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11月24日のライブ、観に来てくださった皆さん、
寒い中、足を運んでいただきありがとうございました。

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セットリストは次のとおり。
1 蛇行する川
2 ロックンロールナイト
3 新しいギター
4 熱いブギをくれ
5 夜をどこまでも
6 三日月の舟

2001年以来、11年ぶりのベッシーホールでのライブだった。
90年代に最もライブをやった場所はベッシーホールだった。
今回久しぶりにステージに立ってまず感じたのは、
音響がすごく良かったこと。
広がりがありつつ層が厚い感じで音が返ってきて、
フィット感というか、しっくり感はこれまでで一番だった。
リハーサルの時、PAの方から、
「うちでやるの何年ぶりですか」と声をかけられたのも嬉しかった。

先日、脳のMRI検査を受けた際のアレルギーにまつわる話、
12月の衆議院議員選挙の話など、
ライブハウスという空間で特定少数の方々にしかできない、
愚にもつかないトークにお付き合いいただいたことも感謝である。

121124ライブ02 

今回のライブは、今年ずっと積み重ねてきたものを
30分のステージで気持ち良く放出することができた気がしている。
これまではライブが終わると、
また少しロックンロールに近づけた、というような感触があり、
「まだまだできる、もっといけるはず」という気持ちになったが、
今回は、今年やってきたことを出し切った感覚があった。
現在は空っぽ状態だ。
それはいいことだろう。

2012年のライブ活動はこれで終了だ。
空っぽになって、
そのうち少しずつ何かが湧きあがってきて、
やがてあふれ出しそうになって、
また動き出さずにはいられなくなる。
石は転がっていく。

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テーマ:バンド活動♪ - ジャンル:音楽


ライブが間近になった。
改めてお知らせを。
我々、ザ・ハート・オブ・ストーンの出番は19時40分です。

■日時 2012年11月24日(土)19時スタート
■場所 ベッシーホール
         
(札幌市中央区南4西6晴ればれビルB1)
■料金 1,500円
■出演 Juilliard/レンジ・オブ・モーション/
       The Black SheepsTHE HEART OF STONE

121110 the heart of stone

今回は新曲を披露する。
タイトルは「蛇行する川」。

蛇行する川

蛇行する川には蛇行の理由あり
寄り道 回り道 東へ西へBABY
あいつは先に行った とっくに先に行った
ところが今じゃどうだい どこかへ消えちまった

激しい雨が降って 今夜はUP SIDE DOWN
前に向かうだけが挑戦だなんてオレは思ってない

蛇行する川には蛇行の理由あり
近道などしたら足をとられるのさ

冷たい風が吹いて 今夜はIN SIDE OUT
増やしていくだけが繁栄だなんてオレは思ってない

蛇行する川には蛇行の理由あり
味のある曲線 描いていくぜBABY

踊り場でロックミュージック 今夜はBACK IN BLACK
上がっていくだけが成功だなんてオレは思ってない

               ◆

ジミヘンとAC/DCのエッセンスを
和風にアプローチしたようなサウンドでありアレンジである。
ただし、メロディは私ならではの「あや」が全面に出ており、
ジミヘンやAC/DCっぽさは全くない。

特に「今夜はUP SIDE DOWN」の部分は典型的なクグエ・メロだ。
UP SIDE DOWN」は、英語しかのらない微妙なメロディ。
そのため、この箇所は、2コーラスでは「IN SIDE OUT」、
3コーラスでは「BACK IN BLACK」と、
私にとっては異例なほど英語を用いている。
なお、「BACK IN BLACK」の箇所では、
AC/DCの「BACK IN BLACK」の冒頭のギターのリフを挟み込んだ。

そんな面影はないかもいれないが、
この歌詞は釧路湿原を流れる川をイメージしながら、
さくっとしたものにしようと考えながら書いた。
歌詞の仕上げは、実際、釧路湿原に行ってからにしようと思っていたが、
1泊2日では時間が足りず、かといって2泊3日分の時間をとれなかった。
シンプルでストレートな根性の足りない言い訳だ。

人生は蛇行する川のごとし。
直線的な流れのスムーズさもいいが、それだけではなんとも味気ない。
直線の川は護岸整備がしっかりと施されているものが多く趣が足りない。
誰もがそういうわけじゃない。
むしろ、蛇行したくない人の方が多いだろう。

