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今回は、そば。
2009年1月29日の記事「冬場は近場でそばを食う」に続いて、
オール東区の店である。

私の食べ物記事に関する文章は、
料理そのもの以外に言及することが多く、

やけに長くなってしまうことが多い。
今回は、しゃきっとまとめたいということを意識して、
1店10行を基本にコンパクトにまとめてみた。

しかし、それだけでは物足りないので、
そばレヴューの後は
、関係あるようなないようなことを語っています。
まずは、そばレヴューを。


■安曇野/えび天そば 950円
   (札幌市東区北28条東18丁目)
安曇野/店 
2009年10月にオープンした店。
札幌新道近くの、ござっぱりとした退屈な市道沿いにある。
斜め向かいにあるのは、スーパー銭湯「こうしんの湯」。

つゆは抑制の利かせ方に品があり、柔らかい味。
そば(二八)も天ぷらも、奇をてらわず、
まとまりのある確かなものに仕上がっている。
万人ウケする味でありつつも、品の良さがあるといいますか。

安曇野/えび天そば 
ただ、「これ!」という、わかりやすい特徴がない。
この点が、リピート力にどう影響してくるか。
とはいえ、土・日は、中高年客を中心に結構混んでいます。

■東家美香保店/そばセット 900円
   (札幌市東区北24条東6丁目 宮の森・北24条通沿い)
そばの太さは、まさに普通。そして柔らかめ。
つゆは、ダシも甘さも辛さも薄め。そしてぬるめ。
まさに、昔からある大衆的なそば屋のそばという感じで、
子供の頃、外食で食べた郷愁のようなものを感じるそばである。

そばセットには、天ぷらとライスがついてくる。
天ぷらの数は意外に多いが、どれも小さく薄い、ワオ!

東家美香保/そばセット 
勝手な思いこみだが、盛り上がってる時やノッてる時よりも、
何かぱっとしない時に行った方が、良さを感じる店かも。
「うまいそばを食べるぜ!」と気合いを入れて行くよりは、
「とりあえず、そばでも食べて、今日はおとなしくしてましょうや」
という気持ちの時に、この店は、とても優しい気がする。

■粋喬/ミニ天丼セット 950円
   (札幌市東区北40条東16丁目 東豊線地下鉄通沿)
粋蕎/店 
店名は「すいきょう」と読む。
明るくきれいな小さな店。
店内にはズージャが流れていたのさコルトレーン。
和風モダンな喫茶店のようでもある。

そばは細め。香りが良く、品が良く、非常に美味しい。
つゆは甘め。しかし、すっきりしているので、すぐに慣れる。
クオリティが高く、きちんとさが伝わってくる良いそばだと思います。

粋蕎/ミニ天丼セット 
天丼は、天ぷら小さめ、かつタレが少ないため、ライスが残る。
しかも、そばが上質なわりに、ライスの質は「…」かと。
再訪したい味である。次回は、セットではなく、そば一本で。

■大山/羽幌産甘海老かき揚げそば 950円
   (札幌市東区本町2条3丁目)
大山/店 
環状通の一本内側を走る狭い市道沿いにあるお店。
風情も実情も完全に裏通りで、人も車も少なげ。
そのため、こんなところにそば屋があるの?と、若干驚く。

日曜定休で、営業時間は11時から15時まで。
強気な設定というか、効率的な設定というか、
自宅からは近くとも、仕事とは無縁の地域であるため、
訪問チャンスは土曜の昼しかない。

そばは平打ちの細めで、やや、もそもそ感のあるタイプ。
つゆは黒っぽく、やや辛めの大人味。
大衆味というよりは本格味で、まともに美味しいです。
そばの雰囲気からすると、冷たいそばの方が、より良さが出るかなと。

大山/海老かき揚げ 
食べたのは、羽幌産甘海老かき揚げそば。
「羽幌産甘海老」というワードに惹かれて、衝動的にオーダー。
完全に「かき揚げ」という部分を見落としていた。
それに気づいたのは、そばが出てきてから。
甘海老の天ぷらが、いくつものっているのを想像していたが、
現実は、甘海老を含むかき揚げだった。

えび、いか、ホタテなどの海鮮のみのかき揚げは大好きである。
ところが、人参とタマネギがインされたかき揚げは苦手である。
これらの野菜は、私の味覚では天ぷらに合わない。
特に、タマネギはつらい。
タマネギは基本的に好きである。
しかし、ナポリタン、酢豚、そしてかき揚げに使われると、
苦みが前に出てきて、その料理の良さを消すように思う。

「羽幌産甘海老かき揚げ」は、タマネギがインしていた。
「羽幌産甘海老」の文字だけに気を取られ、
甘海老オンリーの天ぷらだと早合点した己の浅はかさを悔いた。
そば自体は非常に美味しいです。
接客も非常によろしかったです。

    ◇     ◆     ◇


冒頭で「今回のレヴューは1店10行を基本とする」としたが、

その考えは、4店目で崩壊した。
タマネギに対する私のどうでもいい思いを綴ってしまった。
こんなことでは、のら犬にさえなれないぜ。

ところで、話は変わるが、
営業時間が「11:00~スープがなくなるまで」などと見ると、

いつも疑問を持ってしまう。
営業終了のタイミングは、ほんとにスープがなくなった時なのか?
と思ってしまうのだ。
スープがなくなるまでなら、いつまでも閉店できない店もあるはずだ。
つまり、実はスープがなくなる前に閉店している場合は多いだろうと。

逆に、例えば営業時間は「11:00~20:00」としているのに、
いつも17時には、スープ切れにより閉店しているような店もある。
にもかかわらず、公表している営業時間は変えない。
発する側は騙しているわけではないだろうが、
受け取る側は騙され気分になってしまう。

きちんとした基本的な営業時間だけは示していただきたい、礼儀として。
でなければ、遠くから食べに来た人などは浮かばれない。
その人は悲しむだろうし、その人の家族や友人も悲しむだろう。
人気店の傲慢さや、行列店のおごりがありゃしないかと。

このことは、「一瞬、いいですか?」と割って入ってきて、
2分くらい話されるのと少し似ている。
全然「一瞬」じゃないだろうって。

2分くらい話されるのは別にいい。
「一瞬」と、公然と嘘をつくのがたまらなく嫌なのだ。
最初から「一瞬」ではないとわかっていながら、
「一瞬」という偽りの言葉を平然と使う。
悪気がないのはわかるが、
相手を騙していることに気づいていないことに対して、
いとうあさこ風にいうと、なんかイライラする。


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テーマ:蕎麦屋 - ジャンル:グルメ


過日、東京03・札幌公演(4月3日)のチケットを、
発売翌日に購入しようとしたところ、完売の憂き目にあった。
完売なのでどうしようもない。
真矢みき氏に、「あきらめないで!」と、
生気にあふれた表情で、力強く言われても、あきらめるしかなかった。

ところが、先日レディオを聴いていたら、
東京03・札幌公演の追加公演が決定し、
チケット発売日が2月25日であることを知った。
このブログに時々コメントをくださる、東京03フリークの
マキシさんからも同様の情報が提供された。

追加公演は、4月3日13時開演。
本公演が4月3日17時開演だったので、条件は同じと言ってもよい。
真っ赤なスーツの真矢みき氏に、「迷ってないで!」と、
華麗なアクションを交えて言われる前に、
既に私に迷いはなかった。

本日2月25日の昼休み、
職場近くのサンクスにある「電子チケットぴあ」に
チケットを買いに出かけた。
機械を操作していると、チケットの残り状況が「」マークだった。
発売開始2時間にして、既に「」ではなかったことに驚いたものの、
とりあえず購入できることに安堵。

