ADMIN TITLE LIST
5月24日日曜日、帯広市のホーリーズで行われたライブに、
「激しい雨」として出演した。

セットリストは次のとおり。

1 トビラ
2 ゆとり
3 古びた喫茶店
4 白樺の街
5 無人駅のブルーズ

2015052402 
帯広では、当日現場へ行かなければ出演順が判明しない場合が多い。
そのため第三者を呼びにくく、内輪の発表会っぽい雰囲気になる。
それでも真剣にできるし、刺激を受けることもあるし、何より楽しい。

参集時刻さえ、こちらから問い合わせない限り知らされないし、
リハができるのかどうかもわからない。
演奏できる時間も現場で初めて知ることもある。

連絡を待つのではなく、自分で情報を集めなければならない。
円滑かつ確実な状態でライブに参加したいなら、
自分で道を整理しろ、ということだ。
そうした帯広ルールにも慣れた。
それで十分に楽しめている。

で、ライブ会場に到着すると、このようなペーパーが掲示されている。
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左に星印がついている人とそうでない人との違いが
最後までわからなかった。

一曲目に演奏したのが「トビラ」という曲。
4月に初披露し、今回が二度目のプレイだった。

             ◆

トビラ

カーテンを開けた朝はまぶしい日差しで
夕暮れは雨の中をうなだれ歩く

ちょっと運に見放された それだけのことさ
わかってる わかっているが おさまりつかず

いつまでもくよくよしているわけにはいかない
焦らないで こらえることさ 待てば海路の日和あり

結局はひとつひとつやるしかないんだ
トビラ閉じ 終わりにして 次のトビラへ

いつまでもくよくよしているわけにはいかない
このままじゃ未来までがつまらなくなってしまうだろ

さあ帰ろう 暖かい部屋へと帰ろう
トビラ閉じ リセットして 次のトビラへ

大丈夫 うまくやれるさ きっとうまくゆくさ

             ◆

なかなか閉じられないトビラがある。
それに囚われて、前に進めない時がある。
実はトビラを開けられなくて悩むよりも、
トビラを閉じられなくて苦しむことの方が多いのではないか。

思い続けていれば、
やがて辛いトビラが閉じ、希望のトビラが開いてくれるかと思えば、
そうなることは決して多くはない。
時が解決するかと思えば、
そうはならないことが少なくない。

ただ、「時が解決する」に含まれるかどうか微妙だが、
齢を重ねて、心身に変化が生じ、
それまで求めていたものを求めなくなったり、
考え方が変わったりして、整理がついてしまう場合がある。
それは衰退なのかもしれないし、成長なのかもしれない。
どっちでもいい。
自分にとって、よりよい未来とは何かが大切だ。

目先の得に手を伸ばす人の傍らで、
もっと自分に相応しいものを待つという身の置き方を意識して
この数年生きてみたら、何となく楽になったような気がしている。

それをやらないことで、たとえ評価を下げることになっても、
それによって得るものよりも、
それによって背負うものや失うものの大きさを優先するように
なった気がする。
断ることだって、トビラを開くことなのだ。
もうあまり後悔はしたくない。

そんな私なので、
「やらないで後悔するよりも、やって後悔した方がいい」という
考え方が理解できない。
なぜなら、後悔することを前提とした理屈だからだ。
やって後悔するならやらない方がいいと思ってしまう。
「やらないと後悔しそうだったらやれ」とか、
「やって失敗しても後悔しないと思ったらやれ」ならば納得なのだが。
2015052403 
私は臆病なのだろう。
どんどん突き進む覚悟がない。
ニュートラルに戻れる環境を手の届くところに置いていたい。
辛かったり、苦しかったり、楽しかったり、嬉しかったりしても、
ニュートラルに戻って出直したい。
そんな小さなリセットを何度も何度も繰り返して生活していくのが
自分に相応しいと思っている。
だから大きな勝負にうって出ることはないだろう。
小さく小さく、よりよい方向を探っていく。
そしたら意外に大きく移動していたりするものだ。

進み方は人それぞれだ。
トビラの大きさも重さも人それぞれだ。
開けるべきではないトビラはもちろんある。
しかし、トビラがそこにあるのなら、
それは可能性というチャンスでもある。

