ADMIN TITLE LIST

まずは、ライブのお知らせを。

■日時 2014年3月16日(日)18:00
■場所 スピリチュアル・ラウンジ
       (札幌市中央区南2西4ラージカントリービルB1)
■料金 1,500円+ドリンク代500
■出演 Hana-Festa 60Sfics miepassboat/高速ナブラ/
      THE HEART OF STONE

出演順は別途お知らせします。

よろしくお願いします。

                 ◆

さて今回はブックレヴュー。
一挙に6冊。
よろしくどうぞ。

■大門剛明「レアケース」(2012年)
      大門剛明「レアケース」
生活保護受給者をめぐる話。

生活保護費を不正受給する者、一向に自立しようとしない受給者、
それを担当する市役所職員の苦悩、
生活保護受給者を食い物にする「貧困ビジネス」。
そうした様々な問題を、殺人事件を絡めてミステリ仕立てに描いている。

物語の軸となっているのは、
不正に大金を手にした人からお金を盗み、
ほんとうに困っている生活保護受給者に分け与える「ねずみ小僧」と
呼ばれる者の存在。これが微妙に律儀で面白い。

あっちに行ったりこっちに行ったりする犯人探しの背景が弱いこと、
滋賀県大津市を舞台としたことの理由が見えなかったことなどが
気になったが、このテーマに取り組んだことに大きな意味がある。

生活保護要件を満たす人の4分の3は受給していないという事実には
驚いた。国の世話になんかなりたくない、生活保護など恥だ、
などという理由で、あえて受給していない人がたくさんいる。
制度時代を知らずにもらっていない人も少なくないらしい。
ただ、逆に考えれば、そうした4分の3の人が全て受給したら、
制度が破綻するだろうなと考えてしまった。

「つらいから助けてくれという、藁にもすがろうとする思いは
一見暴力的」という言葉も強く印象に残った。

■辻村深月「鍵のない夢を見る」(2012年)
      辻村深月「鍵のない夢を見る」
5作の短編集。

どの作品も、特に目立つことのない、いわば普通の女性が主人公。
彼女達はそれぞれに心の闇を抱えている。

面白い。読ませてくれる。
文章の層の重ね方が上手い。
筆者の辻村さんは、この数年、確実に何かを掴んだ気がする。
物語の運びが、厚みを持たせつつ滑らかになった。
寄り道させる加減もちょうどいい。

最初に収められている泥棒癖のある母と娘の話が一番強烈だった。
主人公の女性は、泥棒癖のある母の娘と中学の同級生。
最初は仲良くしていたが、泥棒の噂を聞き、次第に距離を置く。
高校は別々になり、見かけることもなくなった。
そんなある日、ばったりと遭遇。
その時、泥棒娘の放った一言がすごい。
さり気ない一言なのに圧倒的。
筆者の洞察力にも感心。
この一作だけでも十分に読む価値がある。

戻るに戻れず、閉塞感の中でうごめく普通の女性達。
彼女達にとって出口は何なのか。
読んでいくうちに、タイトルの存在が浮かび上がってくる気がした。
短編だが十分に読み応えがある。

■三上延「ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~」
  (
2011年)
      三上延「ビブリア古書堂」
北鎌倉駅近くの路地にある古くからある古本屋を巡る話。

シリーズ化され既に5作目まで刊行されている。
今更ながら1作目を読んでみた。

1作目が大ベストセラーとなったのは2011年の半ば以降。
もうだいぶ前のことのように感じていたが、まだ3年も経っていない。

主人公の女性店主のキャラクターは、いい意味で謎めいていて魅力がある。
一方、従業員の男のキャラクターがうまく掴めない。
柔道部出身でごつい身体をしているようだが、
全体的に心身ともに線の細い人と思わせるような描写が多い気が。

さらっとしていて肌触りは柔らかい反面、
薄味で、いい意味でのひっかかりに乏しく、
「読んだなぁ」という達成感が弱いかと。

女性店主が、数少ない情報で難解を説いていく様は、
「謎解きはディナーの後で」と雰囲気が似ているかも。
ライトなテイストで淡々とストーリーが進むので読みやすいとは思う。