指定された席は、「こ」列だった。
かなり良い席ではないか。
あいうえお順ならば、10列目である。
まさか、いろは順ということはないだろう。

追加公演だからこそ良い席をとれたと思う。
本公演で10列目をゲットするのは、
発売日の発売開始時刻に購入を試みても無理だったのではないか。
ラッキーだった。
まさに、「棚からぼたもち」であり、
「バッド・ラック転じてグッド・ラックとなす」、
「失敗はサクセスのもと」、「負けるがビクトリー」である。
そして、CMを見れば真矢みきに当たる。

テーマ:日記 - ジャンル:日記


職場の昼休み、毎日20分程度、読書をしている。
その後、10分程度、睡眠する。
しかし今日は睡眠をしなかった。
なぜなら、バンクーバー五輪・女子フィギュアスケートを
観戦したからだ。

さすがは人気競技。
今日の昼休み観戦者は、今回の五輪が始まってから最大人数だった。
10人強がテレビの前に集まった。
ただ、「オリンピックなんかで盛り上がってんじゃねえよ」という空気も
室内の一部に感じたような、そうでないような。
曖昧模糊に表現するしかない哀しさよ。

さて今回はブック・レヴュー。
どれも読み甲斐のある作品でした。
それでは、どうぞ。

■北村薫「街の灯」
       北村薫/街の灯 
2002年リリース作品。

時代は昭和7年。
主人公は10代半ばの女学生、英子(えいこ)。
彼女は巨大財閥の娘。上流階級のお嬢様である。
使用人のいる豪邸に住み、彼女には専属の運転手もいる。

運転手は20歳くらいの女性。
自動車を所有していることが珍しい時代に、
専属の運転手がいて、しかも若い女性である。
彼女は、どういうわけか文学に精通し、拳銃の腕も一流。
いつも落ち着いて、きりりとしている。
この物語においては、影の主役のような存在である。

全体的に描かれているのは、時代の風景と女学生の日常であり、
そこにミステリ要素を沿えた感じのつくり。
カレーライスに対する福神漬のような、
とんかつ定食に対するキャベツのような位置づけで、
ミステリ要素を絡めている。

ミステリの題材は、近所で起こった変死事件の真相、
英子の兄に送られてくる品物から導き出せる暗号など。
英子がこれを、女性運転手の言葉をヒントに解明していく。
女性運転手は、控えめで謙虚に描かれ、謎めき加減などは丁度いい。

この作品は、ミステリというよりも、上流階級同士の付き合いの妙や、
英子が、有能な女性運転手との交流を通じて、
世間知らずのお嬢様から、一人の人間に、そして、一人の女性に
成長していく物語だと捉えて読むと、より面白く感じると思う。
そんな雰囲気を楽しむ文学作品かなと。

ただ、現代あまり聞かないような難しい言葉が頻繁に使われ、
ピンとこないところが多く、映像もイメージしにくかった。
展開も唐突で、一読では状況変化について入けない箇所がいくつもあった。
とはいえ、文章は清楚で端正。
もやっとしたまま読み進むのだが、読み終わると、
「いい作品だったかも」と、じわっと上質ぶりを感じた。

いわば、高級ホテルのオムライスのような作品なのだが、
街角の大衆チャーハンに慣れた私には、すぐに美味しさは感じなかった。
けれども、食べ終わると何かが違った気がして、
なんとなくもう一度食べてみたいような、そんな気持ちになった。

■薬丸岳「悪党」
        薬丸岳/悪党 
主人公は29歳の探偵。元警察官である。
今回の依頼者は、11年前に一人息子を殺された親。
加害者は当時17歳。
少年犯罪だっため、数年で社会に戻ってきた。
依頼内容は、その加害者が、今どこに住み、
どんな生活を送っているのかを調査してほしい、というものだった。
それを発端として、加害者と被害者のその後の在り方を描かれている。

出演者のほとんどは、過去に痛ましい経験をし、
現在もそこから抜け出せずいる人々。
主人公である探偵も、中学生の時に、姉を未成年者に殺されている。
彼は、依頼のあった仕事をこなしつつも、
自分の姉を殺した加害者の現在も探っていく。

過去に身内を殺害された人が、あまりに多く登場し、
ストーリー上のバランスとして、
横への広がりに対して、縦の掘り下げがやや浅いかなと。
読んでいくなかで感じたことの整理がつく前に、
別の展開に食われていくようなところもある。
そのせいか、壮絶な内容で、考えさせられることも多いわりに、
読後感は微妙にあっさりしているというか。

とはいえ、わかりやすい文章表現で、展開が明確であり、
無駄な掘り下げがない分、どんどん読めてしまう。
読み物としては、十分に面白く、
加害者、被害者双方の心情を、
徹底して硬派に切り込んでいる点も評価。

読んでいる間は、気持ちがずっとどんよりした感じ。
ダイレクトに痛いセリフも多く、
行き場のない気持ちが伝わってきて辛くなる。
しかし、物語の後半、主人公が、4年ぶりに実家に帰った場面。
娘を過去に殺された父が息子に言うセリフ。
「いつでも笑っていいんだぞ。
 いや、笑えるようにならなきゃいけないんだそ。
 おれたちは絶対に不幸になっちゃいけないんだ」
この一言に救われます。

■佐藤優「国家の罠」
佐藤優/国家の罠 
2005年作品。
筆者は、元外務省の職員。
ロシア外交のための情報収集に携わる主任分析官だった。
2002年に背任罪容疑で逮捕。その後、偽計業務妨害容疑で再逮捕。
512日間の勾留中に受けた取調べを軸に、事件の真相を解説したもの。

端的に言うと、この背任罪は、
イスラエルで開催された国際学会の経費について、
外務省のマネーを違法に支出したというもの。
偽計業務妨害は、2000年に、国後島に発電所を建設するに当たり、
三井物産が落札するよう便宜を図ったというもの。

これらは、ムネオハウスだ、疑惑の総合商社だ、などと騒がれたことに
関連した事件である。
筆者は、鈴木宗男氏と極めて密接な関係にあった。
当時、ワイドショーや週刊誌は、鈴木氏の横暴ぶりを盛んに報道した。
そこで検察が動いた。
外務省は筆者に罪を着せ、逮捕への道筋を作った。
これを突破口に、鈴木宗男氏逮捕に向けて一気に動いた。
と、筆者は綴っている。

あくまで筆者方向からの見方、感じ方なのだが、とにかく壮絶。
検察が周りをどんどん固めていき、自らに危機がせまってくる。
自分は違法だという意識はないのに、
違法ありきで犯罪を成立させるストーリーが強引に作られていくさまは、
ぞっとするような怖さがあった。

怖いどころか、気持ち悪くなった。
自分に全く身に覚えのないことで、
誰かの手が伸び、何かにはめこまれているのではないかと、
根拠のない不安に襲われ、憂鬱な気持ちになったほど。

それほどにエネルギーのある内容である。
執拗な取調べに、普通の人の精神であれば、確実に参っている状況だが、
一貫して正面から理論的に違法性を否定。
まさに、筆者の「まじ、やってらんないって」という、
やりきれない気持ちが爆発している。

それにしても、筆者の記憶力はすごい。
事件の経過は、極めて精密で克明である。

当時の外務大臣、田中真紀子氏のやりたい放題ぶりも描かれている。
決まっていた人事を強引に元に戻したり、
指輪紛失のせいでイラン外相との階段に遅刻したり、
確かにそういう出来事があったなと。
また、田中真紀子と鈴木宗男の闘いの構図も、わかりやすく書かれている。

我々が日頃、映像や文字で見ていることは果たして真実なのか、
と思えてくる。
人々は、ワイドショーと週刊誌の中吊り広告に書かれたことが
事実であると認識してしまい、物事は動いていく。
ほんとに怖い。

