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まずはライブのお知らせから。
20180519ライブチラシ
よろしくお願いします。

                       ◆
今回はブックレヴューです。

砂田麻美「一瞬の雲の切れ間に」(2016年)
一瞬の    

小学生の男子児童が亡くなった交通事故。
児童の母親、事故を起こした主婦、その主婦の夫、
夫の不倫相手など、交通事故に関係した様々な人々が、
交通事故を境にして生活がどう変わったか、
心はどう動いたのかを、抑制の効いた文章で丁寧に描いている。

ざっくり言えば、登場人物は皆、変化についていけていない。
なので、全体的にもやもやしていたり、重苦しかったりで、
雲の中にいるような心情で過ごしている。
しかしながら、ちょっとした光も差してくるような展開もある。
それで「一瞬の雲の切れ間に」とのタイトルにしたのだろうか。

ドラマチックさはなく、静かに展開していくのだが、
ふと強烈に切なくさせるセリフがあったり、
上手な表現をするなあと感心させられたり、
小説だからこその醍醐味を味わえる。

ただ、交通事故を起こした主婦の夫の不倫相手の話から始まるのは
構成上どうなのかと。
しばらく感情移入ができず、作品に入っていく過程における
不必要なハードルに思えた。

遠田潤子「オブリヴィオン」(2017年)

オブリヴィ

遠田さんの作品は、辛い境遇に縛られ、自己嫌悪が激しく、
ネガディヴ思考がしみついている主人公であるバターンが多い。
本作もまさにそれだ。

妻殺害で服役していた男が出所。
仕事に就くが、刑務所帰りであることで嫌がらせを受け、
兄からは裏稼業を手伝えとしつこくつきまとわれ、
亡くなった妻との間の娘からは軽蔑されるなど、
出口の見えない陰鬱な日々を過ごす。

そんな中、妻殺害のきっかけにもなった娘の出生の謎が
明らかになっていく。
希望を持つことを怖がり、
あきらめ癖がまとわりついている主人公が
再生に向けて根性を見せる。
予知能力が軸になって展開したり、
人間関係があり得ないほど無茶苦茶なところはあるが、
とにかくページをめくらせる作品だ。

西野亮廣「革命のファンファーレ」(2017年)

革命の

筆者はお笑いコンビ「キングコング」のメンバーであり、
絵本作家など様々な仕事や活動を精力的に行っている。
今年の初め、晴れ着業者の逃亡事件により、晴れ着を
着られなかった人を対象に成人式を開催したりもしていた。

本作は、クラウドファンディングにより1億円を集めて
制作した絵本が大ヒットをしたことを軸に、
ざっくり言えば、ビジネス本のような内容である。
語り口調に近く、文字数も多くないので、さらっと読めてしまう。

成功した人だからこその理論だよね、と思える箇所が
多かったものの、下手に隠すより、思いきりネタバレさせた方が
それを見た人は行動に移すとか、
広告、宣伝は商品を買った人にさせる仕組みや、
分業の効果的な活用など、なるほど、と感じる点も多々あった。

不倫をしても、ゲスの極み乙女の男性は音楽活動ができたが、
ベッキー氏は活動できなくなった。
なぜならベッキー氏は人気ではなく認知度が高かったからであり、
好感度と信用は別物であると語っているのも面白かった。

それにしても、筆者はいつのまに
たくさんのフォロワーを増やしたのか。
SNSによるところが大きいらしいが、
SNSをほとんど活用していない私は
世の中の進化に乗り遅れているのだろう。
しかしそのことで悩んではいない。

乃南アサ「しゃぼん玉」(2004年)

しゃぼん

窃盗などの犯罪を繰り返し、逃亡生活を送る若者。
彼はヒッチハイクをしたトラックの運転手と揉め、
宮崎県の人里離れた山中で夜中に降ろされてしまう。

どこにいるのかもわからないまま歩いていると、
バイク事故で動けなくなっている老婆を発見。
荷台に老婆を乗せ、老婆の自宅まで送る。
行き場のない彼は、老婆の「ゆっくりしていけ」の言葉のまま、
老婆の家に居候するはめに。

老婆の家は、宮崎県に現存する椎葉村(しいばむら)
にあるという設定。
市街地から遠く、住んでいるのはお年寄りばかりという環境。
しかし、誰ともかかわらず、自暴自棄な生活を送っていた
彼にとって、手作りの田舎料理は新鮮で、
何かと声をかけ、世話をしてくれる地域住民も
最初はうざったく思ったが、次第に心を開いていく。

ただ、犯罪を繰り返して逃げ回っている身であり、
その村を出て行こうと考えるが、
地域に溶け込んでいくにつれて、出て行きにくくなる。

老婆のやさしさ、地域住民の温かさ、
それに触れて変わっていく若者。
文章から山の匂いがしてくるような描写も相まって、
非常に清々しいストーリーだ。
2017年には映画化もされたようで、
DVDでもぜひ見てみたい。

しゃぼん玉のように消えてなくなり、
そこにしゃぼん玉があったことも忘れられるような、
そんな人生の終わり方はある意味理想でもある。
変なものや厄介なものを残して死んでしまうのだけは
避けたいと。
それならむしろ、まるごと消えてしまえたらいいだろうなと。
しかし、それが一番難しい。


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まずは次のライブのお知らせを。

■日時 2018年3月17日(土)20時
■場所 LEGENDS(札幌市白石区)
■料金 1,500円(1ドリンク付き)
■出演(出演順・敬称略)
    mitsumi20:00)/激しい雨(20:40)/
    GOODSUN21:20)/MAKISHOJI22:20

よろしくお願いします。
           
さて今回はブックレヴュー。
立て続けにハズレの小説にあたったため、
先月後半から久しぶりに漫画を読んでみた。
良い作品に出会えた。

まずは小説から。

柚木麻子「BUTTER」(2017年)
 201803_02.jpg   

交際している男性が連続して不審な死に方をしたことで逮捕され、
収監されている女性と、その事件を追う週刊誌の女性記者。
収監女性は、魅力に乏しい容姿ながら、
品のある言動と料理によって、複数の男性を手玉にとった。

女性記者は、事件の真実と収監女性の実像をあぶり出すため、
刑務所で面会した際、オススメの店を聞き出しては訪ねるなど、
収監女性の嗜好に沿った生活を試みる。

痛い女の具体例や登場人物の心情の考察などは巧く描いているが、
いかんせん女性記者のキャラクターが捉えにくい。
女性記者の高校(大学)の親友を
頻繁に登場させているのも必然性に乏しく、
ストーリーの幅を無駄に広げ、焦点がぼやけた印象。
結果、文字を不必要に増やしてしまい、
読む勢いが削がれた気がした。

柚木さんの作品は、さくっとしていて読みやすく、

ストーリーをうまく転がし、きちんといいところに落とす。
すぐにでも、よく知られた賞をゲットするだろうと思っていたが、
最近の作品は、タイトルに寄せるための場面を
やや強引に盛り込ませているようなところがあり、
淀みができて、流れを悪くしているような。
この作品も、もっとサクっと、コロっと展開させれば、
と感じた。
ただ、前半から中盤にかけて、逮捕女性の嗜好をなぞることで、
心も身体も次第に変わっていく記者の様子は面白い。