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また歩いてしまった。
4月上旬に清水町御影(みかげ)まで約23km
4月下旬に池田町豊田まで約26km
そして今回は士幌町市街地まで約30kmだ。

清水町の時は好奇心のみ。
池田町は、もう少し行けるのではという期待感。
今回は、西と東に歩いたのだから北も行かなきゃ、そして30km到達を、
という使命感が私を歩かせた。

5月10日日曜日朝7時30分、JR帯広駅を出発。
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大人の遠足シリーズ恒例のスタート写真だ。

この日の天気予報は曇り。
3時間ごとの天気を見ても雨の時間帯は無し。
ただし気温は低め、という条件だった。

出発して1時間後は、まだ音更町木野大通り15丁目あたり。
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ツルハ、売鮮市場どんどん、JOYFITなどがあるところだ。
売鮮市場テキサスしかり、「売鮮」なんていう造語は十勝特有のものだろう。
雲の色がちょっと不安にさせる。

出発して2時間後は、国道241号線同士が交差するところに到着。
間違いじゃないぜ。
ここは2方向から国道241号線が走っていて、この場所で一本化される。
03_20150510士幌
2時間歩いて士幌まで、まだ19kmあるのか。
あと4時間くらいかかる計算だ。先は長い。
そう思ったら休憩したくなり、
持参した甘い缶コーヒーを飲みながらラークを吸った。

大人の遠足の際は、無糖でも微糖でもなく、
砂糖とミルクがたっぷりのUCCコーヒーがとても美味しく感じる。
さらに雲行きが怪しくなっている。

歩き始めて2時間30分後、ついに雨が降り始めた。
04_20150510士幌
天気予報は曇りだったし、どうせ小雨だろ、と思っていたら、
本降りとなり、しかもなかなかやまない。
普通に濡れた。
周りは畑の連続で、雨宿りをする場所もなく、淡々と歩き続けた。
すれ違う車の中から、気の毒そうな視線もいただいた。

歩き始めて3時間30分後、士幌町のエリアにイン。
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依然として雨が降っていた。
しかもまだ10kmくらいの距離が残っている。
しかし、だいぶ小降りになり、向こう側には少し青空も顔をのぞかせた。

この後は小雨が降ってはやんでの繰り返し。
雨と寒さでペースが落ち、
帰りのバスに間に合わない不安が生じていたので、
やむを得ず時々走りながら、士幌町市街地を目指す。

寒いだけで身体はどこも痛くないし、
事前に用意してきたスニッカーズのおかげで
辛くなるほどの空腹にはならなかった。

何のために歩くのか、というつまらないことは一切頭をよぎらない。
ほぼ頭の中は、士幌町市街地に着いたら
「遊楽」でカツ丼を食べることだけで満たされていた。

今日なら大盛りでもいけるな。
いや、カツ丼は普通盛りにして、その後、御菓子屋でどら焼きを
買って食べた方が満足度は高いかもしれない。
羊羹もいいな。かりん糖も捨てがたい。サツマイモも食べたい気がする。
ならば、カツ丼をやめて、
どら焼き、羊羹、かりん糖、さつまいもの4点セットにするか。
でも、その4点セットを士幌で揃えることはできるのか。
インターネットで調べてみるか。
それも面倒だ。
この4点セットなら、柿の種もあると相乗効果を生むかもしれない。
到着までのラスト1時間は、そんなことばかりで逡巡していた。

そしていい感じの腹ぺこ状態で、士幌町市街地に到着。
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後半、ところどころ走ったこともあり、5時間ちょっとで到着。
最終的には、「カツ丼+極めて甘いもの」で昼食を
コーディネートすることに決めた。
地域の食堂のカツ丼はやはり魅力的だ。
というわけで、いざ「遊楽」へ。

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おいおい、休みかい。
しかも、ドアは自動なのか手動なのかわからないぜ。
事前に調査したところでは、月曜日定休だったのだが。
欧米の映画なら、「でも人生にこういうことはつきものだよ」と言って、
お手上げポーズをとる場面だ。

