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まずは、お詫びを。
ザ・ハート・オブ・ストーンの新しいアルバム、「雨の交差点」の
郵送にまだ至っていません。
理由は、CDをパソコンに取り込んだとき、
曲名やバンド名などが表示されず、
それを解決するのに時間がかかったためです。

本日30日、問題は解決し、最終的な完成品があがりました。
しかし、完成品は、作業を行ったベースのミチのもとにあり、
私はまだ手にしていません。
明日31日、引き渡しを受けるものの、
FROM 大晦日 TO 正月は、実家ステイ等の事情により、
郵送作業グッズ&データがなく、郵送できない状況です。

こうした私どもの都合により、
誠に恐れ入りますが、発送は1月3日となりますので、
お詫びいたしますとともに、ご了承願います。

   ◇      ◆      ◇

さて、今回が2009年最後の記事になる。
26日以降、「怠惰な年末」と銘打って、
行動範囲を狭め、年末だからと特別なことはせず、
淡々と数日過ごしてきた。
久しぶりにDVDを見たり、本を思う存分読んだり、
眠くなればそのまま寝て、近所を散歩したり、
ストレス・フリーでだらだらしていた。

そしたら、予想外に体調が良くなってしまった。
大晦日を前に、疲れがとれ、落ち着いていられる。
怠惰こそが元気の源だ。
ただ、思いがけず心身が良好な状態になってしまい、逆に戸惑っている。
この状態を保たなければと、
変なプレッシャーがかかってきたほどだ。
心身が穏やかな状態に慣れていないのも困りものだ。

年末年始はあそこに行ったとか、これをしたとか、
そういうトピックス的なことは何もないだろう。
しかし、穏やかな気持ちで年を越せるならば、
それだけで、ほかには何もいらないな。
幸福とは怠惰。
それでオッケイオーライだ。

今年も乗り越えられなかったことがあり、
自分で掘った穴に落ちて、癒えない傷があり、言えない後悔もある。
しかし、多くの人に励まされ、助けてもらった。

ブログの読者の方々には、お付き合いいただいていることだけで
非常に有り難いのだが、
それに加え、私が弱ったときは手をさしのべ、
迷ったときは背中を押すような、そんな温かい言葉をいただいた。
そうした全てに感謝です。
ありがとうございました、サンキュー・フォー・ザ・ピープル。

素直に感謝して終われる年末にたどり着けて良かった。
良いお年を。

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テーマ:日記 - ジャンル:日記


今年も残すところ、今日を含め3日。
年内まだ仕事がある方も、冬休みに入った方も、
何か気持ちが落ち着かない12月29日、大晦日イブ前日である。

今回は、今年最後のブックレヴュー。
期待はずれ作品に、時間を返してほしい気持ちになり、
素晴らしい作品との出会いに、いい時間をありがとう、と感謝した。
今回は、そんなピンキリの3冊。
さっそくどうぞ。

■米澤穂信「儚い羊たちの祝宴」
米澤穂信/儚い羊たちの祝宴 
5作の短編が収録されている。
いずれも、昭和中期の上流階級の館で起こるミステリ。
お手伝いや専属の料理人など、
使用人的立場の人が物語の中心に置き、
上流階級の陰の部分を描いている。

全編にわたり、派手さはなく、静かでひんやりとした雰囲気。
展開も淡々としている。
しかし、話の運びはテクニカルであり、
キャラクターに関しても、説明が僅かなのに、きちんとイメージさせる。
どの作品も、じわじわと不気味さを滲ませ、
何が隠されているのかと、興味をつなぎとめる。

ただ、動機がわかりにくかったり、弱かったりで、
面白さはあるのだが、グッと引き寄せる強さがないかなと。
そのため、読み進められるものの、読み終わると印象に残らない。
火は存在するのだが、炎にならず、煙の中で小さく燃えているような。
読後感は、そんなもやっとした感じで、余韻がもう少し欲しかった。

■桜庭一樹「製鉄天使」
桜庭一樹「製鉄天使」 
主人公は昭和41年生まれの少女。
描かれているのは、彼女が12歳から17歳まで。
昭和53年から昭和58年という、
ツッパリ、ヤンキー、暴走族が全盛の時代。
彼女が率いる、鳥取県の海岸沿いの村のレディース暴走族「製鉄天使」が、
島根、岡山、広島、山口各県のレディースを打ち負かし、
中国地方制覇をする話である。

作者の桜庭一樹の2007年作品、「赤朽葉家の伝説」を絶賛した私だが、
その次に出版された直木賞作品「私の男」における、
不必要なしつこさと意味不明な親子関係に嫌悪感ばかりが残り、
その次の「ファミリー・ポートレイト」では、
中盤以降のぐだぐだ感に、行き詰まりを感じた。
ただし、「ファミリー~」の前半は、桜庭氏独特の懐古的な幻想感が
素晴らしかったため、復活なるかと期待して、この新作を読んだ。

残念な出来だった。
描き方が、コミカルでマジカルで、まるでファンタジー暴走族だった。
リアリティが欠落しすぎで、ギャグマンガの世界観だった。
それでも、文章が魅力的ならいいのだが、なんとも浅い。
レディースをやっていることによる負の部分が、ほとんど描かれていない。
家庭生活も学校生活も、面倒なことは全部カット。
ひたすら中国地方制覇までの経過を羅列した日誌であるかのよう。

簡単に言うと、雑なのだ。
やけくそ気味に書いたのかと思えるほど無闇。
かといってスピード感があるわけでもなく、
ティーンネイジャーを描いているのに、まるで切なさや輝きがない。
奇をてらった表現は上滑りしまくりで、
結局何をどう書きたいのか、よくわからなかった。

中盤で、これは駄目だと確信したが、
半分読んだので、最後まで読み切った。
そして、桜庭一樹という作家を贔屓にしてきたので、
今回レヴューとして掲載したが、本来ならボツ作品である。
どうしてしまったのだろう。
直木賞受賞で燃え尽きたか。

■山田詠美「学問」
山田詠美「学問」 
舞台は静岡県の小都市。
主人公達は皆、1962年(昭和37年)生まれ。
描かれているのは、彼らの小学2年生から高校2年生まで。
日常生活における性への目覚めから、それぞれが成長していく過程を、
「学問」と捉えて、丁寧に、ユーモラスに、そして美しく描いている。

内容的には、後半ちょっと緩みがちになり、
「そういうもんかねぇ?」と共感しかねるところがあり、
緊張感も、とぎれがちになった。
中盤までは、いい具合に抑えが効いていただけに、ちょっと残念。
また、主人公の一人である貧乏カリスマ的少年が、
いまひとつ現実味がなく、つかみどころのないキャラだったかなと。

とはいえ、秀逸な作品だった。
読んでいて見えてくる景色は瑞々しく、
また、心の動きが手にとるように伝わり、なんとも切ない。
先を知りたくなる、というより、
静かに引き込まれ、この物語の世界観に浸ることが心地よい感じ。

極めて効果的だったのが、
各章の冒頭に挿入されている登場人物の死亡記事。
青春を謳歌しているこの若者達も、いずれは死ぬことを
間接的に漂わせつつ、
青春の日々を、より輝かしく、切ないものにしている。
この手法に、私は完全にはまった。

それと、とにかく文章が素晴らしい。
難しい言葉やひねった理屈があるわけではない。
普通の言葉で普通に書いているのだが、
言葉の選び方、表現の仕方など、無駄なく正確で、
日本語の美しさと文章の上手さに圧倒される。
私にとっては、良い文章を書く意味での「学問」とも感じた傑作である。

        ◇       ◆       ◇

昨日、札幌の街は人出が多かった。

車の数も多かった。
雪が溶け、アスファルトが出ている箇所も多いのに渋滞。
年末の慌ただしさってやつなのだろう。

それを尻目に私は大人しくしている。
年末年始は完全オフだ。
長い休みだからこそできることなどしない。
何にも巻き込まれず、平穏に年を越したいだけだ。
「怠惰な冬の中年」と呼ばれても結構。
プチ引きこもりによって英気を養う。
ドント・ウォーリー心配するな。
何もしなければ自然と何かをしたくなるのが人間。
だから今は、何も考えずに休むぜベイベー。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学


クリスマスだから、あえて断食をした人が、
日本に300人くらいいるのではないかと思う。

クリスマスだから、あえて一人で、
地方の温泉に二泊三日の小さな旅に出た人は
もっと多いだろう。

そんな全ての人達にメリークリスマス。

そして、本日2009年12月25日、
THE HEART OF STONE、約9年ぶり8枚目となるアルバム、
「雨の交差点」がリリースされた。

そこで今回は、各曲について、
レコーディングにおける裏話や、
聴くに当たっての勝手なポイントなどを織りまぜながら
紹介させていただきたい。

まずは、表ジャケットはこれ
雨の交差点/表ジャケット 
11月の雨の朝、左手に透明傘、右手にデジカメを持って、

約20枚撮影したうちの1枚である(詳細は、2009年11月15日の記事)。
実は、約20枚のうち、1枚目に撮影した写真である。
最初の何枚かは、テレビ塔がぼけてしまったため失敗作だと判断し、
その後の写真は、テレビ塔にピントを合わせて撮った。

ところが、帰宅してパソコンで見てみると、
テレビ塔がぼけている方が雰囲気が出るから写真って不思議さ。
なお、傘の柄も意図的にフレームに入れている。
しかし、言われなければ、傘の柄だと気づかなそうで、ちょっと誤算。
それでも、ほぼイメージどおりできました。

さて、ここからは、歌詞を掲載して解説していきます。
これを見ながら聴くと、より伝わると思います。

これまでの記事の中で最大の文字数になるでしょう。
よって、2日ほどかけて、小出しに記事を増やしていきますので、
ご了承願います。

■見慣れた街を抜け出して
見慣れた街を抜け出して あてもなく遠くまで
彷徨って 歩き疲れ 何に出会うのだろう
着慣れた服を脱ぎ捨てて 風に吹かれてみよう
よろめいて つまずいたら 誰を思うのだろう