でも私はちょっと違う。
急ぎすぎず、その場で楽しみながら進んでいけばいい。
そこに留まっていたっていい。
踊り場で、上の階へ登れないことで焦って頑張ってしまうよりも、
BACK IN BLACK
を聴いている方が、
きっと私もメンバーも豊かな人生になるんじゃないのか。

テーマ:音楽のある生活 - ジャンル:音楽


今回もまずはライブのお知らせを。

■日時 2012年11月24日(土)19時スタート
■場所 ベッシーホール
         
(札幌市中央区南4西6晴ればれビルB1)
■料金 1,500円
■出演 Juilliard/レンジ・オブ・モーション/
       The Black SheepsTHE HEART OF STONE

ザ・ハート・オブ・ストーンの出番は19時40分。
我々にとって、今年最後のライブです。
よろしくお願いします。

             ◆

さて、江差線巡りの後編である。
JR北海道から、平成26年度の始めに廃止される方針が
打ち出された木古内―江差間、約42kmを訪問した。

この路線は、道道5号線がほぼ並行して走っているが、
上ノ国町市街地を除けば大きな集落はなく、
交通量が極めて少ない道である。
私はこの道を通ったことがなかった。

江差線・後編9
木古内駅から北上し、まず登場するのは「渡島鶴岡駅」。
なかなか駅を見つけられなかった。
通り過ぎたことに気づき、道を戻るが、
また見つけられず、木古内の市街地の辺りまで来てしまい、またUターン。
そんな行ったり来たりを繰り返してやっと発見。
無人駅の旅はこういうことが多い。

続いては「吉堀駅」。
見てくれ、この雑然とした駅前を。
江差線・後編1 

雑草をかき分けて乗降口へ行くのだ。
それでも人は電車に乗る。
想像力をかき立てられる味わいのある駅だ。
江差線・後編2

ここから道道は、木古内町と上ノ国町をまたぐ稲穂峠に突入する。
カーブの多い小さな山越え。
どこを見ても紅葉真っ盛りだった。
江差線・後編3

峠を下り終わった辺りのカーブの途中、横に細い道があった。
まさかここが神明(しんめい)駅につながる道ではないだろうと
思いつつ、試しに入ってみる。
数百メートル進むと突然、駅が現れた。
江差線・後編4

駅舎も、そしてホームも板張り。
森の中にひっそりと佇んでいる。
この空気感がたまらない。
駅舎も周囲もきちんと掃除されていた。
こうやって誰かに支えられていることでまた胸が熱くなる。
江差線・後編5 

何かを語りかけてくるような駅で、
なかなかここを去ることができなかった。
しかし、寒いので10分ほどで駅を後にした。
寒さは感動をも飲み込んでしまうのか。

ここから先も、田舎のありふれた風景の中にぽつんとある、
愛おしくなるような駅が続いた。
山道は終わって平野となり、空や風や草木の雰囲気が、
海が近づいていることを気づかせてくれる。
上ノ国駅を過ぎると、いきなり海が広がった。
江差線・後編6

そして江差駅に到着。
江差線・後編7 

1年半後にこの駅が使われなくなることを思うと、
勝手に寂しい気持ちになる。
しかし、様々な事情があってのことだ。
部外者である私が軽々に「残してくれ」というのは不謹慎だろう。
江差線・後編8

江差駅までの道中、電車が走っている場面にも出会った。
廃止による需要増と紅葉時期が相まってなのか、結構な人数が乗っていた。
交通量の少ない道路沿いの小さな集落にある無人駅はやはり良い。
廃止前にもう一度、今度は電車に乗ってみようかなと思えた、
そんな秋の終わりの江差線だった、LIFE GOES ON

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まずは、ザ・ハート・オブ・ストーンのライブのお知らせを。

■日時 2012年11月24日(土)19時スタート
■場所 ベッシーホール
          (札幌市中央区南4西6晴ればれビルB1)
■料金 1,500円
■出演 Juilliard/レンジ・オブ・モーション/
       The Black SheepsTHE HEART OF STONE

ザ・ハート・オブ・ストーンの出番は19時40分。
今回は6曲演奏をする予定です。
よろしくお願いします。

                ◆

9月上旬、JR江差線が平成26年度初頭に廃止される
という新聞記事を目にした。
JR
北海道がそういう方針を打ち出したという。
まだ正式決定ではないものの、新幹線開業の絡みと、
利用客数がJR北海道の中で最下位の路線であることを考えると、
存続はかなり厳しいものと思われる。