士幌町の中心市街地は国道沿いにあるのではなく、
国道から少し離れていることもあるが、
人はもちろん、走る車もほとんど見かけなかった。
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右も左も、前も後ろも構造物だけで、動くものを見かけない。
異様なほどに静かである。
鳥のさえずりがないから山の中より大人しく、
カモメが泣くこともないから海岸線よりも整然としている。
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驚くほどに動くものを見かけない。
日曜日なのに、というか日曜日だからか、
商店は軒並み閉まっており、大きなスーパーまで定休だ。
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それにしても、カツ丼をモチベーションに歩いてきたのに、
カツ丼にありつけないのは大きなストレスとなった。
脳がカツ丼でロックされており、これを解除するのは簡単ではない。
そこでやむを得ず、セブンイレブンでカツ丼を買おうかと向かった。
しかし思いとどまった。
せっかく士幌まで来たのだ。
士幌でしか食べられないものにしなければ意味も意義もない。
地域のものを食すというスピリットこそが大人の遠足じゃないか。
ここで切り替えるのが大人だろ。

ただ市街地において開いている食べ物屋は2軒しかなかった。
選択肢が少ない。
仕方のないことだ。
いや、選択できるだけラッキーだ。
これも縁であり経験だ。

というわけで、「ラーメンハウス三平」にイン。
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このお店は、帯広市でも音更町でも見かけるのだが系列店なのだろうか。
スーパーでは袋麺として商品化もされている。

みそラーメンをオーダーした。
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店構えや、店内の雰囲気からして、
懐かしさのある素朴なラーメンに出会えそうだ。
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店内もすこぶる静かだった。
静かすぎて緊張感が漂っていた。

10分ほどして味噌ラーメンとご対麺、いやご対面。
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20分前までカツ丼に固執していたのが幻だったかのように、
激しく早食いしたいほど食欲が急上昇。

最大の特徴は麺だ。
ツルツルでモチモチの白いストレート麺は、
乾麺のうどんのような雰囲気だった。
でも味はラーメン。面白い。
店内に貼られたペーパーによると、自家製で無添加とのこと。

スープは実に柔らかい。
ギトギト感が全くなく、すっきりとしている。
昔からあるマルちゃんの味噌ラーメンのような味わい。
特別感はないが食べやすく、食べるほどに親しみが増す感じ。
そのせいでスープまで完食。
このラーメンに出会えて良かった。

重たくないラーメンだったので胃袋に余裕があった。
何か甘いものが欲しい。
そこで、セブンイレブンに行き、ドーナツを購入。

その時、ふとある考えが浮かんだ。
この後は、バスに乗って自宅へ帰るだけ。
帰ったら競馬中継を見て、昼寝でもできたら最高だ。
ならば、今このタイミングでアルコールを摂取するのもありだと
思ってしまった。

早速セブンイレブンで缶入りウイスキーを購入。
バスの中で、ちびちびやろうかと思った。
しかし、午後2時から路線バスの車内で飲酒というのは、
他の乗客との関係上、風紀的によろしくないと判断。
バスを待っている時に飲み始め、バスが来る前に飲みきった。
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1時間ほどバスに揺られながら、もう一缶飲みたいなと思いつつ、
長閑な十勝の畑地景観を楽しんだ。

帯広駅ターミナルで下車。
士幌から乗ってきたバスがこれ。
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そして、帯広駅到着を示す恒例のフォト。
23_20150510士幌
大人の遠足第3弾も無事終了した。

第1弾は西(清水町御影)へ、
第2弾は東(池田町)へ、
第3弾は北(士幌町)へ。
ここまできたら南も行かざるを得ない。
冒頭で、清水町へは好奇心、池田町へは期待感、
士幌町へは使命感が私を歩かせたと書いた。
第4弾の南方面への遠足のモチベーションは「義務感」になりそうだ。

しかし、それでは味気ない。
ただ、今回の士幌町編で新たな遠足メニューを発見した。
アルコールだ。
これぞまさに大人の遠足だ。

次にトライができるのは6月下旬以降になりそうだが、
今度こそカツを食べる。
スパカツでも、カツ丼でも、カツカレーでもいい。
それとともにアルコールもいただく。
大人の遠足もマイナーチェンジと微調整をしつつ進化していく。

ただ、遠足の翌日は、これまで同様、朝から手足がむくみ、
体重が結構増えている。
健康状態をキープしたいのなら遠足はしないことだ。
結構楽しいイベントだが、人には全くオススメできないぜ。