野田サトル「ゴールデンカムイ」〈漫画〉

 201803_03.jpg

私のバンドのドラマーであるオダ氏がおススメしていた作品。
TSUTAYAで第10巻までレンタルして読んだ。
ちなみに第12巻まで発行されており、
現在も週刊ヤングジャンプで連載中。

明治時代末期の北海道を舞台に、アイヌが遺した金塊を探して、
日露戦争帰りの元軍人、刑務所帰りの元囚人、アイヌ民族などが、
戦い、協力し、旅をする物語。

第1巻から第3巻くらいまでは、
金塊争奪を目的とした硬派な描写や緊張感のある展開が多いが、
巻が進むに連れて、コミカルな描写を差し込む場面が増えたり、
登場人物それぞれのエキセントリックな個性を前に出してくる。

敵も味方も、善人も悪党も、
相当クセの強いキャラクターに作り上げている。
ただ、どこか可愛げがあり、
ひどいことをしているのに嫌悪感がない。
それぞれに魅力的かつ印象的で、物語をさらに面白くしている。

アイヌの文化や生活のガイドブック的な色合いもある。
それをストーリーの中にうまく溶け込ませることによって、
奥行きが出て、コクが深まっている。
特に狩猟も含めたアイヌの食生活は驚きと感動がある。
この作品を読むことで、アイヌへの興味や関心が高まる人は
少なくないだろう。
また、漫画だからこそ、強く、そして明確に伝わる良さがある。
バイオレンスでコミカルなのに、不思議な感動がある。

東村アキコ「かくかくしかじか」〈漫画〉
 201803_04.jpg

毎週聴いているSTVラジオの番組「しゃかりき!ようへい商店」。
パーソナリティのようへい氏は、毎週おススメの本を紹介する。
その中で私の琴線に触れたのがこの作品。
岩見沢市立図書館のホームページで検索すると、
全5巻が蔵書されているではないか。

作者自身の高校時代から現在までを描いた
ノンフィクション的作品。
高校時代に町外れの小さな絵画教室に通い始める。
そこの講師のスパルタぶりにうんざりするが、
結局、大学生になっても、ニートになっても、
漫画家になっても通い続けた。

作者は宮崎県屈指の進学校を卒業後、
難関校である金沢美術工芸大学に進学。
大学時代は有り余るほど時間があったのに、
真剣に絵に取り組まず、気分に任せてだらだらと過ごす。

卒業後は、就職するでもなく、大学院に進むでもなく、
地元宮崎に帰り、電話オペレーターのバイトを経て、
漫画家になる。

多くの人が思い当たるふしがあるような若き日のうぬぼれや、
あの頃なぜああいうことができなかったのか、という後悔。
わがままで、薄情で、いい加減だった自分。
大人になった今だからわかることを、
丁寧に、コミカルに、せつなく描いている。

スパルタ講師の言葉を思い出し、
絵を描くことが使命であると締めくくるエンディングには
素直に感動。
胸が熱くなった。

              


成功するための努力や、成し遂げた根性などは、
素晴らしいことだし敬意もある。
一方
、成し遂げられなかった悔しさや、
どうしてあんなことをしてしまったのかという後悔もまた、
時間が経てば、美しく、あるいは愛おしく思える。
そう感じられる年齢になったのか。

時間が解決してくれる、とまでは言わないが、
時間が解放してくれることはたくさんある。
もう少し辛抱をしたら、楽になれるかも。


やや冬バテ状態にある。
毎年経験しているのに、寒さと雪への対応に疲れている。
なのに仕事をしなければならないし、
健康のために無理しなければならないこともある。

冬を毎年経験しているとはいえ、
住んでいる場所や、取り巻く人間が変われば、
その環境における初めての冬ということになるし、
何より、年をとっていく。
45歳で経験する冬と、50歳で経験する冬は感じ方が異なる。
そういう意味では、毎日毎日が初めての経験になる。
いずれにしても、冬疲れ、はじめました。

今週末には、初めてニセコ町でライブをする。
〇日 時 2018年2月24日(土)時刻未定(18時頃から)
〇場 所 JRニセコ駅前「ニセコ中央倉庫群」
〇料 金 千円
              (又は千円相当の飲食物を持参し会場にいる人に提供)

〇出演者 不明

ニセコ中央倉庫群では、ほぼ毎月定期的にライブイベントを
開催しており、一度参加してみたいと思っていた。
岩見沢からニセコまでは車で3時間以上かかるし、
演奏するのは3曲のみだが、
新しい経験と刺激を得られるのではないかと期待している。

さて今回はブックレヴュー。
やや辛口寄りのコメントになっているが、
面白いか、面白くないかと聞かれれば、
迷いなく面白いと言える

■上原善弘「路地の子」(2017年)
 20180221_01.jpg
 タイトルにある「路地」は被差別部落のこと。

 大阪府松原市にある路地で食肉解体・卸売業に従事した
 上原龍造氏を描いたフィクション。
 筆者はその息子。

 上原龍造は昭和24年生まれ。
 貧困と部落差別の環境で、手に負えないワルになり、
 小学校へは途中から行かなくなる。

 やがて、食肉解体業に身を投じる。
 ヤクザからの入会オファーは幾度となくありつつも、
 群れることを好まず、クスリを嫌悪。
 右翼、部落解放団体、政治団体などと対峙し、
 ときに苦杯をなめながらも、高度経済成長の中、
 部落の利権を得て経営者に成り上がっていく。


 
読んでいて最も強く感じたことは、
 昭和40年代、50年代は実に激しい時代であり、
 部落という環境のせいもあろうが、
 覚醒剤、ヤクザ、ナイフ、金、暴力、愛人、独占、偽装など、
 現代であればコンプライアンスの面で大問題になることや、
 まともに犯罪であろう暴力事件も、
 警察沙汰にはせずに個々の問題として淡々と流されていくこと。

 
部落差別があったことは随所に書かれているが、
 具体にどういう差別を受けたのかはほとんど書かれていない。
 ただ、路地から脱出したい欲望にあふれた人が多い反面、
 結局は路地に戻ってくるなど、路地への愛着が強い人も多い。
 ちょっと別世界の興味深い内容だった。

■遠田潤子「アンチェルの蝶」(2011年)
20180221_02.jpg
主人公は大阪の片隅で居酒屋を営む中年男。
限られた常連客しか来ないうらぶれた居酒屋だ。
ある夜、中学時代の親友で今は弁護士となった男が
小学生の女の子を連れて店に来た。
この子をしばらく預かってほしいと言って、
500万円を置いて立ち去る。
この女の子は誰なのか。
男はなぜ消えたのか。

その日から、中年男と女の子の不器用な毎日が始まる。
いきなりの他人との、しかも娘のような年代の小学生の共同生活に、
戸惑い、ぶつかり、すれ違う。
とにかく中年男のぶっきらぼうぶりと負け犬意識がひどい。
ストーリー以前に、こういう男が20年間も、
料理を作り、客商売をしていること自体がファンタジーだ。

