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2018/07/09 (Mon) 無神経な主人公
お盆は8月13日からだが、曜日の関係で
8月11日土曜日に帰省をした人も多かっただろう。

この時期に見かける好きな光景がある。
駅の近くやバス通りなどで
キャリーバッグを引っ張りながら
おそらくや実家へと向かって歩いている若者を見かけると、
「おお帰ったきたか、お疲れさん」と、
私の地元でもないのに、ちょっと嬉しくなる。

自動車で帰ってきたのではなく、
JRの駅まで家族が迎えに来たのではなく、
タクシーでもなく、
公共の交通機関と徒歩により実家へ向かっていることが
懐かしいような愛おしいような気持ちになるのだ。
まあ方法以前に、勤務先の土地で色々とありつつも、
毎年お盆に帰ってくることに好感を持っている。

実家に帰ったら帰ったで、不自由だし、それでいて暇だろう。
しかし無駄じゃない。
帰ってきたこと自体に大きな意味があるのだから。

思えば、「寝正月」はよく聞くが、「寝盆」は聞いたことがない。
私の場合、昼寝は冬より夏の方が気持ちいいが。

                        ◆

今回はブックレヴュー。

■呉勝浩「白い衝動」(2016年)
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主人公は小中高一貫校のスクールカウンセラーの女性。
「人を殺してみたい」と相談に来た男子高校生、
女子高生を監禁、強姦の罪で服役した男、
どこかしっくりいってない夫、
そうした人々の動向とともに物語は進んでいく。

思春期、殺人衝動、服役後の受刑者の心理などを、
学術的な視点からかみ砕いて描いている、
説明や解説っぽくなっている箇所もあったが、
内容的にはなかなか面白かった。

ずっと不穏な雰囲気があり、かつ、どこにも着地しない。
モヤモヤ感とともに読み進め、読み終わることになる。
ドラマチックではないし、共感もしないが、
読み物としては十分に楽しめた。

■中島恵以子「婚活食堂」(2018年)
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東京で小さなおでん屋を営む50代の女性。
若い頃は占い師としてテレビや雑誌でも活躍。
その後、直感でおでん屋に転身し成功。
また、今もその人の将来がぼんやり見える特殊な能力を持つ。

おでん屋の常連は、結婚したい女性や子供を結婚させたい親など。
そうした常連が会社の同僚や仕事で知り合った人などを連れてきて、
カップルが誕生するなど、合コン居酒屋のテイスト。

おかみの言葉遣いが妙に上品なこと、
常連はほとんど女性なのに最低でも週に一度は来店すること、
おかみのバックには謎のセレブ男がいることなど
不思議な設定、違和感、疑問も色々とあるが、
それも含めて面白く、文章が滑らかで実に読みやすい。
展開や情景は深夜のテレビドラマになったらヒットしそうな内容。

■真山仁「ハゲタカ/上・下」(2004年)
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バブル崩壊後の1990年代後半から2000年代初めの
不良債権処理や企業再生の物語。
過去にテレビドラマにも映画にもなり、
現在も綾野剛主演でテレビドラマとして放送されている。
ちなみに現クールのドラマで毎週観ているのは、
「ハゲタカ」と「dele(ディーリー)」の2本だ。

小説の「ハゲタカ」は、テレビ、映画よりも
クールでスタイリッシュで華やかな感じがする。
お酒、女性、ピアノの場面が映像に比べて多い。

駆け引き、水面下の交渉、裏工作など、
傾いた企業を奪っていく様は壮絶ながら、
読み手をぐいぐい引き込んでいく。
ただ、下巻の中盤あたりから、
人物の絡み方や企業争奪の動きが複雑になり、
大長編ということもあるが、読み疲れをした。

現在放送されているテレビドラマの綾野剛の演技がすごい。
激しい形相で声を張り上げる場面が多く、
その大きな演技は勧善懲悪の時代劇を見ているようだ。
それはそれで面白いし楽しめる。

■内館牧子「終わった人」(2015年)
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大手企業の要職についていたが、
定年が近づいた頃に子会社に出向させられ、
そのまま定年退職をした男。
退職後は旅行でもと考えていたが、
妻には相手にされず、再就職もできず、主夫も務まらず、
スポーツジムに通って、暇つぶしのような毎日を過ごす。

日中のスポーツジムはリタイアした老人だらけで
その仲間入りをしたことにショックを受けるが、
俺はこんなところでくすぶっている人間ではないと
プライドだけは高く、しかしそれが仇となって、
現実と折り合っていけない。

主人公の尊大ぶりに辟易するが、
それにも増して妻の横柄さや自己中心ぶりがひどい。
離婚をしないどころか、離婚を考えることすらしない夫が
大いに疑問というか、バカなのかとさえ思えた。
家庭のことを一切してこなかった退職夫のなれの果てだ。

後半は、主人公が反省し改心していくモードになるが、
妻は相変わらずひどい。
こういう妻のキャラをつくった著者の内館さんの執念のような
ものさえ感じた。
言葉遣いが適切で非常に読みやすく、
さくさくと展開するので、短時間で読み終えた。

結婚って何だったのか、何のために働いてきたのか。
そんなことを考えさせられる人も少ないだろう作品。
自分のためだったと思えれば何も問題のない話だが。

                        ◆

今日の夕方、岩見沢市内のスーパーの駐車場でのこと。

私の背後で、男性同士のこのような会話が聞こえてきた。
「おお、どうも」
「あれ?メガネ変えたのかい?」
「ああ、そうだ」
「ずいぶん、いいのしてるね」
「ハズキルーペだ」
「ハズキルーペかい」

こんな会話を聞いてしまったら見ないわけにはいかない。
60歳くらいの方だった。
ハズキルーペをしているだけでオーラが発生していた。
世の中の文字は小さすぎて見えな~い!!など
完全にぶちぎれた末に購入したのだろうか。

メガネだけでこれだけパワーがあるのは、
1985年頃の吉川晃司の
スキーゴーグルから
レンズだけをはずしたようなサングラス以来だ。

ところで、ハズキルーペは小さな文字を読んだり、
パソコン向けではなく、タウンユースでもいけるのか。
よくわからないが、渡辺謙さんばりに言ってみたい。
「すごいぜ」
 

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