昨年のゴールデンウイーク、
帯広から新得町を目指してクロスバイクを走らせた。
しかし、寒さと強い風に屈し、新得町の手前の清水町で引き返した。
→2014年5月9日の記事
このことは、片付いていない問題として、
この1年、常に頭の片隅にあった。

今年は4月25日にクロスバイクの初乗りをし、
帯広市南部の大正地区まで往復約32kmを走った。
その後も早朝にふらっと1時間近くライドした日があった。
それもこれも、クロスバイクによる新得往復という、
昨年来の積み残しの課題を解決するためだった。
新得まで行けなかったという、じくじたる思いは、
新得まで行くことでしか解消できない。

というわけで、5月6日、新得町を目指して出発。
最高気温は20度近くまで上がるという予報だったが、
昨年、寒さに屈した経験を踏まえ、重装備で臨んだ。
特に足首からつま先にかけての冷えに苦しんだこともあり、
今回は登山仕様の厚手のソックスに登山靴を着用した。

それとヘルメットを着用した。
野球ヘルメットのひさし部分を短くカットしてようなタイプだ。
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ヘルメットは昨年のシーズンが終わる頃に購入。
よく見かける流線形の派手な色とデザインのヘルメットは
どうにも受け入れられなかったため、
なかなかヘルメットを購入できずにいた。
しかし、安全対策はきちんとすべきだし、
また、車を運転している方に対するマナーというか、ケジメというか、
そういう気持ちも強くあっての購入だった。

なお私のライドスタイルは、
よほど路側帯が広くない限りは、
歩道を安全かつ暢気な雰囲気で走ることを基本にしている。
遠出をするときは、休憩込みで1時間に15kmを目安にしている。
つまり、ガンガン走るタイプでは決してない。
走っていて呼吸が苦しくなるほど漕がないし、
急な坂道では迷わずクロスバイクを押して歩く。
そんなのんびりスタイルで、帯広から西へと走る。

この10日くらいの間に、木々は一気に緑色になった。
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白樺通から芽室町に入り、
国道38号線に出て清水町のエリアに入ると、至るところに白樺並木。
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向かい風ではあったが、寒さ対策が功を奏し、無事、新得町に到着した。

自宅からJR新得駅では44.5kmだった。
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今年初のクロスバイクによる遠出ということもあり、
それなりの疲労もあったが、
昨年味わった痛恨に比べれば大したものではなかった。

クロスバイクによる遠出の最大の楽しみは昼食だ。
この日は、事前に行く店を決めていた。
「大雪園(たいせつえん)」だ。
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新得町市街地の国道38号線沿いにある。
外観はもろに普通の住宅だ。

しかも「ザ・昭和」である。

こちらは、盛りが多い店として一部マニアの間では有名、かつ
絶大な支持を受けているということで、かねて気になっていた。
グルメ系情報誌にもほとんど掲載されていないというのも魅力だった。
ただ、通常時に訪問しても盛りの多さに屈してしまいそうで、
なかなか足を運べずにいた。

そこに訪れたこのチャンス。
というか、チャンスを作ったのも、チャンスを生かすかどうかも自分という、
ある種の自作自演、ひとり相撲的なチャンスではあるが、理屈は抜きだ。
クロスバイクで3時間近く走った後ならば、
盛りの多さにも対等に渡り合えると踏んだ。

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外観のみならず、店内も古き良き食堂の佇まいである。
漫画も雑誌もたくさんあったが、
雑誌は最近のものと2、3年くらい前のものが
普通に混在して置かれていた。

店の方は皆60~70代と思われたが、
感じの良い対応をされる方ばかりだった。
そして、このメニューの多さ。
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10_2015新得
素晴らしい。
ファミリーレストランならぬファミリー食堂とでも言いたくなる。
メニューを見ているだけでなんとなく楽しくなる。

十勝関係者の話やインターネット情報によると、
豚丼が人気メニューであるらしかった。
しかし、これだけメニューがあったら迷うわけである。
最終的にはカツ丼とカツカレーで迷い、カツ丼を選択した。