なお、廃止が打ち出された区間は、江差線の一部である。
江差線は、函館の五稜郭駅から江差駅までの約80kmの区間。
そのうち五稜郭-木古内間は
第三セクターに転換され存続されることが決定済。
廃止が打ち出されたのは、木古内-江差の約42kmの区間である。

「道の駅より無人駅」志向の私にとっては、
そのまま通り過ぎてしまうわけにはいかない新聞記事だった。
木古内-江差間は、江差駅以外訪問したことがなく、
その沿線に並行して走る道道5号線を通ったこともない。
ならば行かねば。行くならば紅葉の時期に。
そう考えた私は、11月最初の土日にそれを実現した。

本来の目的は、木古内-江差間にある駅を訪問することだった。
ただ、五稜郭-木古内間は車で通ったことはあれど、
その沿線にある駅をひとつとして訪問したことがなかったため、
五稜郭から江差まで、コンプリートに訪問することにした。

11月3日土曜日に函館に宿泊し、
11月4日日曜日の朝、五稜郭駅から出発した。
連日、雨模様だったが、この日は晴れ間がのぞいた。
上磯から見た函館山は幻想的だった。
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五稜郭から上磯まで(五稜郭・七重浜・東久根別・久根別・清川口・
上磯)は、海沿いの国道には郊外型店舗が、内陸側は住宅地が続く。
この区間は、駅を見つけるのに苦労した。
住宅街の入り組んだ細い道沿いに駅があったためだ。
通り過ぎて、戻って探すことの連続だった。

茂辺地(もへじ)駅からは、海岸沿いの田舎町たる雰囲気になり、
気持ちが穏やかになると同時に、胸底に沈んでいた気泡が
水面に向かって立ち上るように無人駅マインドが動き出す。
ただ、木古内までは本州と行き来する路線でもあるため、
どの駅も線路が2本ある。そのせいか、心地よい侘しさに欠ける。
とはいえ、「こういう集落のこの場所に駅があるのか」という感動は
あり、また、どの駅も、これまでに見た無人駅と比べると、
駅舎がきちんと掃除されており、きれいな感じがした。

例えば、泉沢駅の駅舎。
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間違って他人の家の居間に入ってしまったのかと思った。
テレビや台所や洗濯機があるのではないかと探したほどだ。
こういうストーブを見ると、ストーブの上にアルミホイルをのせ、
スケソのみりん干しを焼いて食べた昭和50年代前半の
冬の夜を思い出す。
まさしくここは、津軽海峡の冬景色が見られる場所だ。

渡島当別駅は、はいからだった。
どういうわけか駅舎が教会であり郵便局だった。
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なお、ご存じのとおり、私は車で無人駅を訪問する邪道のマニアである。
途中、木古内町内の国道沿いで、気になる地名を発見。
「橋呉(はしくれ)」である。
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「端くれ」ではないところが、妙に味わい深い。
「端くれ」を辞書でひけば、「取るに足らない存在ではあるが、
一応その類に属している者」と書かれている。
まさしく私は無人駅訪問者の端くれである。
驚いたのは、この「橋呉」という地区が、
100mもしないうちに「幸連」(こうれん)という地区に
変わったことである。
100mほどの間に民家は2、3軒しかなかった。
「橋呉」という住所を持っているのは、その2、3軒の方だけなのか、
非常に気になった。

そして、木古内駅に到着。
木古内駅は青森方面とを結ぶ特急の停車駅であり、かなり大きな駅だった。
青森行きの便は結構な本数があることを初めて知った。
これならば、ちょっと青森に出かけてみようかという気持ちになる。

木古内駅で昼の12時を迎えた。
ここで昼食をとろうと決めた。
駅のすぐ前の通りに、見過ごすわけにはいかない店があった。
「急行」である。
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どう見ても無視することはできない佇まいである。
暖簾がないため、営業しているのかどうかを確認するため
入口をのぞいたら、「営業中」と書かれた小さなプラスチックの板が
掲げられていた。