■伊坂幸太郎「死神の浮力」(2013年)
      伊坂幸太郎「死神の浮力」
主人公である千葉の職業は「死神」。

情報部から対象となる人物を教えられ、一週間調査する。
そして、その人物に死を与えるか否かを判定する。

今回の対象者は、娘を殺害された父親。
彼は、
一度は逮捕されたが裁判で無罪となった男と法廷外で戦う。
そこに、死神の千葉が絡み、事態は二転三転する。

同じく千葉が主演の短編集「死神の精度」に比べると、
ちょっと間延び感があるかと。
一行で一気に心を動かすような展開はなかったような。

しかし、こういう展開はあり得ないだろうという非現実的な場面も、
伊坂氏の切れ味と滑らかさのある文体によって矛盾も気にならない。
伏線の作り方も相変わらず巧いし、読書ならではの面白さを楽しめる。

■桐野夏生「だから荒野」(2013年)
      桐野夏生「だから荒野」
夫と二人の息子と暮らす40代の主婦。

彼女の誕生日、家族でレストランに出かけるが、
夫と息子達の心のない言動に、彼女の我慢は限界に。

彼女はレストランからそのまま、家族を置き去りにして、
自ら運転する車であてもなく走り出す。
途中で生活用品を揃え、洋服を買いながら、九州まで行ってしまう。

倦怠感まる出しの中年夫婦と、自分勝手な息子達の物語として
素直に単純に面白い。
冒頭のレストランに行くまでのバタバタ感から一気に引き込まれる。
車に積んだままだった夫のゴルフバックに関する一連のくだりは
最高にウィットに富んでいる。これだけで十分に物語として成立する。

残念なのは、何も解決しないまま、唐突にエンディングを迎えたこと。
さらに何か起こるんじゃないかと期待を抱かせるような展開だっただけに、
エンディングが物足りなかったような気がする。
それを除けば、さすが桐野夏生たる、きめ細やかに厚みのある文章を
十分に楽しめる。

■落合博満「采配」(2011年)
      落合博満「采配」
飲み会の誘いに対して別件がある場合、

「ベッケンバウアー」と言う中年は少なくない。
恥ずかしくて私は一切使わない。
しかし、何人かでどこかへ向かう時、
例えば、札幌駅西口に集合する場合、
「じゃあ札幌駅西口で落合博満ということで」と私は言う。
それを使うのは非常に限られた者だけだ。
そんな落合氏の采配論だ。

まだドラフト会議で指名されていない私が言うのも失礼だが、
ざっくりと言うと、いい選手になりたければ、人より練習を
しなければならないし、結果が全てなんですよ、という内容。
基本に忠実で、意外性がそれほどでもなく、
ちょっと古いタイプの考え方にも思えた。

また、随所にビジネスマンや一般社会に置き換えて語っている。
それが逆にひいた。そこまでしなくても・・・。
なぜあそこで投手を交代したのか、なぜあの選手をトレードに出したのか、
そうした野球だけにこだわった、ある種マニアックな話を知りたかったが。

ただ、「予習よりも、徹底して復習すべき」という言葉には大いに納得した。
スポーツ界では、「次の試合は切り替えてやります」的なコメントをよく聞く。
そんなにすぐに切り替えるものなのか。
私は、悪い意味での開き直りに思えて、いまひとつ共感できない。

なぜできなかったのか、思い返しては辛くなり、ジタバタする。
ひたすら復習、言い換えれば反省する。
その方が次につながると思っている。
私のプライベート活動は、ほとんどがそんな感じだ。
あくまで私だけの持論であり、誰に押しつけるものではないが。
復習だけが人生か。
そう思われて結構。
復習をするから未来が開ける。


スポンサーサイト

テーマ:読んだ本 - ジャンル:本・雑誌


ソチ・オリンピックが終わった。
夏季五輪はそんなに見ないのだが、
冬季五輪は、親しみのある競技が多いことや、
北海道出身者が多いためか、積極的にテレビ放送を見た。