待っている間、他のお客さんが頼んだ料理を見ていた。
豚丼は確かにどんぶりから肉があふれ量は多かった。
でも食べ切れそうに思えた。

むしろ天丼が凄かった。
天ぷらの盛りの高さが目を引いた。
マッターホルンのようだった。
天ぷらを食べると満腹感が早くに訪れる私には
完食は無理かもと思わせるシルエットだった。

そしてカツ丼登場。
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具がどんぶりからあふれ気味になっている。
その「あふれ加減」がベストである。
食欲をかき立てるのに丁度いい「あふれ加減」である。
あふれ過ぎると、食べきれるだろうかという不安が現れ、
食欲を効果的に生かせないのだ。
なお、
見た目ではわかりにくいが、
どんぶりも味噌汁のお椀も、一般的なものより大きめである。

実に素朴な味だ。
タレは甘さが強いものの薄味。
玉子の量は少ないが、トンカツもカツの下に隠れた玉ねぎも量は多め。
ライスは茶碗2杯+15%くらいの量だと思う。
クロスバイク効果に加え、
薄味のタレと、カツにギトギト感がなくあっさりしていたこともあり、
なんなく完食した。

これはいい。
家庭的な優しい味付けでインパクトはないが、
安心感や居心地の良さも相まって、
別のメニューも食べてみたくなった。
ぜひ再訪したい。
札幌で大学の近くにあったら大繁盛するタイプの店だと思う。

この日のお客さんは、ほとんどが中高年だった。
いわば中高年のファミレスだ。
食べきれず、天ぷらやフライを
店側が用意したおりで持ち帰っている人もいた。
なお、他のお客さんの会話によると、豚丼も天丼もタレが薄味のようだった。

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メニューには記載されていないが、食後にはコーヒーと飴が提供された。
きちんとドリップされたコーヒーだった。

いい店だった。
新たな得を見つけた気分だった。
帰りは追い風だったため、行きよりも楽だった。
途中、清水町のコンビニでスニッカーズを購入し、店の前で食べた。

先日の遠足といい、片道40kmオーバーのクロスバイクといい、
ガッツリくる昼食を、手間と時間と体力を必要以上に使って食べに行く。
何のためにそうするのか。
そういう手段をとらないとガッツリくる昼食を完食できないと思うからだ。
その先には何があるのか。
何もなくていい。
美味しく食べること自体が目的だから。
その後の甘いものもまたたまらない良さがある。

ちなみに、この翌日は脚が重たくだるかった。
やはりそれなりのダメージを受けた。
しかし、車ではなくクロスバイクで行くと、
食べ物が美味しくなるだけではなく、
その地域の見え方が鮮明になり、より身近に感じてくる。
それもまた、なんかいいなと思う。
この「なんかいい」というのが、なんかいいのだ。


ゴールデンウィーク半ばにして、帯広では葉桜となった。
01_2015十勝大橋・桜 
桜は街に彩りを与え、気分まで変える。
若い頃は桜の開花など関心はなかったが、
年齢を重ねるにつれ、味わいのあるものだと感じるようになった。
風情だな。

私は無人駅に強く風情を感じる。
無人駅の風情パワーに吸い寄せられる。
道の駅は素通りで無人駅に行く。

一年前に帯広に転勤。
三年くらいは住むだろうから、
その間に道東の無人駅を全て訪問しようと決めていた。
ところがなかなか時間を確保できず、この一年間は
一度も十勝管内から道東エリア(オホーツク、釧路、根室)に
足を運べなかった。

こんな十勝インドア状態は良くない。
というか、もったいない。
せっかく道東を巡りやすい環境に身を置いたのに、
そうしたチャンスを無駄にしていることになる。
そこで今年は、時間、手間、体力、金銭の
道東エリアへの配分を厚めにすることにした。

ちなみに、釧路-根室間の無人駅は二年前に制覇している。
当時は札幌に住んでいたが、
根室のさんま祭り訪問とセットプランにして無人駅を巡った。
帯広-釧路間の無人駅は別の機会に行けるだろうと思っていた。
その別の機会をやっと作ることができたのだ。