ただ、一筋縄ではいかないであろうと感じさせる店構えだったので、
木古内駅の1階の売店のおばさんにリサーチ。
他の町から食べにくる人が多く、ちょっとした有名な店であることや、
メニューは焼きそばのみであることを知る。
ちなみに、その売店で売られていた木古内産のニンニクは、
ひとかけが大きく、臭みはないのに、香ばしくキレのあり、
これまでに食べたニンニクの中で最も美味しかった。

さらに、客待ちをしていたタクシー運転手のおじさんにもリサーチ。
やはり、焼きそば目当ての他市町村からの客が多いとのことだった。
ただ、タクシー運転手のおじさんも、売店のおばさんも、
味については、もごもごとした反応だった。
「ソース焼きそばなんですか」との問いにさえ、
「ソースっていうか、まあ、なんていうかね。あんたどっから来たの?」と
唐突にはぐらかされる始末。
これが逆に私のチャレンジ・スピリットに火をつけた。
味はともあれ、少なくとも話のタネになる店であると確信したからだ。

そして入店。
昭和40~50年代の風情のある壁、床、テーブル、空気感。
「何かがある、何かが起こる」という期待を抱かせる。
客は30代前半と思われるカップルだけだった。

店に入ったものの、しばし無視される。
新たな客が入ってきたことはわかっているはずだ。
やり場なく、空いている席に座る。
1分経ち、2分経つも、店の人から声をかけられず、水も持ってこない。
どこまでこの状態が続くのか、もう少し粘ってみようと思ったその時、
「3番の人、何にします?」と、店のおばさんの声が。

そういう質問をされる状況にあるのは、店内で私しかいない。
だとしても、私は反応できなかった。
初対面の人を番号で呼ぶという、この店のしきたりに対して、
安易に反応すべきではないという気持ちが働いたからだ。

程なくして再度、「3番の人、何にします?」と聞かれた。
やはり番号で呼ぶスタイルで押し通すのか。ここはどこなんだ。
そう思いつつも、焼きそばを注文。
それに対して返事はなかった。

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焼きそばを待っている間、50代の男性客が来た。
黙ってカウンター席に座り、壁に掲示されたメニューを見ていた。
すると店のおばさんから、「焼きそばしかやってないから。
並か大盛りね。大盛り頼む人の方が多いけど」と声がかかった。
男性客は、寄り切られたような感じで、「じゃあ焼きそば大盛りで」。

20代半ばの男性客も来た。
これから電車に乗るらしく、持ち帰りをしたいと告げた。
それに対して店のおばさんは、「持ち帰りは焼きそばしかできないから。
大盛りの方が早くできるけど」と強い口調で応えた。
男性客は、わけがわからないような表情で、焼きそば大盛りを注文した。

来る客全員に焼きそばしかないことを告げているのだろうか。
メニュー表は変えず、口頭で焼きそばしかやってないことを告げる。
コミュニケーションを広げるため、そうしているのか。
いや、全くそうは思えない。

そして焼きそばが運ばれてきた。
店のおじさんは、予想通り黙って焼きそばをおいていった。

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甘みのある薄味のソース焼きそばだった。
カドがない優しい味で食べやすかった。
応対はハードだが、味はマイルドだった。

生まれ故郷にこの焼きそばがあり、
高校時代、土曜の昼にしょっちゅう食べていたとすれば、
大人になって故郷を離れてからも、
故郷へ帰るたびに食べたくなるような、
素朴ながらちょっと特別感のある一品だと思った。
無愛想さも含めて懐かしさと温かみを感じる味だろう。

焼きそばの並を食べたのだが、量は少なく、おやつレベルだった。
この量ならば食が細くなってきた中年男性でも大盛りが妥当かと思えた。
ただ、油が多めなので、大盛りだと飽きるかもしれない。

いずれにしても、面白い体験をすることができた。
決して愉快な気分にはならなかったが、
木古内の思い出ができたのは間違いない。
ならば愉快だったと言うべきだろう。
ごちそうさまでした、お体に気をつけて。

そして私は、木古内から江差に向かった。
後編へつづく。

テーマ:北海道 - ジャンル:地域情報


ここ数年、ぜひライブを観てみたいと思っていた女性シンガーは、
山本潤子さんと浜田真理子さんだった。

10月上旬、栗山町に出張した。
用務が終わり、JR栗山駅で電車を待っていた。
電車が来るまで15分ほど時間があったので、
駅と隣接しているカルチャープラザという施設をぶらぶらした。