目立たぬように、はしゃがぬように、
ひっそり消極的に生きていこうかなと考えてしまうほど、
元気とやる気を奪う作品でもある。

しかし、スポーツ選手や芸能人などが、
「国民に夢や感動を与えたい」とか、
「みんなに元気と勇気を与えたい」とか、
大上段から発言されるよりはずっといい。

夢、感動、元気、勇気みたいなものは、
無理するものではなく、自然に発生するものでありたいなと。
その場合、場の空気やタイミングなどがポイントになるわけで、
例えば、心地よい平穏を楽しんでいる時に、
えらく元気な人に接すると、こちらは元気がなくなってしまうような。
そんな勝手なこのオレ、ロック・ミー・ベイベー。
けれどどうにもできない、ベイビー・ロック・ミー。

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌


2月22日、月曜日である。
来週の月曜日は、もう3月なのだ。
先日、ライブを終えたばかりだが、
実は3月にもライブ出演する。

日程等は次のとおり。
◆日時 2010年3月20日(土)
      OPEN 17:30 START 18:00
◆場所 ホール・スピリチュアルラウンジ
     (札幌市中央区南2西4)
◆料金 前 1,000円 当 1,500円
◆出演 CARMINE MADDER/BETTER/
      GOOF/Sail/THE ROCK‘S/もせうし/
        THE HEART OF STONE

このライブを終えたら、3、4か月ライブは控え、
新しい曲や、既存の曲の別アレンジなどに取り組もうと思っています。
見に行こうかという方で、出演時刻希望があれば連絡願います。
詳細はまた後日お知らせします。

さて、今回はスープカレー。
久しぶりに訪問した店2軒と、新しい店2軒を。
よろしくロック・ミー。

■ルッカ・パイパイ/チキンベジタブル 900円
   (札幌市豊平区平岸3条6丁目 南向き)
ルッカパイパイ/店 
4年ぶりくらいに訪問。
この4年の間に、何度か店の前に来たことはあったが、
クローズしていたり、駐車に困ったりと、
バッド・タイミングのせいで足が遠のいていた。

力強いトマト系のスープながら、甘みやコクが適度に抑えられ、
後味があっさりしているのが私には有り難い。
食べた後に体内からホットなメッセージが伝わるような、
芯のある辛さなのも嬉しい。

ルッカパイパイ/チキン 
ほんのりと、スリランカ狂我国のカレーっぽいスメルがする。
スリランカ狂我国よりスパイス抑えめで、マイルドな、そんなスメルである。
なお、ティーンズ・スピリットのようなスメルではない。

豊平にある「棗や」(なつめや)とも系統的に近いか。
思えば、棗やも、ルッカ・パイパイも、
音楽性あふれるオールド・アメリカンテイストな店である。
ただし、棗やが、オールド・ロックなのに対して、
ルッカ・パイパイは、ハードでコアなスメルがした。
しかし、ティーンズ・スピリットのようなスメルはしなかった。

余談だが、この店の向かい側にあるパン屋「りんごの木」は、
近所の人やパン・フリークスの間では、とてもフェイマスな店。
レトロ的外観も魅力的で、
「アド街・平岸」をやるなら、間違いなく紹介されるだろう。

■Kanakoのスープカレー屋さん/柔らか骨付きチキン 950円
   (札幌市中央区南1条西1丁目大沢ビル1F)
kanako/店 

芸能人 榎本加奈子氏がオーナーの店。
2009年12月にオープンしたばかり。
テレビ塔から100m位南側の味気ない仲通りにある。
知名度を生かしたインスタント・ラブな味なのだろうと、
あまり期待しないで訪問。

ところが美味しかった。
スープは、トンコツっぽい柔らかなダシが利いていて、
あっさりマイルドな旨みを出している。
具も申し分ない。
スープとナチュラルに絡むよう下処理が施されており食べやすい。
失礼な先入観を持って訪問したことをお詫びします大魔神。

kanako/チキン 
ただ、味の層が薄目で、二段階、三段階と畳みかけてくるような
タイプではなく、食べていくうちに次第に薄味に感じてきた。
また、店名を聞いただけで、味の記憶の扉が開くような、
そうした強烈さを備えたタイプではない。
ちなみに、榎本加奈子氏の名前を聞いても、
芸能人時代(現在も芸能人だが)のワークスについての記憶の扉も開かない。
芸能界に無知な私の不徳のいたすところです大魔神。

とはいえ、こうしてスープカレーで頑張っているのは素晴らしいこと。
きちんと美味しいし、芸能人価格ではないし、
また食べたいと思うスープカレー店として、
普通に付き合えるのではなかろうか。

■天竺/チキン 800円
   (札幌市北区北35条西5丁目 北大通り沿い)
天竺/店 
訪問したのは8年ぶりくらいだろうか。
クラシカルなトマト系スープで、とにかく赤い。
しかし、見た目よりも辛さやスパイスはあっさりしており、
トマト系のわりに、旨みも抑え気味。
そういう意味では、異国感があるというか、
万人ウケ和風味とは一線を画しているといえる。

具は、チキンと刻みピーマンと麩の3種類のみ。
チキンは、アメリカ産と日本産があり、日本産の方が100円高い。
安さだけのリーズンで、アメリカ産をオーダー。美味しかった。
麩は意外とスープとの相性が良く、追加したいほどだった。

刻みピーマンは、これはこれで特徴的でよろしいかと思うが、
1/2カットの方が、ピーマンの甘みを感じられるかと。
不思議なもので、ピーマンも人参もタマネギも、
細かくカットした方が、苦みが出てしまうように思う。

天竺/チキン 
やはり、具が3種類では物足りなかった。
こちらでは、チキンベジタブルに相当する「マハラジャカレー」という
メニューをオーダーするのがよろしいかと思う。

スープは、スープとして完成しており、
私の味覚では、ライスをどんどん食べさせるタイプではないかなと。
スパイシーさか、脂か、塩気か、どれかの方向に、
もう少し味を寄せたい感じがする。

■JAMAIKA/とろとろチキン 990円
   (札幌市東区北15条東12丁目 環状通沿い)
ジャマイカ/店 
2009年12月オープン。
北15条の東10~13丁目あたりは、
環状通の中でも最も地味なエリアだけに、
そこに、ぽつりとスープカレー店ができたのには驚きました。

ジャマイカ/やわらかチキン 
スープはトマト系で、少しとろみがあるのです。
なんとなく、GARAKU(南3西2)のスープを優しくした感じにも
思えるのであります。
具は全体的にネイキッドに感じました。
特に人参は堅かったのであります。

事実上、駐車場はありません。
店の横にスペースはあるものの、軽自動車1台が置ける程度です。
ランボルギーニ・カウンタックLP400や、
ランチャ・ストラトスなどのスーパーカーは、
おそらく置けないでありましょう。
この地味エリアでのノー・パーキングは、
集客に少なからず影響があるのではないかと懸念されます。

トイレは、靴を脱がなければいけません。
サイドにチャックがついていない紐のブーツを履いていたら、
かなりのストレスになるのであります。
トイレを我慢する辛さと、紐ブーツを脱いだり履いたりする手間を
天秤にかけなければなりません。

さらに、靴ベラがなかったこともダメージでした。
靴を脱がなければならないところでの靴ベラの有無に、
私は極めて敏感であります。
スニーカーを履くときでさえ靴ベラを使う私が執念深すぎるのでしょう。
ロッカーやブルースマンは、あまり靴を脱いだり履いたりしない。
以上です。失礼します。

テーマ:スープカレー - ジャンル:グルメ


フィギュアスケートの採点が、どうにも解せない。
高橋DSK選手の銅メダル獲得は素晴らしいこと。
しかも、彼は手術をして、昨シーズンを棒に振りながらも、
オリンピックで結果を残したというドラマもある。
称賛に値する快挙だと思う。