誰も知らない夢を
誰も知らないやり方 君も知らないやり方で

汚れた靴を脱ぎ捨てて 土にまみれてみよう
もし空を飛べたとしても 自由はないだろう

誰も知らない答えを
誰も知らないメロディ 君に聴かせたいメロディを

見慣れた街を抜け出して もう少し遠くまで
失って 立ち止まって 自分に出会ったよ
この道の その先には 君がいてほしい

[解説]
5月リリースした私名義の3曲入りCDでも1曲目に収録。

2008年に再会&再開したザ・ハート・オブ・ストーンの
象徴的な曲といえる。

周りにはいい人がたくさんいる。
優しくしてくれるし、助けてもくれる。
だからこそ、一歩、外へ、もう少し遠くまで。

迷い、疲れ、打ちのめされたり、歩けなくなったり。
そして知らない自分に出会う。
発見とオリジナリティとユーモアが、
私の、そして君の人生を豊かにする。


■壊れたままの砂時計
いつまでも待って 待っていたんだ
けれども何にもなかった 雨だけ降ってた
君の心を取り戻したくて
けれども全部終わってた まるごと たわごと

愛のかけら 灰になり 無情の風に消された
行き先知れずの毎日 壊れたままの砂時計

黒い海泳いだ 君に会いたくて
溺れて死にたくないから 必死に泳いだ
泣きたい気持ちで たどり着いたんだ
けれども全部終わってた カモメが鳴いてた

愛の言葉 石になり 偽りの海に沈んだ
行ったり来たりの毎日 壊れたままの砂時計

夜が長すぎて 夜明けが見えない
君まで見えなくなっちまい 探した もがいた
胸騒ぎがして 目が覚めたんだ
悪い夢見せられてた 寝違えた はき違えた

愛のかけら 灰になり 無情の風に消された
行き先知れずの毎日 壊れたままの砂時計

愛の言葉 石になり 偽りの海に沈んだ
行ったり来たりの毎日 壊れたままの砂時計

[解説]
あきらめきれず、やりきれなくて、それでいて成功を信じて、
待ち、泳ぎ、粘り、もがく。
結果、全然ダメだった。。
時間はだいぶ過ぎたけど、オレの時間は止まったまま。
そんな曲である。

10曲中、最もすんなりと、レコーディングできた曲。
ギターは、私とTNKタナカ氏が、バッキング・ギターをそれぞれ弾き、
そこに私のソロ・パートをかぶせただけのシンプル編成。

ギターのリフを主体にした曲である。
リフは、同じフレーズを4回続けて弾くのだが、
4回のうちの1回目だけ「ため」や「間」が微妙に違う。
これは、意外にも、意識してずらして弾いたのです。
その方がなんとなくロック・アンド・ロールかと思い。
しかし、その効果は、あまりなかったように思う。
その無意味さがまたロック・アンド・ロールなんだね。

■新しいギター
新しいギターを買った やっと手に入れた
新しいギターを弾いて オレは変わるのさ
過去を悔いて 今を嘆き 未来を憂いてた
何も信じられずにいたのさ
oh yeah 始まるのさ
oh yeah 変わるのさ

新しい曲が生まれそうな予感がする
君に聴かせたい曲 作りたがってる
この喜びを この切なさを 胸の高まりを
言葉とメロディにしたいのさ
oh yeah もうすぐさ oh yeah 生まれるのさ

気づかないうちに どこかに忘れ物をした気がするけど
きっとそれほど大事なものでもなかった そうだろ

生きていくためにどうしても必要なもの
太陽や月や火 水や木と土とお金
それに君と新しいギター それさえあれば
生きていけるって思うのさ
oh yeah 歌うのさ oh yeah 生きるのさ

気づかないうちに どこかに忘れ物をした気がするけど
きっとそれほど大事なものでもなかった

気づかないうちに 大切な何か失った気がするけど
もっと大切な何かがここにあるだろう そうだろ

[解説]
2008年5月。18年ぶりくらいにアコースティックギターを購入。

それまでの約7年間、全く音楽活動をしていなかった私にとって、
新しいギターを買うモチベーションになったことは事件だった。

この曲は、その新しいギター1本から始まる。
そこにドラムが入ってくる。
そこのドラムがうまくいかず、ドラムのダーオ小田氏と何度も練習した。
今回の10曲の中で、「こういうふうに叩いてくれ」あるいは、
「そこはオカズを入れずに、そのまま流してくれ」など、
最もドラムの注文を細部までした曲。
そんな私に、ダーオ小田氏もイヤになっちゃた日があったり、
自らのドラムのクセとは異なる要求に苦しんだとは思うが、
今となっては、気持ち良く叩けているのではだろうか。

ギターは、バッキングのギター3本を私が、
ギター・ソロをTNKタナカ氏が弾いている。
これまた、「こういうふうに弾いてくれ」と、
ギター・ソロを細部にわたって指摘。
そんな私に、TNKタナカ氏もイヤになっちゃた日があったり、
自らのギターの間(ま)とは異なる要求に苦しんだとは思うが、
今となっては、自信に満ちて弾いているのではないだろうか。

こうしたメンバーの意欲と頑張り。
そして、新しいギターによって、また音楽活動を再開できたこと。

そんな全てが素晴らしい。
それが嬉しくて、有り難くて、
3コーラス目を歌っていると、時々泣きそうになる時がある。
3コーラス目の「君」には、たくさんの感謝が込められているのです。

■破れた傘が捨てられない
今日も一日が終わった

昨日と同じ場所に ただ立ちつくす
水のない川を渡った 重たいカバンぶら下げて
でも中身は空っぽ

君がいなけりゃ埋まらない
使い古した慰めの翼で低空飛行

破れた傘が捨てられない
雨にうたれても会いたい
いつから君は変わった
いつから雨は降り出していたんだ

なんとかなると勘違い
甘い想い出にひたって また空回り
どうせ無理だと投げ出して
けれど諦めきれなくて また元に戻る

君がいなけりゃ眠れない
安っぽいおざなりの翼で低空飛行

破れた傘が捨てられない
雨にうたれても会いたい
いつから君は変わった
いつから雨は降り出していたんだ

[解説]
歌詞の内容のベーシックの部分は、

前出の「壊れたままの砂時計」と同じ。
破れた傘を捨てられないのだ。
新しい傘に変えられないのだ。
いつから君は変わったのか。
いや、変わったのは、変われなかった自分なのか。
そんな、未練と閉塞に打ちひしがれた曲。

演奏は10曲中、最もハードである。
動きの多いベースとハードなドラム。
ギターの音も轟音系。
この曲も、ギターは、バッキング・ギター3本を私が、
ギター・ソロをTNKタナカ氏が弾くパターン。
10曲中、TNKタナカ氏のベスト・アクトは、この曲だと思う。
ダーオ小田氏も、この曲がベスト・アクトではないだろうか。

歌のバックで、ところどころ、ちょろちょろと
単音で弾いているギターは、レコーディング前日に考えたもの。
つまり、普段の練習では弾いていないフレーズだった。
そのせいか、いざ録音してみると、しっくりこなかった。
そのため、現場で修正しつつ録音したが、
シンプルなフレーズながら結構いい味が出たかと。

ただ、メンバーは、その部分に関して、一切何も言わない。
むしろ「破れた傘が捨てられない~」と、
最後にリピートする部分のバックのギターが良いと言ってくれる。
これも、レコーディングにあたって追加したフレーズである。
評価していただき、とても嬉しいのだが、私としては、
ボーカルを邪魔しているようで、効果的だったのかどうか、
自信を持って、YESと言えないもどかしさがある。
皆さんは、どう感じるだろう。

■心配いらないぜ
いい気になっていたのさ わけもなく浮かれていた

全てが上手くゆくような気がして
けれども何も変わっちゃいないことに気がついて
雨の交差点 不意に立ち止まる

泣きたくなるような気持ちを隠してくれる傘はない
けれど心配いらないぜ いつか雨は上がる

響け空に 闇を越えて
届け君に つながれ君と

君からの連絡ずっと 途絶えたままになっている
話がしたいよ 声が聞きたい
惰性の酒にすがりつき このまま眠ってしまおう
大切なことも置き去りにして

忘れてしまいたいけれど 忘れることなどできない
けれど心配いらないぜ いつか風は吹く

響け空に 闇を越えて
届け君に つながれ君と

悲しみ吹き飛ばし 運べ夢を
流れる雲よ つながれ君と
届け君に

[解説]
アルバム・タイトルの「雨の交差点」は、

この曲の歌詞から引用した。
このアルバムで歌っていることを簡潔に示してくほしいと
インタビューを受けたなら、
「この曲の最初の4行だよね」と答えるだろう。
まさにアルバムの根幹となる曲である。
つまり、最も歌いたかったことである、君に対しても、自分に対しても。

この曲も、ギターは、バッキング・ギター3本を私が、
ギター・ソロをTNKタナカ氏が弾くパターン。
5月にリリースしたシングルの際のバッキング・ギターとは
少し違う感じに弾いている。

酔った帰り道で一人、時々口ずさんでしまうほど愛着がある曲。
この曲がカラオケになってくれないかなと思う。
メンバーで飲んで、〆の曲として、みんなで歌いたい。
そんなことがあったら、感極まって泣いちゃうだろうね。

     ◇      ◆      ◇

前半の5曲が終了。
ここでブレイクタイム。
裏ジャケットのフォトはこれ
雨の交差点/裏ジャケット 
撮影場所は、札幌の米里インターの近く。
米里インターは、高速道路が未来都市のように、
上下左右に複雑に交差してる。
これを下から撮影しようと、早くから目をつけていた。

撮影したのは、9月下旬の、日の入り寸前。
別の日に、快晴や雨の日も撮影したが、
日の入りの空の感じが良くて、この写真に決定した。

ここからは、後半の5曲。

■埃まみれのブルーズ

昨日は一日中部屋にいたよ
外はとても天気が良かったけど
顔も洗わず 何も拭えず
壁にしみついた思い出にすがり
ひたすらに歌ったよ 歌い続けた
埃まみれのブルーズ

昼寝から覚めたとき 夜になってた
失くしたものは何かもわからずに
わからないまま酒を飲んだよ
何か埋めるように飲み続けたよ
狂おしく頭の中 鳴り響いた
埃まみれのブルーズ

昨日は一日中部屋にいたよ
手の届くものだけにぶら下がって
夜の曇り空 ツキに見放され
胸の中住みついた思い出にすがり
ひたすらに歌ったよ 歌い続けた
埃まみれのブルーズ
ひとりはぐれたブルーズ


[解説]
怠惰、憂鬱、本能、孤独。

惨めな日々から抜け出せない苦悩を、スローでブルージーな曲に乗せた。
なんて言うと渋いのだが、歌も演奏も渋さ不足。
しかしこれが、このメンバーの特性であり、実力だろう。
レコーディングまでの間、ベース、ドラムは、
ノリを出すのに、結構苦しんでいたし、
ギターのTNK田中氏も、弾くべきイメージがしにくかったようだ。