冒頭で現在の状況を示し、次第に過去を明らかにして、
真相に迫っていく展開が功を奏している。
登場するのは、ひとくせ、ふたくせあるバックストリートな人物
ばかりで、薄暗く、埃っぽい映像ばかりが浮かび、
なにひとつ愉快になれないが、読みモノとしては十分に楽しめる。
もっと読まれていい作家だと思う。

■今村昌弘「屍人荘の殺人」(2017年)
20180221_04.jpg

夏休みに山荘へ出かけた大学生約10人。
山荘の近くではロック・フェスが開かれていた。
その会場で細菌注射をうたれた観客がゾンビ化し、
瞬く間に感染は拡大。
一部のゾンビは山荘に押し寄せる。
大学生達は山荘に立てこもり、ゾンビの襲来から身を守るが、
外部から遮断された山荘内で、なぜか殺人事件が起こる。

前半、一気にたくさんの登場人物が勢揃いするため、
しばらくは、誰が誰だかわからないまま読み進める。
途中で改めて、登場人物をおさらいする場面があり、
そこで輪郭がはっきりする。この演出は助かった。

ゾンビという外部の敵と、山荘内に殺人者がいるのでは
という内部の敵とに挟まれる形で展開するのだが、
大学生の恐怖感や緊迫感が薄く、
また、山荘の構造が文章だけではなかなか見えず、
全体的にふわっとしたまま読み終えた。
もう一歩踏み込んで、腑に落としてほしいのだが、
喉元で停滞するような感じが続いた印象。

2017年のミステリ界で大きな評価を得た作品だが、
思いの外、ライトなテイストだった。
ただ、ライトだから良いとも言えるし、
ゾンビの絡ませ方も面白かった。
主人公にもう少し魅力があればなと。

■増田俊也「北海タイムス物語」(2017年)
 20180221_03.jpg
 北海タイムスは1998年に休刊となった北海道の新聞。
 1960年代から、朝日、読売などの全国紙が道内に進出した
 ことなどにより次第に部数が低下し、
 111年の歴史に幕を閉じた。


 特に90年代に入ってからのタイムスはページ数が少なく、

 ずいぶんと薄くなってしまったなと思った記憶がある。
 新聞紙の色は、北海道新聞より白っぽかったことを覚えている。

 本作は、経営が破綻しそうな時期に入社した大学新卒の男性の
 約1年間の仕事ぶりを中心に描いている。
 筆者は実際90年代にタイムスで働いた経験があることから、
 ほぼノンフィクションなのかと思いきや、
 何かとハチャメチャで、これが現実ならば、
 会社が破綻する前に、経済的にも身体的にも精神的にも
 社員が破綻するだろう内容だった。
 なんとなく漫画を文章化したような雰囲気だった。

 幹部社員も若手社員も年収200万円。
 長時間労働が当たり前で、それでいて、毎日のように
 夜中の2時過ぎから飲みにいく。
 金銭的にあり得ない話だ。
 職場は完全に体育会系のノリで、
 今でいうパワハラも当たり前に横行している。
 何度もどんよりした気持ちになった。

 ただ、タイムスへの郷愁はある。
 地下鉄西11丁目駅の近くにビルがあった。
 どこまでノンフィクションなのかは不明だが、
 晩年のタイムスは壮絶だったことが想像できるし、
 90年代のイケイケ感も効果的に盛り込ませている。
 それに比べれば、今は随分とクールで整然としていると思う。
 90年代ワンス・アゲイン志向の中年は多いかもしれないが、
 私は今の方が生きやすい。




北海道の人は皆、冬になると居間の温度を高くして、
Tシャツで過ごしたり、アイスを食べる、
という話をメディアで耳にすることがあるが、
そんな人に会ったことがない。

というか、私が寒がりなせいもあるが、
冬に「ちょっと暑すぎないか」という場所にいた記憶がない。
特に冬の飲食店はどこも寒いし、常に寒い。
飲食店では、コートやダウンジャケットの腕の部分を腰に巻き、
エプロンのような状態で過ごすことも珍しくない。

これに似た状況として、
北海道の人は皆、シメパフェを食べる、というのがある。
私が一緒に飲む相手の業界や年齢が限られているせいもあるが、
シメパフェに行く、あるいは行ったことがある、
という人に会ったことがない。

事実、パフェの店は増えているらしい。
自然発生的ではなく、作為的な匂いがするムーブメント
ではあるが、これによって飲食業界が活性化するならば、
それはそれで結構なことだ。

ただ考えてしまうのは、シメパフェ愛好者は純増したのか、
それとも、別のもので締めていた人がパフェに移行したのかだ。
つまり、ごく一部の人達によるシメパフェの盛り上がりによって、
客足が減ったジャンルがあるのではないかということだ。
それは気になる。

しかし、もっと気になるのは、
「北海道の人は皆、シメパフェを食べる」という、
ケンミンショー的な情報操作により大括りにされた道民の中に、
私も含まれていることだ。
納得できるはずがない。
言いたかったことはそれだけだ。

今回はブックレヴュー。

                     ◆


■原田マハ「本日は、お日柄もよく」(2010年)
  
20180119_02.png
 幼なじみの結婚披露宴で聞いたスピーチに感動したことを
 きっかけに、スピーチライターという職業を知り、
 やがてスピーチライターに転職した女性の話。
 最終的には衆議院議員選挙に立候補した人の選挙演説まで
 書き上げてしまう。

 スピーチ原稿を作る苦労や、報酬や仕事依頼の継続など、
 職業としてやっていくことの大変さがあまり書かれておらず、
 順調に進みすぎている印象はあるものの、
 ちょっとしたスピーチのコツが書かれている点は面白かった。

 例えば、司会者がスピーチをする人を紹介した直後に、
 「ただ今ご紹介にあずかりました〇〇です」で話し始めるだけで
 テンションが下がる、というくだり。
 感謝とお願いを繰り返してばかりの挨拶はダメ、という指摘。
 全くそのとおりだぜ、と素直に同感できた。

 なお、この作品の宣伝文句として、
 「言葉の持つ力に感動!」、「スピーチの度に泣けました」等、
 読者の賞賛の声が数多あるが、その点では私に響かなかった。
 ちょっとくどいスピーチが多かったかなと。
 ただ、読み物としては十分に楽しめる。

■横田増生「ユニクロ潜入一年」(2017年)
  20180119_01.jpg
 ユニクロの労働実態を暴くべく、
 都内のユニクロ3店にアルバイト勤務をしたライターの潜入記。
 
 人件費抑制のため、お客さんが少ない日は
 予定の勤務時間より早く帰させられること。
 一方、忙しい日だと当日に残業を求められるが、
 その際に、「今日のびれる?」や「ストレッチできる?」との
 ユニクロ用語で聞かれること。
 トップダウン色が濃すぎて、
 悪い意味で宗教的な雰囲気があること等々、
 潜入しなければ知り得ない面白い情報が随所にある。

 ブラック企業ぶりはあまり感じなかった。
 世の中的にサービス残業は別に珍しくないし、
 突然の残業だって当たり前にある。
 下の意見が全く取り入れられないことや、
 理不尽さや閉塞感も、どんな業界にだって大なり小なりある。
 むしろユニクロは、飲み会がほとんどないことや、
 企業としての社外行事が全くないなんて
 めちゃくちゃいいじゃないかとさえ感じた。
 