ただ、高橋DSK選手のことは別として、
フィギュアスケートという競技は、「転倒」に極めて寛大である。
転倒してもマイナス3点らしいではないか。
250点がメダル圏内という状況でのマイナス3点である。
転倒による心の動揺などで、その後の演技にも影響するだろうが、
だとしてもリスクが小さすぎる。

スノーボードも、モーグルも、スピードスケートも、

転倒したら、その時点で、事実上ジ・エンドである。
例えば、國母選手のハーフパイプは、50点満点の競技において、
最後の最後に左手をついたことで、5点くらいマイナスされたはず。

フィギュアスケートは、それらの競技とは質が異なるのは理解するし、
選手は決められたルールの中で、精一杯戦っているのだから、
何ら責めることはできない。
とにかくルールが解せない。
転倒した人が、転倒しなかった人より順位が上にいくというのは、

何か見ている側の「楽しめる緊張感」を削ぎ、
つまらなくするような気がする。


靴ひもがちぎれて、中断しても可ということも今回知った。
織田選手がどうこうではない。
ルールがあまりにルーズ過ぎる。

他の競技では考えられない。
フィギュアはレクリエーションじゃあるまいし。

フィギュア競技の楽しみ方は人それぞれだが、
私は、何回転するかなんて大して興味はない。
演技の質やパワーや雰囲気を総合的に観戦している。
何回転するかでしか優劣を見い出せないとしたら、
イマジネーションの小さい競技だなと思う。
それとも、
フィギュア競技を素直に楽しめない私の
イマジネーションが不足しているのか?

この話を、職場の同僚、中村NBRにしてみたが、反応は薄かった。
「決められてることだから、仕方ないんじゃないすか」
みたいな感じだった。
さらに、「真央ちゃん、どうすかね?金、いけるんじゃないですか」
などと、私の真摯な問題提起を、向こうへ追いやるように、
別のトークを始めた。

「それよりも、安藤選手の化粧は、
 もっとナチュラルにしないとやばいんじゃないか。
 あと、安藤選手は、前回のオリンピック前後から、
 常に自信なさげで、負け顔になっている」と私が言うと、
中村NBRは、私と安藤選手は顔的に同じジャンルだと返した。
ああいう顔、好きなんじゃないですか?と、おちょくられた。
否定できなかった。
というか、「まあ、そうだね」と肯定してしまったこのオレ、ロックミーベイベー。

別の知人に、私は言った。
「國母選手の言う、”リアルなスノーボード”とか、
 ”自分のスタイルを貫く”とか、よくわかんないよね。
 とりあえず、漠然としたカッコよさげな言葉を使ってるみたいな」
「でも、クグエ氏も、言いそうな言葉だよね」
またしても否定できなかった。
ただし、私がそういう言葉を使うとき、70%はシャレである。

とはいえ、自分を一番わかっていないのは、
自分ではないかと思えた。
反省してま~す、ロックミーベイベー。


2月17日に、このブログのアクセス数が50,000を突破した。
2007年8月20日がスタートなので、ちょうど2年半。
特別な思いも、さしたる目的もなく始め、
ここまで続いてきたのは、ページを開いてくださる皆様のおかげに
ほかなりません。

ほんとうにありがとうございます。

ただ、続けていくなかで、不安が大きくなっていることがある。
アクセスしているのは、この広い世界の中でごく僅かな人だけである。
書いているのは、日本の片隅の狭いところに住み、
街の人混みに簡単に埋もれるように生きている、しがない男である。
ほとんどの方は、このブログにおける話題や言い回しに関するセンスや、
ユーモアや、ジョークを、それなりに理解してくださっていると思う。

ところが、そうではない人もいる。
そうではない人がいること自体は問題ではない。
理解できないセンスがあって当然である。
それならば、見なければいいだけのことだと思うのだが、
それでは気が済まない人がいるようだ。
このブログを、私のマイナス材料を見つけ出すツールに
しているような気配を、極めてごく一部だが感じている。

特定の人を中傷することは書いていないし、
持論にしても、デンジャラス・ラインには及ばないよう、
特にこの1年は、意識してかなり控えているが、
どんなことを書いたとしても、悪意を持って強引にこじつければ、
不適切扱いに持っていくことはできてしまう。
そうした得体の知れない圧力につぶされる恐怖を感じている。

アクセス数は多くなくとも、世の中に公開されているのだから、
それなりの覚悟、というか、相応の危機管理意識は必要だと思うが、
あら探しのように、責め、おとしめる材料に使うのは、ちょっと卑怯かなと。
というか、そんなによろしくないこと書いてますかね?

ナーバスになった私は、
いつのまにかタイトルから私の名称を省き、
ひっそりと、プロフィールの名前も「ストーン・クレイジーKSW」とし、
匿名性を高めた。高めざるを得なかった。
面倒くさい人に検索されてしまうことへの、とりあえずの自衛策だ。
ところが、コメント欄の返信における名称は従来どおりにしており、
いかにも詰めが甘い。
この点も、寂しいことだが、匿名性を高めていきたい。

考えすぎなのだろうか。
警戒し過ぎだろうか。
当面は慎重に対応して参ります。

    ◇     ◆     ◇

今日の昼休みは、バンクーバー五輪のスノーボード・ハーフパイプを見た。
スポーツは、生放送で見なければテンションがあがらない。
結果を知っていて、録画放送を見る気にはならないし、
ハイライトの放送を見ても、かなりダイジェストされ、
競技の流れや、選手間の機微が見えなくてつまらない。
また、日本人選手を中心に編集するため、
素晴らしい外国人選手のパフォーマンスを見られない。

スノーボード競技を見ていて思い出したのが、
前回のオリンピックの女子ハーフパイプには、
今井メロさんという選手がいたなと。
そして、「夢・感動・ファンタジー」と、ラップをやっていたなと。
今回の五輪でも、女子スケートの中学生、高木選手がヒップホップダンスと、
やはり、あちら方面のジャンルは支持があるのだなと思った。

ところで、國母選手の騒動は、
結果として、ハーフパイプへの関心を高めたのではないか。
彼の身なりや言動については、コメントしない。
ただひとつ言わせていただくと、
國母選手への批判が多かったのは、國母選手に対して、というよりも、
一般社会で、ああいう身なりや言動をしている人を
好ましく思っていない人が結構いて、
その代表として、國母選手がターゲットになった面も大きかったのかなと。

何が良くて、何が悪いとは言わない。
ただ、ファッションで人を判断するのは、当たり前のことだと思う。
でも、そんなことどうでもいいぜ。
ピースフルに一日を過ごしたいだけだ、ロック・ミー。


自らの高齢化のせいだろうか。
オリンピック競技を見たい気持ちが強くなっている。
そして、選手のパワーやテクニックに圧倒され、
やり遂げた姿に素直に感動できる。

メダルをとれれば、もちろん嬉しいのだが、
自分の力を出し切ったという表情やコメントに胸が熱くなる。
女子モーグルの上村選手もインタビューで言っていた。
自分の力を出し切ることが最大の難関だと思っていたと。

全く同感であります。
積み重ねてきたものを、オリンピックという、とんでもない
プレッシャーの中で出せることは、
なんと素晴らしく、感動的なことか。

メダルは、もちろん重要だろう。
記録として、いつまでも残っていくし、
メダル景気によって、その後の人生が変わる人もいるだろう。
しかし、やはり記憶に残るパフォーマンスを見たい。
記憶に残るいい表情を見たい。
いかにも傍観者の勝手な望みではあるが。

ただ、記憶の大小は、そのパフォーマンスの凄さよりも、
結局は、テレビにどれだけ写ったかによるところが大きい。
そのせいで、パフォーマンスではないところの記憶しか
残らない場合もある。
例えば、2006年のサッカーW杯。
思い出すのは、しばらくピッチに寝ころんでいた中田選手だけである。
誠に失礼ながら、プレーの記憶が全くない。