ボーカルの低音部分が下がりきっていないのが恥ずかしい。
特に1コーラス目の前半ズレは、他のバンドならボツ・テイクだろう。
しかし、次第に調子が出てきて、2コーラスからは気持ち良く歌っている。

こういう場合、1コーラス目だけ歌い直すことはできるし、
機械操作によって、音程を、やや不自然にはなるが修正することもできる。
プロの多くは、そういう手法で調整している。
ところが私は、それを非常に嫌い、拒む。
ボーカル全体の流れというか、
1曲の中における空気感を一定にしたいから、
そして、実力のままの方がいいというこだわりからである。

ギターは、バッキング・ギター2本を私とTNK田中氏で、
ギター・ソロを私が弾いている。
私がソロをとっている曲(TRACK-2、6、7、9、10)は
全てこの振り分けである。
ギター・ソロはテレキャスターを使用。
レスポール・ジュニアを使用して弾き直したかったが時間切れ。
だが、ボーカルの後のギター・ソロのフレーズは、
このアルバムの中で、個人的に最も気に入っている。
全然渋く弾けていないのが、いささか残念ではあるが。

■君はもういないのさ
寂しくて歩けない

虚しすぎて帰れない
君はもういないのさ
誰も待っていないのさ

もう一度夢みたい
窓の外は雨みたい
家のドア開けてある
スケジュールも空けてある

君を想うたび胸の中が
今も熱く震え出す

君とぼく似てるのに
雨は星に変わったのに
君はもういないのさ
誰も待っていないのさ
ほんとに何もないのさ

[解説]
この曲もスローで、ブルージーなナンバー。

私はこういうリズムの曲が大好きなのだが、
演奏アイデアも演奏テクニックも不足しており、
メンバーも私の求めるイメージを把握できず、苦労したと思う。

事実、全てのパートについて、レコーディング直前、あるいは、
レコーディングしながら変更を加えていったところもある。
例えば、3コーラス目の前半に入っている単音ギターは、
レコーディング現場で、なんとなく入れたくなって録音。
そのせいか、とってつけたような雰囲気になっている。
それでも気に入っている。

ギター・ソロは、クラプトンとバディ・ガイならば、
どう弾くだろうとイメージして作った。
作るまでは良かったが、雰囲気を出す実力が不足していた。

歌詞はすごく気に入っている。
ドラマチックでもなく、強烈なメッセージがあるわけでもなく、
アルバムの中での重要性も薄いかもしれない。
しかし、親バカみたいなことを言うようだが、
侘びさが愛おしくなる歌詞なのだ。

ギター・ソロの後のコーラスには苦戦した。
アルバム中のコーラスは、
ほとんどが1テイクか2テイクで成功しているが、
この曲は、何度も録り直した。
柔らかく伸びやかにやりたいのに、声を張り上げてしまい、
なかなかうまくいかなかった。
しかし、結構いい出来に仕上がってます。

■さよなら電車
君が描いていた夢は何だろう
今でもぼくは考えてしまう
夕暮れ時の古い商店街
人はまばらで けれど君はほっとすると言った

ああ長い坂道の途中
ささやいた風の中 どこへ流れてゆく

さよなら電車が君を乗せてゆく
まだ始まっても終わってもいない
こぼれた夢のかけら拾い 追いかけてゆく

君が探していたものは何だろう
今でもぼくは考えてしまう
港近くの空き地に駐めた車の中から
レールの音 聞いていたんだ

ああ長い海岸通りで
微笑んだ風の中 どこへ流れてゆく

さよなら電車がぼくを乗せてゆく
君と歩いた街が遠ざかる
途切れた夢の続き探し 次の駅まで

ああ長い坂道の途中
ささやいた風の中 どこへ流れてゆく

さよなら電車が君を乗せてゆく
まだ始まっても終わってもいない
こぼれた夢のかけら拾い 追いかけてゆく

[解説]
2004年から3年間住んだ留萌のことを歌った。

ほっとするような寂れた商店街、
ゴールデンビーチ通り、長閑な河川敷、殺風景な駅裏、
いくつもの坂道、その坂道から見える海の電車がある景色。
そんな全てが味わい深く、愛おしい。

留萌での3年間は楽しかった。
しかし、プライベートでは辛い出来事があり、それに心を支配され、
突き進むべき時に立ち止まってしまったことを、
今でもなお、あれで良かったのかと後悔まじりに考えることがある。

けれども、励まされ、助けられ、留萌を離れた今もそれは変わらず、
そんな全てがありがたく、
レコーディングでも、音合わせのために、リハーサルとして歌った時、
こみ上げるものがあり、声がつまって、きちんと歌えなかった。
そこで、一旦、外の空気を吸いにスタジオを出て、
一息入れてから本番に臨み、1テイクでOKだった。

ボーカルは、アルバムの10曲中、ベスト・テイクだと思う。
コーラスも、無難なフレーズだが、これもベストテイクだろう。
ギター・ソロは、ほとんど歌メロと同時に浮かんだ。
田舎の駅を電車が走っていくのをイメージしたソロである。
歌詞だけではなく、メロディも留萌テイストしたつもりである。

■洗車のブルーズ
洗車したその日の夜から
雨が降り続くように
人生なかなかうまくいかない

その後も雨は降ったりやんだり
予定狂って 踏んだり蹴ったり
あの娘はどこかへ行ったきり

さえないオレのさえないこのブルーズは
全然転がることなく 寒い部屋の中
泣いている

洗車して汚れをおとして
陳謝して水に流そう
そしてみんなに感謝しよう

人生ってやつは山あり谷あり
CCRはプラウドメアリー
そういうもんだろ それでいいだろ

さえないオレのさえないこのブルーズは
全然転がることなく 寒い部屋の中
泣いている
沈んでる
泣いている
凍えてる

[解説]
5曲目の「心配いらないぜ」について、

アルバムの根幹になる曲だと解説した。
この「洗車のブルーズ」は、裏の根幹となる曲である。

うまくいかない。全くさえない。
だから、洗車したり、陳謝したり。
でも、最後に感謝できれば言うことはない。
そのためなら、何度でも洗車して、陳謝しようじゃないか。
ただ、がちがちに縛られて、身動きがとれなくなるのはゴメンだぜ。
人生は山あり谷あり。
そして、CCRはプラウドメアリー。
それでオッケイ・オーライだろ。
そんな気持ちが、アルバム作成を支えたと思う。


リフで押しまくり、表のリズムで跳ねさせる曲で、
ザ・ハート・オブ・ストーンにあまり多くないタイプの曲。
ギターとドラムについて、結構細かい注文をしたが、
二人とも自分のものにするのが早かった。
二人は、表にアクセントがくる縦リズムが感覚に合うのだなと再認識。

以前にもブログで触れたが、
曲の最後にフェイドアウトが始まるあたりからの
私のギターソロのもたつきぶりを苦笑していただきたい。
ギターソロのフレーズは、オールマン・ブラザーズ・バンドのテイスト満載。
音まで似させた。
しかし、いかんせん、技術が追いついていない悲しさよ。

■夕立
Oh baby
お前を失って
Oh baby
闇をさまよう
泣きたいのに泣けなくて プラットホームで
通り過ぎてく電車をただ見送っていたんだ

突然夕立が降り 全てを流したよ
Oh yeah
何もなかったオレの目の前に虹が出る

Oh baby
わかったフリして
Oh baby
受け入れられずに
テーブルの上のコーヒー とっくに冷めていた
それに気づかず消えた香り 探し回ってた

突然夕立が降り 全てを流したよ
Oh yeah
何もなかったオレの目の前に虹が出る
虹の向こうには何がある?

泣きたいのに泣けなくて プラットホームで
通り過ぎてく電車をただ見送っていたんだ

突然夕立が降り 全てを流したよ
Oh yeah
何もなかったオレの目の前に虹が出る
虹の向こうには何がある?

[解説]
クグエ・ロックンロールのザ・スタンダードたる歌詞とメロディ。
「Oh baby」と「Oh yeah 」は歌いやすいし、しっくりとくる。
シンプルで使い古されている言葉なのに、
いつまでも私を熱くさせてくれる、なんて素敵な言葉だろう。

終わり方は、「ハード・デイズ・ナイトのパクリだろ」と言われたら、
「その通りだね」としか答えようがない。
「パクリじゃなくて、コピーだね」と付け足してしまうほど、
フレーズをそのまま使わせていただいている。

交差点を濡らした雨は、いつか上がる。
さえない自分の前にも、たまには虹も出る。
久しぶり再開できた音楽活動は、
生活に追われる日々の中での、まさに「虹」だった。
虹の向こうには何があるか。
それを見せるのが、これからの音楽活動である。

     ◇      ◆      ◇

長い長いガイドを読んでいただきありがとう。
一つの面に、極めて縦に長く記載したため、読みにくかったと思われ、
また、文字が多すぎて、ポイントがわからなくなった方も多いだろう。
それは十分に承知している。
「雨の交差点」というアルバムをリリースした足跡を残す意味も込めて、
自己満足と思われてもやむを得ないと思いつつ書かせていただいた。


とにかくアルバムがリリースできて良かった。
メンバーの熱い気持ちがあってこそ作成できたし、
読者の皆さんが、間接的に、直接的に背中を押してくれたと思う。
この広い世の中での、あまりに小さな出来事に過ぎないが、
ほんとに嬉しい。
リリースしたぜベイベー。

年末だぜベイベー。


テーマ:音楽 - ジャンル:音楽


先日、携帯電話を使おうと思い、
カバンの中から取り出してみると、電池が切れていた。
おそらく3日ほど前から携帯電話を開いていなかったので
全く気づかなかった。
充電してみると、電池が切れていた期間中、
一本の電話もメールもなかった。
これが私のスタンダードな携帯事情である。

そんな私に、23日は3本もメールが届いた。
うち2本は、前回の記事に関して、
削除しなければならないようなこと書いてないでしょ?
というものだった。
「こんな人の歌は聞きたくありません」とのコメントをいただき、
かなりへこんでいたので、とても救われた気がした。

正直、なぜあのようなコメントをされたのか疑問はあるものの、
「書くべきではない」と、短時間の間に2件もコメントを頂戴し、
どちらも勇気を出して送られたと思うため、
それを尊重し、敬意を示す意味でも削除すべきだろうと考えた。
それが最もすっきりしていただけるだろうということで。

今後、ドラマの一場面のような話を書くにも、
もっと気をつけなければいけないのだなと。
そういうわけで、今回はスープカレー。
おそらくダメージと恐怖により、
キレのない文章になるのではないかと。
それでも、どうぞ。