 そして何より、50歳過ぎの筆者が
 アルバイトにトライしたことに感心する。 
 ブラックぶりを暴こうと潜入したが、
 商品を段ボールから取り出す作業から始まって、
 陳列、レジうちなど、少しずつ仕事を覚えていくのが
 楽しかった、と書かれている場面は、
 なぜか私も嬉しくなったから不思議。

 これを読んだら、レイアウト、陳列状態、店員の階級、
 店員の意識はどこに向かっているかなどが気になり、
 なんとなくユニクロに行きたくなると思う。

■今村夏子「星の子」(2017年)
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 新興宗教にのめり込んだ両親を持つ少女の、
 小学生から中学生にかけての物語。

 両親の奇行を恥ずかしく思いながらも否定はしない彼女。
 一方、クラスメイトからは距離を置かれ、
 教師も悪い意味で特別な目で見ている。
 親戚も宗教から引き離そうと説得する。
 彼女の心にも多少の波は立つ。
 しかし、そういうものだと思って平然と過ごしている。

 全体的に心理描写がぽわーんとしており、
 肯定なのか否定なのかぼんやりしているところが多いが、
 それが逆に等身大テイストを醸し出し、現実感があった。

 宗教にのめり込んでいる親を持つ子も、そうでない子も、
 思春期を迎え、恋をしたり、友達との付き合いに
 苦しんだりする。
 宗教という壁がありながらも、そうした姿を
 ある種平等に描いているのは清々しくもあった。

 後半、教師からのイジメともとれる対応に関して、
 彼女と距離を置いていたクラスメイト達が、
 彼女を励ますような場面がある。
 さらっと通り過ぎるように描いているが、
 最も心に残った場面だ。

■滝口悠生「高架線」(2017年)
  20180119_04.jpg
 西武池袋線の東長崎駅から徒歩5分の距離にある
 家賃3万円の古い4戸建てアパート。
 その一室に住んだ人達を巡る16年間の物語。

 その部屋は、次に住む者を退去する者が決めるというルール、
 風呂はないが、シャワーと和式トイレが同じスペースにあること、
 家賃滞納のまま行方不明になった者の家賃を
 行方不明者の親ではなく同級生が払っていること、等々
 エキセントリックな設定や展開が多い。
 
 それでいて実にひょうひょうと語られている。
 ドラマチックさを意図的に消すような淡々とした筆致だ。
 なので、何を描きたいの?と感じるところはある。
 ただ、市井の何気ない等身大の日常をうまく切り取っている。 

 例えば、夕食がてら軽くお酒でも飲もうかと駅前に行ったが、
 なんとなくスーパーでお総菜とビールを買い、
 アパートに戻ってそれを食べて飲む場面がある。
 それがちょっと寂しそうで、でも幸せそうで、温かみを感じた。

 後半、映画「蒲田行進曲」を引き合いにしての展開は、
 ちょっと引っ張りすぎて間延びし、
 純度が下がったのが非常に残念。
 
 しかし、序盤の文通の話は最高に面白かったし、
 終盤のアパートを取り壊すシーンでの関係者の佇まいも、
 変に感情の盛り上がりをせき立てず、あっさりとしており、
 逆に親しみと切なさを覚えた。

                      ◆

やっと週末になった。
歳をとるにつれ、好みが変わるし、求めるものも変わっていく。
しかし40年以上、ずっと変わらぬ思い。
それは週末にたどり着くことをモチベーションに
平日を過ごしていることだ。

やりたいことができる自由だけではない。
やらなくていい自由を手にできることは大きい。
むしろ後者の方が休日ディザイアのメインかもしれない。

いっそ完全にフリーになれたら、とも思うが、
フリーになった方が不安が増大するのも目に見えている。
つながれていなければ生きていけないのか。
そうかもしれない。
それは悲しいことじゃない。
 


今回は毎年恒例の
私が選ぶ「2017・ブック・オブ・ザ・イヤー」。
私が2017年中に読んだ小説等の中から、
特に心に残った5作品をピックアップしたものである。

では、早速どうぞ。

■東山彰良「僕が殺した人と僕を殺した人」(2017年)

    2017_僕が殺した人

1984年の台湾。
混沌の中で日々を駆け抜ける13歳の少年4人。
ともに遊び、ケンカし、助け合い、やがて歯車が狂っていく様を、
温度感が伝わるほど活き活きと描いている。

彼らは2015年に再会する。
風貌も、考え方も、立場もまるで変わっていた。
会わなかった30年間に何があったのか、
それはミステリアスでもあり、切なくもあり、
読み手の想像を広げる世界観がある。

筆者の文章にはロック的な疾走感がある。
ぶっ飛び、壊れていつつも、まとまりがあり、
まるで音楽を楽しむように読める感覚がある。
映像は浮かぶが、映像にしたってつまらないと思う。
文章だからこそ、このグルーヴが生まれるのだろう。
2017年で一冊だけ選べと言われたらこの作品だ。

■中山七里「追憶の夜想曲」(2013年)

    2017_追憶の夜想曲

検事と弁護士との法廷対決もの。
この弁護士は、高額の報酬を請求しつつも無類の強さを誇り、
まるで社交性がなく無愛想な嫌われ者的な存在。

そんな彼がこの作品において担当するのは、
地味な主婦が起こした夫殺害事件。
依頼を受けたのではなく、自ら弁護をさせてほしいと申し出た。
金銭的なメリットも宣伝効果もない事案にもかかわらず、
なぜ申し出たのか。

重厚感のある文章に引っ張られていく。
言葉のチョイスが的確で、たたみかけるように重ねていく。
読書してる感をじっくりと味わえる。
ストーリー的にも最後まで楽しませてくれる。

■桐野夏生「夜の谷を行く」(2017年)

    2017_夜の谷

1971年から1972年にかけて起こった
連合赤軍の仲間同士によるリンチ殺人。
それに補助的な立場で関わった女性の現在を描いたフィクション。

彼女は、あさま山荘事件の前に脱走し、逮捕され、5年間服役。
それから約40年間、独り身で静かに暮らしてきたが、
連合赤軍最高幹部だった永田洋子死刑囚の獄中死を
きっかけとして、かつての同士などから連絡が来るようになり
心は穏やかではなくなっていく。

主人公のあっけらかんとしたキャラや、
昔の同士との再会におけるぎくしゃく感の描写がとにかく巧い。
連合赤軍内部の軋轢や壮絶さとともに、
その中枢から少しはずれたポジションにいたメンバーの有り様を
克明に描いている。引き込まれた。

■新堂冬樹「血」(2017年)

    2017_血

15歳の女子高生が、両親をはじめ、悪事をはたらく親戚を
次から次へと殺害していくストーリー。
ただ世間的には、事件や事故で死んだことになっている。
なのでインターネットの世界では、彼女に対する同情や心配の
コメントが多く寄せられる。
しかしやがて「怪しい」とのコメントも増えてくる。