今回は、選手達の好感がもてる言動が多かった。
まずメダルをかじる選手がいなかった。
どこかから、そうするよう言われたようだ。
別にかじっていいんじゃないの、という意見もあるようだが、
私は、人に見せたり、触らせたりするのにどうなのかなと
ずっと快く感じていなかったので良い傾向に思えた。

「後に続く人のために道を作りたい」的な発言をした人も複数いた。
金銭面や環境面で、練習することや海外で転戦することに、
とんでもなく苦労してきた人達のピュアな気持ちに思え、
五輪で活躍することの意味、重要さを表した真摯な発言だった。

上から目線の傲慢さを感じてしまう「夢や感動を与えたい」的な発言も
ほとんど聞かなかった。
これもどこかからチェックが入ったのだろうか。
それに代わって、「恩返し」や「感謝の気持ち」という言葉がよく聞かれた。
メダルをとることが恩返しだという人もいれば、
最高のパフォーマンスをすることが恩返しだという人もいる。
それは人それぞれだからいいのだが、
安易に使われすぎて、「絆」のように薄っぺらな感じに
ならなければいいなと感じた。

以前からストレートに、「とにかく金メダルを手にしたい」と発言してきた、
スピードスケート男子500mの長島圭一郎氏の潔さには
非常に好感を持っていた。
彼の本気ぶりは、少し天然な雰囲気もあるが、
それだけにメダルをとってもとらなくても、
熱い男のコメントが聞けると思っていた。

結果は6位と、彼からすれば相当不本意な結果だっただろう。
そして出てきたコメントが、
「金メダルが絶対の目標だったので申し訳ない。旅費を全部返したい」。
いいです、この責任感。
旅費返還にまで言及するほど大きな覚悟を持って
五輪に臨んだということだ。

スノーボード・女子ハーフパイプで5位に入賞した岡田良菜さんの
コメントも素晴らしかった。
「着地でミスをせず完走するというのもずっと自分の目標だったので、
完走して、ずっと練習してきたことが出せて満足です」
すごく共感できる。
きちんと完走することがいかに重要か。
こうしたベーシックな部分を目標に挑む選手がいるんだなと嬉しかった。

ハーフパイプは特にそうなのだが、大技にトライして、
着地でミスして、はい終わり、というのが少なくない。
5、6回に1回くらいしかできないことに一か八かでトライ。
その程度の確率なのにトライすることに、ひく。

「一か八か」は、「丁か半か」が語源であると聞いたことがある。
ならば確率50%のイメージだ。
確率50%ならまだいい。
それをやらなきゃメダルをとれないから、と言って、
5、6回に1回程度の確率のことに、
駄目でもともとの精神でトライするのは
逆につまらない。
トライではなく、投げやりに見えて、ひく。


岡田さんのパフォーマンスは、何度も何度も繰り返して練習し、
精度を高めてきたことが見えるものだった。
自分ができることを確実にやることこそ感動を与えると思う。
モーグルの上村さんも同様。
これまで見た彼女の滑りの中で一番良かった。

                 ◆

そして、どうしても黙っていられないのがフィギュアスケートだ。
私はフィギュアスケートが苦手である。
夏季も冬季もオリンピックにまだ出場したことがない私が言うのは
失礼だが、フィギュアスケートはスポーツという位置づけで
いいのだろうか。

フィギュアスケートは、タイムや距離というような明確な基準がなく、
基本的には印象や雰囲気で決まるような気がしている。
そういう意味ではスポーツよりも音楽や演劇に近いのではないか。
であれば、好みが完全に分かれてしまい、優劣は人によって異なる。

フィギュアスケートは、なんらかんら言いつつ、
結局は何回転のジャンプをしたか、何度ジャンプしたか、
ということばかりに重点が置かれる。
それでいて、着地でミスをしても、手をついても大して減点はない。
なんなのだろう、この矛盾。
ハーフパイプ、スロープスタイル、ジャンプ競技、
どれも着地で手をついたら致命的な減点となる。
なのにフィギュアスケートは違う。

