走らせ、登山口の駐車場に到着。

ここで新たな不安が。
車が一台も駐まっていなかった。
入林届を見てみる。
誰の記載もない。
山奥に一人きり、ということだ。
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前日の水曜日は4人、その前日の火曜日は6人の名前があった。
なのに今日はなぜに誰も来ない。
そんな感じで、ちょっとしたわだかまりを抱えつつ登り始めた。

前半は比較的急な道が続く。
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高度は稼げるが、周りは木々に囲まれ、下界の景色は全く見えない。
ちょっと退屈であり、かつ、職場からの電話がかかってくるのではと
気が気でない。

私は業務用として携帯電話を一台持たされている。
ドコモ社のものである。
登山口までの直近十数キロは「圏外」と表示されていたが、
登山道に入ってすぐ受信マークが表示された。
頂上までずっと受信できる状態であり、
ドコモ社の受信環境の設定に感心。

それに対して、私物であるソフトバンク社のi-phone4は、
登山口までの道路も、登山道に入ってからも終始圏外だった。
山中で携帯電話を使えるかどうかは、
状況によっては生死を分けるほどの違いになる。
ドント・ウォーリーと言って、プラス思考になれる話ではない。

中盤になると、緩やかな道となり、
遠くに帯広方面の広大な平野がちらちら見えるようになる。
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こり辺りは標高1,200mくらいだろう。
明らかに紅葉が始まっている。

登っていくとさらに紅葉は美しくなる。
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もうすぐ頂上の辺りはこんな感じ。
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で、頂上に到着。
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北方向はちょっと雲海チックな表情。
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西から南方面は日高山脈の大展望。
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ところが、どれがなんという山なのかわからない。
持参した資料と見比べてもわからなかった。
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頂上で昼食をとり、安全第一でゆっくり下山。
登りも下りも人間に会うことはなく、ずっと伏見岳に一人きりだった。
クマに会うこともなくホッとした。

心地よい疲れを感じながら帰路につく。
帰りは往路とは別の道を走ってみた。
芽室町の「上伏古」や「坂の上」などの地域を通った。
防風林や波のような広大な農地など、畑地景観が素晴らしかった。
改めて訪れ、のんびり写真を撮りたいと思った。

今回のんびりできなかったのは、
職場からの招集の可能性があったためだが、もうひとつある。
途中、クマを目撃したからだ。
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道路から数百メートル離れた雑木林の前にいた。
初めて野生のクマに遭遇した。
とても小さなクマだった。
民家は近くになく、3kmくらい先から点在し始めた。
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通報すべきかどうか迷ったが、
迷うなら一応通報しておいた方がいいだろうと思い、
芽室の警察署に電話した。

いつ、どこで目撃したか、クマはどういう状態だったかを伝えると、
私の住所と氏名を聞かれた。まあ当然だろう。
ただ、職業、年齢、電話番号、なぜその時間にそこにいたのかまで
聞かれた。

電話番号については、「それも言わなければならないのか」と質問。
すると、「何かあったら電話するため」と言われた。
電話するほどの「何か」とは何なのか。
全く想像できなかった。

そこでやり合っても、お互い嫌な気持ちになるだけなので伝えたが、
クマを目撃したことで、個人情報をクマなく聞かれた、ということだ。
以上です。


まずは、私のアコースティック音楽活動「激しい雨」のライブの
お知らせを。

日時 2015年9月22日(火)17時30分スタート
場所 帯広 studio REST(帯広市大通南8丁目さいかわビルB1
料金 1,500
出演(敬称略)
ナホ/藤原英哉/池田正樹/榎本玄記/
               濱田恭輔/フクシマトモヒロ/ながいみゆる/
               激しい雨
               ※出演順は当日発表

このライブは、スタジオレストの17周年記念ライブシリーズの
アコースティック編。
昨年、まだ帯広でほとんどライブ活動をできていなかった頃、
16周年記念ライブをいくつか見て、
17周年の時は出演したいと歯がゆい気持ちになった。

1年経って、スタジオレストさんから声をかけていただけた。
嬉しい。ほんとに嬉しい。
楽しんで自然体でやれればと思う。

                              ◆

さて、9月13日日曜日、滝川市と芦別市で開催される屋外イベントに
参加するため、朝6時前に帯広を出発した。
雨予報だったため不安を抱えての出発となったが、
帯広から新得、南富良野と北上するにつれて雨脚は強くなった。