なお、帯広駅から浦幌駅までの間にある無人駅、
つまり十勝管内にある無人駅については、

このブログで触れていなかったが、人知れず地味に訪問済である。
なので浦幌から東側だけ行けばいいのだが、
浦幌より西側の駅で一カ所触れておきたい駅がある。
十弗(とおふつ)駅だ。
十弗1 
池田駅と豊頃駅の間の小さな集落にある駅である。
何がすごいって、十弗の「弗」の字が、「ドル」に似ているということで、
駅のホームには、こんな看板があるのだ。
十弗2
「十弗」が「10$」になっている。
国道や道道からも離れた非常に長閑な環境にこの看板。
ミスマッチ感がまたよろしいんじゃないでしょうか。
十弗3 

以降は、浦幌-釧路間で特に心に残った無人駅を紹介させていただく。

浦幌駅を出発して最初の駅は「上厚内(かみあつない)駅」。
上厚内1
まさに昭和中期な駅舎である。
これだけで無人駅の醍醐味は味わえるのだが、
この駅の凄さは、近隣集落の限界感にある。

駅舎の前に立って右を見ると、こんな景色で、
上厚内2 

左を見るとこんな景色である。

上厚内3

建物自体は十数件あった。
しかし、そのほとんどが廃墟化していた。
なのに駅がある。
その不思議に出会うのが無人駅訪問の魅力でもある。
上厚内4 
実際に住んでいる世帯はないのではないか、とも思えたが、

駅舎の中は清掃が行き届いており、荒廃感がない。
このベンチの雰囲気など、優良無人駅のモデルケースともいえる、
愛おしくなるような佇まいだった。
 
つまり、きちんと手入れをしている人がいるということだ。
味わいのある、古き良き無人駅状態が保たれている。
上厚内5 
かつては、多くの人が利用したのだろう。
そう思わせる衰退感になぜか癒やされる駅だった。
上厚内6 

続いては「尺別(しゃくべつ)駅」。
ここは釧路市のエリアだが、合併前の旧音別町にある。
尺別1
無人駅にしては大きな駅舎である。
かつては駅員がいたのだろう。
でありながら、ロケーションが凄い。
原野のど真ん中にあるのだ。
駅舎入口からの景色がこれ。

尺別2 
以前は人が住んでいたであろう家屋っぽいものは幾つかあるのだが、
住家としての体を為しているものはない。
なのに今も駅はある。
尺別4 
駅舎は大きく、ホームも広く、
周囲の環境とのアンバランス感が興味をそそる。
尺別3 

続いては、白糠町にある「庶路(しょろ)駅」。
14_庶路1
国道38号線沿いにあり、周囲は建物が連なっている。
駅舎も整備が施されており、秘境感は全くない。
15_庶路2
ホームも広く長く、ゴミなどなく、手入れがされている。

ところが反対側のホームは様相が一変する。
16_庶路3
なにゆえ、これほど荒れているのか。
というか、なにゆえこの状態で放置しているのか。
駅名の看板まで古いままだ。
意図的にレトロ感を演出しているのか。
17_庶路4
同じ駅でありながら、ホームの右と左が違いすぎる。
まるでキカイダーだ。
18_キカイダー

最後にもう一駅。
音別駅と白糠駅の間にある「古瀬(ふるせ)駅」だ。
19_古瀬1 
帯広-釧路間で最も訪問してみたかった無人駅である。
ここを見つけるのに非常に苦労した。
周囲を1時間くらい走り回った。

国道からの入口を間違ったのではないかと行ったり来たりしたり、
全く違う道を10km以上も奥に入り込んだりで、
さすがにうんざりしてしまい、
今回は諦めて、改めてきちんと調べて出直そうと、
国道に戻るため短い橋を渡っているとき、
ふと左目の端が線路を捉えた。

ところどころに牧場があるだけの山道を、
無人駅ひとつのために、結果的に40kmくらい彷徨った。
簡単には見つけられない。
なにせ国道から数キロ入ったところから、
この写真の右にある砂利道を行くのが正解だったのだ。
20_古瀬2 

そして、こういう道を進んでいくと、森の中に突如駅が現れる。
21_古瀬3 
秘境度が非常に高い。
なにゆえこんなに難しい場所に駅を設置したのか。
22_古瀬4
駅近くに住家があった形跡も全くない。
利用者がいるとか、いないとかを考える以前に、
なぜここに駅があるのかという疑問に頭の中が支配される。