フィギュアスケートにおけるジャンプは、
ロックバンド的に言えば、「早弾き」みたいなものだと思っている。
味があるとかキレがあるとか、カッティングが上手いというより、
とにかく早く弾けるというイメージだ。
その点で、キース・リチャードはフィギュア向きではない。

フィギュアスケートにおける凄まじい身体の柔らかさは、
ポップスで言えば、すごく高い声が出るようなものだと思っている。
ボーカルに強さや深みがあるというより、とにかく高音域なイメージだ。
その点で、ジョー・ストラマーはフィギュア向きではない。

私は、まずは良い歌詞とメロディがあってほしいのだ。
それとかみ合った的確なギターソロがほしいのだ。
そういう視点でフィギュアスケートを見ると、
圧倒的にキム・ヨナが素晴らしい。
身体のしなやかさやキレは格が違う。
要は、フィギュアが苦手な人が見ても退屈しないのだ。

逆に、ジャンプ自体はすごいが、
ジャンプとジャンプの間が場つなぎ的で、
ジャンプをするためだけの演目は退屈する。
また、演技が終わって、しばし立ち上がれないほどなのに、
立ち上がった途端、普通に滑ってコートを去るというのも、…だった。
演技が終わっても、演技が必要な世界だ。
やはりスポーツではないような気がする。

脈絡のない文章になってしまった。
言いたかったことは、キース・リチャードやジョー・ストラマーの
プレイスタイルは、フィギュアスケート向きではないということだ。

テーマ:ソチオリンピック - ジャンル:スポーツ


まずは、2014年最初となるライブのお知らせを。

■日時 2014年3月16日(日)18:00
場所 スピリチュアル・ラウンジ
      (札幌市中央区南2西4ラージカントリービルB1)

■料金 1,500円+ドリンク代500
出演 Hana-Festa 60’Sfics miepassboat/高速ナブラ/
      THE HEART OF STONE


出演順は判明次第お知らせします。
よろしくお願いします。

                    ◆

このライブでは新しい曲を聴いてもらえそうだ。
昨年は4月以降、アルバム作成の準備に入ったため、
新曲をライブで披露するのは1年ぶりとなる。

40代ともなれば皆、あまり新曲をやらない。
新しい曲への情熱が弱くなるのかもしれないし、
やるならカバー曲でもやらない?となるのかもしれない。
作る必要がないのかもしれないし、作れないのかもしれない。

私の場合、カバー曲に手間と時間をかけるなら、
自分の曲をやりたいと思うタイプであり、
今度はこういう感じのをやってみたいという欲求がまだあるから
未だに曲を作るのだろう。

2月15日、今年初めてメンバー4人が揃ってスタジオ入りした。
そんな状況でも新しい曲に取り組んでいる。
3月のライブが終われば、メンバー全員が揃うのは3週間に一回程度となる。
それでも別の新しい曲に取り組み、次のライブでやろうとするだろう。
その過程には、ボツになる曲もある。
メンバーの皆さんも大変だ。
メンバーの皆さんもやることがなくならない。

そういうわけで、昨年11月にアルバムをリリース後、
最初となる新曲だ。

何かが足りない

何かが足りない どんなに集めても
何かが足りない いくら埋めようとも
余計なものが 増えてゆくばかり
的からそれて どこへ向かうやら

何かが足りない 理想も現実も
何かが足りない 酸いも甘いも
余計なものを 見せられ聞かされ
おなかいっぱいだ 胸は空っぽだ

いつなったらできるの オンリー・ロックンロール
いつなったら言えるの ベイビー・アイラビュー

何かが足りない ほんとにそうなのかな
何かがいらない ほんとは気づいている
余計なものを 着せられつけられ
身動きとれない 疲れもとれない

いつなったらできるの オンリー・ロックンロール
いつなったら言えるの ベイビー・アイラビュー

何かが足りない けれどロックがここにある
彼女は消えた けれどロールは続いてゆく
だから弦を張り替えることさ
そして奏でよう イッツ・オンリー・ロックンロール
今はこれだけさ イッツ・オンリー・ロックンロール