◆ガラムマサオ(札幌市北区北24条西4丁目 南向き)
ガラムマサオ/入口 
北24条繁華街の真ん中にある店。
駐車場がないので注意である。
毎年、年に一回程度は食べている。
しかしながら、このブログには初登場。
私の味覚的には、記憶に残りにくいことが、
登場のタイミングを妨げていたように思う。

スープはトマト系のサラサラタイプ。
細かく切った玉ネギが多くインされており、
コンソメスープ的だともいえる。
スパイスは抑え気味のつくりである。

○骨付きチキン 930円+辛さ3.5(100円)
ガラムマサオ/骨付きチキン 
ライスの量が少ない。
少食女性にちょうどいいくらいの量で、
普通食女性でも、少なめに感じるのではないだろうか。
ただ、スープの量は多めである。

お客さんの入りは良い方ではないかと。
年齢層も男女比も様々だが、
ドン・キホーテの常連っぽいタイプの20代の女性を
行く度によく目にしているような印象がある。
決して特定の誰かをイメージして書いたわけではありません。
これまでの訪問の際の雑ぱくな印象です。

◆スパイスボックス(札幌市中央区南4条西1丁目 酒井ビル2F)
スパイスボックス/入口 
スガイビルのすぐ横の仲通り。
裏社会への入口的な、うっすらダークな雰囲気のある小道にあるビル。
そのビルも荒廃感があり、使われているのかどうか、やや戸惑う。
その2階に、スパイスボックスは存在する。

もうオープンして7、8年になるだろうか。
これまで5回くらい訪問していると思う。
スープは、マジックスパイス系のサラサラ。

ただ、訪問するたびに、スパイシーさが抑えられ、

家庭的エスニック・スープのようになっているような気がする。
また、訪問するたびに、スープも具も
量が少なくなっていってるような気がする。
全ての具が小さくカットされていることで、
そう思ってしまっているのだろうか。

○チキン 950円(消費税別)+辛さ50番(60円・消費税別)
スパイスボックス/チキン 
仮に2003年頃に、スープカレー・オブ・ザ・イアを
やっていたなら、トップ10にランクしていたと思われる店であり、
かつてはもっと刺激的で躍動的なカレーだったイメージがあるだけに、
ひと踏ん張りしていただければと。

なお、価格表示が消費税別となっており、
支払いの時に、思っていたより高い額に感じるのはマイナス要素。
まあ、細かい話ではありますが。

◆べす(札幌市白石区北郷5条9丁目 札幌新道近く)
べす/店 
人気店である。
土・日は午後2時台でも行列ができ、平日の夜も行列ができるほど。
平日の午後7時頃にはスープ切れで閉店になることも珍しくない。

スープは、アジャンタ系。
薬膳強めで、油が浮く、濃い赤茶色のスープ。
旨みもコクもしっかりとあり、ライスを進ませるしっかり味。
ただ、私としては、もう少しすっきりした感じが好みかなと。
具はスープカレー店の中では確実に上位だろう。
何の注文もない。美味しいと思います。

べす/チキン 
今年の訪問時に気になったのは、
とにかく店員の方が忙しそうで、バタバタと歩き回っていたこと。
何度も近くをスピーディに、風を起こして通っていくため、
落ち着かない気持ちで過ごした。
繁盛店ゆえの致し方ない環境かもしれないが。

いずれにしても、ベーシックかつ本格的でありつつ、
ポップさも兼ね備えているところが魅力になっており、
人気店であるのが頷ける味ではある。

◆SAMA北大前店(札幌市北区北16条西3丁目 仲通り北向き)
sama/店 
市内に、本店(宮の森)、大谷地店、北大前店の3店舗を展開。
とろみのあるトマト系スープで、
トマトホールとタマネギをふんだんに入れて作った
ルーカレーっぽくもあり、甘みとコクが強めである。
キレやトリップ感は薄いが、
広く受け入れられるタイプだと思われ、
特に「lavi」や「心」のカレーが好きな方は気に入るのでは。

sama/チキン 
平日夜に訪問したが、大学生っぽい人を中心に結構な客の入り。
しかも、ジャージー姿のグループがいる。
このように平日の夜に北大界隈の飲食店に行くと、
こうした部活動帰りのグループを見かけることが多い。
彼らにとっては、何気ない青春の1ページだろう。

私が大学生の頃は、こういう店で夕食は滅多に食べられなかった。
たまに外食するとしても、
最も多かったのは「みよしの」のカレーだった。
基本的に、「大盛りぎょうざカレー」ばかりを食べていた。

ただ、そんな学生達を羨ましく思うわけではない。
「君達はいいよな」という妬みなど全くない。
若者は若者で、その季節を楽しめばそれでいい。
走り抜ければいい、世界の果てまで。
この世を追い越すぐらいのスピードで。

若者に負けていられないと思ったりなどしない。
中年パワーを見せてやると意気込んだりしない。
というか、中年パワーという言葉も、
ついでに、オヤジバンドという言葉も非常に抵抗がある。
決して若ぶりたいのでも、若くありたいのでもない。
単に、語呂が嫌というか、中年のパワーが特別なもののように
感じ取れる雰囲気が駄目なのだ。
「バンドをやってるオヤジ」と呼ばれる方がまだいい。
いや、やっぱり「オヤジ」という言葉自体に抵抗があるのだ。
「40代」と言われるのは全く抵抗がないのだが。

そして今気づいたが、カレー店のことは、
最初の7行しか書いてないじゃないか。
自ら問題を提起しつつ、今回はこのまま終わっていく。
このぐたぐた感はなんだ。
やはり、前回の記事の動揺が大きい。
私のハートはガラス製であり、壊れかけのレディオである。

テーマ:カレー - ジャンル:グルメ


20日日曜日、レコーディング音源のミックスダウンを終え、
ついにCDの音部分は完成した。
CDジャケットも完成した。
残りは歌詞カードの作成とダビング作業である。

公式完成日は12月25日。
価格は1,000円。
当面は、通信販売と直接手売り販売のみとし、
郵送の場合は、12月28日頃から随時発送していきます。
なお、送料は、とりあえず1月末まで無料とします。

ご購入していただける方は、
このブログの「コメント」又は「拍手」ページから、
その旨をお伝え願います。
住所を掲載する場合は、必ず「非公開」にしてください。
なお、5月にリリースしたシングルCDをご購入の方の住所は
私が保存してありますので、記載されなくて可です。

別途、年内に、「雨の交差点・完全ガイド」を
このブログにて記事にする予定です。
よろしくお願いします。

そういうわけで、今年の最大目標としてきたCDリリースも
実現手前の段階まできた。
16日にはライブも終えた。
一段落である。
レコーディング本番は、リラックスムードでやるのだが、
そこに行き着くまでは、なんとか達成はなければと、
なにがしかの緊張と抑制を感じながら過ごしてきた。
これで解放だ。

と思いきや、感じているのは解放ではなく、むしろ空虚である。
厳密には空虚ではない。
完成品という現物はあるし、気持ちの面での充実感もある。
なんというか、達成したことにより、
その先がなくなってしまい、寂しさを感じているのかもしれない。

仮に…

(以下、23日に付け足し)
「仮に」までの文章は、22日朝に更新した文章です。
これ以降はカットすることにしました。

なぜなら、当初は、この記事のタイトルどおり、
寂しさを例える架空の話を書いたのですが、
それに対して、コメントにありますとおり、
非常に厳しいご批判をいただいたからであります。

記事での物語を簡潔に言うと、
知り合いの女性が、男性といるところを偶然見かけた。
それがちょっとショックで、なんとなく寂しい気持ちになったが、
だからといって恋愛感情がわくわけでもなく、それもまた寂しい。
ライブ後の今は、その二つの寂しさを足して2で割ったような気持ちだ、
というものです。
恋愛感情のある設定だと、ただ辛いだけであり、
今の寂しさとは違うわけで…。

自分自身のことでも、自分の周りで起こったことでもなく、
想像の中での例え話として書いたのであり、
これのひとつ前の記事の
新しい彼が、実は借金癖があり、DVだったというのと、
パターンは同じだと捉えていたので、
驚いたというか、ショックというか。

勘違いをしていたのは男の側なのだ、
それに気づいて寂しくなってしまった、
そんな情けない男の有りようを書いたものであり、
そう捉えていた方が多いのではないかと思っています。
ほとんどの方は「わざわざナンセンスな作り話を引き合いに出して」と、
軽い気持ちで見ていたのかなと。

客観的に書いたつもりが、
事実だと想像させるような書きぶりになっていたのか。
事実ではないことはわかるとしても、
話の設定や登場人物の考えがよろしくなかったのか。
イメージを膨らませて物語を作る上で、
人の心の奥の黒っぽい部分や駄目な部分を織りまぜた方が面白くなるかなと、
思ったところもあり…。

いずれにしても、不愉快な気持ちになった方がおりました。
お詫びします。申し訳ありませんでした。
勇気をもってコメントをくださったのだと思いますので、
そのことを尊重して記事は削除しました。
いただいたコメントにつきましても、
私自身への厳重注意の意味も含めまして、そのままにしておきます。

テーマ:音楽のある生活 - ジャンル:音楽


ライブが終わった。
まさに、止まらぬバスの終着駅に着いたような気がしている。
ここからどこへ、どんな方法で行こうかと、
ゆっくりと考えたい気分だ。

まずは、見に来てくだった皆さんに感謝である。
遠くからJRに乗ってまで、
出張帰りにもかかわらず、
仕事の時間を調整してもらってまで、など、
手間をかけ、時間をかけ、お金をかけて
よくぞ見に来てくださいました。
皆さんのおかげで、なんとかライブが形になりました。
ありがとうございました。

演奏した曲は次のとおり。
1 洗車のブルーズ
2 新しいギター
3 さよなら電車
4 埃まみれのブルーズ
5 心配いらないぜ

急遽決まったライブであり、半年ぶりのライブでもあったが、
CD作成のために、定期的にスタジオ・インしていたし、
その中で音楽への関わり方について、
ひとつ突き抜けられたような感覚があったので、
気負いはなく、リラックスしてできるだろう。
そして、通り過ぎる景色のように終わるだろうと思っていた。

実際、リラックスしてできたし、楽しくやれた。
ただ、ライブが終わった後の、
気持ちの空っぽぶりは予想外に大きかった。
今回のライブは、日常の一部として気楽に、という感覚だったが、
終わってみて感じたのは、完全に非日常だったということ。