さて今回は、札幌市東区内の定食的なメニューの4店。
料理こそ、記録より、記憶に残るものであるべきであります。

■味禄(札幌市東区東苗穂12条2丁目)
味禄/店 
店名は「あじろく」と読む。
札幌新道から北方向へ向かい、もう少しでモエレ沼公園に
着いてしまいそうなところにある。
通り沿いに看板はあるが、店舗は引っ込んだところにあるため、
見落としやすいので注意。

東苗穂のこの辺り、30年くらい前は、完全に札幌市郊外のような
佇まいだったのではないだろうか。
周りには畑がまだ多くあった頃から営業してきたような、
リアル昭和なテイスト満載の古いドライブインのようなお店。

メニューは、和洋中幅広く、ファミリー・レストラン的。
メニューが多いので、小上がりでは普通に宴会ができそう。

味禄/ミックスグリル定食 
名物メニューである「ミックスグリル定食」(850円)をいただく。
ハンバーグ、ウインナー、チキングリルをメインに、
ポテトフライやスパゲッティなどがグリルしている。

小さい頃、どこかに出かけた時、道沿いのドライブインで食べたような、
ちょっとした特別感と素朴感が一体になったようなテイスト。
店の雰囲気も相俟って、どことなく懐かしい感じがするグリル。

訪問したのは冬の初めの平日の夜。
にもかかわらず、入れ替わりお客さんが来た。
根強いファンが多い店なのだと実感した。それもまたグリル。

■牛太郎(札幌市東区北24条東7丁目 北光線沿い)
牛太郎/店 
定食系の有名店であります。
ウリは、やはりライスの量の多さでしょうか。
標準仕様で、どんぶりに山盛り。
茶碗3杯強はあるのではないかと思われます。
そのことは知っていたので、ライス少なめで注文するも、
それでも、茶碗2杯強はあるのではないかと思われます。

牛太郎/とんかつ定食 
代表的メニューである「とんかつ定食」(700円)
食堂的な手作り感が嬉しいのであります。
肉はやや薄目で大きめ。
仕込みで肉を叩いた感がして、なんとなく好ましく思います。
付け合わせに、イカ刺しが標準装備なのもハッピーであります。

牛太郎/カツカレー定食 
これまた人気の「カツカレー定食」(800円)
ルーは、懐かし食堂テイストの家庭的な味。
ルーの量も決して少なくはないのですが、
ライスとのバランスでは足りなくなってしまうのです。

男性一人客の絶大な支持があり、曜日や時間を問わず、
必ずそうした
ヘヴィ・ローテーションとおぼしきお客がいます。
たまに若い家族連れも見かけます。
冬の平日の夜に、入口で順番待ちをしている状況も見たことがあります。

店内はリアルに古く、特に小上がりの狭さや畳、壁などは、
私が小さい頃にもなかった感じのオールドぶりなのです。
料理のみならず、この雰囲気を味わうのも、おつなものです。
店を仕切る、マイルドにさばさばした女性の雰囲気も、
居心地を良くする大きな要因でしょう。
ただし、テレビの音はノイジーなのであります。

■あじ萬(札幌市東区北20条東1丁目 ラウンド・ワンの近く)
地方にある大衆食堂のようで、
時間の流れがここだけ違うような長閑な佇まい。
オールディで飾り気のないところがたまらない。
その反面、なんとなくは入店しにくい外観でもある。

あじ萬/店 
実はこの店、近所のアラフォー・マスター達に人気である。
具体に言うと、二条市場のところにある「のれん横丁」(南3東1)
にあるバー「STARMAN」のマスター。
それに、北23条東1丁目にある焼鳥店「KEPPARE」(ケッパレ)
マスター。
以上2名である。

2名とはいえ、たまたまドリンキンした先のマスターが、
あじ萬ファンであるというのは単なる偶然ではない。
それなりの魅力があるということだ。
しかも、自ら飲食業を営んでいるお二人からの高評価なのだ。
音楽業界的に言えば、「ミュージシャンズ・ミュージシャン」。
ミュージシャンの間でファンの多いミュージシャンのようである。

あじ萬は、私が日頃、バンド練習をしているスタジオのすぐ近くにあり、
存在はかねて知っていた。
イート・ウォーキングが好きな私の興味をくすぐり続けた日々。
しかし、賑わいや活気を感じさせないこの外観は、
魅力であり、ネックでもあった。
そこで検索してみると、「KEPPARE」のマスターのブログに行き着き、
訪問しなければならない店であると確信した。

あじ萬/天ぷら定食 
看板メニューである「天ぷら定食」(730円)。
フォトではわからないが、
天ぷらは、海老、イカ、白身魚、かぼちゃ、舞茸、アスパラなど、
10種類以上が盛られている。
どれも小ぶりではあるが、この価格で、この量は凄い。

天ぷら専門店のそれとは趣が異なり、まさに食堂の天ぷら。
真っ当に家庭的に味わいである。
これは深く濃く支持するファンが多いだろうなと納得の一品である。
なお、スターリンの2ndアルバム収録の「天ぷら」とも味わいは違う。

あじ萬/味噌かつ定食 
これも看板メニューと思われる「味噌かつ定食」(780円)
店のフォトにあるとおり、入口にかかっている黄色い屋根に、
「天ぷら」、「ラーメン」とともに、「味噌かつ」と書かれていたので、
まさに、まさしく看板メニューである。

真面目な手作り感の伝わるカツである。
脂身の入り方が実によろしいです。
カツの中に味噌がインされている。
この味噌が、私の味覚では結構しょっぱく感じ、
このしょっぱさでキャベツさえもソース不要でイートした。


なんといいますか、ずっとそこにあってほしいお店である。
郷愁を感じさせる素敵な風情がそこにある。
店を切り盛りする年配のご夫婦も、いい距離感がありつつ、
非常に温かみがあるといいますか。
いいお店です。
ただし、テレビの音はノイジーです。

■KIZUNA(札幌市東区北15条東7丁目 北光線沿い)
環状通近くの北光線沿いに、地味に存在している店。
店の前の舗道を歩いていても見落としやすく、
イン・ザ・カーなら全く気づかないのではないだろうか。
外観は、地方の町の喫茶店のよう。
店内は古くからある和風居酒屋のよう。
実際、夜は居酒屋営業をしているが、
事実上のメインは、600円の定食メニューと思われる。
600円の定食メニューは、ザンギ定食、ハンバーグ定食など10種類。

KIZUNA/ヒレカツ定食 
オーダーしたのは、ヒレカツ定食。
フォトではわかりにくいが、ヒレカツは結構なボリュームがある。
上記の「牛太郎」や「あじ萬」よりも、肉の量は多い。

肉は柔らかく、あっさりと塩、コショウで整えられている。
クセのない家庭的な味で、衣が薄めなのも嬉しい。
キャベツの切り方もいい感じなので食べやすい。
ライスも味噌汁も、普通よりは確実に多い。
以上を勘案すると、非常にコスト・パフォーマンスが高い。
800円でも十分に納得できる内容である。

KIZUNA/メニュー 
知名度が低く、そこを歩いていても目立たない店だけに、
まさに穴場と言っていいだろう。
そして、なんといっても店名が強烈。
「KIZUNA」である。
店の表看板には、小さく「絆」と漢字でも表記しているが、基本はローマ字。
私の感覚では、思い切った大胆な店名である。
店を仕切るおばさんは、小さな方で、ソフトな印象。
それだけに、店名の由来が気になるところ。