              ◆

うまくいかないのは、何かが足りないからではなく、
いらないものが多過ぎるから、という内容にして、
ちょっとイカしたロックテイストなタイトルにしようと思ったが、
歌詞の調整を繰り返していくうちに、どんどん変わっていった。

「いつなったらできるの オンリー・ロックンロール
 いつなったら言えるの ベイビー・アイラビュー」は
歌詞ができる前の段階で、適当にのせていた歌詞だが、
頭の中がこの歌詞で支配され、これ以外、
ここのメロディにのらなくなってしまった。

ならば、他の箇所も、これと「何となく」リンクする歌詞に
しなければならない。
ダイレクトにリンクするのではなく、「何となく」にしたかった。
その反面、タイトルはダイレクトにした。
ダイレクトにしたので、何度も「何かが足りない」と言うことにした。

何か足りないものをたくさん考えた。
でも、ダイレクトなものを歌詞にすると味わいがない。
アマチュアとしての自由とプライドというのか、個性というのか、
そういうものが損なわれてしまう。
こういう箇所こそ、自分しか書けないものにしなければ。
ということで、何か足りないものは「理想と現実」、「酸いも甘いも」と
なったわけだ。ここが歌詞の最大のポイントだろう。

2分40秒の短い曲。
前奏は5秒、エンディングはボーカルとともに終わる。
どこかにあったような普通の古いロックンロールだ。
それをいい感じに演奏することこそ難しい。
普通をやることは大変だ。

一般社会でもそうだろう。
普通でいるにはそれなりの努力が必要だ。
そもそも、自分の普通と誰かの普通は一致するとは限らない。
というか、結構違ったりする。
また、「普通」は、「普通っぽくていい」とほめ言葉にもなれば、
「なんか普通…」と低評価の言葉にもなる。
なんだか面倒くさい。
しかし、面倒くさくなりたくないから、普通でいようとするのだろう。

テーマ:音楽のある生活 - ジャンル:音楽


3月16日日曜日に、スピリチュアル・ラウンジでのライブに
出演する予定だ。
ところが、年が明けて約40日、ザ・ハート・オブ・ストーンは、
いまだメンバー4人が揃って練習をしていない。

遠距離ロックをしているため、
冬場は天候に左右され、所定の練習日に札幌に来られないメンバーが
出ることも珍しくない。
それは致し方ない。
4人が揃うだけで大きな意味がある。
そんな状況にありながら新曲に取り組んでいる。
ライブには間に合うだろう。
あわよくば2曲いけるかもしれない。

ザ・ハート・オブ・ストーンは今年で23年目に突入する。
長く活動できるのは、音楽の嗜好と音楽活動の志向が
基本的に一致していること、
それとそれぞれの家族の理解があってのことなのは言うまでもない。

音楽の嗜好の話をすれば、
10代の頃、ロックの初期衝動を感じたバンドが同じであるか、
非常に近いということだ。
例えば、日本でいえば、RCサクセションやザ・ルースターズであり、
欧米でいえば、ザ・クラッシュやザ・ジャムだったわけである。

そうした根幹となる部分の音楽は一致している。
しかし枝葉の部分は、それぞれに嗜好がある。
当たり前といえば当たり前だ。
それは悪いことじゃない。
私以外のメンバー3人は、私が全く聴かないものも熱心に聴いている。

130208DAO
ドラムのオダ氏は、中高生の頃からディープパープルや
アイアンメイデンなどのハードロック系に精通していた。
事実、そういうバンドをやっていたし、
1980年代の岩宇地域のロックの勢力はそれが一番強かった。

彼は今でも、そっち方面の音楽を根強く聴き続けている。
昨年の後半、なんというバンドだったかは忘れたが、
70年代のハードロックバンドの新しいアルバムを買ったと誇らしげに言い、
やっぱりいいんだよなあ、と嬉しそうに話していた。