そのとき、山本潤子さんのポスターを目にした。
よく見てみると、北広島市で開催されるコンサートのポスターだった。
コンサートの日まで間近だったので、
すぐにチケットを入手しなければと思い、
その場でi-phone4を取り出して調べた。
しかし既に完売であることを知った。

なんとも残念な気持ちで、岩見沢行きの普通電車に乗った。
情報が多すぎて、ほんとに欲しい情報が得にくくなっているのか、
などと思いつつ、長閑な田園風景の中を電車に揺られた。

山本潤子さんは滅多に北海道でライブをしないだろう。
その数少ない機会を逃したショックは夜まで続いた。
夕食の後、大好物である栗ようかんを食べながら北海道新聞・夕刊を見る。
そこで小さな奇跡に出会った。
浜田真理子さんが札幌にライブに来るという記事を発見したからだ。

浜田さんは、松江市在住のピアノ弾きのシンガー。
インディーズ・レーベルからのリリースしかないものの、
優しく温かく静かな強さのある彼女の歌のファンは全国にいる。
あまり島根県以外の地でライブをしない方なので、
札幌でライブをすることを、にわかには信じ難かった。

ライブは150席限定だったため、
早急にチケットを入手しなければと思い、
早速、翌朝アピアのローソンで購入した。
職場の上司には、ライブの約1か月前にもかかわらず、
「11月2日は、なんとか定時に帰らせでいただきたいと思う次第で
ありまして」などと、神妙な面持ちで勝手に定時帰りを予約した。

そして無事、浜田さんのライブに直接触れることができた。
121102浜田真理子ライブ 
↑開演直前の会場内。お客さんは50代、60代の方が多かった。

開演は午後7時。
会場は時計台ホール。その名のとおり、時計台の中にあるスペースである。
浜田さんは6時58分に登場。
お辞儀をして静かにピアノの前に座る。そして沈黙。
そのとき時計台の鐘が鳴った。
鐘が鳴りやみ、浜田さんのピアノが始まった。
1曲目は「あなたへ」という曲。
私が最も好きな曲である。
なんとも感動的なオープニングだった。

浜田さんのピアノ・プレイは、基本的に打ち数が少ない。
それがすごくいい。
矢野顕子さんにしても、それを真似る清水ミチコ氏もそうだが、
私は打ち数の少ないピアノが大好きである。

浜田さんの曲は、日本語の美しさを気づかせてくれる。
昭和的な言葉の使い方がすごく落ち着くし、引き込まれていく。
そういう歌詞があるわけではないのに、
海や風や雨の歩道や故郷の景色が、ふっと頭の中に現れる。
それと、「生」と「死」というものへの思いが強く感じられた。

トークも自然体で心地よかった。
私だけがそう感じるのかもしれないが、
トークから曲への流れは、なんとなくベッドサイドトークのようで、
場数を踏んだ大人の雰囲気と音楽への愛が滲み出ていた。

121102浜田真理子ライブ2 

この日最も引き込まれたのは、「骨董屋」という曲。
さらっとしているのに豊かな深みのある彼女の声と、
甘美なメロディに、ぐっと心を持っていかれた。

アンコールの1曲目は、「恋の町札幌」。
やはり、この街の曲をやってくれるのは嬉しいものだ。
そして、アンコールの2曲目、これがラストだったのだが、
私が浜田さんに興味を持つきっかけになった曲、
「水の都に雨が降る」を演奏した。

 夢で見たような銀色の空を
 トタン屋根越しに仰いでみる
 
 松江に雨が降る 古き水の都
 傘を広げひとり バスを待つ

 ここへ帰るのは何度目だろうか
 迎える景色に温もりがある

 松江に雨が降る 古き水の都
 傘をすぼめひとり バスに乗る

 置いてきたいくつかの思い出のかけらを
 温めるわたしに雨はやさしい

 松江に雨が降る 古き水の都
 変わらぬ町並みを バスは行く

私にとっての理想の歌詞である。
なんでもない故郷の日常の景色を温かく、
でも、ちょっと切なく描いている。

この日の札幌は雨だった。
連日、夕方から雨が降り、多少うんざりしていたのだが、
ライブの心地よい余韻に浸りながら、
傘を差して帰る秋の終わりも悪くないと思った。

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