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今年5月3日の記事、「帯広の桜」において、
ロック知人であるフルチューン氏から、
「音更の『とりせい』へ行くべし、これは強制」なるコメントを
いただいた。

その日から、「とりせい」のことを考えない日はなかったのではないか、
というくらい、頭の中を「とりせい」に支配された。
職場の音更マスターの面々にリサーチしていくうちに、
音更とりせいの系列店が池田町にもあることを知った。

いずれの店も、持ち帰りをする町民が多く、
そのほとんどが50本以上買うという。
もうこれは、みすみす見過ごしているわけにはいかない。
ただ、音更とりせいは、帰りの交通機関がない。
どうしたらいいんだ。
そんな気持ちを、私と時を同じくして帯広に住み始めた盟友タナカ氏に
吐露した。

すると彼はあっさりと、池田のとりせいに行けばいいと提案してきた。
池田ならば、JRで帰ってこれるじゃないかと。
しかも、提案してきた当日、今日行かないか、と言ってきた。
この積極性、この機動力、この勢い。
美味い焼き鳥と酒への、ただならぬパッションに圧倒された。

結局、それから1週間後の6月3日、仕事を終え、
JR帯広駅18時発の普通列車に乗った。

18時40分頃、JR池田駅に到着。
01_250603池田駅.JPG 

駅舎を出ると、美しく澄んだ夕空が、よォーこそ、してくれた。
02_250603池田駅.JPG 
私は6月1日日曜日にも池田町に来た。
自転車で帯広から豊頃町に行く際、あえて池田町を経由するルートにした。
その大きな理由は、「とりせい」の場所を事前に確認するためだった。

下見は自転車で、本番はJRという、エキセントリックな準備を経て、
一切迷うことなく、池田町の「とりせい」に到着した。
03_とりせい・店.JPG 

メニューの限定感が良い。
串焼きは鶏肉オンリーで、7種類あるものの、
「ポンポジ」、「そろばん」をラインナップしているあたりが非常に心をくすぐる。
04_とりせい・メニュー.JPG 
ただ、このメニューを見て衝撃だったのが、
「1人前10串」と書かれていたことだ。
タナカ氏と、1種類しか食べられないんじゃなかいと不安になった。
しかし、10串頼むから、3種類にしていただけないかと店の方に交渉。
あっさりオッケイ・オーライだった。

そして、串焼き(レバー、正肉、モツ)が登場したわけだ。
05_250603とりせい・串焼き.JPG
「ポンポジ」、「そろばん」が心をくすぐると言っておきながら、
オーダーしないところが、ザ・ハート・オブ・ストーンの流儀だ。

美味い。
いい意味で何もひっかかりがなく、どんどん食べられる。
炭焼きの香りが強烈にするとか、ジューシーとかではない。
肉がちゃんとしていて、きちんと焼かれている。
そうした基本が徹底されている美味しさなのだ。
小ぶりなこともあって、これなら一人で軽く10本は食べられる。
「1人前10串」にも納得した。

ザ・ハート・オブ・ストーンの流儀からすると、
この後は、レバー、正肉、モツを繰り返しオーダーするのだが、
やはり、メニューの最初に書かれた「炭火焼き」と「からあげ」の
どちらかは食べないわけにはいかない。

どのくらいのボリュームがあるのかわからないため、
まずは、「炭火焼き」を食べてみようということに。
06_250603鳥性・炭火焼き.JPG
これもいい。
鶏肉自体が素晴らしく良い。
中札内の若鶏らしい。
下処理もきちんと施されている。
ダメチキンにありがちな、妙にぬるっとした感じや、血や、
口にするには危険な妙な部首などが全くない。
そして焼き方もベスト。
外側の見た目もいいが、中の火の通り具合が絶妙。
妙な油のぎとぎと感など全くない。
いい素材で、いい準備をし、いい焼き方をすれば、
自ずと美味しいものになるということだ。

「炭火焼き」も、ぺろっと食べてしまった。
重たさがないため、「からあげ」もオーダー。
07_250603鳥性・からあげ.JPG
かなり美味い。
というか、これまでに食べた鶏の唐揚げで一番だと思う。
インパクトが強いわけではなく、むしろあっさりしているのだが、
どうにもこうにも美味しい。
やはり、素材と調理の確かさが、この美味しさを生むのだろう。

ザ・ハート・オブ・ストーンの流儀で、最初は瓶ビールを飲む。
単純に、ジョッキ生よりも、瓶ビールの味の方が好きなのだ。
それに、自分の分を、自分のペースで、自分でつぐのがいいのだ。

ビールはもういいな、となった我々は、
池田に来たのだし、ワインを飲まずして帰ることはできないだろう、
ということで、「町民用ロゼワイン」をオーダー。
08_町民用ワイン1.JPG
普段、ワインを全く飲まない私も、「町民用」となれば素通りできない。
池田に来たからこそ味わえるのだ。
詳しいことは全然わからないが、若々しくあっさりとした味だった。
ベタベタ感がなく、非常に飲みやすかった。