ノンストップ感覚でページをめくらされた。
2017年に出会った作品の中で最も早く読み終えた。
文章表現において特に何かを感じたわけではない。
展開上、都合が良すぎるところもある。
しかしそんなことはどうでもよく、
何がゴールで、どこか着地するのかを知りたくて、
ただただ読まされた。

■遠田潤子「雪の鉄樹」(2014年)

    2017_雪の鉄樹

とにかく主人公(30過ぎの独身男・庭師)の壊れ方がすごい。
真面目な性格で、仕事も丁寧だが、
関係している人にトラブルが起こると、
自分のせいだと思い込むなど加害者意識が異常だったり、
食べ終わった食器をそのまま灰皿として使用することが
なぜ悪いことなのかと苦悩したりと、かなりぶっ飛んでいる。

主人公は、償いだと言って、10年以上
ある家族の面倒をみている。
その家族からは、いいように利用されていると知りつつ
ひたすら尽くす。

次第に
償い続ける理由が明らかになっていくのだが、
やりきれないくらい気の毒で、と同時に、
どんだけお人好しなの?、と思う。
しかし、話の運びが巧みで、迫力があり、すっかり引き込まれた。

筆者の遠田さんの作品は2017年まで読んだことがなかった。
3冊読んだが、どれも読み応えがあり、
いずれも主人公が愚かなほどに悲惨だ。
近いうちにメジャーな賞が巡ってくるのではないかと思う。

                    ◆

ちなみに、上記の5作品には入らなかったが、
最後まで悩んだのは、
垣谷美雨「嫁をやめる日」と早見和真「イノセントデイズ」だ。

以前からある傾向だが、映像化を想定して、
あるいは映像化してほしくて書かれている小説が少なくない。
私としては、映像化したってつまらない、文章だからこそ面白い、
というような作品を欲しているのだが。

映像作品を先に見てからだと、
映像や役者のイメージがつきすぎて、
純粋に読書を楽しむことができない。
本の表紙や帯に、映像化された際の役者の写真があるのも同様だ。
その方が売れるんだろう。
けれど、げんなりする。
映像ありきだと想像力が奪われる。
想像力を奪うのはほんとに大きな罪だ。
世の中の楽しみのほとんどは想像力で造られているのだから。


今日ラジオから流れたニュースの中で、
あるNPO法人が調査したところによると、
シングルマザーの3人に1人が、
「クリスマスなんてなければいい」と考えたことがあるという
調査結果を明らかにしたという。

シングルマザーじゃなくても、
3人に1人くらいは考えたことがあるのではないか。
というか、3人に2人はそう思ったことがないことに驚く。
お金と手間ばかりかかる面倒なイベントだと感じる人は
少なくないのでは、と思うのだが。

決してクリスマスのキラキラ、ワクワクは否定しないし、
クリスマス・ソングも抵抗なく、というか心地よく聴けるが、
クリスマスに特に何かをするわけではなく、
全く通常ベースで自然体で過ごす私は、
惑わされることも、もめることもなく、
それはそれで幸せなのかもしれない。

むしろクリスマスの後の大晦日までの、
26日から29日が好きだ。
ちょっと静まり、宙に浮いたような感じがいい。
逆に何かできるような期待感を抱く。
しかし現実は、職場の飲み会などのせいで何もできない。
クリスマスの後は完全フリーになりたいっすね。

                    ◆


今回はブックレヴュー。
読んでいて嫌な気分になるものの、
読み切らずにはいられなかった4作品を。

■雫井脩介「望み」(2016年)
  望み
高校一年生の息子が無断で家を出て、そのまま戻っこない。
携帯電話に連絡するも応答しない。
そんな矢先、息子の遊び仲間の一人が殺害され、
他の仲間は行方不明だというニュースが飛び込む。

行方不明になっている者も生きているのかどうかわからない。
息子は加害者なのか、被害者なのか。
母は被害者であってほしくないと願い、
父は加害者であってほしくないと願う。

どっちに転んでも喪失が待っている状況で揺れ動く
親の心情を丁寧に描いている。
ただ、内容的に常に息苦しい。
結末を曖昧にせず、しっかり書き切ったところは好感。

■小林由香「ジャッジメント」(2016年)
  ジャッジメント
20××年、「復讐法」なる新しい法律が生まれた。
凶悪犯罪の場合、通常の裁判を経ての判決によるか、
加害者から受けた被害内容と同じことを
被害者遺族が加害者に対して執行するかを
選択できるようになった。

この公的な復讐に立ち会う応報監察官(公務員)なる女性の
目線を軸に、5つの執行が短編連作の形で構成されている。
被害者側、つまり復讐する側の苦悩、葛藤、恐怖、絶望・・・。
読んでいて憂鬱になる。しかし早く読み終えてしまう。

「復讐」は誰しも考えてしまうことでありつつも、
いわばタブーの位置づけだろう。
にもかかわらず、そこに踏み込んだことに興味を持ち読んだが、
結末に行き着くまでの転がりがあっさりしているというか、
ちょっと薄いかなと。
ただ、先へ先へと読ませます。

■伊岡瞬「代償」(2014年)
  代償
小学生の時、家族を火事で亡くし、遠縁の家族と暮らすことに。
その家族がひどかった。
親はろくに働かず、息子は相当のワルで、かつ主人公と同級生。
食べ物も満足に与えらず、疎外され、恩に着せられ、
嫌みを言われ続ける。

大人になった主人公は弁護士になる。
かつて一緒に暮らした同級生は犯罪を犯す。
そして弁護人として主人公に依頼する。
恨みしかない相手の弁護を引き受け主人公は何をするのか。

とにかく主人公に対する虐待ぶりが惨く、えげつない。
その悪態ぶりに気分が悪くなるし、
やられっ放しで反抗も逃亡もしない主人公にイライラする。
一言でいえば、すごく嫌な話。
でも読み切ってしまう。
読後感はモヤモヤだったが、読まされてしまうというか。

■中山七里「追憶の夜想曲(ノクターン)」(2013年)
  追憶の夜想曲
依頼人に高額な報酬を要求することで有名な一匹狼の弁護士。
彼は、夫殺しの罪で裁判にかけられた女性の弁護を担当する。
高額の報酬を支払えるとは到底思えないにもかかわらず、
自らの申し出によって弁護する。

検察側との法廷での戦い、事件の真相、弁護を申し出た理由、
どれも迫力をもって、濃密に描いている。
言葉の使い方に厚みがあり、積み重ねが着実かつスマートで、
展開にも淀みがなく、読み応え十分。

弁護士界のブラックジャックっぽい雰囲気があり、
ピノコをモデルにしたような女の子も登場するが、
コミカルさは一切なく、ドロドロの内容をクールに語っている。
読書の面白さを存分に味わえる。

                    ◆

先日、小樽市の定食屋「おちゃわん」にて飲んだ
麦焼酎「青鹿毛(あおかげ)」を手に入れたく、
札幌市内の酒店を数店まわったが、どこにも売っていなかった。
売っていなければ何も買わずに帰るつもりだったが、
売っていなかった寂しさに屈し、
久しぶりに見かけた「中々」を買って帰った。
これから飲んでしまうだろう。
最初はロックで、やがてお湯割りで。
メリークリスマス。