彼はラウド系ロックも好きである。
そっち方面が苦手な私に対して、
「レイジ(アゲインスト・ザ・マシーン)の話をしたら
バカにされるからなぁ」と愚痴を言われたこともある。

130208チーミー
ベースのミチ氏は、ザ・キュアーとザ・ピーズだ。
前者はかつてポスト・パンクと言われた。
ミチ氏のロックに対する脳は、私より柔らかいのだと思う。
ちょっと掴みどころのないようなメロディの妙など、
ふわふわしたものを捉えることができるのだ。

後者はかつてバカ・ロックと言われた。
ネイキッドでストレートで、いい意味でチープ。
フラワー・カンパニーズが好きなことも、「確かに」と思える。

130208TNK
ギターのタナカ氏は、パンク、ハード・コアをこよなく愛してきた。
未だにステッカーやバッジをつけることを好むのも、
それが影響しているかもしれない。

20代の頃は、何かにつけて「ダムド!」とか、「ディスチャージ!」とか、
大して意味もなく言っていた時期もあった。
メンバー募集のチラシなどに、
「土・日に練習できる人希望です」の表記が、
「土・日に練習できる人希望DEATH」と書かれていると
テンションが上がっていた。

ピストルズもラモーンズもメンバー4人の必修科目だったが、
成績はタナカ氏が抜きん出ているだろう。
そうした音楽が好きだという矜持を持っていると言ってもいい。

                      ◆

他のメンバーがほとんど聴かない音楽で私が好きなのは、
古いブルースとソウル・ミュージック。
それに50年代、60年代のオールディーズ・ミュージックだ。
家の中でなんとなく流したら、ずっとそのままにしてしまう。
要は全然邪魔にならず、ほっとするような気がするのだ。

それとメンバーが特に理解しがたいのが、
ライトなエレクトロ・ミュージックを好んでいることだろう。
機械的なサウンドに妙に癒やされるのだ。
今年に入ってから最も聴いたのは、
ダフトパンクが昨年リリースしたアルバムだ。
130208ダフトパンク
古いディスコミュージックをソフトにしたようなサウンドでクセになる。
配信で購入。1,000円だ。
この価格だと店に出向いてCDを買う気がしない。

ついでに、今年に入って最初のヒットとなった食べ物も紹介したい。
鶏の砂肝だ。
130207砂肝
宮崎県の南日本ハム()というところで製造された商品で、
西友元町店でしか見たことがない。

私は砂肝の独特の臭みがちょっと苦手で、自ら注文することはなく、
誰かが注文した「串盛り合わせ」で、砂肝が残っていた際、
たまに食べることがある程度だった。

ところが、年明けにカラオケの「歌屋」で食べた砂肝が
思いのほか美味しく、別の店でも食べてみようかと、
砂肝に開眼しそうな気配を感じていた時、
西友元町店で出会ってしまったのだ。
277円で、串にすると5本分くらい入っている。

さて、1週間後にはバンドの練習を予定している。
今年初のメンバー勢揃いなるか。
やり直しては繰り返し、またやり直して繰り返し、
そうやって少しずつ掴んでいく。
実に地味だ。
それが楽しい。

テーマ:ロック - ジャンル:音楽


今回は、私が選ぶ「2013・ブック・オブ・ザ・イヤー」。
2013年中に読んだ小説等の中から、
特に印象深かった作品を紹介するものである。

「新作部門」は、2012年~2013年に刊行された作品、
「旧作部門」は、2011年以前に刊行された作品が対象。
今回は、漫画部門まで設けてみた。

それでは、どうぞ。

【新作部門】
■第1位 高田郁「ふるさと銀河線」(2013年)
2013_ふるさと銀河線
地方の電車と、それにまつわる普通の人達の小さな日常を描いた
9つの短編が収められている。
そのうち、「ふるさと銀河線」を描いたのは2編。
無駄がなく、淡々と流れるような文章に引き寄せられるとともに、
周辺を描くことによって中心にあるものを浮かび上がらせる
巧みな筆致にため息がこぼれた。