KIZUNA/壁 
 
店名は「KIZUNA」で、店内は和風居酒屋の風情。
それでいて、壁に貼られたメニューなど、随所にファンシーである。
絵も文字も、子供らしいものと大人が書いたものが混在し、
一体感やコンセプトが見えない。
しかし、そうした微妙なアンバランス感が逆に興味をそそる。
間違いなく再訪するだろう。

店内は、i-podのオーディオから、
70年代から80年代にかけてのニューミュージックが控えめに流れている。
この手の定食屋の中ではトップクラスで居心地がいい。
騒がしい宴会客がいたら、印象は異なるかもしれないが…。

   ◇     ◆     ◇

失業中の知り合いが、

カレーも食べたい、ラーメンも食べたい、ああ決められないと言うので、
メニューが豊富な食堂に連れて行けば、
カレーでもなく、ラーメンでもなく、
失業中だけに、ていしょくを求めました。
クグ丸です。


テーマ:お店紹介 - ジャンル:グルメ


2月11日、ザ・ハート・オブ・ストーンのライブが終わった。
自分で言うのもおこがましいが、
ザ・ハート・オブ・ストーンというバンドとして、
これまでで最高のパフォーマンスができたと思う。

ライブに至るまでの練習の中で、
サウンドが固まっていくのを感じていたし、
何より気力が充実し、リラックスしてライブに臨めたことが大きい。
周りの音がよく聞こえ、自分の音がよく聞こえ、
奏でたいと音を出せたように思う。
いい意味で力が抜け、力が入るところと緩いところのバランスが整った、
というか、自分達が目指すムードとノリに近づけたと思う。

100211ライブ1    
演奏した曲は次のとおり。
1 破れた傘が捨てられない
2 夕立
3 さよなら電車
4 洗車のブルーズ
5 新しいギター

ライブ後、いいパフォーマンスができたと、
メンバー同士、内輪でひっそりと称え合った。
そう感じたのは、自分たちだけなのかもしれないが、
メンバーそれぞれに達成感があったということだ。
見ていた皆さんは、どう感じたのだろう。

祝日とはいえ木曜日であったにもかかわらず、
寒い中、時間を作って見に来てくださった皆さん、
ありがとうございました。
ほんとうに心から感謝です。

100211ライブ2 

ライブでのMCでは、その場の空気感で、
自分に降りてきたことを喋っており、
かなり支離滅裂な内容だったように思う。

バンクーバー五輪が始まるという話題から、
幕別の中学生女子スケート選手について、次のようなことを話した。

「15歳にして、あれだけ堂々とインタビューを受けたり、
 故郷はおろか、ジャパンを長期間離れて、
 大人達ときちんと過ごしていることが凄い。
 私が15歳の頃を思い返すと、確実に強烈なホームシックにかかって、
 競技をする前に帰国していたはず。

 彼女は、スケートだけではなく、ヒップホップ教室みたいのに
 通っていることも話題になっている。
 ダンスをしている場面や、ヒップホップ教室の仲間からの
 応援メッセージが何度もテレビで流れている。
 ヒップホップが完全に市民権を得ているということだ。

 仮に彼女がパンク・バンドに参加していたら、
 触れられなかったのではないかと思う。
 「デストロイ」や「ノー・フューチャー」などと
 挑発的に歌っている場面は、間違いなく取り上げられないだろう。
 ヒップホップはお茶の間に通用するが、
 パンクロックはまるで通用しないということだ」

このMCの後、気の利いた短いラップでもできれば、と頭をよぎったが、
言葉がまるで浮かんでこなかった。

最後の曲、「新しいギター」の前には、次のような話をした。

「この曲は、2年前、42歳の時に作った曲。
 新しいギターを買ったことに興奮して作った。
 こんな年になって、新しいギターを買っただけで
 曲を作ってしまうのだ。
 そんなことでいいのか?とも思うが、嬉しくも思っている。

 メンバーは全員40歳を超え、いつまでできるかはわからない。
 続けていくには、今後、様々な壁もあるだろうが、
 まず大事なのは家庭の理解。これが大事だ。
 
 バンド活動において明確な目標があるわけではない。
 ライブをしたり、CDをリリースしたり、
 そうやって活動できていること自体が目標かもしれない」

この後、スキャンダルだとか、じり貧の人生だとか、
「田舎に泊まろう」に出演する俳優になるなど、
不可解かつ、やや過激なことを喋っている。
ライブでは通用するが、ブログで文字に残すには相応しくない内容が
あるため、控えさせていただく。

100211ライブ3 
実に雰囲気の良いライブができた。
自分自身の細かいミスは色々とあるが、
ザ・ハート・オブ・ストーンという塊で見たとき、
ひとつの成長があったかなと思っている。

その背景には、メンバーの周りで、
近くから、遠くから、直接的に、間接的に、また、ブログを通して、
支えてくれる人達がいるからである。
そして見に来てくださった方々。
そうした皆さんに改めて感謝です。
ハッピーナイトをありがとう。

テーマ:音楽のある生活 - ジャンル:音楽


真冬の帰り道は、家までが遠い。
寒く、寂しくもある。
暖かい沖縄へ行ってみたいが、それもまた遠い。
夢も遠い。
君の心も遠い。
夜明けも遠い。

でも、ライブは近いぜ!

仕上がり状態は、これまでで最高かもしれない。
それを、どれだけステージで見せられるか。
身体能力は下降しているが、バンドの地力は上がった。

ただ、バンドの地力が上がったからといって、
いいライブになるとは限らない。
選曲、雰囲気、精神状態などがかみ合うことが重要だ。
どうしたらいい?
教えてロージー。

ライブは2月11日(木)18時30分、
スピリチュアル・ラウンジ(札幌市中央区南2西4)にて。
ザ・ハート・オブ・ストーンの出演は19時予定です。
よろしくお願いします。

さて、今回はラーメン。

1月に「2009・ラーメン・オブ・ザ・イア」を掲載したが、
その前のラーメン記事は11月20日と、結構久しぶりである。
それではどうぞ。

■山嵐・黒虎/黒 750円
札幌市中央区南3条西3丁目)
黒虎/黒 
まず見た目が素晴らしい。
プロの作品たる優雅さと高尚さが備わっている。
味は、醤油と塩の間という感じか。
塩気は決して強いわけではなく、というか、
べたっとした脂の濃厚さが旨みを牽引している。

脂は、他店にない独特の佇まいであり、
中年層は屈しそうになる強烈さではあるが、
武骨で、きりりとしたところがあり、
スープを飲み干したくなる魅力がある。
空腹で塩分カモンな夕食ならば完飲するが、
通常の昼食ならば、午後の胃腸ダメージへの不安から
セーブしてしまう。

麺は太めのストレート。
系統としては山岡家の麺の雰囲気。
べったり濃厚スープに最高にマッチしている。

黒虎/店 
店内はカウンターのみ。
座った背中と後ろの壁の間隔は狭い。
他のお客さんの後ろを、気を使って窮屈に移動するのが億劫な日は、
訪問に慎重になった方がいい。
誰しもそんな日はある。
言葉に出さずとも、そう思う日はある。
君はひとりじゃないぜ。

■影虎/背脂醤油ラーメン 735円
札幌市北区新川3条5丁目 札幌新道沿い)
影虎/背脂醤油 
ラーメン素人である私の第一印象は、
「てつや」のラーメンの系統だなと。
ただ、「てつや」のラーメンを、しばらく食べていないせいか、
違いを的確に説明できない不肖な自分。