岩見沢、2017年11月30日。
一日中、雪が降っていた。
20171130_01.jpg

帯広なら1シーズンに3回くらいしかない大雪。
岩見沢は月に5、6回くらいあるらしい。

それがどうした。
どうもしない。
ひたすら雪が降る夜は、
自宅で静かにだらだらと飲酒をするか、
中途半端に酔ってだらだらと読書するのがいい。

というわけで、今回はブックレヴュー。
 
                         ◆

■垣谷美雨「ニュータウンは黄昏れて」(2015年)
  ニュータウン
バブル期に交通の便が悪い郊外にマンションを購入。
当時はマンション価格が異常に高騰し、ここしか購入できなかった
今では建物は老朽化し、マンション住民も高齢化。
未だに残る多額のローン、夫は窓際に追いやられ、妻はパートに忙しい。

妻は当番制によりマンションの理事会のメンバーになる。
理事会はマンションの建て替え問題で毎回もめる。
さらに、高齢者揃い、かつクセの強いメンバーにストレス倍増。
一方、娘は資産家の息子と知り合い、結婚へと向かうが、
こちらも問題発生。

劇的な展開があるわけではなく、
常に「行き詰まり感」と「もやっと感」が漂うが、
すっきりとした筆致で、話の転がし方が上手く読み飽きない。
ちょっとミステリなところも面白くさせている。
そしてマンションを買う気が失せます。

■本城雅人「ミッドナイトジャーナル」(2016年)
  
ミッドナイトジャーナ
児童連続誘拐事件を取材する新聞記者の話。
新聞記者モノの小説を読むたびに思うのが、
新聞の何面のどの場所に掲載するのかで、
内部的な戦いが恐ろしく激しいこと。
私は全く気にしないのだが。

1面に載った「ふ~ん」とか、「そうなんだ」という記事より、
4面に載った「まじか!」、「そうなの?」という記事に注目する。
また、何面か、よりも、見出しの大きさに反応するし、
小さくもピリッとしたのを探したりもする。

新聞記者に限ったことではないが、
職場内部の面子と外部の受け止めは相当の差がある。
それをわかって上で、内部の者同士で競うのか。
それが社会なのか。

小説してはなかなか面白い。
登場人物の棲み分けが上手で、展開に停滞がない。
主人公をあまり正義の存在として描いていないところも良い。
緊張感を保ったまま、エンディングまでぐいぐい引っ張っていく。

■伊岡瞬「明日の雨は。」(2010年)
  明日の雨は。
小学校で臨時の音楽教諭として働く23歳の男。
音大での専門はピアノだったがロックが好きで、
物語の中でも随所にロックミュージックを聴く場面がある。

彼は学校内で起こる様々な問題に巻き込まれつつ、
一部の教諭から疎ましがられ、しかし応援する教諭もいて、
児童には人気があり、まさにテレビドラマのような設定だ。

なので新鮮味は薄く、文章的な妙味もあまり感じなかったが、
同僚の若手女性教諭をいい具合に愛らしく描いているし、
エンディングの卒業生からの手紙は微笑ましく、いじらしく、
甘酸っぱく、いい気持ちになれた。

■角田光代「坂の途中の家」(2016年)
  
坂の途中
乳幼児虐待事件の裁判員裁判の補充裁判官となった主婦の話。
被告の女性を自分に照らし合わせ、感情移入していくストーリー。

しかし私が読み進む上で軸になったのは、
夫の「補充裁判官なのにそんなに真剣にならなくても」という
小馬鹿にしたような言動や、姑の見下したような態度。
なんで言われっぱなしなの?とイライラしながら読んだが、
裁判の進捗よりも、夫や姑とのやりとりの方が読み応えがあった。

裁判の方は、同じような状況を繰り返しているような場面が多く、
間延び感があったが、
角田さんの文章は地に足がついていて、非常に安定感がある。
変な隙間や窮屈感がなく、文章が上手な人の文章だと感心する。
なので読書的満足感はある。
ただ、ストーリー的にはもやもやな結末で、
読み終えたとき、ごちそうさまでした、という気持ちにならなかった。

歌野晶午「ディレクターズ・カット」(2017年)
  
ディレクターズ
テレビ局の下請けの番組制作会社のディレクター。
彼は担当するワイドショー番組の視聴率アップのため、
知り合いの若者にお金を払い、やらせで事件を起こさせ、
いち早く報道。そのシリーズが人気になっていく。

そんな仕込み事件を繰り返しているうち、
やらせを請け負っていた若者がほんとの傷害事件に巻き込まれた。
ディレクターはそれをも演出しようと、どんどん暴走していく。

まともな人間が一人も登場しない。
話し言葉、行動、考え方、そうしたすべてに嫌悪感をおぼえる。
ところが、
どういうオチが準備されているのかと気になって、
どんどん読まされてしまう。
終盤のどんでん返しはやや強引ではあるが、
悪の路線で押し切ったことで、輪郭のあるエンディングとなっている。

                         ◆
今年もあと1か月。
早く年末が来ないかと、そして休みたいと思っている方は
少なくないだろう。
わかる。よくわかる。

ただ、年が明けたら全てがリセットされるわけではない、
年末までの嫌なことは年明けも継続する。

それならやめてしまえばいいのだが、
それだと生活ができなくなる。
やりたくないことをやっているのに、
やりたくないことをやめていいと言われるのを恐れている。
貴乃花親方のマフラーを見ながら、そんなことを思う。


夕方から降り出した岩見沢の雪は、
今シーズン初の積雪を記録するだろう。
スニーカーで外を歩けない季節がやってきた。

慣れてしまえば、そういうものだと気にならなくなるが、
毎年のことながら慣れるまでが面倒くさい。
今週末は雨と雪で荒れるらしい。
それでもライブは楽しみたい。

■日時 2017年11月18日(土)19時
■場所 とまと畑(札幌市中央区南4東3 ピープルⅢ1F)
■料金 お店でオーダーした分の料金
■出演(出演順・敬称略) 
 もりのきらわれもの/ゆうこり/Ryo&Ryoko
 激しい雨/MAI/プレレファ/Gold.Tree


札幌に出かけてゴキゲンなロックをして、
その後は暖かい部屋でゴキゲンなアルコールを味わいたい。
よろしくお願いします。

                   ◆

さて今回はブックレヴュー。
紹介する4冊、どれも楽しめた。

■垣谷美雨「嫁をやめる日」(2017年)
     嫁をやめる日
 タイトルに惹かれて読んでみた。
 夫が病気で急死。子供はいない。一人残された女性は46歳。
 しかし、夫とは心が通わず、同居していながら
 別居しているような状態だった。
 亡くなっても悲しさはなく、むしろ自由になれた気がした。

 ところが、夫が亡くなってから、
 夫の親がやけに干渉してくるようになる。
 生前の夫が中学の同級生だった女性に
 毎月お金を振り込んでいたことも判明。
 自由になれたと思いきや、むしろ不自由になっていく毎日。

 夫婦であったがゆえの様々なしがらみによって、
 死別してから逆に窮屈になっていく過程が、
 丁寧ながらすっきりと描かれており非常に面白く読めた。
 垣谷さんの作品は初めてだったがアタリだった。