富良野に着くと強い雨に加え風も強く、かつ非常に寒かった。
美唄付近の高速道路では雨で速度規制をしている、
雨は夕方まで降り続く、というラジオ情報もあった。

これでは屋外イベントを楽しむことは難しい。
辛くなるだけだ。
そこで予定変更を決断。
富良野で引き返すことにした。
しかし、帯広から120kmも離れたところまで来たのだ。
このまま淡々と帰るのは味気ない。
雨の中でも楽しめることがあるんじゃないのか。
なあ、あるだろ?
そう、あるんです。
無人駅を巡ることです。

帯広市内を走っているレールロードは根室本線。
根室本線は滝川から富良野、新得、帯広、釧路、根室へと続く、
約450kmもの距離を有する路線だ。

このうち、新得から根室までの無人駅はすべて訪問した。
滝川から富良野、そして新得までの区間は、
虫食い状態で訪問している。
ならばこの機会に、富良野-新得間の無人駅をコンプリートに
訪問しようじゃないか。
それがええじゃないか

ということで、朝8時過ぎ、無人駅ではない富良野駅をスタート。
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ちなみに、富良野-新得間の鉄道距離は約83km
富良野駅と新得駅以外はすべて無人駅である。

最初に登場するのは「布部(ぬのべ)駅」
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あの「北の国から」で、JUNHOTARUGOROのトリオが、
東京から列車を乗り継ぎ、降り立ったステーションである。
3人をローマ字表記にすると、あまりに世界観が違う。
水が出たことで大喜びするテイストが消滅する。

続いては「山部駅」
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駅前ストリートは中央分離帯があるほど広い。
かつては多くの乗降客がいたのだろう。
不可解な宣言を大看板でアピールしているのはなぜか。
疑問ではあるが、これを掘り下げても収穫はないと思われるので次。

「下金山駅」
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ここからは南富良野町のエリア。
国道38号線から道道に入ったエリアにある駅が始まる。
初めて通る道だ。

周辺に民家はそれなりにあるものの、静かな駅だった。
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山の中に引き込まれていく、その入口のような雰囲気だ。

続いては「金山駅」
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富良野-新得間の駅に共通しているのが、
駅舎は古いが比較的大きいこと。
いずれの駅も切符売場スペースが残っている。
かつては有人駅だったということだ。
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富良野から離れた、国道も走っていない山間地域に、
以前は駅員が必要なほど利用客がいたとは。

金山地区は、かなやま湖と金山ダムで有名だ。
ダムを造るにあたり、水没したのは261戸。
これは道内のダム水没としては最大で、
民家や広大な農地のみならず、小中学校や駅まで水没した。
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ダム工事が始まる前、南富良野町の人口は
11,000人(現在は約2,600人)。
この山に囲まれたエリアにそれほどの人が住んでいたのが不思議だ。
水没という経過があるだけに、ちょっとミステリアスでもある。

続いては「東鹿越(ひがししかごえ)駅」
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周辺に民家はない。
今回の路線の中で、最も寂しく、侘しい佇まい。
無人駅の醍醐味だ。
なのに、駅舎内には切符売り場の名残あり。
また、ホームは長く、広い。
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ちなみにかつては、先ほどの「金山駅」と「東鹿越駅」の間に
「鹿越駅」があったらしい。
今は湖の中、つまりレイクの中だ。
レイクの話だが、全くほのぼのしていない。
やはりミステリアスだ。
アクエリアスを飲みながらそう思った。

東鹿越駅を後にすると、国道38号線に戻り、
南富良野町の中心街に出る。
ここにあるのは、南富良野駅という名称ではなく「幾寅(いくとら)駅」
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高倉健氏主演の映画「鉄道員」(ぽっぽや)の舞台になった駅で、
映画で使われた「幌舞駅」の名称の看板がメインになっている。
「幾寅駅」の表示は、目立たない箇所に小さくあるだけ。
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建物を昔のままの形で残しており、観光地となっているが、
建物だけではなく、ホームに上がっていく通路も味わいがあるし、
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ホーム近くの花壇も、昭和40年代の田舎のそれのようだ。

最後は「落合駅」
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国道沿いではあるものの、山の中の小さな集落にある。

それにしては大きめな商店が近くにある。
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現在は閉店しているようたが、掲げられている看板が、
薬、ガス、文房具(KOKUYO)、酒(サッポロビール)。
随分と手広くやっていたものだ。