やはり、ライブに向けて、
無意識のうちに気持ちが高ぶっていたのだろう。
ライブが終わり、打ち上げて、帰宅しても、
まだ興奮冷めやらずだった。
今日の朝でさえ、まだふわふわしていた。
通勤時、職場手前の交差点での信号待ち。
この交差点を渡ったら、一気に日常に逆戻りだなと、
とても寂しい気持ちになった。

091216ライブ 
演奏は、お客さんにもわかるようなミスも多く、
安定感と瞬発力の面で、大きな課題を残す内容ではあった。
そのことをライブ直後から、そして今も悔やんでいる。
しかし、あくまで私側からの感覚になるが、
演奏ではなく、ライブという括りで考えたとき、
意外と理想的にできたかなと感じている。

ボーカルは、結構やりたいイメージどおりにできたし、
MCは、全く緊張も焦りもなく、
いつまでもトークできそうな気がしたほど。
かなり喋って、曲を演奏するという、
ある種、ラジオ放送的なライブだったかもしれない。

事実、今回のライブで心に残ったシーンは?と見ていた方に聞いた場合、
ひとつの前の記事での「通りすがり改め常連」さんのコメントにあった話と
答える方が多いかもしれない。
それは、次のような話である。

夫との関係がすっかり冷めてしまい、
疲れ果てた毎日を送っているときに現れた年下の男。
彼は、話をよく聞いてくれるし、
自分をひとりの女性として見てくれる。
夫と別れようかと考えているときに、
別の男から優しくされて、この人にかけて見たいという気持ちになった。
やがて彼女は、夫と別れて家を出て、彼と暮らし始める。
しかし、同居してから3か月してわかった。
彼は借金癖がひどく、しかもDVだった。
こういう経験のある方はいるか?と、ステージから
見に来ている女性のお客さんに対して聞いたのだ。

これがロックのライブでやるMCか?
しかも、オチがなく、女性に問いかけて終わらせたのだ。
ただ、この話をしている最中に、
私のアドレナリンが活発化したのも事実である。

実は、私の中では、オチのイメージはあったのだ。
この話をする前に、民主党は散々だという話をしている。
その流れの中で、例えとして、
嫌になった男と別れて、
きちんと話を聞いてくれる優しい男と付き合い始めたが、
その男は、借金癖がひどく、しかもDVだった。
自民党から民主党への政権交代は、
今のところ、そんな状況だ、という締め方をしたかったのだ。

ところが、前の夫とは、適齢期に付き合っていたので、
なんとなく流れで結婚したとか、
新しい男と出会ったのは、かつてのOL時代の同僚と飲みに行ったときだとか、
話を広げるための枝葉の部分を考えながら喋っているうちに、
自民党も民主党も、頭の中から消えてしまったのだ。

091216ライブ2  
演奏、アレンジ、空気の作り方、
テクニック、気持ちのもっていきかたなど、
次のライブに向けて様々な課題がある。
ただ、良くも悪くも、現在の実力はそのまま出せたかなと。
いい歌と演奏ばかりに固執しても、いいライブはできない。
しかしやはり、いいライブをするために最も重要で、
最も基本的なことは、歌と演奏を良くすることだ。
 
次のライブは、2月11日(祝日)に予定。
詳細が決まりましたら、随時お知らせしていきます。
トクちゃんも、また見に来てきてください。

今週日曜日は、CD収録曲のトラックダウンとジャケット作成である。
12月25日リリース予定である。
こちらも販売方法等、随時お知らせしていきます。

前半に書いたとおり、気楽に考えていた今回のライブだったが、
思いの外、気持ちが高ぶっていたのか、
ライブ後の気抜けぶりに戸惑っている。
疲れもなく、眠くもない。
それにしても、ライブは定期的にやっておかなければいけないと
改めて感じた。
揉まれていかなければ、強くなれないし、
内にこもっていると、気づくべきことも気づかずに過ぎていく。

とにかくライブができて良かった。
止まらぬバスの終着駅に下車した今、
ここは始発駅でもあるのだなと実感している。
次はもっといいライブができるだろう。
未来は明るいぜ。

テーマ:音楽のある生活 - ジャンル:音楽


明日がライブである。
急に決まったライブであることや、
最近は、止まらないバスに乗ったままのような毎日だったことで、
いささかの不安はあるが、
このライブが、止まらなかったバスの終着駅だ。
なんとか望む場所にたどり着けた思いを、声と楽器に託したい。

なお、ブログに非公開メールで予約をくださった方、
ありがとうございました。
チケットはしっかり準備しておきます。
よろしくお願いします。

      ◇        ◆        ◇

さて、ライブ前日という押し迫った状況にありながら、
本日もブログを更新。
今回はブックレヴュー。

ブックレヴューで取り上げる作品は、
私の中で10点満点の5点以上のものだけにしている。
したがって、読んだけれども紹介されない作品もある。
概ね6冊に1冊が紹介されずに終わっているような気がしている。

ブックレヴューの際は、基本的に3冊同時に取り上げている。
これは、読み終えた順に3冊をピックアップしているわけではない。
3冊の中には、必ず7点以上のレベルの作品を
1冊は入れるように意識している。
よって、例えば、5点レベルの作品が続いた場合は、
7点以上のレベルの作品に出会うまで待機させることもある。

で、今回の3冊だが、いずれも8点以上のレベル。
私のブックレヴューとしては、今年最高のラインナップである。
1月に発表予定の、私の選ぶ「2009・ブック・オブ・ザ・イア」に
3冊とも選ばれる可能性もある。
それではどうそ。

■柳広司「ダブル・ジョーカー」
   柳広司/ダブル・ジョーカー 
昭和10年代、日本の陸軍内に設立された架空のスパイ組織の話。

5つの短編で構成されている。
このスパイ組織は、「死ぬな、殺すな」を基本とする。
命の犠牲を当然とし、美徳としていた当時の日本の軍隊の志向を
真っ向から否定。
いわば反体制。
つまり、現実にはあり得なかったスパイ像ではある。
しかし、こうした設定の方が、現代的な感性にはマッチしており、
それが面白くさせたともいえる。

スパイしている者が、実はスパイされていたという構成が基本。
スパイ行為の緊張感や、スパイとなるための「からくり」の妙など、
実にスタイリッシュに表現している。
そう、文体が非常にかっこいいのだ。
ソリッドでタイトでクールな文体と展開は、切れ味が鋭く、
いわばロック的なリズムに思える。
内容の面白さもあるが、私にとっては
文体の良さが高評価の大きなポイントになった。

キャラクター設定も巧みである。
物語の核となる人物イメージを、
短時間でしっかりと読者に植え付けてくれる。
また、昭和10年代という設定であるが、
くどくどと当時の状況を説明することはなく、
物語の核にさりげなく絡ませていくように描いており、
時代の壁を感じさせない。

時代状況として、特に印象に残ったのは、地方の貧困ぶり。
その一例として、地方では、生活費に困窮している親が、
たかがしれた額の遺族年金をもらうために、
三男、四男を積極的に軍隊へ送り込もうとする様を描かれている。

作品によっては、スパイ関係が二重、三重になっており、
つまり、裏の裏をかく、みたいな展開で、ややこしいものもある。
また、どの人に対して、何のためにスパイ行為をしているのかが判然とせず、
何が善で何が悪かも混沌としてくる。
ページを戻して読み直すが、それでもわからない。
わからないのだが、わからないまま読み切れて、しかも面白かったと思える。
そんな不思議な魅力がある。

ひとつめに掲載している、表題作の「ダブル・ジョーカー」は
ほんとに素晴らしい。
今年読んだ短編の中では、道尾秀介「鬼の跫音」に掲載されていた
「けもの」と並んで出色の作品である。

■佐藤正午「身の上話」
佐藤正午/身の上話 
地方都市で本屋の店員をしている23歳の女性。
成り行き任せで、ふらふらと生きている。
彼氏はいる。地元の企業に勤めている。
不倫相手もいる。月に一度、書店にやってくる出版関係の会社の男。
何度も顔を合わせるうちに、なんとなく付き合うようになった。
こうしたことを彼女は深く考えず、ぼんやりと身勝手に過ごしている。

ある日、彼女は、歯の治療に行くため、
仕事の合間に、短時間の休暇を取る。
その際、他の店員達から、
外出のついでに宝くじを買ってきてほしいと頼まれる。
彼女は、歯医者に行くため職場を出る。
そこで魔が差した。

東京に戻るため、空港行きのバスに乗ろうとする不倫相手を目撃。
彼女も、なんとなく空港まで一緒に乗って行きたくなる。
とりあえず、頼まれた宝くじは買った。
書店の制服のまま、バスに乗った。
そこから、彼女の人生は、ジェットコースターのごとく流転する。

非常に面白かった。
読み手を引き込み、退屈させない展開。
理念や理屈など面倒くさいことを抜きにした徹底的な疾走、というか迷走。
先が知りたくて、ハイペースで読まされてしまった。
帰宅してやることがあるのに、読書を優先させられた。

登場人物は皆、最初のうちは、普通の人のように思えるのだが、
ページが進むごとに、誰もが怪しく、嫌らしく感じてくる。
欲と防衛心が絡むなかで、必ず誰かがどこかで崩れ落ちていくのだろうと、
変な期待感が高まってくる。

あの出来事の真相は?お金はどうなったの?など、
投げっぱなしで気になったまま終わった部分があり、
また、淀みなく後半まで強いパワーで読み手を引っ張ったわりに、
エンディングは、パワーの根幹がちょっと横にそれた感もある。
心に残る言葉や、文体の魅力も特段ない。

しかし、これだけ読ませる作品はなかなかない。
緊張感を絶やさず、興味をそらさず、そして、とにかく読みやすい。
普通の言葉で普通に書いているようで、
普通の人には書けない綿密さを感じさせる。
そんな熟練した書きぶりを楽しめる作品でもある。

■多島斗志之「黒百合」

多島斗志之/黒百合 
時代は昭和27年。
夏休みを六甲山にある別荘で過ごす男子中学生二人。
ある日、近くの別荘に来ていた一人の女子中学生と出会う。
三人は、すぐにうち解け、ハイキング、水泳、喫茶店訪問などを共にし、
思春期ならではの甘酸っぱくも切ない時間を過ごす。
そんな、かけがえなのないひと夏の思い出を、繊細に端正に描いている。

一方、少年達の父母等を取り巻く状況が、昭和10年から語られる。
ベルリンで出会った女性、電車の運転士に恋した女学生、
電車会社の会長、「六甲の女王」と呼ばれる女性。
そうした脇役のキャラ設定も巧みで、
第二次世界大戦前の時代状況を絡めながら、
ストーリーを豊かなものにしている。