■桐野夏生「夜の谷を行く」(2017年)
    
夜の谷
 連合赤軍のメンバーだった、現在は60代の女性。
 連合赤軍から逃亡したものの、逃亡中に逮捕され5年余り服役。
 その後は静かに暮らしていたが、
 連合赤軍指導者だった永田洋子の獄中での病死を契機にして、
 元メンバーとの再会を始める。

 フィクションではあるが、連合赤軍メンバーが
 実名で語られており、リンチ殺人の描写もある。
 主人公はそれを一歩離れたポジションで見ていた、
 という設定だが、死体の運搬に関わっていた。
 
 連合赤軍の一連の事件の報道について、
 私は原体験での記憶が全くない。
 それだけに、この作品を読んで連合赤軍のあり様に衝撃を受けた。
 主人公の女性は、クールでありつつも、
 のほほんとした雰囲気で描かれており、
 桐野さんらしいキャラづくりが冴えている。
 ああいう結末になるとは思わなかった。

■柚月裕子「合理的にあり得ない」(2017年)
     合理的に
 柚月さんらしからぬ非常にライトでポップな作品だ。
 美貌ながら、ちょっとコミカルな女性探偵が、
 思いもかけぬ方法で次々と依頼をこなしていく短編。
 
 テレビドラマを文章化したようなテイストであり、
 すいすいと都合よく展開しがちではあるが、
 ストーリの中にしっかり引き込んでくれる。
 
 助手の男性もかなりユニークで、
 主人公の女性探偵とともに、相応しい役者を起用して
 映像化したら、結構な人気ドラマになるのでは。
 しかもシリーズ化の可能性も合理的にあり得るだろう。

■佐藤多佳子「明るい夜に出かけて」(2016年)
     明るい夜に
 大学を休学し、コンビニエンスストアでアルバイトをしながら
 一人暮らしを始めた男の一年間の物語。
 ストーリーの軸になっているのは、
 アルコ&ピースのオールナイトニッポン。
 主人公はその番組のハガキ職人である。

 ラジオの深夜放送好きには、たまらない内容だ。
 私もその一人であり、ノンフィクションのように読めた。
 ハガキ職人は趣味の域ではなく、
 その番組を軸に、色々なことを犠牲にしながら、
 日々の生活を送っていることを再認識した。

 雑な言い方をすれば、ラジオヲタクの話であるが、
 閉ざしていた心を開いていく青春小説とも言える。
 読者を選ぶ作品かもしれないが、
 ラジオ好きな冴えない男をクローズアップしたことが嬉しいし、
 筆者の着眼点の良さに敬意を抱く。

                      ◆

もし私が音楽活動で有名になり、
2年おきか3年おきのペースでアルバムをリリースし、
毎年全国ツアーをやり、
年に2回くらいテレビの地上波放送に、
年に4回くらいテレビのBS放送に出演するとともに、
週に一回、HBCラジオで1時間番組を担当し。
週に一回ブログを更新しているとする。

そういう状況で、街角で不意に私のことを知っている、
私が知らない方から声をかけられたとする。
その時言われて最も嬉しいのは、
「ファンです」、
「2年前に出したアルバム持ってます」、
「この前、SONGSに出てたの見ました」、
「浅野忠信さんとの対談読みました」、などではない。

「ラジオ聴いてます」が一番うれしいような気がする。
ラジオの結びつきは強い。




岩見沢市の日の出は午前5時過ぎとなり、
日の入りは午後6時前になった。
秋には秋の良さがある。
空知での初めての秋を楽しみたい。

さて今回はブックレヴュー。

■井上荒野「夜をぶっとばせ」(2012年)
    
20170905_夜をぶっとばせ
なぜこの夫と結婚してしまったのかという疑問とあきらめ。
息子は学校でイジメを受けており、娘は過度の偏食。
無気力で怠惰な生活をしている35歳の妻は、
次第に出会い系サイトにはまり、家庭崩壊へと向かう。

やがて二人は離婚。
夫は元妻の友人女性と再婚。
散歩中にたまたま寄った公園で、
元妻は和太鼓に合わせて踊っていた。

このように設定がぶっ飛んでいる。
何を伝えたかったのかよくわからないまま読み終える。
しかし、それは全く問題ではない。
ストーリー構成と心理描写がとにかく上手い。

淡々としているのに強くエネルギーを感じ、
最後は「この物語はなんだったんだろう?」と思う。
なのに面白い。
馬鹿馬鹿しいような、核心を突かれてドキッとするような、
ゆらゆらしているのに不思議と読み応えがある。
なお、タイトルとは裏腹にストーンズにまつわる場面はなかった。

■高野和明「ジェノサイド」(2011年)
20170905_ジェノサイド上 20170905_ジェノサイド下

アフリカ大陸のコンゴ民主共和国で発見された「アキリ」という
新種の生き物を巡り、
アメリカ政府、民間の雇われ兵、人類学者、
新薬開発に苦闘する大学院生などが複雑に交差する。

「アキリ」は人間をはるかに超える知能を持つ人間の形状した生き物。
アキリが成長し、子孫を増やしたとき、
人間はアキリに支配されるとの恐怖から、
アメリカ政府はアキリ抹殺を図る。
アキリを捕まえようとする者と救おうとする者の
追いつ追われつの展開がスピーディに繰り広げられる。

薬開発の専門的なことやコンピュータの仕組み、
アフリカのジャングルにおける移動状況など、
なんだかよくわからず、読み飛ばすしかない箇所も少なくはないが、
緊張感が途切れない、実にスペクタクルな世界に引きつけられる。

■柚月裕子「慈雨」(2016年)
    
20170905_慈雨
定年退職をした元警察官が、
妻とともに四国八十八箇所のお遍路の旅に出た。
旅の途中、定年前の勤務地で幼女殺害事件が発生する。
それは16年前に自らが関わった事件と酷似するものだった。
元警察官はお遍路まわりをしながら、元部下から捜査の状況を
連絡してもらい、16年前の後悔と向き合っていく。

落ち着きのある、しっかりとした筆致で、きちんと読ませる。
ただ、事件の真相が少しずつ明らかになっていく状況で、
唐突に現在四国のどのあたりにいるのかが挿入される。
それがちょっと不自然で、流れを止める感じがしたし、
私には四国の景色や雰囲気があまり見えてこなかった。
四国に詳しい人ならば楽しめるかもしれない。

また、元警察官は妻にも元部下に対してもちょっと横柄だ。
にもかかわらず献身的で明るい妻と誠実な部下。
贖罪と再生をベースにした重厚な作品だが、
元警察官の偉そうな態度がやけに鼻についた。
これといった盛り上がりもなかったかなと。
この作品は心にしみる人間ドラマとして一般的な評価も高い。
私にとってハズレ作品のない作家でもある。
だが、この作品はちょっと合わなかった。

■馳星周「不夜城」(1996年)、「鎮魂歌」(1997年)
20170905_不夜城 20170905_鎮魂歌
いずれも新宿歌舞伎町における中国人ヤクザの闘争を描いた作品。
90年代の日本を代表する小説だ。
なのに、これまでなんとなく読んでみる気にならなかった。
その最大の理由は、登場するのはほとんどが中国人で、
人名の読み方が頭に入らず、自分の中でストーリーの土台を
しっかりと築くことができないと危惧したからだ。