                       ◆

当初の予定とは違ったが、有意義な時間を過ごせた。
特に南富良野町は、帯広に住んでいるから余裕の日帰りで来られたが、
札幌に住んでいると、実際の距離以上に遠く感じるところだ。
今が訪問すべきタイミングだったのだ。

帯広までの帰り道、途中で新得町の屈足(くったり)に立ち寄った。
新得町市街地から車で10分ほど内陸に入った小さな集落である。
なぜそこに行ったのかというと、
美味しいパン屋があると、職場の同僚S(20代・女性)が
言っていたからだ。

S(3人兄弟の長女)は、仕事帰り、帯広市内のパン屋に
夕食用のパンを買いに行ったり、
休日は帯広市外のパン屋に出かけるほどのパンマニア。
そんな彼女が今一番お気に入りなのが、
屈足にある「ビオラ」というお店のパンだと1か月ほど前に聞いた。

新得町市街地に入ったのは12時少し前。
絶好のタイミングだ。
ハンドルを左にきり、屈足方向へ。
そして「ビオラ」に到着。
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小さな店である。
そしてなんともかわいらしい。
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十勝平野の端っこの、国道からも市街地からも離れた小さな集落に
店を構えたのはなぜなのか。
この小さな店でビジネス的には成立しているのか。
インタビューしたいことが色々と思いついたが、
私が店内にいる間に3組のお客さんがきた。
どこに店を構えても、美味しい店には人がくるということか。

つぶあんぱん(135円)
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しっとりとした柔らかい生地。
あんは、ちょっとミルキーな優しい味。
すごく美味しい。
というか、これまでに食べたソフト系あんぱんの中では一番美味しい。

食べていくうちに、なくなっていくのが惜しくなり、
後半は少しずつゆっくりと食べた。
あんぱんは2個しか売っていなかったが、
もうひとつ買ってくれば良かった。

それと、ミルクパン(160円)
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職場の同僚S(しゃべり方が瀧本美織に似ている)は、
ミルクパンが一番のオススメだと言っていた。
一口食べてすぐに納得した。

とにかく食感が素晴らしい。
しっとりとした生地に何層にも重なった密度感がたまらなく良い。
甘身のナチュラル感も絶妙。
これは凄いものに出会ってしまった。

再訪まちがいなしだ。
このミルクパンのためなら、帯広から1時間近く車を走らせてもいい。
再訪の際は、何種類も買ってみようと思う。
十勝はなんだか美味しいパンが色々とあって嬉しいような困るような。
再訪するのが今から楽しみだ。
美味しい菓子パンは生きる原動力にもなる。


まずは、「激しい雨」のライブのお知らせを。

日時 2015年9月22日(火)17時30分スタート
場所 帯広 studio REST(帯広市大通南8丁目さいかわビルB1
料金 1,500
出演(敬称略)
ナホ/藤原英哉/池田正樹/榎本玄記/
               濱田恭輔/フクシマトモヒロ/ながいみゆる/
               激しい雨
               ※出演順は当日発表

このライブはアコースティック限定。
8組が出演し、1組の出演時間はセッティング込み20分。
私、「激しい雨」は3曲を予定。
初披露の曲をひとつ盛り込めそうだ。

                     ◆

さて、先日、雌阿寒岳に登った。
毎週あれだこれだと用事があって、今シーズン初の山登りとなった。
しかも、業務として登った。
いわば、ビジネス登山である。
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雌阿寒岳は現在、火山活動が活発化し、
噴火警戒レベルが「2」に設定され、頂上付近は立入禁止。
登れるのは7合目までである。
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詳しいことは書けないが、現地確認のため業務として7合目まで登った。
山に登りたい、でも時間が確保できない、と
小さなストレスがあった私にとっては、
好都合というか、ラッキーチャンスな業務だった。

とはいえ、あくまで仕事である。
登ったのは私を含めて3人で、自分のペースでは登れず、
淡々と与えられた役目を果たしてきた。

その後に素晴らしい出会いがあった。
雌阿寒岳から帯広に帰る途中、
16時頃に足寄町を通過するタイミングとなった。
ここで私の頭の中の「フードセンサー」が強く反応した。

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足寄町の高橋菓子店の角食パン
すごく美味しいと評判で、毎日焼き上がりの時刻には行列ができる。
人口7,300人の町で、近隣市町村までの距離は遠く、
かつ近隣に1万人を超えるような市町村はない。
そんな環境で平日でも角食パンを求めて行列ができる。
ほんとなのかと、にわかには信じがたく、
パン好きである私の興味をかき立てた。