時を超えて二方向語られるストーリー、これが最後につながる。
「そっちだったのか!」と、完全に作者の術中に
はまっていたことに気づく。
ページを遡って、確認してしまうこと間違いなし。

最後に起こる、ふとした何気ない出来事ひとつで、
散りばめられた点が、一気に線となり、面となる。
それまで見えてなかったものまで見えてくるほど鮮やかで劇的。
改めて読み返し確認してみると、
思いがけないところに伏線があり、
読者を翻弄し、見事なまでに別方向へ誘導されていたことに気づくのだが、
心地よく騙されたように気になる。
それは、劇的なオチであるにもかかわらず、
文章は至ってクールで、淡々としていることが要因である。
品のある余韻を残し、嫌味なく、すっきりと腑に落としてくれるのだ。

読み進むうちに、怪しさや不穏な雰囲気を次第に感じてくる。
そうした読み手の思いに応えるかのように、真相を小出しにしていく。
また、伏線なのかどうか微妙な書きぶりにさせておいて、
読み手がそれを忘れそうな頃合いで、伏線だったことを見せるなど、
タイミングや知りたい真相の量の加減が絶妙。
読んでいて、それに気づくのではない。
読んでいる時は、惹きつけられて、それに気づかない。
読み終わって振り返ると、綿密に計算されていたことに気づくのだ。

例えば、昭和27年当時に大ヒットしたラジオドラマ「君の名は」。
少女の叔母がこのドラマを好きだというシーンがある。
単に、時代状況を表すためのツールだと思っていた。
しかし違った。
ここにも、真相と結びつく要素が隠れていた。

オチと、オチにつながる数々の伏線。
それだけでも十分に素晴らしいのだが、
この作品の質を高め、愛おしいものにしたのは、
三人の少年少女の夏休みの描写の美しさである。
思春期の一途な心と揺れる心を、瑞々しく丁寧に描いている。

昭和27年当時のヒット曲「テネシーワルツ」。
物語の中盤、この曲を、少年少女が何気に口笛を吹くシーンがある。
これも単に、時代状況を表すためのツールだと思っていた。
ところが後半のある場面で、口笛を用いた素敵な演出をする。
作品の本筋とは関係の薄い部分ではあるが、
私が一番印象に残り、最も目が潤んだシーンである。

面白かった。そして素晴らしかった。
何のためらいもなく、幅広い層にオススメできる作品。
読み終えた後に感じる伏線の緻密さ、
そして、さわやかな感傷とでもいおうか、
切ない痛みに、なんとなく癒されるような傑作である。

      ◇        ◆        ◇

「ダブル・ジョーカー」は、男性向きな作品かと思うが、
「身の上話」と「黒百合」は、男女・世代を問わず楽しめる作品である。
特に「黒百合」は、図書館であまり貸し出されていないと思われるので、
結構狙い目である。
「身の上話」はバイしたので、読みたい方はご連絡を。

さて、ライブである。
明日は、朝から気持ちが落ち着かない一日になりそうだ。
観客が10人に満たない状況でのライブになるのではないかと、
結構本気で不安である。
来られる状況にありそうな方は、ぜひともご検討を。

今年はライブが2回しかできなかったが、
公言したCD製作も実現できそうであり、
それにも増して、ザ・ハート・オブ・ストーンの幹の部分が太くなった。
そんな充実した1年だった。
ザ・ハート・オブ・ストーンにとって、明日は大晦日みたいなものだ。
我々のちょっと早い年越しを見に来てください。


テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌


12月13日、半年近くに及んだレコーディングを終えた。
6月28日にスタートした第1クールで5曲、
10月上旬の第2クールで2曲、
11月下旬からの第3クールで3曲の計10曲。

自ら購入した録音機材を使い、
いつも練習に使っている「スタジオ・ミルク」にて、
自らの手によって、
まさに、オール・バイ・マイセルフの精神で取り組んだ。

隣や真下のスタジオに、他のバンドが練習に入ると、
そのバンドの音も拾ってしまう。
そのため、レコーディングは毎回、
他のスタジオにバンドが入らない朝10時から概ね14時までという、
一般的なバンドマンのイメージとは相反する完全昼型、
いや、朝型といってもいい時間帯に行った。
昼食前にボーカル録りをした日もあったくらいだ。

この後、トラック・ダウンや、CDジャケット作成など、
残された作業はあるが、とにかく音は録り終えた。
完成日は12月25日を予定。
一般リリース日は、年明けになるだろうか。
価格は近日決定。
詳しくは、おってブログでお知らせします。

年の初めから、今年はCDをリリースすると宣言した。
そのことをブログにも書いた。
それを達成できる。
ほんとうに嬉しい。
そして、ザ・ハート・オブ・ストーンのメンバーに感謝である。

メンバーそれぞれ、ずっと不安やプレッシャーがあったと思う。
レコーディングの最後の歌入れが終わると、
普段、表面的に見せる喜怒哀楽の幅が小さいベースのミチが、
「終わりましたね」と、ほっとした笑顔を見せた。
ギターのTNKタナカ氏は、
「今日は酒が思い切り飲める」と安堵の表情を見せた。
レコーディングに向けて、体調を維持し、ギターの練習をするために、
酒をセーヴしていたのだろう。
「よくやったな自分、よくやったなメンバー」。
メンバー全員そういう気持ちになれたと思う。

私も、自分のギターとボーカルの録音日に向けて、
まず最初に取り組んだのは、酒のセーヴだった。
私の場合、酒が、歌と演奏に最も悪影響を及ぼす。
酒を飲むと楽器を持たなくなるし、
二日酔いだと音楽に触れたくなくなるのだ。

さらに、喉管理のため、11月中旬からは、
職場内と自宅にいる時以外は、マスクの着用も徹底した。
これは、かなりの効果があったような気がする。

私の場合、レコーディングは、これまでの経験上、
どれだけ練習するかよりも、
心身に不安のない状態で臨めることが、
最も良い結果を生むと感じてきた。
仮に悔いが残るとすれば、練習不足や技術不足ではなく、
体調管理を怠った、あるいは失敗したことだろうと思っていた。

今回レコーディングした3曲の中で、
私が担当した「洗車のブルーズ」という曲のギター・ソロ。
これにかなりてこずった。
自宅で弾いたり、普段の練習の時はできるのだが、
レコーディングの時は、指がガチガチになってしまい、
意志どおりに動いてくれなかった。

この曲のギターソロの大半は20分程度で録音を終了した。
最後の4小節分だけが、うまくいかない。
この4小節だけのために30分以上を要した。
あまりに失敗を繰り返すため、結局、そこだけ別録音にして、
その箇所までのソロとつなげて編集するという、屈辱的な結末となった。

最後は時間切れで、弾きたいフレーズを弾けずに終わった。
弾きたいフレーズではなかったが、
ここはこういうフレーズなんだ、という
強引な理屈づけをすることにより終わらせた。
この部分は、曲の最後にフェイドアウトしていく部分なので、
音がだんだん小さくなっていき、あまり目立たないところなのだが、
ギターソロのリズムのもたつきは甚だしい、というか恥ずかしい。
ぜひ完成品を聴いて、もたつきぶりを確認していただきたい。

私は、何にしても80%の力を出せれば成功だと考えている。
レコーディングを通して、自分のプレーは概ね80%の力を出せた。
洗車のブルーズのギターソロだけは50%の力しか出せなかった。
そう思っていた。

しかし、落ち着いて考えてみると、
普段、何気なく弾くとできるのに、
レコーディングという空気の中ではできなかったというのは、
紛れもなく決定的な力不足である。
50%の力しか発揮できなかったのではない。
80%の力は出していたのだ。
自分のイメージしていた100%の力というのが、
思っていたより低かったというだけなのだ。
つまり自分の実力を見誤っていた。
そもそも実力以上のフレーズをやろうとしていたのだ。
体調管理以前の問題だった。
才能不足か、練習不足か、判断力不足か。
しかし悔いはない。
ある意味、今時点の実力は出したということだ。

そして12月16日はライブ。
もう2日後である。
レコーディング終了直後であり、
その翌日の日曜日は仕事があってノーホリデー状態。
ライブは平日夜。メンバーの長距離移動。真冬日予想。
何かと慌ただしい中でのライブとなる。
しかし、いい雰囲気でレコーディングを終え、
気負いがなく、力みがなく、
なんだかいけそうな気がする。
そう吟じてみたくなるライブ2日前だ。

エキセントリックなトークも期待してください。
ライブよろしくお願いします。

テーマ:音楽のある生活 - ジャンル:音楽


急遽、出演することになったライブは、もはや5日後にせまった。
詳細が明らかになったのでお知らせを。

○月日 平成21年12月16日(水)

○場所 ホール・スピリチュアル・ラウンジ
    (札幌市中央区南2条西4丁目 ラージカントリービルB1F)

○出演  18:45 The Daytrippers
       19:20 鹿野ケンジ
        19:55 THE HEART OF STONE
        20:30 モエエクトプラズム
        21:05 BLACK VELDT GONER
        21:40 BAD SIGN

○料金 前売1,000円 当日1,500円

上記のとおり、我がバンド、THE HEART OF STONEの出番は、
19時55分予定です。
出演決定からライブ日まで、期間が極めて短いですが、
しっかり準備をして臨みます。
いい意味でリラックスして、伸び伸びとできるような気がしています。
そして、この半年、ただCD作成のためにスタジオ・インしていたわけではない
ことを見せられるのではないかと。

まず重要なことは、ライブ当日の朝、仕事に行き、
夜、確実にライブハウスにたどり着き、予定の時刻にステージに立つこと。
そうした最低限の当たり前のことを疎外する出来事が起こらないことである。
まあ、どんな状況であれ、なんとかしますが。

慌ただしい季節の週の真ん中ですが、
せめて10人以上がいる前でやりたいなと。
ぜひとも、よろしくお願いします。

  ◇      ◆      ◇

さて今回は、ランチ・ネタ。
エリアは、江別市北広島市
いずれも札幌に隣接した中規模シティである。
10月下旬から11月上旬に、仕事でエベツ・キタヒロを、
それぞれ2日間、訪問した。

その際に、事前の調査と現地での生の声を参考にして訪問したのが
今回登場する4店である。

どこも美味しい店だった。
いずれも、それほどメディアでの露出はなく、
ふらっと国道を走っていても見つけられないところにありながら、
地元ではフェイマスな存在であることにより、プレミア感が増した。
成り行きのようで計画的、行きずりのようで予定どおり。
そんなエベツ・キタヒロ・ランチ旅である。
よろしくどうぞ。