古い本の整理をしていた2017年7月。
だいぶ前に買ったものの、読まないまま保管していた「不夜城」を発見。
他に読みたい作品もなかったので、
中国人名の読み方アレルギーを抱えつつもトライしてみた。
読み始めてすぐにアレルギーが発症したが、
自分で独自の呼び名を設定しなんとか読み進めた。
しばらくは忍耐を要したが、30ページほどで気にしないことにした。

実に面白かった。
クールでシャープな文体、中国的な義理と人情、
日本における中国人ヤクザのあり方、同性愛等々、
淀みなくスピーディに緊張感をもって展開する。

すっかり引き込まれ、「不夜城」を読み終えたら、
その続編である「鎮魂歌」もすぐに読みたくなり、
読み終えたその日にブックオフ岩見沢店へ。
まずブックオフに行ってしまうところがしょぼい。

ブックオフ岩見沢店には売っていなかった。
ならば新品をと、ゲオとツタヤに行くも置いていなかった。
結局、後日、岩見沢市図書館で単行本を借りた。
古い本であり、相当貸し出されたのだろう、
かなり汚れていたし、表紙と本体が分離気味だった。
本屋には売っていないが、図書館に行くとある。
地方の書籍事情あるあるだ。

「鎮魂歌」も読み応えがあった。
「不夜城」の主人公が脇役になり、というか裏で糸を引く役柄で、
格段にワルになっていた。
グロテスクな場面も少なくない濃密な筆致だ。
面白かった。

                                            ◆

地方の町に出かけると、特にクロスバイクで訪れたり、
無人駅巡りをしている際に気づくのだが、
本屋をほとんど見かけない。
回転の早い雑誌類はコンビニで売っているし、
人口減少やネット購入の普及からすると当然といえば当然だ。

一方、小さな集落であっても理美容室はある。
シャッターが多い町並みの中で、
理美容室が結構あるように感じたことがないだろうか。
100人くらいしか住んでいないような集落でも
しっかり存在していたりする。

また、意外なのが、営業している商店がわずかな小規模市町村でも、
なぜか精肉店がきちんと存在しているのを目にする。
自転車屋も地味に残っている町は多い。
アナログ対応でなければならないものは根強い。
アナログ対応ができる音楽活動も重要だ。
最後に残るのはアナログかもしれない。


まずはライブのお知らせを。

日 時 2017年8月5日(土)19時
場 所 G-HIP(札幌市豊平区平岸3条9丁目)
■料 金 2,500円飲み放題又は1,500円飲み物別
■出演者 THE HEART OF STONE ほか

ライブ2日前の今日、やっとライブの基本情報について連絡があった。
ザ・ハート・オブ・ストーンの出演は19時予定。
今日言われても、という感じだが、お知らせしておきます。
楽しんできます。
IMG_1456.jpg
さて今回はブックレヴュー。
読み応えのある本が揃いました。

■早見和真「イノセント・デイズ」(2014年)
   
イノセントデイズ
放火殺人犯として死刑囚となった女性。
幼少の頃に虐待を受け、中学生で窃盗をして、ストーカーになった等々、
テレビ、新聞、週刊誌は、彼女の人生を面白おかしく誇大に取り上げた。

しかし、事実は違った。
かばい、助け、身代わりになるなど、自ら不幸を請け負うような生き方。
そして、彼女見殺しにした親族や同級生。
苦しく辛い物語だ。
と同時に、何ら反論せず、悪い意味で状況を受け入れてしまう彼女が
歯がゆくなる。

登場人物それぞれのキャラクターが立っている。
特に彼女に罪をかぶせておきながら、
後悔や恐怖に苦しみ、彼女との関わりを消したがる面々の心理描写は
読み応えがある。
変に後腐れのない淡々としたエンディングも良い、ちょっと切ないが。

■青島武「追憶」(2017年)
   
追憶
小樽市銭函で偶然知り合った少年3人。
彼らは楽しく夏休みを過ごすが、とある事件が発生。
3人は秘密を共有する関係になりつつ、事件後に離ればなれになる。

それから30年。
3人は、刑事、被害者、容疑者という立場で再会する。
彼らは30年前の事件に縛られ、とらわれ、大人になっていた。

舞台が銭函のほか、札幌、江別、石狩なので親近感をもって読めた。
ただ、北海道弁がよろしくない。
頻繁にある話だが、「その言葉、そういう言い回ししないから」の連発。
特に、「~っしょ」と「ゆるくない」の使い方は完全にずれていた。

物語としてはおもしろい。入り込んで読めた。
心情の掘り下げや表現の妙味などには乏しい。
また、陰の部分が多く、背景の重さがついて回る内容である。
しかし、軸がぶれずシンプルにどんどん展開させていくので、
ほぼ一気読みだった。

■伊坂幸太郎「サブマリン」(2016年)
   サブマリン
家庭裁判所調査官と調査対象である少年達を取り巻く話。
家庭裁判所調査官は、離婚などの事案や少年犯罪事案などの原因や
背景を調査する国家公務員。

書きぶりは軽妙で洒脱でコミカル。
大っぴらにはできないが心の中に潜在的に存在している正義や悪意、
解決しようのない世の中の矛盾など、
そのあたりの際どいところを気高くクールに描いている。
まさに筆者の世界観を楽しめる作品だ。

主人公の調査官は、自分勝手で面倒な存在にもかかわらず、
協力者がたくさんいて、問題をスマートに収束させていく。
簡単に言えばかっこいい。
私としては出来過ぎというか、整い過ぎな印象ではあるが、
彼の言動を楽しめる人は多いだろう。

■わたなべぽん「やめてみた。」(2016年)
   
やめてみた
漫画の単行本である。
漫画家であり妻である筆者の実話。
炊飯器、テレビ、掃除機、ゴミ箱、メイク、コンビニ、夜更かしなど
日常生活を取り巻く様々なことをやめてみたら、
結構良かったという話だ。

最も共感したのは「夜更かし」の章。
何もなかった一日が物足りなくて、なんとなく夜遅くまで起きている。
起きていたら、何か楽しいことが起こったり、面白いものに出会ったり
するのではないかと漠然と思いながら、だらだらと過ごす。
それをやめてみた、ということが描かれている。

私もこうした経験がある。
根拠も準備もなく夜に期待してもだめだ。
あきらめて、というか割り切って寝ること。
体調が良くなるし、朝の時間が効果的に使えるようになる。
ところが問題なのは、
早く寝ようとするとなかなか眠れず、
別のストレスやリスクが発生することだ。

やめたことによる隙間をどう埋めるかだ。
埋めずに済めば、それも有りだが、うまくコントロールでききるのか。
そう考えると、やめられるかどうかは精神的な部分が
大きく影響するのかもしれない。

やめる、ということは、始めることでもある。
やめる、ということを始めることなのだ。
わからなくなってきた。
早く切り上げて寝よう。
と思うとなかなか眠れない。
眠るのをやめてみるか。



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