これまで二度トライしている。
一度目は、焼き上がり時刻ではないタイミングで訪問したら、
角食パンは全く売られている気配はなし。
二度目は、焼き上がり時刻の30分後に訪問したら売り切れ。
定休日だったこともあった。
そのため、あんパンなどの菓子パンはいくつか食べたことはあったものの、
角食パンは体験できずにいた。

角食パンの焼き上がりの時刻は、10時、16時、17時。
15時50分頃、店の前に到着。
既に15人ほどの行列。
16時に売り始めたときには20人を超えていた。

売られている角食は、ノーマル(680円)とハーフ(350円)の2種類。
購入できるのは一人2つまでに限定されている。

15時58分に角食が現れるやいなや、どんどん売れていく。
皆2つずつ、しかもノーマルを買っていく人が多い。
私の順番まであるだろうかと不安になったが無事ハーフを購入できた。

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パンはカットされておらず、ずどんと袋詰めされている。
この袋のデザインがまた、美味しいパンが入っている雰囲気を
醸し出している。

350円を支払い、パンを受け取ったとき、
ずしりとした重さとともに、温かさと柔らかさに興奮した。
まさに焼き上がったばかりなのだ。
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同行者2名もハーフサイズを購入。
やはりパンの温かさに心が動いたようで、
あろうことか2名とも、購入後、車に乗り、
帯広に向けて走り出したらすぐに、パンをちぎって食べ始めた。
すぐさま、「うまい」、「なにこれ、おいしい」と驚きの声をあげた。

さらに、ちぎっては食べるごとに、
「こんな角食は食べたことがない」、
「甘さとしょっぱさのバランスがいい」など感動を口にした。
 
私は運転していたため食べられなかった。
家に帰ったら、ゆっくり落ち着いて味わえばいいと思っていたし、
同行者2名の絶賛発言は、ちょっと大袈裟じゃないかと感じ、
「どんだけ美味しいんですか」と、疑問めいたことも口にした。

すると、私の上の者が「ちょっとこれ食べてみれって」と、
パンをちぎって私に寄越した。
半分くらいは皮の部分だった。
そこまでしなくてもいいっすよ、と思いつつも受け取る。

受け取って、皮部分の柔らかさに驚いた。
これほんとに食パンか?という感触だった。
そして、口に入れ、噛んでみた。
「あっ、美味しい!」と、自然に声が出た。

まさに経験したことのない独特の柔らかな食感。
クセのないまろやかな甘味。
後味もべたつきがなく、ほのかに優しい香りを残す。

驚いた。
すごく驚いた。
「これなら並んででも買うわ」と一口で納得。
角食であって、角食ではないと思えるほど、
革命的な出会いとなった。
角食革命だ。

この日の夕食は、このパンで決定だ。
おかずなどなくてもいい。

帰宅してすぐに手を洗う。
待ちきれない。
それでも食べる前に写真だけは撮った。
2015090806 
パンをカットする手間と時間が惜しい。
そんな余裕はない。
デジカメをケースに戻さず、着替えもせずに、
パンをちぎって食べ始めた。

とんでもなく美味しい。
どういうことなんだ、この柔らかさと旨みは。
そのまましばらく、ちぎっては食べた。
夢中になっていたと思う。
あまりの衝撃に落ち着かない。
焼かなくていいし、何もつけなくていい。
そのまま食べるのが一番いい。
そう思えた。
次の一口がこんなに楽しみになる食パンに出会ったことがない。

気持ちが落ち着いたところで、パンをカット。
食べなかった部分は冷凍保存に。

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購入から2日後、パンの底の部分、いわば皮部分を食べた。
自然解凍をしたのだが、それでも柔らかく、味もキープされていた。
底の皮部分でこれだけ美味しいなんて奇跡だ。

私の食パンの概念をくつがえした。
というか、これまで食パンの概念など考えたことがなかったので、
くつがえすとか、そういう話でもない。
何を言っているのかわからない。
わからなくなるほど、衝撃的なパンだった。



北海道南西部の街、岩内町。
岩内港から防波堤の先端まで15分ほど歩くと、
泊原発がかなり近くに見える。
2015090301
ロッカー、母港に帰る、のひとときだ。