どの作品も切なく哀しい。
その中に小さな希望が見える作品もある。
15年前に不慮の事故で亡くなった息子が、
旅先から、「良いところだ」と葉書を送ってきた町、陸別。
そこを訪れる父と母の心情を描いた「返信」。
それと、アルツハイマーになった母とその息子の物語、
「晩夏光(ばんかこう)」は特に胸が締めつけられた。
終盤の、たった一行で泣かされた。
10代後半の人からお年寄りまで、世代に関係なく親しめる作品だ。

■第2位 桜木紫乃「起終点駅」(2012年)
2013_起終点駅
北海道を舞台にした6つの短編集。

これほど北海道の地方都市を、風景描写だけではなく、
音や匂いまでも感じられるように描けていることがすごい。
天塩町に一人暮らしをしている老婆の短編は、
2013年に読んだ単独作品の中で最も心が揺さぶられた。

■第3位 葉真中顕「ロスト・ケア」(2013年)
      2013_ロスト・ケア
重度の介護が必要とされる老人を40人以上も殺害した男と、

介護に追い詰められていた被害家族を取り巻く物語。
介護の問題はきれいごとでは片付けられないことに、
ぐっと踏み込んだ内容であり、複雑な思いで読んだ。
ミステリ要素も含まれており、その点も功を奏した。

◆次点 山田詠美
  「明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち」(
2013年)
      2013_明日死ぬかも
長男の不慮の事故死をきっかけに崩壊した家庭が、

再構築されていく過程を描いた物語。
重苦しく、すさんだ場面が多いのだが、繊細な心の内側を
丁寧に整然と描いているので、美しささえ感じてしまう。
実に成熟した肌触りの優しい大人の文章に感動。

【旧作部門】
旧作部門は順位をつけずに3作品を。

■伊坂幸太郎「砂漠」(2005年)
      2013_砂漠
仙台の大学生男女5人の青春物語。

彼らそれぞれの持つマニアックな個性を、コミカルかつ生き生きと
描いており、読んでいて愛おしくなった。
筆者の持つ独特のユーモア、反骨心、スタイリッシュさが
いい具合に融合し、ああ面白かったなあ、と素直に思えた。

■船戸与一「虹の谷の五月」(2000年)
2013_虹の谷の五月
時は1990年代後半、フィリピンの田舎の村の少年の物語。

格差と貧困の中で不正が横行する地域で、少年は懸命に生き抜いていく。
濃密で、常に熱を持っている感じのする圧倒的な筆力。
小さな村の小さな出来事なのにスケールが大きく、
小説だからこその魅力を存分に味わえる傑作だった。

■柳広司「ジョーカーゲーム」(2008年)
      2013_ジョーカーゲーム
昭和10年代、陸軍に設置されたスパイ養成機関を描いた短編集。

徹底的にたたき込まれるスパイとしての行動規範の凄まじさや、
裏の裏をかくような展開の面白さに、ぐっと引き込まれる。
難しさや面倒臭さはなく、贅肉をそぎ落としたようにストイック。
クセになりそうな独特の雰囲気を楽しめた。

【漫画部門】
■渋谷直角
  「カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生」
      2013_カフェでよくかかっているJ-POP
漫画本を買ったのは中学生か高校生以来。

総合文芸誌「ダ・ヴィンチ」にて、この作品を紹介していたのだが、
タイトルだけでやられた。
読みたい欲求を抑えられなくなった。

最初の3、4ページではまってしまった。
痛い言動に笑えるとともに、ちょっと切なくなる。
誰しも持ち合わせている一面を誇大かつファニーに表現した感じで、
何気なく読み始めたら、時間も忘れて一気に読み終えてしまった。

以上です。
ありがとう、いい薬です。

テーマ:読んだ本の紹介 - ジャンル:本・雑誌



| HOME |

Design by mi104c.
Copyright © 2014 トゥナイト今夜もRock Me Baby, All rights reserved.