これが結構効いた。
からあげを食べた後、タナカ氏と、
もう一度、からあげをオーダーしようかと話していたが、
ワインを飲んでいるうちに、もう何も食べられないね、となった。
で、空になった。
09_町民用ワイン2.JPG 
そして、帰りのJRの時間となった。
2人で6,900円。
満足だ。
お通しがないのも好感だった。
余談だが、タナカ氏と私の間では、
お通しがないことが、良い店の主要な条件になっている。

店を出た後、ローソンで、池田のワイン「とかっぷ」を購入。
JR池田駅発21時35分の電車に乗った。
10_250603とかっぷ1.JPG
乗客は我々を含めて3人。
鈍行の夜汽車の中、ちびちびワインを飲む。
帯広に着く頃には空になった。
11_250603とかっぷ2.JPG
なんでもない平日の夜の小さな旅。
楽しい夜だった。
この日が、いい思い出として、いつか懐かしくなるんだろうなと思った。


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十勝というところはバイシクルしたくなる土地だ。
カーブが非常に少なく、道路は基本的に平坦。
トンネルもない。

そういうわけで、豊頃町までバイシクルした。
帯広から豊頃町までは、幕別町を経由して35kmくらいなのだが、
あえて幕別町池田町豊頃町というルートを使った。
往復で84kmだった。

池田町で昼食。
駅前のレストラン「よねくら」さんへ。
01_よねくら・店.JPG
ここに来て初めて知ったのだが、
いつかどこかで何度か見かけたことがある「バナナ饅頭」は、
よねくらさんが元祖らしい。
それに胸をうたれ、箱買いしたい気持ちになったが、
いかんせんバイシクルの旅は荷物になるものは買えないという
デメリットがある。
改めて買いにこようじゃないか。

食べたのは、カットステーキセット、980円。
02_よねくら・カットステーキ.JPG
池田牛のステーキを安価で提供してくれている。
かなり久しぶりの牛肉だった。
今年初かもしれない。
と思ったが、冬に吉野家に行った気がする。

昭和50年代、わくわくした気持ちで行ったレストラン。
そんな懐かしさと安心感のある味であり、店構えだった。

                ◆

池田町から豊頃町へ向かう。約15kmだ。
この道道は1年前にも車で走っている。
なのに、その記憶がロストしていた。
延々、登り坂と下り坂の繰り返しだった。
03_池田豊頃1.JPG
しかし帯広に住んで、坂道飢餓状態にあったので、
それになりに楽しめた。

6月1日日曜日の北海道新聞朝刊で、
ドリームズ・カム・トゥルーの「晴れたらいいね」が、
吉田美和氏が故郷池田町に思いを馳せて作った曲だと知った。

バイシクルで出発する前、その記事を読み、歌詞を見ていたら、
少なからず感動があった。
子供の頃の思い出に今の自分を重ねた素敵な歌詞だった。
ダイレクトに十勝な表現をしていないところが逆に伝わる感じがした。

それと、「晴れたらいいね」というフレーズは、
曲の最後にきて初めて登場するのだが、
そこに持っていくまでの歌詞の組み立てがうまく、
「晴れたらいいね」というフレーズがすごく生きている。
「晴れたらいいね」という何気ない言葉が、
大きな優しさと暖かさを持って伝わってくる。
250601池田ポスター.JPG 
十勝の「晴れ」は特別な何かがある。
晴れるだけで、なんかすごいな、と思わせる何かがある。
それは大きな宝物なのだという気持ちも、
この曲に込められているのではないか。

04_池田豊頃2.JPG
こんな景色を目にしながら走っていたら、
なんとなく「晴れたらいいね」を歌いたくなった。

ところがほとんど歌詞を思い出せなかった。
「今はひらり飛び越えられる」と「こくわの実」しか、
歌詞が思い出せなかった。
しょうがないので鼻歌にした。
メロディはわかるのだ。

豊頃町では、ハルニレの木を目指した。
十勝川の堤防道路を走っていくと、
広い河川敷に、2本のハルニレが見えた。
05_豊頃ハルニレ1.JPG
それにしても広い河川敷だ。

近くへ行くと、こんな感じ。
06_豊頃ハルニレ2.JPG
周囲の何も無さ加減がいい。
しばらく、だらっとしていたくなる。
冬の明け方に見たら、相当美しいだろうと想像した。

帰り道、豊頃大橋から十勝川。
07_250601十勝川1.JPG
川も大きいが、河川敷がとんでもなく広い。
河川敷レベルではない。
このスケールは河川敷とは呼べないだろう。

雄大な自然を満喫した。
こういう中にいると、気持ちが大らかになることを、
ここに住んで初めて知った。
ほんとにそうなのだ。
1日、2日じゃ感じない。
住んで初めて感じた。

年をとっても未だに発見の連続だ。
失くしたものを取り戻すより、
新たな世界に出会うことの価値を感じる。




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