岩内町の疲弊感を危惧し、
これまで2回にわたって、「岩内スイーツを救え」と題して、
私が幼少の頃から存在するお菓子屋さんを紹介してきた。
今回で完結である。

「私が幼少の頃から存在するお菓子屋さん」に限定しているのは、
私が成人になってから開店したお菓子屋さんがないからである。
もしかしたらあったのかもしれない。
しかし今はない、と思う。

駅前通りの様相も大きく変わった。
それでも、「うめざわ」や「やまさんぼし馬場」などの老舗は健在だ。
2015090302 2015090303
なんとなくホッとする。


                     ◆

そんな駅前通りを右折し、国道229号線を雷電方面へ向かい、
10分ほど歩くと現れるのが「きのした菓子店」
木下・外観
私の記憶ではケーキ中心の店の印象だったが、
その種類はかなり少なくなっていた。

カボチャのパイまんじゅう(160円)
木下・カボチャパイ1 木下・カボチャパイ2
やや固めのしっかりしたパイ。
かぼちゃのあんの程よい甘さは、落ち着きがあり、
なんとなく安心する。

アーモンドスライスを練り込んだせんべい・はまなす(110円)
木下・はまなす
せんべいでクリームをはさんでいる。
甘さと香ばしさのバランスが良く、何枚でも食べられそうだ。

                     ◆

きのした菓子店から岩内岳方向に5分ほど歩くと、
「いいくぼ菓子店」がある。
いいくぼ・外観 
営業しているのかどうか心配になる外観。
売られていたのは、もなか、せんべい、羊羹のみ。
ショーケースの中は、使っていないスペースの方が広かった。

こちらのお店は、「刀崖(かたながけ)岩」ブランドで
地元では長きにわたり極めてフェイマスだ。

「刀崖岩」とは雷電に存在する海に突き出た尖った岩で、

弁慶が大刀をこの岩に置いたという伝説がある。
伝説であっても無理のある話だ。
いいくぼ・刀掛
とはいえ、岩内町を代表する自然景観のひとつである。

刀崖ブランド・スイーツの中で最もメジャーなのが、「刀崖もなか」だ。
いいくぼ・刀掛もなか いいくぼ最中1
20年ぶりくらいに食べたが、やっぱり美味しい。

しっかりとした固めの皮と、どっしりとした粒あん。
食べているうちに、ぼろぼろと皮がこぼれるタイプとは真逆の
ハードでソリッドな、ロックミュージック的にはAC/DCのような
もなかだ。

いいくぼ最中2
あんの練りが強く、「もなか食べてるわ~」という実感度が高い。
もなか好きを自認する方食べておくべき伝統の味だ。

                     ◆

前出の「きのした菓子店」から雷電方向に1分ほど歩くと、
そこにあるのは「アイズ製パン」
アイズ1
パンはショーケースに入っている。

地方のパン屋はこのタイプが多い。
アイズ2 アイズ3

甘い系の「菓子パン」が中心で、いわゆる「調理パン」はほとんどない。
品揃えは豊富で、お客さんも入れ替わり来店していた。

最も売れ筋なのが、あんドーナツとメロンパン。
アイズ4
こちらのドーナツに共通していえることだが、独特の油の風味がある。
けっこう大きめだが、パン生地の密度が低いため、
食べると、見た目ほどのボリュームは感じない。
故郷テイスト強めの素朴な仕上がりだ。

メロンパンも大きめだが、やはり生地にかさかさ感があり、
現代の主流である、しっとり・もちもち系とは一線を画すタイプだ。
パン自体に自然体な雰囲気の何か独特の風味がある。
菓子パン好きの方は、近隣を訪れた際、是非食していただきたい。

                     ◆

実家に帰る際、仏壇に供えるものは、たまにしか買っていかず、
そういうときも、札幌で買ったり、
帯広に住んでからは帯広や芽室町で買っていたが、
今年に入ってからは、帰省の都度地元で買っている。
完全に自己満足なのだが、なんとなく気分がいい。

そして、実家から帰るとき、母親から、
「賞味期限までに食べきれないから」と言われ、
自分で買っていったお菓子を、それなりに持ち帰る。
そういう人は少なからずいるはずだ。

いいのかなぁ、と思いつつも、もらって帰る。
しかし、実家にとっても私にとっても、そしてスイーツ達にとっても、
ベストな対応ではないだろうか。

岩内スイーツをよろしくお願いします。




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