運良く電車がやってきた。
23_古瀬5
秘境駅にやってくる普通電車はやはり絵になる。

これまでの無人駅巡りの中で最も見つけるのに苦労した。
午前11時過ぎから彷徨い始め、発見したのは12時20分頃。
なかなか見つけられなかったことと空腹感とでストレスがたまり、
何かで補わなければ、精神的にも肉体的にも
釧路市内までは行けないだろうと感じた。

そこで、古瀬駅を後にして白糠町市街地に入ったらすぐに
コンビニでブックサンダーの単品を3つ購入。
初めてチョコレートを目にした人のように夢中で食べた。
24_ブラックサンダー
私にとってはスニッカーズ、源氏パイと並んで、
日本3大・甘味強い系お菓子である。
ココア系の濃厚さとチョコレートのしなやかな食感がたまらない。

ブックサンダー1個31円。3つで93円。
100円以内で、極めて甘いものが好きな私を、
「甘いものはもうこの程度でいい」と満足させるお菓子は他にない。

ブックサンダーで息を吹き返し、自分を取り戻すことに成功した私は、
古瀬以降の駅は帰りに立ち寄ることにし、一路釧路市街地を目指した。
次の目的は昼食。
泉屋でスパカツを食べることだった。

そして午後1時30分頃、泉屋本店に到着。
25_2015泉屋1
これまで釧路には数回訪れているが、
本気でスパカツを食べようと思ったことがなかった。
「ミートソースのスパゲッティ+トンカツ」であれば、
味が想像でき、食べなくても食べた気になれたし、
ラーメンやカレーほど店によって違いがあるものではないと
推測したからだ。

そんな私の考えは浅はかであり、的外れなものだった。
そう思い知らされたのは、帯広に住み始め、
幾つかの店でスパカツを食べるようになってからである。
特に浦幌町の「レストラン大和」のスパカツによって見方が変わった。

泉屋のスパカツといえば、
釧路出身者が釧路に帰省すると食べに行くとか、
転勤などで釧路に住んだことのある人が、
その後釧路を訪問すると食べに行くとか、
地域に本当に根づいているホームタウン的フードとしても有名である。
26_2015泉屋2
「釧路に行ったら一度は泉屋のスパカツを食べなきゃ」と
言われたことも少なくない。
なので過去に訪問したことはある。
しかし行列ができていたので、あっさり断念した。
その程度のモチベーションだった。

今回の訪問は、その頃とはパッションが全く違う。
現在はスパカツ愛が芽生え、育まれている最中と言ってもいい。
泉屋訪問がメイン目的で、それに無人駅巡りをプラスしたのかと
聞かれれば全く否定はしないだろう。

オーダーから10分程度でスパカツ登場。長年の念願が叶った。
27_2015泉屋4
やや甘めのミートソースがたっぷり。
レトルト的な引っかかりがないのが嬉しい。
スパゲッティは太めで、やや柔らかめ。
パスタと呼ぶには違和感がある。
これが何気に懐かしく、親しみがある。
私はこういうタイプのスパゲッティの方が好みなのだと思う。

クセがないので食べやすく、全く飽きない。最後まで美味しい。
スタートからゴールまで緩むところがない。
わくわくしつつも、ほっとするような味。
釧路出身者が釧路に帰省すると食べに行くのも納得だ。
食べている最中に、また食べに来たいと思えたほどだ。
28_2015泉屋3
非常に空腹だったため余裕で完食。
通常時の昼食なら、やや多めに感じる量だろう。
釧路には他にも美味しいスパカツがあると聞いている。
それ目的で、また釧路に来ることになりそうだ。

無人駅ツアーは意外に体力を使う。
駅に着くたびに車の乗り降りをし、
ホームへ渡るために階段の上り下りがあり、
ホームの両側を端から端まで歩き、
駅前もちょっとぶらぶらしたり
など地味に歩く。

4時間の無人駅巡り(車により移動時間込み)は、
2時間の自転車走行よりお腹がすくし、
45分間のランニングよりも疲れる。
それだけに無人駅ツアー時の昼食はより一層美味しくなる。

無人駅には「癒やされる違和感」がある。
ただ単に一致したり、調和していると心に引っかからないが、
何かしっくりこない感じや、おさまりの悪さがあるのに、
それが逆に面白く、心地良いというか。
リフレッシュできた、いい一日だった。



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