店に入ったとき、結構なトンコツ臭がしたが、
実際のスープは、全く臭みがない背脂まろやか味だった。
ただ、私には、ちょっと塩気が強いかなと。

麺は中太・黄色で、ちぢれは普通。
ディス・イズ・サッポロラーメンの正統派。
スープとの相性はよろしいかと思う。

先日、職場の同僚、中村NBRも、こちらの店を訪問。
結構気に入ったとコメントしていたので、
「てつやのラーメンと雰囲気似てるよね」と問いかけたところ、
「てつやのラーメン?何ですか、それ。食べたことないですね」とのこと。
本州出身ながら札幌在住4年で、ラーメン好きのNBRなら、
いくらなんでも「てつや」は知ってるだろうと思いきや、
それは私の勝手な思い込みだったのです。

影虎ラーメンの味のポイントを説明をしたが、
ピンときていないようだったので、
じゃあ、何が気に入ったの?と聞くと、
幼児を遊ばせるスペースがあることらしい。
店の魅力の捉え方は、人それぞれ違うものです。

■春一番/塩ラーメン 680円
札幌市東区北34条東14丁目 札幌新道沿い)
春一番/塩 
塩ラーメンがウリのよう。
ほんのり魚ダシが香る豚骨スープで、
甘みもコクも、適度に抑制されており、丁寧に作られているなと。
まろやかな旨みが程よい、まとまりのあるラーメンである。

麺は中太のプチプチ系の黄色。
堅めで歯ごたえが良く、噛む楽しさがある好感触。
具もそれぞれに抑制の利いた美味しさがあり、
全体のバランスが良く、食べやすい。

このように、マイナスポイントはない。
リクエストをするとすれば、やみつき性とインパクトだろうか。
ただ、それを高めることにより、
抜群のまとまりが崩れては元も子もない。
こんな偉そうなことを言える立場にはありません。恐縮です。

春一番/店 
店内の壁には、アントニオ猪木氏のモノマネでお馴染みの
「春一番」氏のフォトがいくつかあった。
店名はそこから付けられたのだろうか。
それとも、店名が先で、それを知った春一番氏が訪問したのだろうか。
元気があっても何もできやしない、と思うことがある私には、
これ以上、店名に言及する資格はないのです。
ごちそうさまでした。

■てら/極太にんにく醤油 800円
札幌市西区琴似1条1丁目 JR琴似駅近く)
  
東京の人気店「ラーメン二郎」にインスパイアされたラーメンとの
触れ込みから、以前から食べてみたいと思っていた。
「二郎」のラーメンは、8年前に一度食べている。
ふらりと早稲田を歩いていた時、
強烈な旨みのある肉の匂いがしてきて、
それに誘われるように歩くと、そこは「ラーメン二郎」だった。

店を覗いてみると、豪快かつ迫力のあるラーメンが見えて、
ラーメンを食べる予定もなかったのに、引き込まれるように入店。
その時は、大人気店だとは知らなかった。
麺の太さと荒ぶるスープに、かなりの衝撃を受けた記憶がある。

それ以来、一度も航空機に乗っていない。
北海道からも出ていない。
心の旅はしているが、身体の旅は距離的にも回数的にも激減している。
心はさすらっているが、身体はさすらっていない。
さすらいもしないで、このまま過ごしていいわけがない。

てら/極太にんにく醤油2 
で、琴似の「てら」である。
極太麺は、つけ麺仕様のような力強さ。
噛み応えが良く、食感を楽しめる。
スープは、思ったよりも醤油味が前に出ていた。
肉系ダシの濃厚さが前に出るタイプではない。
前に出ているのは、ニンニク風味である。

ニンニクは、かなりダイレクトで、これを食べた後は、
利害がなく、理解がある人としか過ごせないほどの強さ。
翌朝も、自らのニンニク臭で目を覚ますほど。
胃腸の状態にも変化を及ぼすので、覚悟すべし。

てら/極太にんにく醤油1 
↑最初は、こんなふうに、もやしで麺が見えない。上の写真は、麺を引っ張り出したもの。

好みの問題だが、もやしが多過ぎ・フォー・ミー。
麺は完食、スープも完飲した。
しかし、誠に失礼ながら、もやしは80%を残したのです。
ラーメンに入れるもやしは、微量が好みのようです。

ラーメン二郎のインスパイアぶりを感じる味で、
時々強烈に求めたくなるようなインパクトがある。
激しい麺がオレを襲う。
激しいスープがオレに叫ぶ。

■めんや東山/醤油麺 650円
札幌市豊平区平岸2条8丁目 平岸ゴールデン街)
平岸駅2番出口 
地下鉄平岸駅2番出口から直結の「平岸ゴールデン街」にある店。
昭和から平成にかけての6年間、私は平岸に住み、
サブウェイに乗る時は、この2番出口を利用していた。
2番出口に通じる改札の辺りは、妙に狭く、
なんともレトロで、味わい深い。

東山/醤油 
魚ダシがきれいに出て、あっさりとした甘みのある醤油と
バランス良く一体となった和風味であります。
一口で、丁寧に作られたスープだと強く感じます。
系統としては、「まるは」、「千太」などと通じる感じでしょうか。

麺は細めのストレート。
やや堅めで、さくさくっと食べられる軽いタッチであります。
チャーシューは、最近あまり出会わない、肉の歯ごたえがあるタイプ。
非常に好みであります。

見た目も美しいのであります。
2種類のギーネーが品を高めております。
総合的に完成度の高いラーメンであることは、
多くの方が認めるところでしょう。

小ライスは、時間に関係なく常に無料であります。
有り難い配慮であります。
しかし、私の味覚ではライスの進むタイプのラーメンではないのです。
ラーメン単独で、しみじみと味わいたいタイプであります。

店内は寒かったのであります。
人並みベースをはるかに超える寒がりの私は、
店内で一度脱いだダウン・ジャケットを、
ラーメンを待つ間に着用したほどであります。

というか、今回紹介の5店のうち、
「春一番」以外は、どこも寒かったのであります。
ラーメン店は寒い。
景気も寒い。
私のトークも寒い。

でもライブは熱いぜ!

よろしくロック・ミー。

テーマ:ラーメン - ジャンル:グルメ


気づいてみると、ザ・ハート・オブ・ストーンのライブまで、
あと4日である。
改めて、ライブのお知らせを。

月日 2010年2月11日(木・祝日)
時間 OPEN 18:00 START 18:30
場所 スピリチュアル・ラウンジ(札幌市中央区南2西4)
出演 BLACK VELDT GONER
    BETTER

    黄金クリムゾン(帯広)
    山岸大輔
    THE CHEVY
    THE HEART OF STONE
料金 前:1,000円 当:1,500円

ザ・ハート・オブ・ストーンの出演は2番目。
出演時刻は19時予定です。
新しいアルバム「雨の交差点」から5曲を演奏します。
当日、会場において、「雨の交差点」を発売します。
チケットをご用命の方は、ぜひご連絡を。
よろしくお願いします。

さて今回は、ブック・レヴュー。
5冊を紹介。
よろしくどうぞ。

■樋口明雄「約束の地」
樋口明雄/約束の地 
私の選ぶ2009ブック・オブ・ザ・イアでは第1位を獲得した作品。
2009年の最後に読んだ作品であったことから、
個別のレヴューよりも、ブック・オブ・ザ・イアが先になってしまった。
そこで、改めてご紹介させていただく。

山梨県の八ケ岳に赴任した、環境省のキャリア官僚。
仕事は、畑などを荒らすクマやイノシシを山に返し、
人間と動物がきちんと棲み分けられる環境を作ること。
クマ等は薬殺せずに、センサーをつけて山に返し、
山のどこに棲息しているかの調査なども行う。

しかし、役所のそうした取組は、地元民に受け入れられない。
被害を受けた農家は、クマを射殺してほしいと思い、
狩猟免許を持ったハンターは趣味的に乱獲する。
それに抗議する動物愛護団体。
さらには、山にあるごみ焼却施設の環境汚染、それを隠蔽する市長、
大人同士の不和に起因する小学生同士のいじめなど、
問題が複雑に絡んでいく。