◆ぱる亭(北広島市栄町1丁目 パルシティビル3F)
ぱる亭/店 
平成21年の今、北広島市といえば、国道36号線・大曲、
あるいは国道274号線・西の里を
イメージする方は多いだろう。
しかし、本来の北広島市の中心地であるJR北広島駅界隈を探訪せずして、
北広島ヴィジターと認めるわけにはいかないし、認めてほしくない。

「ぱる亭」は、JR北広島駅西口の商業エリアに存在する、
まさしく北広島の顔的なレストラン。
JR北広島駅の乗降客に、
「北広島を代表する飲食店を1軒あげてください」と質問したら、
おそらく「ぱる亭」が1位になるだろうと言われている。

中華焼きそば(あんかけ焼きそば)がイチ押しメニューであることは、
事前に情報を入力していた。
迷わずそれを食べるつもりで訪問したが、念のため、オーダーの際、
「一番人気のあるメニューはどれですか?」と店員の方に聞いた。
「あんかけ焼きそばです」と即答だった。

こういうのが嬉しい。
事実はどうであれ、この手の質問には即答することが重要である。
真剣に考え込まれたり、人それぞれなので、などと言われると、
どれも大したことのない味なんだろうな、
これといったオススメがないんだろうな、などと、
マイナス効果を生むような想像しかさせない時間を与えることになる。
こういう時は、とにかく即答だ。
また、「一番人気のあるメニューはどれですか?」の質問に対して、
「あんかけ焼きそばです。あと、カツカレーも結構、人気ありますよ」などと、
即答の後に、さり気なく別メニューを付け足せば完璧だ。

ぱる亭/中華焼きそば 
あんかけ焼きそばの「あん」は、正油ベースの、柔らかみのある無難な味。
酸味も程よく利いている。
具は極めてベーシック。

中華店のあんかけというよりは、ファミレスのあんかけ系で、
強烈さはない分、万人ウケするだろう。

最大の特徴は、とにかく皿が大きいこと。
直径30cmくらいあるのではないか。
そこに満遍なく、惜しみなく「あん」がかけられている。
一見すると、こんな量を食べられるか!と思う。
しかし、量が多いのは「あん」であり、麺ではない。
食べようと箸を麺に入れると、
麺の量はほぼ普通であることにすぐ気づくだろう。
実際、同席していた同僚のM美(20代・女・既婚)も、
ぺろりと食べ切る程度の麺の量だった。

ぱる亭/ラーメン 
ラーメンのどんぶりも、とんでもなく大きい。
これも、あんかけ焼きそばと同様、麺の量はやや多い程度で、
とにかくスープの量がすごい。
これまた、ラーメン屋のラーメンというよりは、ファミレス系の無難な味。

なお、正式名称は「ビアレストラン ぱる亭」というだけあり、
店内はビア・ホールのように広い。
店は小高いところに位置し、しかも3階にあるため、
北広島市の東方面の景色がよく見える。
ビバ!キタヒロ!な気分になれること請け合い。
北広島市ビギナーは是非行っておくべき店だろう。
こうして、ぱる亭訪問は終わった。
ぱるてい・イズ・オーバー。

◆あい屋(北広島市中央3丁目 第5大谷ビル1F)
あい屋/店 
北広島市在住以外の方は、
住所だけを見ても場所が全くピンとこないだろう。

北広島市役所のほぼ向かい側にある。
この辺りは、6万人都市の中心部とは思えない疲弊感が漂う商業エリア。
見方を変えれば、地方の長閑な商店街的な愛おしさもあり、
札幌市から家々が続いている大曲や西の里よりも、
「ふるさと北広島」を感じられるのではないか。

この店は、失礼ながら全く知らなかった。
北広島市での仕事先の方から、
「ランチメニューが多く、まあ無難に過ごせる店」との情報をもとに訪問。

基本的は完全に焼肉屋。
ただし、ランチメニューは、仕事先の方のアドバイスどおり、
焼肉系からオムライス、カレーまで和洋数種類あり、基本的に700円。
M美と私は、石焼ビビンバを、
中村NBRと山下MSTは、カルビの炙り丼をオーダー。

あい屋/石焼きビビンバ 
味は普通に美味しいのではないかと。
この店にしかない独自性や強烈さは薄いが、
やり過ぎず、くど過ぎず、焼きの香ばしさも程良く、
きちんとまとめた安心感のあるランチだった。
仮に、札幌駅のアピアやアスティ45付近に出店したら、
十分な集客が望めるのではないかと。

あい屋/カルビ炙り丼 
なお、ランチメニューをオーダーすると、
コーヒーとウーロン茶が飲み放題。
新しめの焼肉店ながら、どことなく地元感があり、
意外に、ディープ・キタヒロを語るなら、
こういう店こそ行っておくべきだと思えた。

◆龍の巣(江別市緑町西3丁目12-2
この店の場所は、説明するのが難しい。
江別市立ホスピタルの前のストリートを北に、

つまり、JR江別駅近くの国道12号線から
国道275号線方向へ進むと、
右側に店が現れる。

しかし、すぐに見つけられるかどうか。
道路から微妙に引っ込んだ位置にあることに加え、
道路沿いにある石材店の奥というか、
石材店の敷地内に存在するかのようである。
しかも、飲食店かどうか、すぐには判別できないような
和風モダンな落ち着きのある外観であるため、
石材店の方の自宅にも思え、
この建物がレストランなのかい?と戸惑うこと必至。

龍の巣/店 
店内は、古い洋館テイストを、和風モダンにアレンジしたような
シックさと優雅さがある。
テーブルをゆったりと配置し、隣席との距離も十分。
ちょっとした高級感のある雰囲気である。
見方を変えると、何も使っていないスペースが多いことで、
逆に落ち着かない部分もある。

料理は和洋中、幅広く、ランチは4種類だっただろうか。
「ランチの中では、どれが特にオーダーされますか?」の問いに、
「どれも同じくらいですかね。あんかけ焼きそばは美味しいですよ」との回答。
この佇まいのレストランで、あんかけ焼きそば?と、
期待は高まらなかったものの、その言葉に賭けてみた。

龍の巣/あんかけ焼きそば 
先入観を覆す、美味しいあんかけ焼きそばだった。
まろやかマイルド系のあんで、醤油のカドがないのが良い。
中華料理屋系でも、ファミレス系でもない。
いわば「カフェ系あんかけ」とでも言いたくなるような
独特の旨みとポップさと手作り感がある。
麺の炒め加減も、ちょうど良かった。
再度食べてみたい一品である。
ただ、900円は、ちょっと高いかなと。

龍の巣/パスタ&ザーピーセット 
同行した同僚の3人は、パスタ&ザーピーのセットをオーダー。
ベーシックにきちんと美味しく、品あり、ボリュームがありで、
男女問わず、幅広い層にうけそうな一品。
「山岡家」と「ななし」のラーメン、月見軒のチャーハン、
手羽家の手羽先以外には、あまり食へのこだわり見せない中村NBRに、
「江別でお昼を食べる機会があったら、この店ならまた来ますね」と
言わしめたほど。

夜は、ぜひ飲み会で利用してみたい店である。
ただ、雰囲気的に少人数での男グループには向かないかも。
必要なのは、ちゃんねえだ。
29歳以上のちゃんねえがマッチしそうな店だ。

◆花あかり(江別市向丘14の3)
江別市役所の裏に、使われていない広い敷地がある。
江別高校の跡地である。
かつては校舎のほか、グラウンドなど様々な施設があったことから相当広い。
市役所から見て、その敷地を越えた、住宅が建ち並ぶ地味な通りに
「花あかり」は存在する。

花あかり/店 
うどん店である。
江別産の小麦を100%使用した自家製麺を使用。
「江別小麦うどん」と称している。

私は外でうどんを食べることが滅多にない。
そのため、それほど語れるわけではないが、
これまでに食べたうどんの中では、
「五右衛門」、「ほくほく庵」と並んで、
トップ3にランク・インする美味しさだった。
もしかしたら、トップ1かもしれない。

太めの麺はモチモチで、見た目も美しかった。
「江別産小麦100%」という情報が、さらに美味しくさせた
つゆは、カツオ・昆布系のダシを強めに利かせた薄味で、
いい意味で、あまり正油を感じさせないのが好感。

花あかり/うどんと天ぷらのセット 
オーダーしたのは、780円のランチセット。
うどんのほか、天ぷらと付け合わせで構成されていた。
この天ぷらも、「今、作りました感」があって美味しかった。
このほか、シースー(寿司)をはじめ、和食全般を提供しており、
夜のプラス酒での利用をしてみたいと思った。

地味な通りの、少し引っ込んだところに店がある。
道路沿いの看板も小さくて目立たない。
それでも、ランチタイムは結構な混みようだった。
客はほとんどが女性で、中高年の方が多かった。
地名度があがれば、土日の行列が確実な店になれると思う。

再度訪問したいと思う。
しかし、うどんを外食したくなることが決定的に少ない。
うどん目当てで、車を走らせることもほとんどない。
そんなときに背中を押すのは、ちゃんねえだ。
ちゃんねえは、うどんに対する抵抗が少ない。
ある意味、いつでも食べられるものだ。
奇しくも、この店もまた、
29歳以上のちゃんねえがマッチしそうだ。

  ◇      ◆      ◇

この時の江別訪問では、嬉しい再会があった。
約20年前にバンド活動をしていた頃、
「ファンハウス」というバンドと、よく一緒にライブに出演した。
ファンハウスのベーシストだった「YO」氏と、
いつ以来かわからないほど久しぶりに再会した。
私が仕事に行った先の、隣の部署にいたのだ。

不思議なものだ。
自然に握手をしてしまう。
3分くらい会話をしているうちに、時間がプレイバックする。
20年前とは、お互い、自分自身も、自分を取り巻く状況も変わった。
しかし、私も彼も、あの頃、あの場所に確かに立っていた。
それは単に思い出ではない。
あの頃、あの場所に立っていたことが、
現在につながっていることを確認できたような気がする。
失くした気持ちを取り戻したような、
元々の気持ちを気づかせてくれたような、そんな気持ち。
つまりそれは、元気をもらったということだ。
「元気」とは、文字の通りだと妙に納得。
心から嬉しく、そして有り難く思えた、YO氏との再会だった。


タイガーウッズに8人目の愛人発覚で8オーバー。
私生活ではパープレイをできないのか。

ゴルフシーズンが終わっても、
ウッズ・ネタは冷え込みそうにない。
ここ札幌も、本格的に冷えこむ日が少ない。
また、この時期で、これほど雪がないのは珍しいだろう。

とはいえ、夜は時々、思いがけず極めて寒い日がある。
私は、かなりの寒がりでありながら、
冬の通勤時は、この10年ほど、
それほど暖かそうには見えないコートで過ごしてきた。
何年かに一度は買い換えるのだが、
決まって、表生地は綿で、裏面は着脱できる毛のインナーがあるような
丈が長くはないコートを着ていた。

なぜなら、スーツにモコモコなものを着るのを好まなかったからだ。
モコモコなものは暖かいだろうし、楽だというメリットはある。
しかし、無駄に身体が膨らんで見えるため、
「あんたは、キン肉マンか!」と言われないまでも、
ほんとは言いたいのだろうなと考えると、
テンションが下降し、仕事に行く気が失せると考えたからだ。

着用しているコートは、とりあえず冬物であり、
風を通しにくい素材ではあるし、インナーもある。
ところが、やはり現実は寒い。
特に腕から胸にかけのあたりが寒い。
ただ、我慢できないほどではない。
モコモコ回避のためには、多少の無理は必要だ。
そうした信念とやせ我慢の狭間で冬を越してきた。
寒がりながら、強がりだったのだ。

ところが、昨年、普段着用にダウン・ジャケットを購入。
その軽さ、柔らかさ、暖かさに驚いた。
しかも、昨今のダウンは、ぶかぶかしていないものも多い。
ボディにもしっくりと治まり、肌触りも良い。

そんなダウンの魅力にとりつかれ、また、年齢的なこともあり、
もう無理や我慢をしている場合ではないと思った。
スタイリッシュだとか言ってる状況ではない。
モコモコさせず、ぶかぶかさせず、ダウンを着る。
マネーの問題じゃない。楽になろう。自分を許そう。
11月上旬に、サドンリ突然、急激に寒くなった夜の帰り道、そう決めた。

その頃から、ちょくちょくダウン探しにタウンを歩き始めた。
しかし、なかなか気に入ったものを見つけられない。
丈が短かったり、光沢が強過ぎたり、値が張りすぎたりで、
条件面で折り合える品物に巡り会えない。

色々な店に行くのも疲れてくる。
求めてもいないのに、店員につきまとわれるのが、ほんとにうざったい。
ただなんとなく、陳列されているシャツの前で立ち止まる。
その瞬間、「シャツをお探しですか?」とくる。
こういう時は、とにかく面倒くさいので、
「いいえ」と、はっきりと答えている。

話しかけないものの、常にこちらの動きを監視し、
こちらが動けば、同じ距離を保って、一緒に移動する店員もよくいる。
商品を手に取った瞬間、その商品の説明をするために近寄ってくる。
それを避けるため、フェイントをかけたりもするし、
話しかけてきそうな気配を感じたら、咄嗟に移動したりもする。
また、「試着しちゃっていいんで」的な言葉遣いにむかついたり。

気に入った商品を探す手間と、店員とのやり取りの面倒さ。
こういうことに強い抵抗感があるせいで、買い物嫌いになったり、
インターネット通販に走る人は多いと思う。
十分に納得できる。
しかし、私にはそれが、なかなかできない。
現物を見て、触って、試着をしないと、
どうしてもバイできないアナログ人間なのだ。

それにしても、店員はどうして放っておいてくれないのだろう。
私は、明らかに、「放っておいてくれオーラ」を発しているはずだ。
客の表情や仕草や雰囲気などに関係なく、
同じ接遇をするようにと、たたき込まれているのか、
それとも、融通がきかない人なのか、鈍いだけなのか。
客ありきではなく、自分ありきでしか接遇できないのか。

もちろん、放っておくだけでは売れないのはわかる。
しかし、全ての人がそうではないのだ。
放っておいてくれるから、買える人も多いのだ。
実際、客は、店員の言葉に押されて受け身でいるよりも、
客自身から店員に話しかけた方が、気分がのるし、責任も感じるだろう。
つまり、客に気兼ねなく質問させるような雰囲気なり展開に
持ち込む接客を心がければいいと思うのだが。

こうしたことから、いい距離感で放っておいてくれる人や、
初対面の人に対して社会人的な言葉で接してくれる人からしか、
ものを買いたくなくなってしまった。
店員との対応が面倒なのか、私自身が面倒な人間なのか。

そんな私だが、ついに望んでいたようなダウンに出会った。
いまや滅多に行くことがなくなったパルコにて出会った。
「カナダグース」というメーカーの「バンクーバー」というモデルである。
インターネットで見たことはあったが、現物は、やはりパワーがあった。
質感が良く、ホットになれること間違いなし。
余計な装飾がないのが良い。
前のチャックからフードにつながるラインも一体感があって理想的。
しかし、いかんせん高額だった。
何年かに一度のこととはいえ、おいそれに、とはいかなかった。
一旦、冷却期間をおく必要があった。

ただ、店員の方は、
「カナダグースは今日入ってきたばかりなんですけど、
 数に限りがあるのでお早めに」、
「去年仕入れたときは、2週か3週のうちに全部売り切れたんですよ」などと、
プレゼンテーションをしてくれた。
「またまた、そんなこと言って、ほんとは裏にたくさんあるんでしょ」と
思いつつ店を後にした。

とはいえ、それ以来、毎日のように、自宅のインターネットで、
カナダグースの商品を見るようになった。
楽天市場などで安く売られているのではないかと期待したが、
全く値引きしていなかった。
しかし、それが逆に、私にとっては商品価値が高まった。

カナダグース/バンクーバー1 
ある日の帰り道、ステラプレイス1Fの某店に行くと、
カナダグース製品がいくつかあるのを発見した。
そこには、「バンクーバー」は置いてなかった。
しかし、店員の方の、
「カナダグースが一番暖かい」、
「ダウンの山(モコモコしたところ)が、外側ではなく、
 内側に施されているから、身体にフィットして着心地がいい」、
「重厚感があるようで、実はすっきりとしている」などの
プレゼンに興味が高まり試着。

おっしゃるとおりだった。
内側の山が適度に締め付けてくる感じがして気持ち良かった。
見た目よりも軽く、ごわごわ感がなかったのも好印象だった。
しかし、そこにあったモデルは、着丈やポケット付き方や素材の面で、
残念ながら私が望むものでは、私に似合うものでもなかった。
私の標的は「バンクーバー」だけなのだと確信した。
余談だが、私は、「バンクーバー」という言葉の響きも、
かなり気に入っていた。

店員の方に、このように言われた。
「カナダグースは、ここに掛けてある分しかないんです。
 ほんとに早く売り切れますからね」
パルコの某店でも同じようなことを言われたのを思い出した。
これはセールストークではない。事実なのだ。
いつかそのうち、と思って過ごし、
ようやく買う決心がついて店に行くと、既にナッシング。
そんな想像が膨らんだ。

それから、ほとんど日を置かずに、パルコ2Fの某店へ。
まずは「バンクーバー」が存在していることに安堵。
しかし、先日見たときよりは、明らかに数が減っていた。
買ってしまいたい。
結局は高額なのがネックだ。

とりあえず試着する。
やはり締め付け感が最高である。
内側に隙間がない感じが気持ちいい。
丈が長すぎず、結構フィットしているのもたまらない。
どんな極寒の地にも行ける気がしてくる。
「黒のMサイズは、これが最後です」
その一言で、バイ一歩手前までぐらついた。
買ってしまおうか。

念のために、もう一色(カーキ色)や黒のSサイズも試着。
どう見ても、黒のMサイズがベストである。
というか、それ以外は、全く似合わないといってもいいほどだ。
ここで私は、本音を漏らした。
「すごくいいんですけどね、値段がねぇ…。やっぱり高いですよね」

すると店員から、思いがけず、こんな説明をされた。
「今日から4日間は、パルコの各店で10%OFFセールをやってるんです。
 このカナダグースも10%OFFの対象なんですよ。
 正直、カナダグースまでOFFにしていいのかなと思うんですけど。
 とにかく今がお買い得ですね。
 しかも、PECカードで買うと、さらに5%OFFになるんです。
 このサイズは最後の1点ですし、もう入荷しないですし…」
その説明が終わるか終わらないかと時に、買うと店員に伝えていた。

カナダグース/バンクーバー2 
嬉しさのあまり、購入したことを誰かに伝えたくなった。
しかし、世界にあまたあるメーカーの中で、
「カナダグース」など知っている人は僅かだろうなと。
カナダグースの魅力を理解し、購入したことに食いついてくれるのは、
かつての同僚、エフノリ氏しか思いつかなかった。

エフノリは、今年の春に職場を異動。
現在は、隣のビルで働いている。
徒歩5分くらいで行ける距離である。
購入翌日、そのビルに行く用事があった私は、
「カナダグース、買っちゃったんだよね」と、
言いたいがために、彼のもとを訪問した。

「どんなの買ったんですか?」
「スーツが隠れる程度の、ちょっと長目なやつなんだよね」
「あっ、もしかして、バンクーバーですか?」
「そうなんだよ、バンクーバーなんだよ」
「いいですねぇ。私も欲しいんですけどね」
エフノリのところへ行って良かったと思った。
というか、エフノリと知り合いになれたことに喜びを感じた。
この会話の流れですぐに「バンクーバー」という商品名を
口にできる人は極めて稀である。

ただ、購入してから、なかなか寒い日がこない。
よってバンクーバーを身にまとう日がこない。
それでも着たいので、最高気温が4度くらいの日の朝、
通勤時に着用した。
歩いている途中で暑くなってきて、背中が汗ばんでくるのを感じた。
職場に着いて、バンクーバーを脱いで驚いた。
Yシャツのみならず、スーツまで汗ばんでいた。
強力すぎる保温性に困ってしまった。

スーツは脱げば済むが、Yシャツは脱げない。
Yシャツの背中は、広い範囲で濡れていた。
こんな季節に、そんな姿になっているのを気づかれないように、
朝の時間帯、ほとんど席を立たずに過ごした。
誰かに指摘されるのが怖かった。
「あれ?岩盤浴に行ってきたんですか?」
「そうそう、Yシャツ着たままね。
 やっぱり朝から行くと、すっきりするよね。
 って、行ってねえよ!」
そんなノリ突っ込みだけは避けたいと思った。
もっと寒くなってくれなければ着られない。
真冬日ウェルカムだ。


テーマ:日記 - ジャンル:日記



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