非常に面白かった。
516頁の長編ながら、ぐいぐいと引き寄せられ、全く飽きない。
環境保護と人間のエゴを描いた読み物としても面白いが、
メディアであまり語られることのないリアルな問題を、
わかりやすく表しており、勉強になるなあと。

野生動物、人間、自然の共存。
そのあり方を、役所、動物保護団体、狩猟団体という主張の違う
それぞれの視点から描いてだけではなく、
動物視点でも描いているのが、ストーリーに深みを増している。

この作品は映像化しても面白いだろう。
映画ではなく、NHK土曜夜9時枠がぴたっときそうだ。
問題は、クマやイノシシとの格闘シーンだろう。
主人公は大沢たかおで決まりという感じだ。

物語を豊かなものにしたのは、自然や動物への愛、
そして、家族愛が底流として常に存在したこと。
読後感は清々しい。

■東野圭吾「新参者」
東野圭吾/新参者 
「このミステリがすごい」第1位、「週刊文春傑作ミステリー」第1位と、
圧倒的な強さを見せた、2009年の日本のミステリ小説の代表作。
ただ、私の選ぶ2009ブック・オブ・ザ・イアでは第3位と、
惜しくも3冠を逃した。

2009年中に読まなければと、年末の押し迫った時期に
読み終えたことから、前記の「約束の地」と同様、
個別のレヴューよりも、ブック・オブ・ザ・イアが先になったことから、
改めてご紹介させていただく。

東野作品でお馴染み、加賀恭一郎刑事の事件簿的な作品。
東京・日本橋で起こった、40代女性の絞殺事件。
捜査のために、日本橋の老舗を次々と訪問。
それらの店における家庭の事情などを、人情話に料理しつつ、
次第に事件を解決していく。

ほんとによくできた作品。
削って、削って、わかりやすい文章にしたのだと感じる、
平坦ながら厚みのある文章はさすが。

構成力が素晴らしい。
異なる店での出来事がつながって、事件の全容が見えてくる。
仕掛けの配置が絶妙で、最後にはすっきりと腑に落ちる。
あまりに完成度が高く、ひっかかりがないため、
逆に心に残りにくいという、おかしな弊害も発生するほど見事。

ただ、本書は、いわゆる連作短編である。
短編が連なって、長編的な結末を迎えるのだが、
連作であっても、やはり短編なのだ。
短編ごとに気持ちがニュートラルに戻ってしまうため、
せっかくの熱気が、やや途切れがちになったのが残念。

ほんとによくできた作品。
すっきりと上手すぎて、逆に心に残りにくいという、
おかしな弊害もあるほど完成度の高い人情ミステリー。
東野作品の凄さを再認識した。
この2、3年、東野作品は、ほとんど読んでいなかったのだが、
やはり、毎年何かの作品は読んでおくべきだなと。

■大沢在昌「罪深き海辺」
         大沢在昌/罪深き海辺 
大沢在昌氏の2009年リリース作品。
東京から2時間程度のところにある海辺の小都市において、
第三セクターが運営するリゾートホテルを巡って、
大地主、市の有力者、暴力団らの利権争いを描いている。

大沢氏らしい、密度の濃い人間描写と、
過不足のない詰められた場面設定によって、
ポイントを絞り込んで、ぐいぐい引っ張られ、
どんどんと読まされてしまう。
特に、暴力団員のキャラの使い分けは、やはり巧い。

ストーリー自体は、殺人事件のタイミングや、
人のつながりのミス・リードのさせ具合などが絶妙。
誰がほんとの悪なのか、誰が騙し、誰が騙されているのかの
スリル感を楽しめ、504ページという長さを感じさせない。

真相は陰湿な内容ではある。
しかし、テンポが早いせいか、良くも悪くもライト感覚になっている。
そう、良くも悪くも、である。
読みやすいのだが、次々に起こる出来事の動機が弱いような。
また、後半、人のつながりがごちゃついたせいで、
犯人判明の際の衝撃が小さくなったのも残念。
オチも、やや強引かなと。

主役である定年間近の男性刑事が、
自分のことを「あたし」と表現していることも、
オカマっぽいイメージが拭えず、どこかしっくりこなかった。
とはいえ、安定した大沢ワールドを楽しめる佳作である。

■桐野夏生「東京島」
桐野夏生/東京島 
桐野夏生氏の2008年リリース作品。
船旅の途中、嵐に巻き込まれるなど、それぞれの事情により、
沖縄の南方、台湾あたりと思われる無人島に住みついた男31人と女1人。
そんな男女32人の無人島での数年間を描いている。

無人島という自由なのに不自由な、
開放的な空間なのに閉鎖的な人間関係の中で、
派閥ができ、争いが起こったり、理性が壊れ、野生化していく。
基本的に汚れている。
フィジカル面でもメンタル面でも汚れている。
追いつめられ、精神がずたずたになり、変貌していく様は怖い。

内容は、シリアスでグロテスクである。
しかし、肌触りは結構コミカルである。
どろどろしており、気持ち悪くもあるのだが、
全体として、あっけらかんとした感じがする。

例えば、島にある自殺の名所の「サイナラ岬」というネーミングは、
安直ながら最高。
また、空腹になって、一番に食べたいと思ったものが、
イチゴジャムを塗った山崎製パンの食パンだったりと、
妙にミニマムなリアリティがあったりする。

ただ、この物語の世界観には入りきれなかった。
途中、同じ状況を繰り返しているような停滞感があり、
このまま、ぐだぐたなまま終わったらがっかりだな、
と思ったところで、後半、一気に大展開する。
しかし、ちょっと力業っぽいかなと。

太めの女性の艶っぽさや、
「自分が一番だけど、何か間違ってる?」的な
身勝手で自意識過剰な女性を描かせたら、ほんとに上手い。
というか痛快。

■木内一裕「OUT-AND-OUT
木内一裕/out-and-out 
元ヤクザの探偵。
仕事の依頼を受け、依頼者のもとを訪れると、依頼者は射殺されていた。
驚くことに、そこに殺人犯もいた。
そして、探偵が犯人であるかのような工作をされ、犯人は逃亡。
探偵は、殺害された依頼者の身元を洗い、殺人犯を割り出す。
その殺人の裏には、大きな悪がうごめいていた。

面白い。
ハイウェイをノンストップで走り抜けたくなるような
スピード感と刺激的な場面の連続。
予期せぬ展開はいくつかあるが、
全く不自然さはなく、その後のフォローも完璧。
きちんとした技巧があっての疾走感。
最初から最後まで全く飽きさせない。

探偵は、かなり荒いし、一方的なところはあるが、
無駄なし、ブレなしで、キャラクターも展開もしっかりしている。
ちょっと古くさいB級ハードボイルドっぽい。
しかし、エンタテイメント性は高く、
映像化しても、小説での面白さをキープできるように思う。
主役は寺島進氏のイメージ。

ところどころ切なくさせるシーンもある。
さっくりとしたスピード感とのバランスも良く、
実はすごく良くまとまっている。
もっとメジャーになっていい作家である。

     ◇     ◆     ◇

ここ数日、札幌は最低気温がマイナス10度を下回る日が続いた。
そして6日は午後から大雪になり、夕方からは猛吹雪。
一日中、自宅にこもり、YOU TUBEで、
ルースターズやストリート・スライダースなど、
80年代の日本のロックを見て、自分のロックの原点を確認した。

当時は、どういうわけか男性ミュージシャンの化粧が派手だった。
化粧が派手といえば、日本の女子フィギュア・スケート選手のそれも、
いくら華やかな協議とはいえ、ちょっと過度すぎないだろうか。
塗りすぎだし、目もとを強調し過ぎだと思いマスカラ。


テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌



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